追放されたら無能スキルで無双する

ゆる弥

文字の大きさ
13 / 37

13.ギャル襲来

しおりを挟む
 次の日、忘れていたゴブリンキングの素材を換金しに、ギルドに来たんだ。そしたら、薫ちゃんに驚かれた。

「収斗ちゃん、覚醒したスキルかなり使えそうねん? 配信で見たわよん?」

「はい。制限はある感じなんですけど、かなり便利な能力かなと思ってます!」

「そうよねぇん。ただ、あまりに有用だから妬んだり嫌がらせしてくる連中もいるわん。気をつけるのよん?」

「はい! そういうのは慣れたもんですけどね」

 僕はなんの気無しに言ったつもりだったが、薫ちゃんは悲しそうな顔になってしまった。

「あっ、ごめんなさい。余計なこと言っちゃいました」

「ううん。いいのよーん。収斗ちゃんが苦労してきたのは知ってるもの。だからこそ。祝福もしたいし、これ以上嫌な思いして欲しくないのよん?」

「有難う御座います! 今は仲間が居るから」

「たしかにそうねん。あの子達もそれぞれ苦労しているわん。支え合って行くのよん?」

「はい!」

 ホールに賢人達もやって来たみたいだ。
 集まっているところに行くと、めぼしいダンジョンの情報を見ていた。

「おはよ。どう? なんか良さそうなダンジョンあった?」

「おぉ。はよー。そうだな。Dランクダンジョンだとオークが出るとこが多いみたいだな! ゴブリンよりはデカイぞ!」

「自分の出番が多そうっすね!」

「そうだね。盾士の猛には、頑張ってもらうことが多いかもね。近い所に行ってみようか!」

 猛は気合が入っていた。
 昨日の剣神と賢人の戦いに興奮してなんだかやる気に満ち溢れていたのだ。

 賢人も自分の剣が少し成長したことを実感したのか。こころなしかテンションが高い気がする。
  
 奈々は元気がない気がするけど……。

「「あーいたー!」」

 金髪のショートヘアとロングヘアのちょっと露出の多いギャル二人が近づいてくる。
 思わず後退りしてしまったのは、陰キャの宿命だろう。

「配信見たんだけどさぁ、コラボしたくて来ちゃった!」

 いきなりショートの子にそう言われ、困惑してしまう。
 コラボ?
 何でコラボ?

「どういうコラボ……ですか?」

「んー? 一緒にダンジョン攻略かなぁ! 神子は、スキルが回復魔法なんだ! 回復は任せて!」

「真子はー、スキルが気配察知なんだよねぇ。索敵がとくいー」

 ショートヘアが神子でロングヘアが真子ね。
 分かりやすくてよかった。
 同じ髪型だったら絶対わからないもんね。

 今のスキルの感じだとパーティーとして考えてもなんら問題はなさそうだね。
 後は、どれくらい僕が把握できるかってことだね。

「うん。わかりました。じゃあ、やってみましょう? 探索者シーカーランクはどのくらいですか?」

「神子はDランク!」

「真子もDランクー」

 驚いた。
 二人ともDランクなんて。
 それだけ経験があるってことだよね。

「神子達はいつもコラボ出来そうな人を探してコラボしながら一緒にダンジョンの攻略をするの! それでしかランク上げれないからね!」

 たしかに、回復魔法と気配察知はどっちもサポート系だもんな。
 アタッカーが居ないとどうにもならないだろう。

「なんだか、あなた達は安定しているように見えたから、安心かなぁと思ったの!」

「そうなんですね。僕達はあの配信のダンジョンをクリアしてEランクに上がったので、今回挑戦するダンジョンはDランクなんですけど、それでも良いですか? Dランクダンジョンは初めてなんですけど」

 僕は念の為、今回がDランクダンジョンは初の挑戦だということを伝える。

「神子は、問題ないと思うわ! むしろ、あなた達なら余裕よ!」

「真子も問題ないと思うー。Dランクダンジョン、そこまで難しくないのー。ちょっと敵が強くなっただけー。だから、Eランクダンジョンでボスまで無傷で倒したあなた達なら問題ないよー」

 なるほど、ちゃんと僕たちの戦力を把握してダンジョンの難易度も分かった上で僕達にコラボを提案してきたんだね。

 それなら受けてもいいかもね。
 チラッと皆に目配せをする。
 皆頷いてくれた。

「わかりました。じゃあ、さっそく臨時パーティーとしてダンジョンに挑む申請をしましょう!」

「「はーい」」

 パタパタと後をおってくる。
 僕としてはもう少し露出が少ない服にして欲しいものだけどね。
 目のやり場に困るんだよね。

 手続きに向かっていると後ろで奈々がブツブツ言っている。

「収斗がギャルを見てモジモジしてる…………あっ、ヤバい。鼻血が……」

 なんか言ってるけど、奈々はたまに変になることがあるからね。
 心配したけど大丈夫そうだね。
 放っておこう。

「真理さん、ダンジョンアタックの手続きをお願いします。今回はDランクダンジョンに行くんですが、この神子さんと真子さんが一緒に行く事になりました」

「あらぁ? 珍しいわね。いつもはもう少し上のランクの人について行くのに、どうしたの? 双子座のお二人さん?」

 なんか真理さんがちょっと怪訝な顔をしてる。
 何か問題でもあるんだろうか?

 この時、真理は薫の言っていた、収斗達に降りかかる火の粉がこの子達も含まれたとしたら。許可を出した私も薫ちゃんに何か言われるんじゃないかと慎重に見極めていたのだ。

「ただ面白そうだったからコラボしたかっただけですよ!」

「そーそー。コラボしたいだけー」

「んーーー。わかりました。許可しましょう。手続きはしておきます。収斗くん、くれぐれも無理はしないのよ?」

「はい!」

 こうしてギャル二人とダンジョン攻略をする事になったのであった。

 後から真理が薫にドヤされたのは収斗達には知る由もない。
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

無属性魔法使いの下剋上~現代日本の知識を持つ魔導書と契約したら、俺だけが使える「科学魔法」で学園の英雄に成り上がりました~

黒崎隼人
ファンタジー
「お前は今日から、俺の主(マスター)だ」――魔力を持たない“無能”と蔑まれる落ちこぼれ貴族、ユキナリ。彼が手にした一冊の古びた魔導書。そこに宿っていたのは、異世界日本の知識を持つ生意気な魂、カイだった! 「俺の知識とお前の魔力があれば、最強だって夢じゃない」 主従契約から始まる、二人の秘密の特訓。科学的知識で魔法の常識を覆し、落ちこぼれが天才たちに成り上がる! 無自覚に甘い主従関係と、胸がすくような下剋上劇が今、幕を開ける!

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

処理中です...