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しおりを挟む「何度も言っているが、何処にも入るつもりはない」
ベルが冷たい声でそう言った。
「そこを頼む!
もし、大量の魔物に囲まれたらお前達では不利だろう
俺らのところに入れば、囲まれたとしても対処できるぞ!」
「はあー
それも何度も言っているが、俺たちで対処できる
それに囲まれるような事になることはない」
ベルが呆れながら大男に言った。
「がははっ
仕方がない!
今日のところはこれで帰るが、諦めるつもりはないぞ!」
そう言って大男は鋭い視線でこちらを見て去っていったが、大男の仲間達は俺らを睨みながらぶつぶつと文句を言いながら大男についていった。
「はあー
リュン、大丈夫か?」
「にゃー(うん、凄い集団だったな)」
「ああ、出会うといつもこのような感じだ」
「ウォン
(あいつらはしつこいがまだ文句を言うくらいで留まっているだけマシだな)」
「ああ、そうだな」
「にゃあ
(でも、今にも何かをしそうな雰囲気でもあったけど)」
「それはリュンを見たからだろう」
「ウォン
(なるべく早くリュンヌのレベルを上げておかないとヤバいかもな)」
「ああ、そうした方がいいだろうな」
「にゃ(そっかあ)」
そのあとは、予定通りにベルが行く武器屋に寄ってもらい、色々な武器を見たり、露店や気になる所に寄ってもらったりと町をブラブラと周り、堪能した。
最後に混む前に冒険者ギルドに寄って、明日の依頼を取りに行った。
「にゃー(今日は楽しかった、ありがとう)」
「これくらいお安いご用だ
むしろ、先に町を巡ればよかったな
すまない、配慮が足りなかった」
「にゃにゃあ
(ううん、それは大丈夫
外の景色も見たかったし、レベルを上げるのも楽しかったから)」
「そうか、それならよかった
最後に俺が気に入っている店にご飯を食べに行こう
アンバーも気に入っている店だ
リュンもきっと気に入るだろう」
「にゃ(うん、楽しみ)」
「ワウ(おっ、あそこに行くのか)」
アンバーもベルの言葉を聞いて、テンションが上がったらしく、尻尾をワサワサと嬉しそうに振っていた。
アンバーが先頭をきって着いた店はずいぶんと可愛らしい店だった。
中もシンプルだけど可愛い装飾でいっぱいで、よくこの店に入れたなあと少し感心した。
何も注文せずに出てきた料理が出汁がきいた料理で、今まで食べてきた料理も美味しかったけど、それを遥かに越える美味しさで、アンバーのテンションが上がるがわかった。
「どうだ?」
「にゃっ(最高っ)」
「ははっそうか
気に入ったみたいでよかった」
「にゃ!(うん!)」
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