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しおりを挟む俺はベルの肩から飛び降りて、さっきまでいた場所に戻った。
やっぱり草が邪魔で周りが見えにくいけど、ブラックラッターの鳴き声が周囲から聞こえてくるので、周りにいることはわかった。
周囲に魔力を放つか・・・
さっきのベルの風魔法のように雷魔法でも同じようなことが出来たらいいんだけど
あ、地面を伝うってのはいけるかな?
、あーでもあれって濡れてなかったら駄目だったっけ?
んー、取り敢えずベルがやってたのを想像して出来なかったら、また違うのを考えよう
さっきの風魔法はこう、ぶわってなってたからそれを想像して
「んにゃっ(うぉりゃっ)」
「うむ、少しだが周囲に雷魔法がいったな
もう少し、具体的に想像するといい」
「にゃー(具体的かあ)」
「んー、そうだな
例えば輪っかを周囲に広げるように想像するのはどうだろう?」
「にゃあ(なるほど、輪っかかあ)」
んー、出来るかな?
ベルの言うとおりに俺を囲むように輪っかが出来るのを想像した。
よし、出来た!
これを放つ!
すると、バチバチッという音と共にブラックラッターだろう鳴き声が聞こえた。
「にゃう?(倒したのか?)」
「んッ、凄いな
すぐに成功するとは」
ベルが俺の方に近づきながら言った。
「にゃっ!?
(えっ、本当に!?)」
「ああ
結構な広範囲だったから周囲にいたブラックラッターはみな死んでいるだろう」
「にゃ!(やった!)」
嬉しくてぴょんぴょん跳ねた。
ほとんど見えないからあんまり倒したっていう実感が湧かないけど、めっちゃ嬉しい!
「ははっ、可愛いな
だがリュン、魔力はほとんど残っていないだろう?」
「にゃ(あ、そう言えば)」
ちょっとダルいかも
「うむ、次からは魔物の気配を探りながら先程の雷魔法を使うといい
今よりは魔力を抑えられるだろう」
「にゃ(わかった)」
俺の返事を聞くとマールックをくれた。
それからは俺が広範囲の雷魔法の魔力制御とその魔法に慣れるまでブラックラッターにわざと囲まれてひたすら雷魔法の練習をした。
他にもブラックラッター以外の魔物と戦ったりして、門が閉まる時間ぐらいにやっとアンバーが倒した魔物を引き連れて帰って来た。
「アンバー、またずいぶんと狩ったな」
「ワウ(うるせー)」
「にゃー(アンバー、おかえりー)」
「ワフ(ああ)」
アンバーに簡単に挨拶をし、俺らは宿に帰った。
ご飯を食べ終えて、部屋に帰ると早速今日のステータスの確認をベルに頼んだ。
「それほどすぐにはレベルは上がらないぞ?」
「にゃっ(いいからっ)」
ベルは苦笑いして俺を膝の上に乗せた。
ステータス
名 リュンヌ
種族 精霊
Lv.12
MP 56/60
skill 《雷魔法 Lv.2》
仮契約主 ベルン=シュタイン
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