突然ねこになった俺

にーにゃ

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暫くして、トントンと扉を叩く音がして開いた。


「到着致しました。」


「ああ、ありがとう」


御者にそう言って、先に俺らが降り、ベルはダルクをエスコートした。

周りを見てみると森の入り口付近でペポクティは停まっていて、草原の方はランプの魔物がちらほらと見えた。


「では、8つの鐘が鳴る前に迎えにあがります」


「ああ、ご苦労」


御者はそう言った後帰っていった。


「はあー
ずっと黙ってるっていうのもキツいぜ」


御者が去った後すぐにダルクは息を吐いた。


「ダルク、話すのはいいが、姿勢は気にしてくれ」


「ああ、そうだな」


ふうーと気を取り直して姿勢を正した。


「ピュイ?(今から何処に行くんだ?)」


「森の奥に綺麗な泉があるんだが、そこに行こうと思っている」


「ネルもそのつもりで俺らをここに寄越したんだろうな」


「ああ、そうだな」


「ピー(そうなんだ)」


泉かあ
どんな所なんだろ


「そういえば気になっていたんだが、リュンヌは今、火の精霊の姿の特徴をしているが、使える魔法は雷魔法のままなのか?」


「ピッ(あっ、確かに!)」


そうだよ!
そういえば、ステータスの確認とかしなかったな
驚きの方が大きかったし、思い付きもしなかった


「うむ、それはそうだな
森に入る前に確認をしておくか」


そう言ってベルは俺のステータスを確認した。



ステータス

名  リュンヌ 

種族    精霊

Lv.14

MP    53/70

skill   《火魔法 Lv.1》

仮契約主 ベルン=シュタイン



「ピー(あ、火魔法になってる)」


えー、でも火魔法のレベルが1からになってる


「ああ、そうだな
だが、本当に不思議だ
姿も変われば使える魔法も変わってしまうとは」


「火魔法になっていたのか?」


周りを見ていたダルクが俺らに寄ってきて、聞いてきた。


「ああ、雷魔法は消えていた」


「!!
そんな事があるのか!?
本当に不思議だな
どうなっているんだ?」


ダルクは俺をじっと見つめた。


「ピッピッ
(そんな事、俺に言われてもわからないからっ)」


だから顔を寄せてこないでって!
前以上に化粧をしているから迫力が凄い


「落ち着け」


ベルがダルクから1歩退いて言葉をかけた。


「ああ、すまない
つい、興奮しちまった」


「ピッピー
(ほんとだよっ
それより早く飛ぶ練習したい)」


「ああ、そうだな
早く行こう」


「おう」


俺らは森の奥に入っていった。


「ピュイ?(ここの魔物って結構強い?)」


「ああ、強いな
ここはBクラスまでのランクの魔物が出る」


「ピ!?ピー!?
(Bランクの魔物!?
それって大丈夫なのか!?)」


「まあ、ダルクもいるから大丈夫だろう
危ないと判断したら、アンバーも呼ぼう」


「ああ、俺もそれなりに強いんだぜ!
アンバーを呼ぶまでもねえよ」


ダルクがどや顔で言ってきた。



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