4 / 10
4.
しおりを挟む契約を済ませたチャールズは、ご機嫌でお茶を飲んでいた。
もちろん、さっき作った薬が入っている。
浮気が公認されたチャールズは、夜も出かけるはずだから。
相手の女性には、しばらく性病を患ってもらいましょう。
性病っていっても軽いもので、チャールズの精液のせいで痒みが出るけれど1週間くらいで治るわ。
だけど、またチャールズに抱かれると発病する。その繰り返し。
そのうち、女性の方がチャールズに抱かれると性病になると気づいてフラれるわ。
何人の女性が犠牲者になるかしらね?
3か月後、懇意にしていた3人の女性たちからは全員手を切られたみたい。
過去の女性数人もね。
場所を変えて、違うところで女性に声をかけはじめたそうよ。
うまくいかなかった時は娼館に行っているらしいわ。
あら。娼館の女性はお仕事だから、性病になると気の毒よね。
じゃあ、薬を変えようかしら?
ゴリゴリゴリゴリゴリ………
次は、勃起しにくくなるというのはどう?
毎日じゃないわ。だけど、徐々にあれ?っていう日が増えていくの。
せっかく娼婦が頑張ってくれても女性の前で勃たなかったら?
女性に魅力がないせい?
それとも自分が疲れているせい?
遊びすぎかな?
いろいろ考えるわよね。
数日後に娼館に行けば、大丈夫だった。
やっぱり疲れてたんだと思ってホッとする。
だけど、10日後にまた勃たなかったら?
それが8日後になって、6日後になったら?
どんどん不安に思うわね。
でも、それ以外の日には勃つ。
不安に思いながらも、まだ快楽が勝つ。
徐々に不能になる間隔が短くなって、1日おきになった頃、キアラは出産した。
男の子だった。
男の子には魔女の魔力が遺伝しない。
最初に産まれた女の子に遺伝する。
キアラは次女だけど、ケイラと双子だったために魔女の魔力を受け継いだのだ。
魔女は通常、女の子を出産する。
なのに男の子だったということは、キアラが次女であるために継がせる遺伝を持って生まれなかったか、
あるいは、
キアラが無意識に、夫の血を引く子を魔女にするわけにはいけないと思ったか。
昔、妻となったある魔女が愛する夫の子供を産んだ。女の子だった。
だけど、夫は妻の血筋が魅力的で利用しただけだと後でわかった。
そんな夫の血を引く子供は、魔女の魔力を悪用しがちになると伝えらえている。
魔女の魔力を持つ者が減っていったのは、力を悪用されて捕まってしまった者もいるけれど、自らが率先して悪用する者がいたからである。
悪用しても、されても、追手から逃げ切ることは難しい。
捕らえられて処刑された者もいる。
そうして数が減っていった。
戒めのための言い伝えかもしれないけど、愛した夫が愚者であることは魔女にとっては禁忌となる。
そして、キアラは妊娠中に愛する夫の不誠実さを知った。
魔女になる女の子を産んでしまうと、力を教えなくても自力で知ってしまうこともある。
なので、言い伝えが気にかかり、キアラは女の子を産みたくないと思ってしまったのかもしれない。
女の子だった場合、媚薬や惚れ薬、性に関する魔女の秘薬を躊躇なく作ってしまいそうだから。
アレの子なのだ。大いにあり得た。
男の子であったのは、キアラにとっては幸いだった。魔女にならないのだから。
夫ではなく自分によく似ている男の子を可愛いと思えたこともよかった。
キアラがそんなことを思っているとは知らない夫も、夫の両親である侯爵夫妻も、跡継ぎとなる男の子の誕生を喜んでくれた。
353
あなたにおすすめの小説
皇后陛下は愛に生きない
下菊みこと
恋愛
愛をぐっと堪えて、まず国に尽くすだけ尽くしてみたお話。
元サヤというか、仲直りします。
ざまぁはありません。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
小説家になろう様でも投稿しています。
公爵令嬢は運命の相手を間違える
あおくん
恋愛
エリーナ公爵令嬢は、幼い頃に決められた婚約者であるアルベルト王子殿下と仲睦まじく過ごしていた。
だが、学園へ通うようになるとアルベルト王子に一人の令嬢が近づくようになる。
アルベルト王子を誑し込もうとする令嬢と、そんな令嬢を許すアルベルト王子にエリーナは自分の心が離れていくのを感じた。
だがエリーナは既に次期王妃の座が確約している状態。
今更婚約を解消することなど出来るはずもなく、そんなエリーナは女に現を抜かすアルベルト王子の代わりに帝王学を学び始める。
そんなエリーナの前に一人の男性が現れた。
そんな感じのお話です。
【完結】美しい家庭教師を女主人にはしません、私は短剣をその女に向けたわ。
BBやっこ
恋愛
私は結婚している。子供は息子と娘がいる。
夫は、軍の上層部で高級取りだ。こう羅列すると幸せの自慢のようだ。実際、恋愛結婚で情熱的に始まった結婚生活。幸せだった。もう過去形。
家では、子供たちが家庭教師から勉強を習っている。夫はその若い美しい家庭教師に心を奪われている。
私は、もうここでは無価値になっていた。
【完結】離縁など、とんでもない?じゃあこれ食べてみて。
BBやっこ
恋愛
サリー・シュチュワートは良縁にめぐまれ、結婚した。婚家でも温かく迎えられ、幸せな生活を送ると思えたが。
何のこれ?「旦那様からの指示です」「奥様からこのメニューをこなすように、と。」「大旦那様が苦言を」
何なの?文句が多すぎる!けど慣れ様としたのよ…。でも。
その結婚、承服致しかねます
チャイムン
恋愛
結婚が五か月後に迫ったアイラは、婚約者のグレイグ・ウォーラー伯爵令息から一方的に婚約解消を求められた。
理由はグレイグが「真実の愛をみつけた」から。
グレイグは彼の妹の侍女フィルとの結婚を望んでいた。
誰もがゲレイグとフィルの結婚に難色を示す。
アイラの未来は、フィルの気持ちは…
貴方の理想には沿えません~侍女イルゼの奮闘記
藍田ひびき
恋愛
フィリーネ・ノルデン子爵令嬢は、初恋相手であるアルベルト・グラーツ伯爵令息と婚約していた。だがアルベルトは「君のため」と称して彼女へ身勝手な言葉をぶつけるばかり。周囲は婚約を見直すよう進言するものの、アルベルトを慕うフィリーネは首を縦に振らない。
そんな主の苦しみを見兼ねた侍女イルゼは、フィリーネを救うべく婚約解消へ向けて動き出す――。
※ なろうにも投稿しています。
侯爵様の懺悔
宇野 肇
恋愛
女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。
そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。
侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。
その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。
おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。
――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる