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3.
魔術師長に、魔力が込められる空魔石をいくつか用意してもらった。
空魔石とは、魔力を持ったものが自分の属性魔力を魔石に移すことができる透明な魔石である。
属性によって、赤(火)・青(水)・黄(土)・緑(風)・白(治癒)に色が変わる。
日常生活のあらゆるところで使用されていて欠かせないものだ。
部屋の中には国王、クレア、魔術師長の3人だけしかいない。
何の祝福かわからないので念のためだ。
魔術師長には、クレアが女神様からの祝福を授かったことを言った。
国が乱れているから役立てるように授かったことも。
今後もいろいろと協力してもらう必要がある。
「クレア王女様からいつもと違う魔力を感じますね。
授かった魔力が体にある状態なのでしょう。魔石に移すとなくなると思いますが。」
「だよなぁ。よく見ないとわからないが。クレア、この魔石に魔力を移せるか?」
クレアの小さな手に魔石を乗せてみた。
クレアはチラッと私を見てから魔力を移し始めた。…が、魔石が割れた。
慌ててクレアの手から魔石を取り上げた。
「クレア、怪我してないか?傷は?」
「大丈夫です。…割れちゃいました。」
「…魔石では納まらないのかもしれませんね。水晶にしてみましょうか。」
魔術師長は、念のために持ってきていた水晶を取り出して手に乗せようとしたが、魔石よりも大きくて重いので手に乗せるのを躊躇した。片手では無理だろう。
「それを手に乗せるのはクレアが可哀想だな。机の上に置いた水晶にクレアが触れればいい。」
「はい。」
クレアが両手で水晶に触れて魔力を移し始めた。
少しして、ピカッと光ったのを見てクレアの手を離させた。
「クレア、体におかしなところはないか?」
「大丈夫です。割れませんでしたね。水晶はどうなったの?」
魔術師長が確認すると、水晶の中は銀色にキラキラしている。
触れてみると、緑に変わった。
「属性か?」
空魔石に属性魔力を込めた時と同じ色だった。
次に青に変わり、2属性持ちの魔術師長の属性と同じだった。
国王もクレアも試してみた。自分の属性の色に変わった。
「今更な判定装置な気がするが…」
「そうですね?他にも使い方があるのでしょうか?」
「お父様、もう一つ水晶に移していいですか?まだ授かった魔力があるの。」
「そうだな。やってみてくれ。」
クレアが水晶に魔力を移していく。また光り、同じものができた。
なんとなく並べて置いてみた。
すると、共鳴するように点滅してさっきと水晶の中のキラキラの色が違う。金色だ。
「変わったな。」
一つに国王が触れてみた。キラキラがゆっくりと回り、しばらくして治まった。
「わからん。」
国王は水晶から手を離し、考えた。
もう一つの水晶も魔術師長が触れてみたが同じだった。
「一緒に触れたらどうなる?」
国王と魔術師長はそれぞれ水晶に触れた。すると、中が黒く渦巻いて元に戻った。
「今のは何だ?」
「何でしょう?クレア王女様、こちらの水晶に陛下と一緒に触れてみてください。」
国王とクレアがそれぞれ水晶に触れた。今度は、金のキラキラが集まって渦巻いて元に戻った。
「……クレアと魔術師長が一緒に触れてみろ。」
結果は、黒く渦巻いて元に戻った。
「何人か試さないとわからないが…親子判定とか?」
「…かもしれませんね。」
「お父様……女神様はケツエン?って言っていました。国が乱れてるから役立てなさいって。」
「ケツエン?血縁だな。やっぱり親子判定か?よく思い出したな。」
そう言ってクレアの頭を撫でてやった。
「国が乱れてる。…親子ではない子が増えた?どういうことだ?」
「お父様、まだ授かった魔力があるのはどうすればいいの?」
「ああ、全部水晶に移してみよう。」
魔術師長に同じ水晶を持ってこさせた。クレアが魔力を移せたのは全部で12あった。
つまり6対である。
一人ひとり確かめるわけにはいかないぞ?どうすればいい?
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