突然ねこになった俺

にーにゃ

文字の大きさ
110 / 123

しおりを挟む





「何度も言っているが、何処にも入るつもりはない」


ベルが冷たい声でそう言った。


「そこを頼む!
もし、大量の魔物に囲まれたらお前達では不利だろう
俺らのところに入れば、囲まれたとしても対処できるぞ!」


「はあー
それも何度も言っているが、俺たちで対処できる
それに囲まれるような事になることはない」


ベルが呆れながら大男に言った。


「がははっ
仕方がない!
今日のところはこれで帰るが、諦めるつもりはないぞ!」


そう言って大男は鋭い視線でこちらを見て去っていったが、大男の仲間達は俺らを睨みながらぶつぶつと文句を言いながら大男についていった。


「はあー
リュン、大丈夫か?」


「にゃー(うん、凄い集団だったな)」


「ああ、出会うといつもこのような感じだ」


「ウォン
(あいつらはしつこいがまだ文句を言うくらいで留まっているだけマシだな)」


「ああ、そうだな」


「にゃあ
(でも、今にも何かをしそうな雰囲気でもあったけど)」


「それはリュンを見たからだろう」


「ウォン
(なるべく早くリュンヌのレベルを上げておかないとヤバいかもな)」


「ああ、そうした方がいいだろうな」


「にゃ(そっかあ)」


そのあとは、予定通りにベルが行く武器屋に寄ってもらい、色々な武器を見たり、露店や気になる所に寄ってもらったりと町をブラブラと周り、堪能した。

最後に混む前に冒険者ギルドに寄って、明日の依頼を取りに行った。


「にゃー(今日は楽しかった、ありがとう)」


「これくらいお安いご用だ
むしろ、先に町を巡ればよかったな
すまない、配慮が足りなかった」


「にゃにゃあ
(ううん、それは大丈夫
外の景色も見たかったし、レベルを上げるのも楽しかったから)」


「そうか、それならよかった
最後に俺が気に入っている店にご飯を食べに行こう
アンバーも気に入っている店だ
リュンもきっと気に入るだろう」


「にゃ(うん、楽しみ)」


「ワウ(おっ、あそこに行くのか)」


アンバーもベルの言葉を聞いて、テンションが上がったらしく、尻尾をワサワサと嬉しそうに振っていた。

アンバーが先頭をきって着いた店はずいぶんと可愛らしい店だった。

中もシンプルだけど可愛い装飾でいっぱいで、よくこの店に入れたなあと少し感心した。

何も注文せずに出てきた料理が出汁がきいた料理で、今まで食べてきた料理も美味しかったけど、それを遥かに越える美味しさで、アンバーのテンションが上がるがわかった。


「どうだ?」


「にゃっ(最高っ)」


「ははっそうか
気に入ったみたいでよかった」


「にゃ!(うん!)」




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

僕はただの妖精だから執着しないで

ふわりんしず。
BL
BLゲームの世界に迷い込んだ桜 役割は…ストーリーにもあまり出てこないただの妖精。主人公、攻略対象者の恋をこっそり応援するはずが…気付いたら皆に執着されてました。 お願いそっとしてて下さい。 ♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎ 多分短編予定

冷血宰相の秘密は、ただひとりの少年だけが知っている

春夜夢
BL
「――誰にも言うな。これは、お前だけが知っていればいい」 王国最年少で宰相に就任した男、ゼフィルス=ル=レイグラン。 冷血無慈悲、感情を持たない政の化け物として恐れられる彼は、 なぜか、貧民街の少年リクを城へと引き取る。 誰に対しても一切の温情を見せないその男が、 唯一リクにだけは、優しく微笑む―― その裏に隠された、王政を揺るがす“とある秘密”とは。 孤児の少年が踏み入れたのは、 権謀術数渦巻く宰相の世界と、 その胸に秘められた「決して触れてはならない過去」。 これは、孤独なふたりが出会い、 やがて世界を変えていく、 静かで、甘くて、痛いほど愛しい恋の物語。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

処理中です...