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しおりを挟む確かにキスだけで気持ち良かった
これ程気持ちが昂ったのは初めてだ
それにしても召喚石で人族を召喚してしまうとは
今まで聞いた事がないな
「アンバー、
1つ聞きたいことがあるんだが」
「ワウ(おう、なんだ?)」
「召喚石で人族を召喚した例はあったか?」
「アウーウォン
(あー、
さすがに召喚石で人族の召喚は聞いたことねーな)」
「それとリュンヌは自分の名前を言おうとしていた
魔名を持っているってことか?」
「ウォンウォン
(1つじゃねーじゃねーか
ああーそれは俺も聞いたな
人族だから名を持っていてもおかしくないが
召喚によって何処かの国から召喚された可能性はあるな)」
「それは拐ったって事にならないか?
なぜ、精霊は俺に召喚させた」
「アウー
(あー少し待て聞いてみる)」
「ああ」
「ワウウォン
(あーそういうことか
ベルン、リュンヌは月の女神の加護を持っている、異世界の人族だ)」
「はあ!?」
思わずでかい声を出してしまい、
パッとリュンヌの方を見た。
リュンヌは俺の声が聞こえていないかのように静かに眠っていた。
「そうか、だから魔力が多いんだな
よく見ないと分からなかったが、
瞳に三日月形の傷があったのは月の女神の加護を持っているからか
これからどうするかだな」
「ウォンウォン
(まあ、それほど深く考えなくてもいいんじゃないか?
月の女神の加護を持っている証明は目の傷だけだろ?
それによく見ないと分からないんだったら大丈夫だろ)」
「ああ、そうだが
俺が不安なのは、リュンヌの容姿の方だ
髪の色もそうだが、体も細くて小さい
それにここら辺りじゃ見ない顔立ちをしている」
「アウーウォン
(あー確かにそうだな
黒い髪はなかなか見ねーな
まあ、俺らが気を付けていればいいじゃないか?)」
「そうだな」
「ウ"ー(なあ、腹減った)」
「ああ、そうだな
すっかり遅くなったな
簡単に食べられるものにするか」
「ワウー(何でもいいからくれー)」
俺は魔法鞄から非常食用に焼いてあった肉を5つほど取り出した。
それを4つ風魔法でアンバーのところに持っていった。
「アウ(おおー)」
ガツガツと食べ始めたアンバーを見ながら俺も肉を食べ始めた。
「冷めているがなかなか美味いな」
非常食用に作っていたハニーベアの肉の丸焼きは少し甘くて美味しかった。
ほぼ同時くらいに食べ終わった俺らは、
水魔法で出した水の塊を風魔法で浮かせて1つをアンバーの方に持っていき、
俺も水の塊を口の中に入れて喉を潤した。
「ワウー
(はあー食ったー、まだ足りねーけど)」
「朝は豪華にしよう」
「ワウ(おう、頼むぜ)」
「ああ、あとはリュンヌが起きてからだな
アンバー俺らも寝るぞ
リュンヌの隣を頼む」
「ワウ(へいへい)」
俺らはリュンヌを挟んで寝転がり、
アンバーが尾で俺とリュンヌの体を覆うのを見た後、眠った。
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