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説明
しおりを挟む「さて、待たせたな
何から説明するか・・・」
俺はコップは置く場所がないので手に持ったままだが、
背を伸ばし何を言われてもいいように構えた。
「んーそうだな
質問形式にしようか
だからそれほど構えないでくれ」
男の人が苦笑いで俺の方を見て言った。
俺は少し恥ずかしくなりつつも、
まず一番聞きたかったことを聞いた。
「え、っと、
それなら自己紹介からでお願いします。」
ずっと気になってたんだよなー
何て呼んだらいいか
「あっ、そうか、
まだ名乗っていなかったか、すまん
俺はベルン=シュタイン、
ベルと呼んでくれ
それとこいつは俺の相棒でアンバーだ」
「ベルン=シュタイン、
ベルさんとアンバー
よろしくお願いします」
俺は小声で名前を復唱してペコリと頭を下げた。
「おう、よろしくな」
「ワウ(よろしく)」
「それと、丁寧な言葉遣いは不要だ
ベルと呼んでくれ」
「え、でも、多分年上ですし、
初対面なので、、」
「んー、俺がそう呼んで欲しいんだ、な?」
ベルさん、ベルは首を少し傾げて請うような目で俺を見て頼んだ。
正直、美女でもない男の人が首を傾げて上目遣いで見てきても何とも思わないと思っていたが、
俺の好きな匂いを纏った男前にそれをやられて思わずキュンとしてしまい無意識に頷いていた。
「・・・」コクン
、はっ、しまった
頷いてしまった
「おー、そうか、ありがとなー
それと丁寧に話せるのは良いことだが、
それは貴族以上の前だけにしとけ
ナメられるからな」
「あ、はい、あっ、うん、わかった」
「ははっ、偉いぞリュンヌ」
「え、リュンヌって
あっ俺は、」
「あっちょっと待てっ」
ベルが俺に向かってリュンヌって言ったので、
俺は自分も自己紹介をしていなかった事を思い出し、
慌てて俺の名前を言おうとしたらベルに遮られた。
俺はまた名前を言わせてもらえなかったことに軽く落ち込んだ。
「・・・」
また名前、
そんなに俺の名前、聞きたくないのか?
「あー、すまねー
お前の魔名を聞きたくないわけじゃないんだ」
ベルは俺の側に寄り膝を地面について俺の顔を覗きこんでそう言った。
「魔名?」
ちかっ!
少し俯いていた顔をあげてみたら、
思ったより近くにベルの顔があって驚いた。
「ああ、魔名は簡単に口に出してはならない
悪用されてしまうからな」
「悪用・・・
じゃあ、リュンヌって?」
「リュンヌ、月という意味だ
お前を召喚した際につけた名だ」
「月、」
「ああ、
リュンヌという名にして正しかったな
太陽の下でも美しい黒色だが、
昨日の夜の月の下にいるリュンヌは艶かしく美しい月の女神のようだった」
ボンッっと音がしそうな程、
顔が熱くなった。
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