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しおりを挟むあまりにも突然で目を見張ったが、
「ったく、あんたはいい加減にしな!」
エリダーナが布を肩にかけ、仁王立ちでダーグに怒っていた。
・・・布で叩いたのか
「ごめんよ、ベルンさん、リュンヌちゃん
ダーグの事は気にしなくていいからね
いつもの事なの」
「、そうか
では、俺らはこれで」
「ええ、気を付けてね」
ベルは苦笑いをし、最後にダーグの頭をひと撫でしてから、宿を出た。
宿を出るとき、ダーグが何かを叫んでいたけど気にしないことにした。
「にゃああ(うわああ)」
すげーカラフル!
可愛い!
確かヨーロッパ辺りに似たような建物があったような気がする
見た感じ、一軒家はなさそう
団地?って感じだな
人も疎らだけど竜人族や獣人族や普通の人が入り交じっていて、改めて異世界だあって思った。
「ははっ、可愛いな」
「にゃ!(ベ、ベル!)」
少し恥ずかしくて、たしたしとベルの肩を叩いた。
「はははっ何か気になるものでもあったか?」
俺の行動がおかしかったのだろう、笑いながら聞いてきた。
そんなベルにまた、たしたしと肩を叩いて話そうとしたら、
「ワウ(ベル)」
「なんだ、アンバー?
・・ああ、そうだな」
アンバーがベルに話しかけたと思ったら、ベルは周りをチラッと見て眉間にしわを寄せたと思ったら、歩くスピードを速めた。
「にゃ?(ベル?アンバー?)」
どうしたんだろ?
誰かいたのかな?
周りを見てみると、視線を感じた。
「リュン、あまり見るな
質問は後で聞くが、先に冒険者ギルドに行こう」
「にゃ(わかった)」
確かにこの視線の中にずっといる気力はない
俺は視線から逃れるように、ベルの髪に隠れた。
ベルの髪が長くてよかった
あんまり隠れてないけど、気持ち的には楽になったかな
視線を感じてからは周りを見る勇気がなく、ベルの首筋に顔を寄せて冒険者ギルドに着くまでじっとしていた。
「ここが冒険者ギルドだが、今まで以上に注目を浴びることになるだろう
もう少し我慢してくれ」
ベルは俺の頭を撫でながらそう言った。
「にゃ(わかった)」
これ以上にかあ
辛い・・・
俺の返事を聞くと冒険者ギルドの中に入った。
ガヤガヤ
ザワザワ
結構な人数がいているのだろう、話し声や色んな匂いが混じっていて少しどんな場所なのか気になって顔を上げた。
「にゃー(うわーすげー)」
思わず声をあげてしまった。
外観をチラッと見ていたから、結構デカい建物なのは分かっていたけど、想像していたよりもデカくて驚いた。
キョロキョロと辺りを見ていると、周りの人達が俺を見て話しているのが視界に入った。
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