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この子が弟の子かどうかは確定ではないが、子供の魔力の様子も確認したいので来てほしい。
そう言われると一緒に行くしかない。
馬車に乗って、着いたところは大きな大きな屋敷だった。
侯爵家?そうですか。はぁー。
リオルを抱いて屋敷に入ると、一瞬だけ驚いた執事さんと使用人に私たちが泊まる部屋と必要な物を指示していた。
そして、話が聞きたいと応接間に連れて行かれた。
「まだ名乗っていなかったな。私はアルフ・クレール。クレール侯爵家の長男だ。」
「シャイニーと申します。この子はリオル。」
「この子、リオルが弟の子かもしれないと思った理由は二つ。髪色と魔力だ。」
「実は、ザックはこげ茶色の髪色でした。
でも、リオルが白銀髪で産まれて……髪色も騙されていたのだろうと思いました。」
「そのザックという男は、自分のことをどういう風に言ってたんだ?」
「魔法騎士団の書記官だから危険な仕事ではないと。23歳で、明るく優しい人でした。
貴族ではないかと聞いたら、貴族なら結婚させられてる、と。
なので、平民だと思っていました。
付き合って半年でプロポーズされました。翌日に婚姻届を出そうと。
でも、急遽仕事が入ったと手紙があって。
手紙と一緒に婚姻届と貴族の離籍届が入っていました。
意味がわからなかったけど、やっぱり貴族だったのかと思いました。
でも、平民になって私と結婚するつもりだという風に理解していました。
いつもなら長くても一週間で帰って来るのにいつまで待ってもザックは来ませんでした。
なので、魔法騎士団に確認に行きました。
すると、ザックという書記官はいないと。
騙されたのだろうと言われました。
腹が立って忘れてやろうと思っていたら、妊娠がわかって。
ひと月前にリオルを産みました。」
ザックのことだけでなくその後の自分のことまで話してしまったけど、まぁいいか。
「うん。時期も合うんだ。
弟は書記官ではなく部隊の副隊長として働いていた。
魔力が多くてね、あちこちに呼ばれていたよ。
しかし、10か月前、仕留めたと思っていた魔獣が最後、自爆のような攻撃をしてね。
ものすごい魔力を弟が一人引き受けて死んだ。
そこにいた騎士や後方部隊たち50人を守ってね。」
「……もし、弟さんがザックだったなら、私は騙されて捨てられたわけじゃない?」
「そういうことだな。白銀髪はクレール家に多く出る。
あと、魔力の放出は親か親族なら比較的簡単に行える。
私ができたことも弟の子である証明の一つになると思う。」
頭の中がグチャグチャになっていた時、リオルが泣いた。母乳が欲しいのだろう。
「すいません。母乳をあげたいのですが。」
「わかった。部屋に案内させる。食事も届けるからゆっくり食べてくれ。」
「ありがとうございます。」
リオルと二人きりになって考えたかった。
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