突然ねこになった俺

にーにゃ

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「ソロでアンバーもいると目立つらしい
ここに来た時は好戦的な者が多くてな」


「ウォンウォン
(あれは楽しかったな
まあ、どいつも弱かったが)」


「ははっそうだな
それに、ソロで銀色級なのも珍しいんだろう
銀色級になった途端に好戦的な者がいなくなったが、遠巻きに見てくるものや勧誘が多くなった」


「ウォン
(まあ、それだけじゃねーと思うけどな)」


「それはアンバーがやり過ぎるからだろう」


「ワウ(まあな)」


「にゃにゃあ
(そんなことがあったんだ
なんか想像できる)」


だから嫉妬の声や視線が多かったのか
まったく敵わなくて悔しかったんだな


「にゃう
(なんで誰とも組まなかったんだ?)」


「俺が1人の方が楽なのもあるが、もうすでに相棒のアンバーがいるから他の者と組もうとも思わなかった」


「ウォンウォン
(当然俺もベルン以外と一緒にいるとか無理だな
例えベルンが誰かと組むと言ってきても、拒否していたぜ)」


「にゃ(そっか)」


俺はいいの?

言葉に出さずに、出せなくて、心のなかで呟いた。


「それに今ではリュンも増えたからな
今までよりいっそう組まないかという誘いが絶えないかもしれない」


「ワウウォン
(だろうな
リュンヌに何かする前にさっさと鍛えねえといけねーだろうな)」


「ああ
まあ、手出しはさせないが」


「ワウ(だな)」


なんか、俺、結構大事にされてるかも
さっき考えてたことが馬鹿らしくなった


「にゃ(ありがとう)」


どう表現したらいいか分からないけど、感謝の気持ちを伝えた。


「仲間を守ることは当然だ」


「ワフウォン
(ああ
その代わり、厳しく鍛えるからな)」


「にゃ(うん、頑張るよ)」


アンバーの言葉に苦笑いをしながら答えた。


「さて、そろそろ西の門の前に着くぞ」


「にゃー(これが、西の門)」


そういえば、ベルとアンバーの話に夢中で辺りを全然見てなかったけど、俺らが泊まっている宿がある場所と随分雰囲気が違う

道の両サイドは門まで高い壁に覆われていて、壁の向こう側は一切見えない

何があるんだろう

辺りをキョロキョロ見ていると


「ここは貴族街になる
壁の向こう側はすべて貴族の家だ」


「にゃ(貴族の家)」


「ああ
北門と西門の間と南門と西門の間が貴族の街になっている
この壁の向こう側に入るには許可が必要だから、貴族や王族以外の者が行くことはめったにない」


「にゃ(そうなんだ)」


残念
どんな建物なのかとか見たかったな


「リュン、後ろを見てみろ」


「にゃ?(後ろ?)」


ベルの言葉に従い、振り返った。


「にゃあ!(うわあ!城だ!)」


西洋風の城が見えた。

城壁が高くて、多分半分くらいしか見えてないけど




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