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しおりを挟む「ああー、なるほど
光玉に防音防視の魔法石を埋め込んだのか」
「ええ、光玉に魔力がなくなれば光らなくなるでしょ?
それと同時に防音防視の効果もなくなるようにしているの
わかりやすくていいでしょ?」
「ああ、考えたな」
「うむ、素晴らしい考えだ」
「あら、ありがとう」
ネルは照れているのか早足に中央の壇がある場所まで移動した。
「さて、ベルンちゃん、ここに魔力を流してくれるかしら」
「ああ」
俺は壇に魔力を流した。
「いいわよ
あと、タグを私にくれるかしら」
「ああ」
タグをネルに渡した。
ネルは俺のタグを専用の魔法道具の上に置いた。
「ベルンちゃん、ここに魔力を流し込んでちょうだい」
「分かった」
俺はタグが置いてある魔法道具に魔力を流した。
「さて、これで準備が整ったのだけれどリュンヌちゃん、起きないわね」
「だな」
「リュンヌにはすまないが起こすか」
腕の中で眠っているリュンヌの名前を呼び掛け、起きるように促した。
「リュンヌ、リュンヌ、起きてくれ」
「リュンヌちゃーん、起きてー」
「リュンヌ、起きろー」
ネルやダルクも起きたときのリュンヌの姿を見たいのか、中腰になって必死にリュンヌを起こそうとしている姿や覗き込んでいる姿はネルやダルクを慕っている部下たちには見せられないなと苦笑いをした。
そんな俺らの思いが通じたのか、モゾモゾと腕の中で動き始めたリュンヌを見て、もう一度声をかけた。
「リュンヌ、」
「ふにゃ(ベル?)」
「ああ、すまないが起きてくれ」
「・・・んにゃ、にゃふ
(・・・分かった、ふわあ)」
まだ寝足りないのか、腕の中でモゾモゾと動いていたが俺が起きるのを促すように撫でたら諦めたのか小さく返事をした。
そのリュンヌの姿が可愛らしくふっと笑って様子を見ていたが、突然リュンヌがビクッと跳ね、前を向いたまま固まったので、何事かと思い俺もリュンヌが向いている方へと目を向けた。
そこには、目をキラキラと輝かせながらリュンヌを凝視しているネルとダルクの姿があった。
正直に、2人のその姿は恐怖を覚えるくらいだ。
そんな2人の視線を浴びているリュンヌはさぞかし怖いだろうな
俺は内心でため息を吐いた。
「ネル、ダルク、それだとリュンヌに怖がられるぞ」
「っ!あっ、そうだな、わりー」
「そ、そうよね、ごめんなさいっ」
2人はパッとリュンヌから離れたが目だけはリュンヌから離さず、ずっと見つめ続けていた。
「リュンヌ、大丈夫だ
2人は信頼できるやつらだ」
「・・にゃ、んにゃ!?にゃー、にゃあああああ!!(・・そっか、えっ!?あー、えええええええ!!)」
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