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しおりを挟む「あれはブラックラッターという魔物だ
毛先から素材になるブラックペッパーを粉末にしたものを放ってくるのだが、それが目や鼻に入ると涙やくしゃみが止まらなくなり、戦闘に集中できなくなるから気を付けるように」
「・・・にゃ(・・・わかった)」
多分ベルが風魔法でブラックペッパーを避けてくれてるんだと思う
周りをよく見ると微かに粉っぽいものが飛んでるような気がする
っていうかブラックペッパーって完全に胡椒じゃん
黄緑色のねずみから胡椒がとれるってすげー違和感しかないんだけど
「それとブラックラッターは集団で行動する魔物だ
ああやって1体だけ姿を見せて油断させている」
「にゃ(なるほど)」
狩り・・・みたいだ
「集団で行動する魔物には近距離攻撃はあまり向かない
ランプの魔物は草原に生息しているから近距離でも遠距離でも何処に魔物がいたとしても逃げ道はいくらでもあるが、ここは木々で視野や行動範囲も狭くなる
逃げ道も限られており、囲まれると例えブラックラッターより強くても危険な状況になることは分かるか?」
「にゃ(うん)」
ベルの話に慎重に頷いた。
囲まれて集団で襲ってきたら例え強くてもヤバいってことは俺でも分かる
でもどうやって戦うんだ?
「囲まれないようにするには常に気配を探らないといけないのだが、油断する時もあるだろう
それに魔物の方が気配を隠すのが上手い時もある
もし魔物に囲まれた時は、囲まれている状況から抜け出すことを優先に考えることだ
そのためには周囲の状況とその場にいる自分の位置を常に頭に入れておく必要がある」
「にゃ(なるほど)」
「だから今この状況から抜け出すには、魔物に攻撃される前に周囲の魔物を魔法で攻撃し、素早くその内の1体の魔物だけを絞って攻撃もしくは怯まし抜け道をつくることだ」
「にゃ(わかった)」
「ではしっかりと掴まっていてくれ」
「にゃ(うん)」
ベルに言われた通りにぎゅっと肩にしがみついた。
「行くぞ!」
それを合図にベルは風魔法で俺らの周りを囲っていたブラックラッターを風で吹き飛ばし、その内の1体に一気に詰めより剣で攻撃をして囲まれている状況から抜け出した。
「うむ、だいたいこんな感じだ
リュンの場合はまずは複数の魔物を同時に攻撃出来る魔法を覚えないといけないな」
「にゃっ(うんっ)」
さっきのベルの魔法みたいに雷魔法でも出来たら結構便利だよな
広範囲で攻撃出来るし
「さて、ブラックラッターの攻撃を風魔法で防ぐから、ブラックラッターに広範囲の攻撃をしてみろ
一点に魔力を集中するのではなく、周囲に魔力を放つ感じだな」
「にゃ!(わかった!)」
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