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第4章
今井(豊田)響子
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今井響子は父親が大好きだった。警察官として忙しい父であったが、そんな中でも時間を見つけて遊んでくれた。大学の頃に付き合っていた5つ上の彼氏と結婚した。大学を中退することとなったが、父は結婚を喜び、また、彼氏もそこそこの企業に勤めていて自立していたこともあり、特にお咎めもなかった。結婚して豊田響子となった。
結婚して2年後には子供が出来た。その時も父はえらく喜んでいた。夫も優しく、順風満帆に過ごしていた。
今はオートロック式のマンションに住んでいたが、子供がもう少し大きくなったら一軒家を新築する予定を立てていた。
近くのスーパーで買い出しをして、帰路に着いた時に、見慣れない男性とすれ違った。マンションから出てきたので、住人と思い響子は会釈をした。
その男も軽く会釈をしてきたが、黒い帽子を被っていて、表情までは見えなかった。
マンションの玄関にオートロック式の鍵があり、更に各部屋のドアにオートロック式の鍵がかかっていた。暗号を打てるタイプであったが、いつもセンサーキーで開けていた。
部屋に帰ると荷物を冷蔵庫へ入れ、昼ごはんを作って子供に食べさせ、子供にお昼寝をさせた。
一息つこうと椅子に座ったが、寝室のドアが少し空いている事に気が付いた。
「あれ?」寝室はいつも朝起きて、夫が起きた後に毎日ドアを閉めている。
「今日は閉め忘れたのかな?」「でも買い物に行く前も閉まっていた記憶がある。」
響子は寝室のドアを恐る恐る開け、誰もいない事を確認する。クローゼットやいくつか引き出を開けてみた。異常なし。自分の下着が入っている引き出しを開けた。
「んっ?」僅かだが下着の位置が少し違う様な気がしたが、これも良く分からなかった。
「引き出しを開けた際にズレたのかな?」
響子はレースの黒いTバックの位置をずらそうとした時、変な温かさを感じた。気持ちが悪かった。
その晩、夫にその話をしてみたが、二重にオートロック式の鍵があり、侵入するのは難しいし、取られた物もないようなので、気のせいだろうと言われた。響子も納得した。しかし、マンション入り口ですれ違った男のことが脳裏をよぎる。夫にはその話はしなかった。
響子は夫を見送って、それから近くの保育園に子供を預けた。自身は銀行と郵便局に行き、買い物も済ませて帰ってきた。
やっと洗濯と掃除が落ち着いた頃インターフォンが鳴った。
響子はカメラを確認したがマンション入り口に人はいなかった。
念のため部屋の前のドアから外を覗いたが、やはり誰もいなかった。
その時、寝室からガタガタと音がした。響子は背筋が凍った。明らかに音がした。
「誰も居ないはずなのに。」
響子は怖かったが寝室の扉を開けた。誰も居ないが、響子の下着が入った引き出しが開いていた。
「えっ?」引き出しに駆け寄った瞬間、寝室のドアが閉まる音がした。振り返ると昨日入り口ですれ違った男性が立っていた。男性は響子の黒いレースのTバックを手に持ち、仕切りに自分の頬に擦り付けていた。
「奥さん、この下着バッチリ、合格です。」「では始めましょう。」
響子は恐怖で体が震えていた。声も出せなかった。響子はあっという間に手足を縛られ、口に響子の黒い下着を押し込まれた。服を脱がされ、身体中を舐め回された。響子は唯のレイプ魔ではなく、きっと殺されると悟った。
男はポーチからナイフと錐のような物も取り出した。
「大丈夫ですよ、奥さん。」「直ぐに済みますから。」
男は薄ら笑いを浮かべて響子に覆いかぶさった。
丁度その頃、二日酔いの頭を何とか直立させ、今井は響子の家に走っていた。嫌な予感がした。
「響子、電話にも出ない。」
やっとのおもいで響子のマンションにつき、管理人に事情を説明し、部屋の前まで来た。部屋は開いていたため、直ぐに中に入れた。
「響子、居るか?」
「うぐっ・・。」響子の声が寝室から聞こえる。
今井は直ぐに寝室に飛び込んだ。響子はグッタリとしていた、胸からは大量の出血が見られた。そこに覆いかぶさっているのは中西だった。
錐のような物を持ち、先端は血で汚れていた。それを持ちながら行為に及んでいる最中だった。
「中西、響子から離れろ!」今井は叫んだ。
「今丁度、中に出したところですよ。」「離れます。」中西が薄ら笑った。
「響子はまだ息がある、この状況を何とかしなければ。」
焦る今井を尻目に中西は言った。
「娘さんはもう助かりませんよ。」「俺もそろそろ行きますね、もう用はないので。」
その時、中西は自分の着ていたパーカーの糸が解れ、電気スタンドに引っかかっていたのに気が付き、糸を引き抜いた。それから手を振り、その場から消えた。その時は何かに驚いている様子で、薄ら笑いはなかった。
今井は固唾を飲んだが、それよりも響子に駆け寄った。
「響子!」
響子からの返事はなかった。
程なくして高橋が一課に配属となり、少しの間、一緒に中西を追ったが、急に今井は失踪した。
