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しおりを挟む「はあー、魔力を抑えろ」
ベルは苦笑いをしながら、2人にそう言った。
「あー、すまねー」
「ごめんなさい、興奮しすぎてつい」
2人はベルに言われてすぐに気づき、魔力を抑えた。
「それから、驚くのも無理はないが俺の話を最後まで聞いてくれ」
「あ、ああ、努力する」
「わ、わかったわ」
ネルとダルクはベルの言葉に興奮を抑えきれていないが、了承の返事をした。
「それで、リュンヌが精霊界で召喚し、人族だったことは聞いていたな」
ネルとダルクは首を縦に振った。
「その時のリュンヌのステータスなんだが、光魔法以外の魔法を使え、膨大な量の魔力も持っていたことがわかっている」
「そうか、だから光魔法以外の魔力反応があったんだな」
「だけど、雷魔法以外の属性は少しの反応しかなかったわ
ステータスにも雷魔法以外の属性の記載はされなかったわよ」
「ああ、そのことについてだがリュンヌがこの姿になったことがなったことが原因なのではないかと思うのだが」
「そうね、」
「なあ、リュンヌはいつその姿になったんだ?」
「精霊界から出てすぐぐらいだな」
「リュンヌちゃんはその時の事を覚えていないかしら?」
「リュンヌ、何か体に違和感などあったか?」
「にーにゃあにゃあ
(んー、あの時は体が急にだるくなって、何かが抜けていく感じがして、そこからは眠くて起きてられなかったかな)」
「体が急にだるくて、何かが抜けていく感じ、か」
「それって、魔力のことかしら?」
「その言い方だとそうなるな」
「だが、断定できない」
「「ええ(ああ)」」
3人とも眉間にしわを寄せて考え込んでいた時だった
ふっと、ベルがネルとダルクに質問をした。
「ネル、ダルク、月の女神の加護について詳しく知っているか?」
「えっ?いいえ、それほど詳しく知らないわ」
「俺もだ」
「そうか、」
「もしかしたら月の女神の加護が原因とかなのかしら?」
「だが加護はいいことだらけって聞いたぜ?」
「・・まあ、そうだな」
「そうね、
一番早いのは初代月の女神の加護を持っていた者がいる国を訪れることがいいかもしれないけれど・・・」
「あー、あの国か」
「それは、」
ベルは何か言いかけて止めた。
俺は不思議に思いベルの顔を見たが、いつもどうりの顔をしていて何の感情も読み取れなかった。
「で、でも、あの国に行くにしても準備が必要だわ!」
「ああ、そうだな!
それにリュンヌもこの国に来たところだ
焦らなくていいだろ」
ベルの様子にネルとダルクは話をそらした。
「そうだな
リュンヌに戦い方を教えることが先か」
ベルは俺の方を見て微笑んだ。
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