突然ねこになった俺

にーにゃ

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「ふにゃあ(うはあー、もう無理だー)」


トゥリーランプを倒した後、その場に座り込んだ。


「ワウ(リュンヌ、)」


アンバーが咎めるように少し厳しい声で俺の名前を呼んだ。

そりゃ、敵がいる中で座り込むのは良くないんだろうけどさ
今だけは許してほしい


「にゃう(アンバー、もう動けない)」


「ワフ(ったく)」


俺の言葉に仕方がないと言うようにため息をつき、俺の首根っこを咥えた。


この体勢って案外楽だなあ


手足をブラブラさせながら、チラッとアンバーの横でフワフワと飛んでいる核を見た。

結構倒したんじゃないか?
最初の方は数えてる余裕なんかなかったからわからないけど、絶対に20体は超えてるね!

核を見ながらニヤニヤしていると


「アンバー、リュン」


いつの間にか、ベルの近くまで来ていた。


「にゃっ(ベルっ)」


「ああ、リュン」


ベルはアンバーから俺を受け取って、腕に抱いた。


「にゃー(疲れたー)」


あー、久々のベルって感じがする
いい匂い
癒されるー

スリスリと顔を寄せ、ほうと息をついていると


「リュン、頑張ったな
怪我はないか?」


「にゃ!(ない!)」


「そうか
それは良かった」


ベルは俺の返事に微笑み、よしよしと俺を撫でた。


「ウォンウォン
(初めは多少手伝ったが、こいつはほぼリュンヌだけで倒したものだ
それにもう、トゥリーランプ相手ならリュンヌだけで十分いけるぞ)」


「そうか
凄いな、リュン」


「にゃ(頑張った)」


アンバーとベルの言葉に照れながら言った。


「ウォン
(ベル、俺は狩りに行ってくる)」


「ああ、わかった」


アンバーはベルが核を風魔法で受け取ったのを確認した後、すぐに何処かに駆けていった。


「さて、俺らはもう少し休憩するか」


「にゃ(うん)」


ベルがくれたマールックを数回齧った後、トゥリーランプが近くに来るまでベルとまったりと話をして過ごした。



ベルと一緒にトゥリーランプを倒して、だいぶ辺りが暗くなってきた頃にアンバーが帰ってきた。


「ワウ(帰った)」


「アンバー、ありがとう」


「にゃー(おかえりー)」


アンバーは後ろから風魔法で浮かせている魔物をベルに渡した。

俺はアンバーで見えなかった魔物がいきなり目の前に現れて驚き、思わず声を出した。


「うにゃあ!(うわああ!)」


ビックリしたあ!
まさかこんなにでかくて、それに何体もいるとは思わないじゃん!


「ワフ(くくっ、ビビりすぎだ)」


「にゃっ
(だってこんなでかくて数いるとか想像してなかったっ)」


「まあ、リュンは初めて見るものばかりだからな
驚くのも無理はない
俺もアンバーもよく食べるから、このくらいは普通だと思ってくれ」








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