突然ねこになった俺

にーにゃ

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「えー、じゃあ目立つってことだよな
髪の毛、切ってもいいか?」


「ワウウォンウォン
(いいが、すぐに伸びてくるぞ?
それに、各人族達の間では慣わしがあったはずだ
ベルンが戻ってきてからにしてはどうだ?)」


「そっかー
じゃあ、そうする」


髪を切っても直ぐに伸びてくるって具体的にどのくらいの早さなんだろう?
でもまあ、勝手にしない方がいいか
こっちの常識とかまだ分からないし、色々ややこしくなっても困るもんな


「ワフウォンウォン
(どうする、リュンヌ
腹が減ったと言っていたが、辺りを少し散策するか?
リュンヌが食べられる果実があるかもしれない)」


「うん、そうする
見たことない木だらけだから散策したいなって思ってたし」


「ワフワウ
(それなら、行くぞ
乗れ)」


「うん、ありがと
あっ、本はどうしたらいいんだ?」


「ワウワウ
(ああ、そうだったな
直ぐに戻る)」


「分かった、ありがとう、本貸してくれて」


「ワウ(ああ)」


アンバーは軽く俺に返事を返してから、本を持って何処かに行ってしまった。

俺はアンバーが帰ってくる前に少しでも木の方に近づくために歩くことにした。

辺りはもう大分暗くなってきていた。


「暗くても月明かりで結構明るいし、精霊樹の切り株もなんとなく光ってる気がする
、すげー綺麗」

俺は日中と違った景色を見ながら歩いていたら、あともう少しで切り株の端に着くって時に

ガサガサガサ

突然、草を掻き分ける音がしてパッと音がした方を向いた。

俺は思わず息を潜め、その場に立ち止まった。

ガサガサと草を掻き分けて出てきたのは男の人で、月明かりで見えたのは赤い髪の毛だった。

えっ、誰
ここって精霊が導かないと入れないって言ってたから、多分悪い人ではないと思うけど
アンバー、早く帰ってきてー!


「ん?リュン?」


赤い髪の男の人は俺を見つけると、ベルにつけられた名前を呼んだ。

ビクッ

俺は驚いて少し体が跳び跳ねた。


えっ、何で俺の名前を知ってるんだ?


俺が固まっている間に、赤い髪の男の人が近づいてきた。

俺はパニックになり、近づいてくる男の人を凝視することしか出来なかった。


「リュンヌ?どうしたんだ?
なぜ、後ろに下がる?」


「えっ?」


どうやら俺は無意識に後退りをしていたらしい

その間にもどんどん近づいてきて、ようやく木々の影で隠れていた顔がはっきりと見えた。


「ベル?」


俺は思わずぼそりと呟いた。


「ああ、遅くなってしまってすまない」


俺の呟きを拾ったのか、ベルらしき人物が答えた。


ベルだよな?
顔も声も一緒だし
でも、髪の色と目の色が違うから雰囲気が全然違う


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