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しおりを挟むメロディーナと夫人たちが姿を消したテラスの方へ向かった。
ジェイドや友人たちもついてくる。
少し面白がられている気がしないでもないが、何か問題が起これば頼もしい味方であることは間違いない。
そしてメロディーナを連れ出した夫人方が彼女の同級生だということが、まずわかった。
「貧乏で、根暗で、ぼっちで、賢くもない、たかが元子爵令嬢が侯爵夫人?フンッ!笑わせないで。」
「ヘレナ様、子爵家は没落したのだから、元平民よ?侯爵様はご存知なのかしらね?」
「黙っていたに違いないわ。侯爵様は戻って来られることになった時に彼女の扱いに困ったはずよ。捨てようとしたのに縋り付かれて仕方なく侯爵夫人にしたに違いないわ。でも時期に離婚して血筋に問題のない貴族令嬢を娶ることになるはずだわ。それまでの関係ね。」
何を勝手なことを!
思わず乗り込もうとしたが、ジェイドに止められた。なぜだ?
「まだ早い。女の戦いだ。いつも君が守れるわけではない。ある程度は夫人が対処すべきだ。」
それはわかっているが……彼女たちはどこの誰の妻なんだ?後で抗議してやる!
そう思っていると、メロディーナの声がした。
「……いきなり人に声をかけてきてここまで連れてきておいて、そんな話?
助言なら有難く頂戴するところだけど、罵声を浴びせるなんて失礼だわ。
それに、あなた方はどこのどなた?先ほど夫とご挨拶した方々じゃないわよね。この夜会で私と同年代の夫人の中で対等に話せる方はいなかったはずだけど?」
そうだ。
メロディーナは侯爵夫人であって、次期侯爵夫人ではない。
次期公爵夫人や次期侯爵夫人の中には同年代もいるが、爵位を継いでいるローレンスの妻であるメロディーナは彼女たちよりも身分が上になる。
次期とはあくまでも継ぐ予定であると見做されているだけだ。
爵位を継ぐまで、格が2つくらい下の伯爵や子爵位を名乗る場合も多い。
つまり、侯爵を名乗るローレンスの方が上になるのだ。
しかも、メロディーナを連れ出した夫人方はどう見ても伯爵位かそれより下で、メロディーナを面と向かって罵っていい立場ではないのだ。
おそらく、夫人方は令嬢時代、伯爵令嬢か子爵令嬢だったのだろう。
立場が逆転しても、学生時代のようにメロディーナを罵れると勘違いしている愚か者なのだ。
メロディーナは夫人方が誰かわかっていても、知らないフリをしていそうだ。
相手の神経を逆なでするメロディーナ。うん。かっこいいな。
立場をわかっていない夫人方は、それでもメロディーナに食って掛かっていた。
「頭の悪いアンタは忘れてしまったのね。あんなに可愛がってあげたのに。」
「そうそう。離縁されたらうちで雇ってあげましょうか?メイドとしてまた可愛がってあげるわ。」
「……頭が悪いのはあなた方では?私、侯爵夫人ですよ?お忘れですか?」
「誰も認めないわよ。没落した元子爵令嬢が侯爵夫人?有り得ないわ。」
「……その発言、王族への不敬ですよ?」
「何よそれ!意味がわからないわ。」
本気か?貴族として知っているべきことなのだが。
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