突然ねこになった俺

にーにゃ

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「そうか
いろいろ聞きたいことがあると思うがもう少し待っていてくれ」


「あ、はい
わかりました」


「それとこれで顔と手を拭くといい
飲み水も渡しておこう」


そう言うとポーチから布と木のコップ?を取り出した瞬間に浮き、
空中に水の塊が出たと思ったらコップの中に水が入り、
残った水の中に布が入っていた。


「ええーーっ」


う、浮いてる!!
それに水は何処から出したんだ!?
急に出てきたんだけど!!


「うおっ
どうした?」


「あっ、すみません
どうやって浮いてるんですか!?
水は何処から!?」


「、あはははっ
これで驚いていたのか
まあ、落ち着け
これも後で説明しよう」


「あっ、すみません
お願いします」


はずっ
でもさっきのって魔法だよな?
いやでも何も言ってなかったし、違うのか?
魔法って普通、
何か台詞を言ってから出るもんだよな?
あっ、無詠唱ってやつもあったか
じゃあそれ?
え、もしかして俺も魔法使える!?


「おーい」


「あ、」


「ほら、布と水だ」


「ありがとうございます」


ふわああ
凄いいろいろ考え込んでるところを見られた!
絶対にニヤニヤしてただろうな


そんな事を思いながら、
曖昧に男の人に笑って俺の目の前で空中に浮いている布とコップを受け取った。


コップは足に挟み、
先に絞ってくれた布で口と手を綺麗にし、
汚れていないところで顔を拭いた。


「ふー」


さっぱりしたー


汚れた布は太ももの上に置き、
足で挟んでいたコップを手に取り水を飲んだ。


「あ、美味しい」


微かに甘味があって優しい味がする


俺はちびちびと水を飲みつつ、
男の人と狼を観察することにした。


そういえば、
男の人の名前ってなんだろう
確か名乗ってなかったよな
狼の名前は、アンバーかな?
男の人がそう呼んでたし
取り敢えず先に自己紹介からだな
しかしよく食べるなー
狼も男の人も
男の人は俺の2、3倍は食べてるし
狼はその倍位食べてたよな
だから大きいのか?


俺は男の人と狼が水を飲んだり、
口や手を拭いたりしているところをボーッと見ながらそんな事を思った。


「ふー
さて、待たせたな
あ、先に片付けてもいいか?」


「あ、はい
手伝います」


俺は丸太から降りようとしたが
先に制止の声をかけられた。


「あー待て待て
大丈夫だ
すぐに終わるから」


「え、でも」


「見ていてくれ」


そう言ってにっと悪巧みを思い付いたような顔で俺の方を見た。

俺は大人しく座り直し、
男の人の行動を見守った。



「おおーーっ」


すげー


男の人は大きい水の塊を2つ出し、
使用した鍋や器を全て浮かせて1つの水の塊に入れたと思ったらグルグルと鍋や器が回り、
それをあともう一回繰り返し
水の塊から出たと思ったらほんの少しの間その場でとどまり不思議に思った瞬間に男の人がポーチの中に全て閉まっていた。









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