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ロゼッタたちから聞いていた通り、一つ下の学年ではケイトリンが暴走しているらしい。
「ダニエル様はダイアナ様といたいのだから、私が邪魔なんだわ。お二人のために私はいつでも婚約を解消してあげるのに、父が反対しているの。」
ケイトリンは困ったように、そう話しているという。
ダイアナは、図書館でダニエルに言った。
「ストーンズ様、婚約者様が誤解なさっているようですが、わたくしにできることは何かございますか?」
「……いや、逆に巻き込んで申し訳ない。」
「もうこちらでお会いしない方がいいかもしれませんね。」
「それはそれで、やましいからだと思われそうだ。」
確かに。
何も悪いことをしていないのに。
「正直、僕は結婚相手にこだわりはなかった。彼女は僕が無口だから面白くないと思っているようだが、僕からしてみれば、彼女は延々とドレスやアクセサリーの話をしていて、僕に何と返して欲しいのかがわからない。いや、おそらく彼女は僕に買ってくれと言っているのだろうが、一度でも許すと彼女は僕の名前で買い物をして請求書だけ送られてくる気がするからできない。」
「そう、ですのね。」
確かにダニエルが答えにくい話題であるし、勝手に買い物をされて請求書だけ送りつけられそうだと思ってしまうような強請り方はダニエルを不快にさせていたに違いない。
「だが、結婚相手にこだわらないのは間違いだったと今は思っている。僕は彼女ともポッシュ伯爵とも長く付き合っていきたいとは思えないと気づいた。彼女だけでなく、伯爵も困ったら僕が何とかしてくれるだろうと思っている節があるんだ。」
「あの害虫のこととか?」
「そうだ。」
確かにあの時、なぜダニエルが調べているのかと不思議に思った。
専門家に依頼するなりして対処するはずのことだから。
ダニエル、もしくはストーンズ侯爵家が専門家を派遣してくれるのではないかと伯爵は期待したのだろう。まるでダニエルが伯爵家に婿入りするみたいに思えるが、ダニエルはストーンズ侯爵家の跡継ぎである。
「彼女の望み通り、婚約は解消しようと思っている。僕にはこうして話をしていて楽しく思える存在がいるということに気づけた。しかも幸いにして、現在は婚約者がいない。爵位は僕の方が一つ下だが、公爵令嬢に求婚することは許されるだろうと思っている。」
「…………え!?」
ひょっとして、私?
「先に邪魔なものを片付けるから、待っていてほしい。」
そう言って、驚いているダイアナを置いて先に図書館を出て行った。
「ダイアナ様、ストーンズ様にほぼ、求婚されていましたね。」
「……あれって、やはりそういうことですわよね?」
「ええ、間違いなく。待っていてほしいというのは他に求婚があっても即決しないようにというお願いですね。」
ダニエルは、ケイトリンとの婚約を解消して、ダイアナに求婚する気でいるらしい。
「……ダイアナ様、顔が真っ赤で可愛いですよ。」
ロゼッタにからかうように言われたが、ダイアナは恥ずかしくて返す言葉が見つけられなかった。
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