突然ねこになった俺

にーにゃ

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「にゃう?(食べていい?)」


「ああ」 


「にゃっ(いただきますっ)」


「いただきます」


俺に続きベルも挨拶をした。

まず、俺は水を飲み、口を潤してから肉にかぶり付いた。

今だったらこのデカい肉の丸焼きをペロリと食べられそう!


「にゃー!(美味しい!)」


これって、俺がこっちの世界に来て初めて食べた肉だ!
うまっ

お腹が空いているからか魔力を消費しているからか、無我夢中で食べた。


「にゃふっにゃー
(ケプッ、ふーお腹いっぱい)」


食べたー!
もう、入らない

ぽっこりと膨れているお腹を擦りながら、ベルを見た。


「うむ、少し食べる量が増えたな
残りを貰おう」


「にゃ(ありがとう)」


「ああ、少し横になっているといい」


俺のぽっこりお腹を見て微笑み、そう言った。


「にゃ、にゃっ
(うん、ごちそうさまっ)」


俺は言われた通りに寝転がり、ベルを見た。

ベルって食べ方が綺麗なんだよなあ
冒険者っていったら、ワイルドなイメージだったから食べ方とか気にしないと思ってたけど・・・
そういえば、食べ方以外もどこか品があるような気がする
他の人達をじっくり見たことないから、わからないけど

そんな事を考え、ぼーっとしていたら


「ごちそうさまでした」


いつの間にかベルが食べ終わっていた。

片付けを手伝おうにも、ベルが風魔法で食器等を浮かし水の中で洗っているのを見ているだけで終わってしまった。


やっぱり、魔法って便利だよなあ
それに見ているだけでも面白いし


「にゃ(ありがとう、ベル)」


「ああ」


「ウォン
(リュンヌ、もう少し休んだら再開するぞ)」


「にゃ(わかった)」


アンバーの言葉にしっかりと頷いた。


「リュン、おいで」


ベルは膝の上をポンポンと叩きながら、俺に来るように促した。


「にゃ(うん)」


椅子を片付けるのかな?と思いながら、ベルの膝の上へぴょんと飛んで移動した。

だけどベルは椅子を片付ける様子もなく、ただ俺を撫でるだけで


「もう、魔力の使い方には慣れたか?」


「にゃっにゃあ
(うんっ
アンバーの攻撃を避けながら魔法を放てるようになった)」


「そうか、凄いな」


「にゃう(まあ、まだ全然だけどな)」


「そんな事はないぞ?
今日だけでそこまでいくとは思っていなかったからな
予想以上で驚いている」


「にゃふ!
(じゃあ成功だな!)」


ニマニマしながらベルを見た。


「何がだ?」


そんな俺に微笑んで聞いてきた。


「にゃあにゃあ、にゃ?
(実は精霊界でベルがいない時に、アンバーと一緒に魔法の練習してたんだ
その時は水魔法だったけど、結構上手く出来て、後でベルを驚かせる作戦だったんだよね
驚いた?)」




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