逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。

しゃーりん

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質屋の店長のお陰で、金が底をつくことなく割と遠くまで行くことができた。
 
だが、それがどうしてローレンスだったとジェイドは断言できるんだ?


「質屋って高額なもの以外、身分証明は必要ないですよね?ローレンスが売ったとわかったのは身分証明があったからですか?」

 
量はあったけど高額な物は売ってないから偽名で通したはずなのに。


「いや、身分証明は確認していないらしい。だが、気持ち悪いくらいにひょろひょろとした背の高い男だなんていかにもローレンスらしい体形だ。あんな棒のような男、そんなにいないからな。」

 
いや、いるだろうよ。貧民街に行けば。
まぁ、確かに貧民街にいるような男にしては服装がまともだったから貴族に見えたんだろうな。
夜会服も出したし。サイズを見れば盗んだものとは思えなかっただろうし。


「僕、棒のようには見えないと思いますが。」


ローレンスは自分の体を見ながら言った。今は筋肉があるだろう?別人のようだろう?


「あれから3年半以上経っている。食生活がまともになれば体形も変わるだろう。」


以前は食生活がまともじゃなかったって言っているようなもんだな。
貴族だったときよりも平民の方がいい食生活ってことだ。

 
「話が逸れましたが、夫人の子供が侯爵家の子供ではないとしても、誰も何も言わないのであれば問題ないのではないですか?」

「馬鹿な!これは乗っ取りなんだぞ?見逃していいはずはないんだ。」


ジェイドって思った以上に熱い男なんだな。知らなかった。

確かに乗っ取りは重犯罪だけど。


「疑っている者は増えている。夫人が、ローレンスの義理の弟と仲睦まじいからな。」

「子供はその弟の子だと?」

「怪しいだろう?同じ屋敷に住んでいるんだ。可能性は高い。」


失踪って、何年で死人扱いだったっけ?

それを待って結婚するつもりなんだよな、あの2人。

さすがに離婚届は偽装しなかったか。バレたら罪になるもんな。 


「俺はローレンスに会ったことを王都で話すつもりだ。ローレンスは生きているとね。
失踪の原因は妻と弟の不貞。侯爵家の乗っ取り。虐待。
そう噂を流せば、奴らはローレンスの死亡届を出せない。」


ジェイド、すごいな。当たってるじゃないか。


「失踪って何年で死亡届出せるのですか?」

「5年だ。あと1年ちょっとで可能になる。それを止める。」
 

5年だったのか。もう少しだったんだな。


「でもそれって、ローレンスを連れてこいって話になりませんか?」

「なるだろうな。だから、記憶喪失でもお前を連れて行きたい。」

「お断りします。巻き込まれたくありません。それに、子供のことは証明のしようがないじゃないですか。」

 
記憶喪失のことを知れば、都合のいいように話をつくられるに決まっている。

ということは、王都に行くことになれば記憶が戻ったことにした方がいいのか?
 
 
「証明はできる。ある国で血の繋がりが判定できるものが開発されたんだ。」


え……マジで?
 

 
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