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しおりを挟む翌日は休日だったので、デートすることになった。
昼間の観劇のチケットがあるので、それに行こうということに。
都合よくチケットがあるんだなぁ。もしかして誰かのチケット?と私が疑ったのを感じたのか、クラウド殿下に貰ったと教えてくれた。
ヴィッテとのお付き合いが上手く行けばお互いを知るためのデート、断られたら階段落下の貸しを返して貰う口実にお互いを知るためのデート。
ん?どっちでもお互いを知るためのデートなのでは?
まぁ、いっか。
私が疑ったのは、ディート様が誰かとデートするために用意したチケットだと思ったのだ。
婚約者がいないディート様は、候補の令嬢とデートしているのかなぁ?ってね。
正直にそう打ち明けると、ディート様は困った顔をされた。
「実は令嬢とデートしたことがない。」
あらびっくり。
「私もないので楽しみです。」
嬉しくなって笑い合ったけど、ディート様は上手くエスコートできないかもしれないと言った。
そんなの気にしない。一緒に慣れていければ嬉しいと言うと、ホッとしたみたい。
お母様のエスコートは経験あるって言うから、結局ソツなくこなしそう。
迎えに行くというのを今回はお断りして劇場前で待ち合わせることにした。
お付き合いの段階で迎えに来てもらったら、家族がパニックになりそうで。
とりあえず、今日の夜に報告はするけれど、ね?
ディート様が私のことをヴィッテと呼びたいと言ったので、もちろん了承した。
呼び捨てって仲が良くなる気がするって。
私が呼び捨てるのは今はまだ無理だけど……関係が進むまで待ってほしい。
「公爵令息とお付き合い?!」
「はい。あのバンズ家のときにクラウド殿下と一緒に動いてくれていた方です。」
「なんでそんなことに……」
仕方がないので、自分の告白が発端だったということから説明した。
「それがキッカケで調査が早まったのは間違いないから実害も少なくて済んだのはいいが……」
なんでそんな大物を引っ掛けてしまったのかと言うような顔をされた。
それは私も不思議だからわからないわ?
「ひとまずはお付き合いなので。明日、初デートです。」
「……一応確認するが、婚約を見据えての付き合いか?」
「そうですね?ディート様はご両親にも伯爵令嬢でもよいと許可も頂いていると。」
父は頭を抱えてしまった。
そうよね。私もなんで?って思うんだけど、今は嬉しい気持ちが大きくて。
正直言って、まだ現実が見えていないのかもしれない。
でもね、まだ何の努力もしてないの。
この先がどうなるかはわからない。
だけど、ディート様に相応しくなれるように頑張りたいじゃない?
伯爵令嬢の時点で難色を示されていたら、諦めていたかもしれない。
無謀な告白をしたのは自分だけれど、先の見えない無謀な努力はつらいから。
でも、許可が出てるなら、自分を磨いていく努力はできる。
ディート様がそばにいてくれるなら………わかってる。浮かれすぎてるわ。でも嬉しいの。
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