突然ねこになった俺

にーにゃ

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俺は好奇心に勝てず、
アンバーから声を掛けられるまで周りを探索し始めた。



「ワウウォンウォン
(おーい、ベルン
もうそろそろ戻ってこい
俺は腹が減ったんだ、早く済ませよーぜ
それにもうすぐ完全に月になっちまう)」 



俺は探索するのに夢中になりすぎて、
ここが何処でなぜここにいるのかをすっかり忘れてしまっていた。



「すまんすまん、アンバー
すっかり夢中になってしまっていた、
だからそんな顔するなって」



俺は呆れ顔のアンバーに謝りながらでかい切り株の上に乗り、
真ん中辺りにいるアンバーに近づいた。



「それでどうすればいいんだ?」


「アウーウォンウォン
(はあー、まあいい
それよりその召喚石をそこの窪みに置いてくれ)」


「ああ、こうか?」



俺はアンバーが手で示した方を見た。

そこには小さな窪みがあり、
このでかい切り株のほぼ中心辺りあった。

俺はそこに手に持っていた召喚石を置いた。



「ワウウォン
(それでいい
ベルン、魔力を回復しておいてくれ)」


「ああ、わかった」



俺はすぐに魔法鞄ベグフィニの中からSランクの魔力回復薬を2本ほど飲み、
魔力を全回復した。



「うぷっ、これでいいか?」


「ウォンウォン
(召喚石に魔力を流す準備をしておけ
太陽から完全に月に変わったら合図をする)」


「・・ああ、わかった」


この召喚石は条件があるのか
だが召喚するのに条件がある召喚石は今まで聞いたことがないな
だからあの冒険者達はこいつを召喚出来なかったのか?


俺は召喚石に手をかざしながら上を見上げた。

まだ完全に月に変わっておらず、
少しだけ太陽が見え隠れしていた。


あと少しか・・・
何故か緊張している
召喚は一度アンバーで経験しているのにな
この場所がそうさせるのだろうか
・・月か、、そうだなこの名でいいか


俺は月から目を離し、召喚石を見つめた。
心なしか召喚石も月の光でキラキラと光輝いていた。



「アウウォン
(ベルン、
召喚術を唱えた際に最後にこいつの名前を呼べ、必ずだ)」



アンバーがじっと月を見つめながら俺に言ってきた。



「ああ、わかった」


「・・ワウ"ッワウ"
(・・今だ!全力で魔力を注げ!)」


『我が名はベルン=シュタイン
我が名の元に召喚する、そなたの名はリュンヌ』



俺はアンバーの合図で即座に召喚石に魔力を注ぎながら召喚術を唱えた。



「・・・くっ、」


魔力が持っていかれる!!
俺が召喚石に魔力を注いでいるというより、
召喚石に魔力を吸いとられているという感覚だっ
太陽神の加護のおかげで魔力が桁違いにあるとはいえ、
この勢いだとすべて持っていかれてしまいそうだ!



「・・・くっ、うっ」


ダメだ、もうすぐ魔力が切れる!



・・・・・



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