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ロックス侯爵令息ジョルジュは、妻の実家から送られてきた離婚届に驚いた。
どういうことかわからなかった。
3か月前に結婚した愛する妻アイリーンは、1週間前から実家に帰っている。
僕は1泊したら帰ってくるものだと思っていた。
だが2日経っても帰って来ず、迎えに行っても会わせてもらえなかった。
それどころか、アイリーンの父親である侯爵も、兄のクラークも執事でさえも冷ややかだった。
『合わせられない。帰ってくれ』
そんな言葉で毎日誰かに追い返されていた。その上、この離婚届だ。
やはり、アノコトが原因なのだろうか。それしか思い当たることがない。
話し合う余地もないくらい、嫌だったのだろうか。
だが、それで離婚?まだ結婚して3か月なのに?
僕はアイリーンのためなら、どんな努力もする。
だから、これからの伸びしろに期待してくれないだろうか。
そんなことを考えながら離婚届を握りしめて、アイリーンのいるマレック侯爵家へと向かった。
「いい加減にしてくれないか?離婚届を送っただろう?それが答えだ。」
「待ってください、義兄上。理由を知りたいのです。
結婚してまだ3か月です。
あの日、実家に用があると泊まりに行く前までは何も言っていませんでした。
いきなり離婚だと言われても、納得できないのです。」
「はぁー。外に出ろ。馬車の中で説明してやる。」
ジョルジュが乗ってきた馬車に2人で乗り込み、適当に走らせてもらいながら話を聞いた。
「心当たりが全くないと?」
「……こんな、話し合いの余地もなく離婚されるような心当たりはありません。」
「お前はアイリーンに結婚を申し込んだ時、誓ったことを覚えているか?」
「誓ったこと……愛人を持たないし一晩の遊びもしないと言ったことですか?」
アイリーンは前の婚約者がいろんな女性と関係を持っており、婚約破棄に至った。
なので、自分以外の女性に触れるような男とは結婚したくないと言っていたのだ。
そして僕は、絶対に愛人を持つことしないし、誰に誘われても一晩の遊び相手にもならないと誓った。
「そうだ。その誓いをお前は破ったのだろう?」
「え?いえいえ、破っていません。」
「……まさかお前、娼婦は一晩の遊び相手の対象外と言いたいのか?」
「いえ、もちろん娼婦も含め…て……ああっ!まさか、娼館に行ったことを知って?」
「……行ったことを認めるんだな。ならば、誓いを破ったから離婚だ。」
「ち、違います。違うんです。確かに娼館に行きましたけど、話を聞いてください。」
「聞いても仕方がないだろう。見苦しい言い訳は聞きたくない。離婚届にサインをして送ってこい。」
「待ってください。僕は娼婦を抱いていません。見てただけです。」
「はぁ?見てただけ?どんな言い訳だよ。ばからしい。誰が信じるんだよ。」
「本当なんです。説明しますから、聞いてください。」
ジョルジュは娼館で何をしていたのか、アイリーンの兄クラークに話すことにした。
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