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しおりを挟むサンルームに残された2人のところに両親がやってきたので4人でお茶を飲むことにした。
「エドガーはやっぱりやらかしたな。」
「ええ。彼は婚約してから品行方正になればいいと考えていたようですね。
前に聞いた父上の話では、婚約中に浮気をしたことでつらい結果になりましたから。」
お父様の話って何だろう?と思っていたら、改めて教えてくれた。
「……浮気がバレても政略結婚だから結婚式を中止するわけにはいかなかった。
ここまではレンに話した内容だ。ここからは、少し隠した続きを話そう。」
令息に浮気をされた令嬢は、ひどく落ち込んでいた。結婚式は2か月後だった。
従兄は、仕返しをすればいい。協力すると言った。
昔から優しくしてくれた従兄の自分に対する劣情を初めて感じた令嬢は従兄が怖くなった。
だから、令嬢は拒否した。
令嬢は裏切った令息をそれでも愛していた。
令息は後悔している。だから、新たな気持ちで結婚後の人生を歩んでいくことにする、と。
そんな令嬢を従兄は無理やり襲った。令嬢は純潔を失った。
その後、断れば令息に言うと脅されて結婚式までに従兄に何度も凌辱された。
愛する令嬢を結婚させたくなかった従兄は、令嬢が純潔ではないことを令息に言った。
だが、令息は自分が悪いと受け入れて、そのまま結婚した。
まさか、生まれた子供が従兄の子だとは想像もしていなかった。
令息と令嬢は子供と3人でやり直す決心をしていたのだから。
それでも、その子供を2人で育てようと令息は言った。
しかし、両親が拒否して離婚させられた。
そして、従兄が自分の子供を産んだ令嬢と結婚するために妻と離婚しようとした。
従兄の妻は優しい人だった。令嬢とも仲が良かった。
離婚することになれば、妻の家も巻き込んで大騒動になるだろう。
家名も地に落ち、誰も幸せにはなれないと冷静に考えればわかるはずだ。
それに令嬢は従兄を怖がっているのに再婚できるはずもない。
従兄の妻は、子供は従兄の子として自分が育てる。令嬢は修道院に逃げるように言った。
令嬢に逃げられた従兄は怒ったが、醜聞を気にして諦めた。
令息の方は無理やり再婚させられた相手と閨を共にすることができずに親戚から養子をもらった。
妻は不貞を働き、結局は離婚。
養子に爵位を譲ってから、領地に家を用意して修道院にいた令嬢を呼び寄せて2人で暮らした。
「この、従兄の家に引き取られた子供がエドガーの祖父だ。」
「なるほど。父上はエドガーに浮気以上の話を聞かせたくなかったのですね。」
無理やり令嬢を襲うような男が先祖にいるのはいい気分ではない。
そしてエドガーの家では誰もこの話をすることはないだろう。
「エドガーには誠実でいてほしかった。
ルチェを望むなら、過去を悔やむような行いを避けてほしかったんだ。
だがアイツは、婚約する前であれば過去を問い質されても非難される覚えはないという気だった。
本当に愛する人ができた時に過去の女性が2人の仲を壊そうとすることもよくある。
過去にあった事実は愚かであればあるほど後悔するんだ。
アイツは令嬢を妊娠させた責任を取らされるだろう。」
「……本当にエドガーの子であることを願いますね。」
「違うの?」
「いや、どうかはわからない。だけど、おそらく彼女も愛人狙いの下位貴族だ。
関係を持った男のうち、婚約者のまだいないエドガーの子供だと言えば正妻になれるかもしれない。
子供も庶子ではなくなる。
そう考えていたとしてもおかしくはないかな?と。
ルチェにわざわざ言いにきたのも、公爵令嬢が結婚前に庶子がいる男と婚約するはずがない。
そう思ったんじゃないかな。」
「そうね。もしエドガー様と婚約間近だったとしても庶子がいるなら婚約しないわ。」
「結局ルチェは、エドガーの愛人候補たちの矛先を自分に向けて他の令嬢を守っていたんだろう?
公爵令嬢が相手だと手は出せない。
ルチェがエドガーとの噂を大声で否定してしまうと友人たちが相手だと勘違いされるから。」
「まさか8人もいるとはな。いや、実際はもっとだろう。
それで、ルチェは自分の婚約者探しは諦めるのか?それともあと1年で探すのか?」
お父様の言葉に、私はきっぱりと言った。
「諦めたわ。いろんな令息に会っても、私にはお兄様以上の人なんてどこにもいない。
私は2年半もの間、ちゃんと他の令息も検討して、この結論に至ったの。
だからいいでしょ?お父様、お母様。」
私は子供の頃から言い続けた通り、お兄様と結婚したい。
結局、この思いは揺らぐことはない。
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