高橋は心の中で思った。「娘をなくす痛みは分かります。」「今井さん、後は任せて下さい。」高橋は失踪した今井を責めなかった。
何とも虚しい状況だった。高橋は2年前の事件を聞くため、再び今井さんに会おうとしていた。そうしないと事件の手がかりを掴めないし、何より今井さんが前に進めないと感じていた。
結婚して2年後には子供が出来た。その時も父はえらく喜んでいた。夫も優しく、順風満帆に過ごしていた。
今はオートロック式のマンションに住んでいたが、子供がもう少し大きくなったら一軒家を新築する予定を立てていた。
近くのスーパーで買い出しをして、帰路に着いた時に、見慣れない男性とすれ違った。マンションから出てきたので、住人と思い響子は会釈をした。
その男も軽く会釈をしてきたが、黒い帽子を被っていて、表情までは見えなかった。
マンションの玄関にオートロック式の鍵があり、更に各部屋のドアにオートロック式の鍵がかかっていた。暗号を打てるタイプであったが、いつもセンサーキーで開けていた。
部屋に帰ると荷物を冷蔵庫へ入れ、昼ごはんを作って子供に食べさせ、子供にお昼寝をさせた。
一息つこうと椅子に座ったが、寝室のドアが少し空いている事に気が付いた。
「あれ?」寝室はいつも朝起きて、夫が起きた後に毎日ドアを閉めている。
「今日は閉め忘れたのかな?」「でも買い物に行く前も閉まっていた記憶がある。」
響子は寝室のドアを恐る恐る開け、誰もいない事を確認する。クローゼットやいくつか引き出を開けてみた。異常なし。自分の下着が入っている引き出しを開けた。
「んっ?」僅かだが下着の位置が少し違う様な気がしたが、これも良く分からなかった。
「引き出しを開けた際にズレたのかな?」
響子はレースの黒いTバックの位置をずらそうとした時、変な温かさを感じた。気持ちが悪かった。
その晩、夫にその話をしてみたが、二重にオートロック式の鍵があり、侵入するのは難しいし、取られた物もないようなので、気のせいだろうと言われた。響子も納得した。しかし、マンション入り口ですれ違った男のことが脳裏をよぎる。夫にはその話はしなかった。
響子は夫を見送って、それから近くの保育園に子供を預けた。自身は銀行と郵便局に行き、買い物も済ませて帰ってきた。
やっと洗濯と掃除が落ち着いた頃インターフォンが鳴った。
響子はカメラを確認したがマンション入り口に人はいなかった。
念のため部屋の前のドアから外を覗いたが、やはり誰もいなかった。
その時、寝室からガタガタと音がした。響子は背筋が凍った。明らかに音がした。
「誰も居ないはずなのに。」
響子は怖かったが寝室の扉を開けた。誰も居ないが、響子の下着が入った引き出しが開いていた。
「えっ?」引き出しに駆け寄った瞬間、寝室のドアが閉まる音がした。振り返ると昨日入り口ですれ違った男性が立っていた。男性は響子の黒いレースのTバックを手に持ち、仕切りに自分の頬に擦り付けていた。
「奥さん、この下着バッチリ、合格です。」「では始めましょう。」
響子は恐怖で体が震えていた。声も出せなかった。響子はあっという間に手足を縛られ、口に響子の黒い下着を押し込まれた。服を脱がされ、身体中を舐め回された。響子は唯のレイプ魔ではなく、きっと殺されると悟った。
男はポーチからナイフと錐のような物も取り出した。
「大丈夫ですよ、奥さん。」「直ぐに済みますから。」
男は薄ら笑いを浮かべて響子に覆いかぶさった。
丁度その頃、二日酔いの頭を何とか直立させ、今井は響子の家に走っていた。嫌な予感がした。
「響子、電話にも出ない。」
やっとのおもいで響子のマンションにつき、管理人に事情を説明し、部屋の前まで来た。部屋は開いていたため、直ぐに中に入れた。
「響子、居るか?」
「うぐっ・・。」響子の声が寝室から聞こえる。
今井は直ぐに寝室に飛び込んだ。響子はグッタリとしていた、胸からは大量の出血が見られた。そこに覆いかぶさっているのは中西だった。
錐のような物を持ち、先端は血で汚れていた。それを持ちながら行為に及んでいる最中だった。
「中西、響子から離れろ!」今井は叫んだ。
「今丁度、中に出したところですよ。」「離れます。」中西が薄ら笑った。
「響子はまだ息がある、この状況を何とかしなければ。」
焦る今井を尻目に中西は言った。
「娘さんはもう助かりませんよ。」「俺もそろそろ行きますね、もう用はないので。」
その時、中西は自分の着ていたパーカーの糸が解れ、電気スタンドに引っかかっていたのに気が付き、糸を引き抜いた。それから手を振り、その場から消えた。その時は何かに驚いている様子で、薄ら笑いはなかった。
今井は固唾を飲んだが、それよりも響子に駆け寄った。
「響子!」
響子からの返事はなかった。
程なくして高橋が一課に配属となり、少しの間、一緒に中西を追ったが、急に今井は失踪した。
高橋は心の中で思った。「娘をなくす痛みは分かります。」「今井さん、後は任せて下さい。」高橋は失踪した今井を責めなかった。
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