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しおりを挟むきゅる~
「にゃっ(あっ)」
俺のお腹あああ!
このタイミングで鳴らなくてもよくない!?
「はははっ、」
「くくっ、なんだ?
今のはリュンヌの腹の音か?」
「ふふっ、可愛らしいわね♪」
どうやら俺の腹の音は皆に聞こえたらしい
いたたまれなさすぎてすぐにでも逃げ出したかったが、今だに体に力が入らないので、せめてもの抵抗と顔をベルの体に押し付けて隠した。
「くくくっ、顔を隠しているのか?」
「恥ずかしかったのね、本当に可愛いわ~」
「昼を食べていないからな、それでだろう
すまないな、リュン」
そう言って、ベルは優しく撫でてくれた。
「取り敢えず、これでお開きにするか
リュンヌも休ませないとだろ」
「ああ、そうだな」
「月の女神の加護については秘密裏に調べておくわ」
「俺もそれとなく調べてみるぜ」
「頼む」
ベルは2人に軽く頭を下げた。
「ああ、任せとけ!」
「ほかでもないベルンちゃんの頼みだもの
全力を尽くすわね!」
「ありがとう」
「ほら、リュンヌも腹が減っていることだ
契約を結んでくれ」
「そうね」
「分かった
リュン、少し肩の上にいてくれるか?」
ベルは俺を肩に乗るように促した。
「にゃ(分かった)」
自力では肩に登る力がなかったので、ベルに抱き上げてもらい、モゾモゾと体を動かしてベルの肩に跨がるかたちで落ち着いた。
「では始めるぞ」
「「ええ(ああ)」」
ベルは両手をネルとダルクに向けて、ネルとダルクも片手をベルの手に合わせた。
少しの間、無言でそうしているとパッとベルたちの手が離れた。
「ネル、ダルク、手を」
「ああ、ありがとよ」
「ありがとう、ベルンちゃん」
ベルは先程手を合わせていた2人の手を両手でかざした。
「もういいぞ」
「おう」
「ありがとう」
さっきから気になっていたが、いったいベルたちは何をしていたんだろう?
邪魔したら悪いと思って黙っていたけど、もういいかな?
「にゃにゃあ
(なあベル、さっきから何をしていたんだ?)」
「ん?ああ、今までの話の内容を他言無用に話さないように2人に名に誓ってもらっていた」
「にゃにゃあ
(そうなんだ
それって手を合わせるだけでいいのか?)」
「いや、手のひらを少し切り、互いの血を合わせ、そこに互いの魔力を流し込むことで契約することが出来る
その時に、契約者が契約する内容を魔力に乗せることが必要だ」
「にゃっ(えっ、切ったの?)」
俺は少し驚いて、ベルの手を覗き込もうとした。
「大丈夫だ
もう治している」
そう言って、両手の平を俺に見せた。
「にゃ(あ、ほんとだ)」
じゃあ2人も・・
俺がネルとダルクの方を向いたら、2人は手のひらを俺に見せて傷が治っていることを証明した。
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