愛人がいる夫との政略結婚の行く末は?

しゃーりん

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愛人に騙され、セピアに怒られたリースハルトは息子に跡継ぎの座を奪われる可能性があることが現実味を帯びているということを実感し、廃嫡されないように父から任されている仕事以外にも積極的に関わりを持ち始めた。

そこで、本当にようやく、侯爵家の悲惨な財政状況と子爵家からの多額の援助の有難さ、来年度からは領地復興に基づき、子爵家の援助金が激減するために、まだまだ以前のような生活には戻れないことを知った。

当たり前だ。侯爵家がいつまでも子爵家に頼って暮らすなんて笑いの種だ。
ここからは自力で盛り立てていかなければならないのだから。

しかし、領地復興の費用にこの約2年もの生活費は莫大な金額である。

セピアの子供にしか侯爵家を継ぐ権利を与えないというのも当然だ。 
万が一、愛人の子供を継がせると言った時点で、リースハルトは放逐されたことだろう。

愛人を囲うなんて、リースハルトの立場では許されないことだった。
ミランダの時に気づくべきだったんだ。


だけど………私の性欲はどうすればいいのだ?


娼館も禁止されてしまっては辛い。みんな、どうしているのだろう。

……そうか。妻がいるんだ。普通は政略結婚でも妻と閨を共にする。

しかし、私は初夜に愚かなことを言ってしまったので、セピアには拒否されてしまった。

ん?愛する人がいなくなった今となっては、あの言葉は無効か?


妻であるセピア。純潔の女性を抱いたのは彼女が初めてだった。

当然慣れてはいなかったけれど、自分が初めての男だと思うと夢中になったのは覚えている。

しかも、政略結婚でも愛情が芽生えることを期待して嫁いできてくれたんだ。

今からでも間に合う?


……セピアを閨事に誘ってみるか?





「え?閨を?……子供に興味もないのにもう一人欲しいのですか?」

「きょ、興味がないわけでは……ジョナスはまだ話せないしどうしたらいいかわからないくて。
 もう一人は君が欲しいなら、喜んで協力するし。」

「ああ、つまり性欲処理がしたいと言うわけですね。娼館も禁止にしたから。」

「うっ……でもそれだけじゃなくて。夫婦として歩み寄るべきだと思うんだ。」

「歩み寄りを初夜で拒否したのは、あなたなのですけど?」

「あぁ……申し訳なかった。あの言葉を取り消したい。」

「身勝手ね。……でも、そうね。もう不貞をしないと誓うのであれば許しますが?」

「誓う、っ誓う。正直、もうこりごりだ。セピア一筋になる。」


一筋。いつまで持つかしら。まぁ、でも予定通りね。


「わかったわ。あなたを信じることにする。裏切らないでね?」

「ありがとう。じゃあ、今晩夫婦の寝室で待ってるよ。」

「ええ。」


愛人と娼館を禁止にしたことで、リースハルトが公に抱けるのは妻しかいない。
そのことにいつか気づいて声をかけてくるに違いないと思っていた。


その夜から夫婦としてやり直し始めた二人は毎晩のように閨を共にするようになると、自然に距離も縮まり、とくにリースハルトはセピアに夢中になった。

やはり、リースハルトの性欲は愛に直結するということ。

妻を愛すれば、愛人はつくらなくなるだろう。

しかし、このリースハルトという男は愛する人がいても別の女性も抱ける男だということはわかっているので、誘惑されて不貞をしたら貴族籍から抜いて放逐すると脅しておいた。



 

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