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しおりを挟むそのあと変な空気になったことにベルが俺に謝ってくれたが、アンバーはまだ気持ちが収まっていないのか俺らを森の入り口まで送り届けたあと狩りに行ってくると言い、森の中を駆けていってしまった。
ベルはそんなアンバーを仕方がないと送り出したが、俺は何をしたらこんなにベルとアンバーを怒らせるのか疑問に思った。
「アンバーと俺がなぜ怒っているか疑問に思っただろうな」
「にゃ(うん)」
「ずっとここに留まっていると危険だから歩きながら話そう」
ベルの肩の上にいる俺を撫でながら言った。
森の入り口付近って言っても、少し入っただけでどっちが草原か森のほうか分からないくらい草木が繁っていた。
「俺らが4年程前に帝国に来たことは聞いたな?」
「にゃ
(うん、ネルとダルクが言ってた)」
「ああ、そうだ
それと、初めの頃は冒険者に絡まれたと言っていたのを覚えているか?」
「にゃ・・・に(うん ・・・あ)」
まさか、その人達?
「ああ、リュンが思っていることは当たっている
そいつらはプライドが高かったらしくてな
まさか俺1人とアンバーに負けるとは思ってもいなかったのだろう
大勢の前で俺らに傷を一つもつけられずに負けたことがよほど屈辱的で癪に障ったらしい
その後は会う度に悪質な嫌がらせを受けていたんだが、その都度やり返すか無視を決め込んでいると、何処から手に入れたのかアンバーに隷属の首輪をはめようとしたことがあったんだ
これには俺もアンバーもキレてな
そいつらを死ぬ寸前まで追い詰めている時にネルとウェンティに止められたが、今でも怒りを忘れられないほどの事をそいつらがしたんだ
だからアンバーは、そいつらの話をしたり会ったりするとこうして怒りを発散している」
「・・・にゃ(・・・そうだったんだ)」
「それほど隷属の首輪は禁忌な存在だということだ」
隷属の首輪か・・・
アンバーが今でも怒るってことは相当なモノなんだよなあ
でも、実感がなあ
「にゃう?
(ベル、話しに出てきたウェンティって誰?)」
「ああ、ウェンティはネルとダルク以外の親しい冒険者だ
ウェンティも精霊と契約していて、出会ったのも先程話した話に出た時に親しくなった」
「にゃっにゃう?
(そうなんだっ
どんな精霊なんだ?)」
「ん?
んーそうだな、ウェンティもすぐに出会うことになるだろうからその時まで話さないでおこう」
ベルがニヤッとした顔で言った。
「にゃーっ(えーっ)」
「ははっ、それより魔物が来たぞ」
「にゃっ(ほんとだっ)」
ネズミ?見たいな見た目の魔物がひょこっと目の前に姿を見せていた。
まあ、俺が知っているネズミより遥かにデカいけど
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