突然ねこになった俺

にーにゃ

文字の大きさ
61 / 123

しおりを挟む





きゅる~


「にゃっ(あっ)」


俺のお腹あああ!
このタイミングで鳴らなくてもよくない!?


「はははっ、」


「くくっ、なんだ?
今のはリュンヌの腹の音か?」


「ふふっ、可愛らしいわね♪」


どうやら俺の腹の音は皆に聞こえたらしい

いたたまれなさすぎてすぐにでも逃げ出したかったが、今だに体に力が入らないので、せめてもの抵抗と顔をベルの体に押し付けて隠した。


「くくくっ、顔を隠しているのか?」


「恥ずかしかったのね、本当に可愛いわ~」


「昼を食べていないからな、それでだろう
すまないな、リュン」


そう言って、ベルは優しく撫でてくれた。


「取り敢えず、これでお開きにするか
リュンヌも休ませないとだろ」


「ああ、そうだな」


「月の女神の加護については秘密裏に調べておくわ」


「俺もそれとなく調べてみるぜ」


「頼む」


ベルは2人に軽く頭を下げた。


「ああ、任せとけ!」


「ほかでもないベルンちゃんの頼みだもの
全力を尽くすわね!」


「ありがとう」


「ほら、リュンヌも腹が減っていることだ
契約を結んでくれ」


「そうね」


「分かった
リュン、少し肩の上にいてくれるか?」


ベルは俺を肩に乗るように促した。


「にゃ(分かった)」


自力では肩に登る力がなかったので、ベルに抱き上げてもらい、モゾモゾと体を動かしてベルの肩に跨がるかたちで落ち着いた。


「では始めるぞ」


「「ええ(ああ)」」


ベルは両手をネルとダルクに向けて、ネルとダルクも片手をベルの手に合わせた。

少しの間、無言でそうしているとパッとベルたちの手が離れた。


「ネル、ダルク、手を」


「ああ、ありがとよ」


「ありがとう、ベルンちゃん」


ベルは先程手を合わせていた2人の手を両手でかざした。


「もういいぞ」


「おう」


「ありがとう」


さっきから気になっていたが、いったいベルたちは何をしていたんだろう?
邪魔したら悪いと思って黙っていたけど、もういいかな?


「にゃにゃあ
(なあベル、さっきから何をしていたんだ?)」


「ん?ああ、今までの話の内容を他言無用に話さないように2人に名に誓ってもらっていた」


「にゃにゃあ
(そうなんだ
それって手を合わせるだけでいいのか?)」


「いや、手のひらを少し切り、互いの血を合わせ、そこに互いの魔力を流し込むことで契約することが出来る
その時に、契約者が契約する内容を魔力に乗せることが必要だ」


「にゃっ(えっ、切ったの?)」


俺は少し驚いて、ベルの手を覗き込もうとした。


「大丈夫だ
もう治している」


そう言って、両手の平を俺に見せた。


「にゃ(あ、ほんとだ)」


じゃあ2人も・・


俺がネルとダルクの方を向いたら、2人は手のひらを俺に見せて傷が治っていることを証明した。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

処理中です...