侯爵の愛人だったと誤解された私の結婚は2か月で終わりました

しゃーりん

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アリーズはリズベスの元を訪れた。


「リズベス、あなたのお父様と離婚することになったわ。」

「……あのレベッカっていう赤い髪の侍女が言ってたの。お父様の子供を産むって。レベッカが新しいお母様になるってこと?」


リズベスはアリーズがいなくなると予感していたのだろう。驚かなかった。

嘘つきレベッカを妻にすると大変だからしないと思うけど、男爵は対応が甘いから心配ね……


「そうはならないと思うけど、あなたに弟か妹ができるのは間違いないから。」

「弟か妹。仲良くなれるかな?」

「仲良くなれそうならそれでもいいわ。でも無理をする必要はないと覚えていてね。」


子供がレベッカに何を吹き込まれて育つかわからないから、レベッカを乳母にはしないでほしいと思ってしまう。
でも、それは母子を引き離すことになるから男爵も悩むところだろう。

リズベスは父親からの愛情を欲しがっているようにも見えないので、初等教育のために王都で暮らす方がいいように思う。
その時は、侍女のロミーナもリズべスについて行くと言っていたから、彼女に任せれば安心だし。


明日、男爵家を出て行くとリズベスに別れを告げた。
 



アリーズはレベッカに会いに行った。


「レベッカ、私は男爵様と離婚することになったわ。」

「え……?離婚。そんな、じゃあ、この子はどうなるの?」

「男爵様の庶子として認知されるのではないかしら?」

「どうして?奥様の実子になって男爵家の跡継ぎになるはずなのに……」

「そもそも、男爵様はリズベスを跡継ぎから外すおつもりはないのよ?」

「男の子かもしれないのよ?跡を継ぐべきでしょ?」

「そんなことないわ。男爵様は両親ともに貴族のリズベスにと望んでいるのだから。」 

「だから、奥様が産んだことにしてくれれば……」

「それは無理よ。男爵様は母親がレベッカだとわかっているし、それに、あなた赤毛だから。」 

「あ……そう言えば母も赤毛だったわ。この子も赤毛になるの?」

「そういうこと。」


レベッカもようやくアリーズが自分の子の母親になることは無理だとわかったようだ。


「じゃあ、私のしたことって何だったの?この子に男爵家を継がせようと思ったのに。」
 
「それ、あまり口にしない方がいいわよ?犯罪者になりたくなければ。」


レベッカのしてきたことはどれも証拠がないし、仕事を首にするのが精々な範囲。
特に、前妻ミリアム様についた嘘と、避妊薬をすり替えたことは黒に近いグレーである。

しかし、自分の子供に男爵家を継がせたいと言うことは、リズベスを排除したいと言っているようなもの。

今後、レベッカの待遇が愛人のままなのか、元愛人になるのかはわからないけれど、男爵の妻にならない限り、レベッカはただの平民。
男爵令嬢であるリズベスに対して何かを企んでいるとされれば、捕まる恐れもあるのだ。


モリス男爵は、もうレベッカの言葉には騙されないだろうから、レベッカが男爵家に有害になれば追い出すか捕まえるかもしれない。 

レベッカに男爵家から出て行ってほしいと思いながらも、子供の母親が犯罪者として捕まることは可哀想だとも思ってしまう。

アリーズは自分でも矛盾していると思いながらも、レベッカに忠告して別れた。
 

そして翌朝、モリス男爵と離婚を済ませたアリーズは、待たせておいたフライ子爵家の馬車に乗って、実家へと戻った。



 
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