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30.不思議な子からのプレゼント
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その時は突然だった。
「あらぁん! 久しぶりな気がするわねぇ! 収斗ちゃん!」
あれ?
どこかで見たことがあると思ったら、薫ちゃんだった。
「あれ? どうしてここに居るの?」
「それはねぇ、収斗ちゃんを応援するためにやってきたのよぉ! 異動願いを出して半ば無理やり配属してもらったのよぉん。お話し合いが大変だったわぁ」
ははは。
ギルドの人達大変だっただろうなぁ。
薫ちゃん結構強引な所があるから。
「そうなんだ。じゃあ、また取ってきた素材は薫ちゃんが対応してくれるの?」
「そうよぉん。ちなみに、真理も来たわよ?」
「えっ!? 真理さんも来たの!?」
「今は裏方やらされてるわ。ふふふっ」
可哀想に。真理さん。
薫ちゃんはこんなに自由なのに。
「なんか、凄い活躍してるじゃない? それ見てたら、なんだかいても立っても居られなくなったのよ」
「そう……なんだ」
そんなこともないと思うけどね。
またCランクダンジョンに挑もうと思うんだけどね。
まだDランクだし。
「そうだぁ。収斗ちゃん達、ランクアップするみたいよ?」
「そうなの?」
「そうよぉん。この前の動画の配信を見たギルドマスターがそう決めたみたいよ?」
そんな事があるんだ。
そういう事もあるから、配信はした方がいいってことなんだな。
今までそんな事考えたことも無かったけど。
「収斗くーん!」
呼ばれた方向を見ると、真理さんが呼んでいた。
あっ。真理さん。
久しぶりに見たけど、可愛い。
「なんか嬉しいこと思ってくれた?」
「ん? どうでしょうか」
「ふふふっ。あのね、収斗くん達、明鏡止水はこれからCランクです! この前の動画配信で実力が認められました!」
「有難う御座います!」
これでBランクのダンジョンに挑めるんだな。
それなら、挑まない手はないな。
「早速、Bランクダンジョンに挑む?」
「はい! そうしようと思います! 場所を教えて貰ってもいいですか?」
真理さんからダンジョンの場所の地図を見せてもらい、近場のところからピックアップする。
「みんなー!」
入口近くで依頼情報を見ていた皆を呼ぶ。
そして、どのダンジョンが良いか、意見を聞く。
それぞれのダンジョンの特性を聞きながら検討した結果。
南西のリザードマン洞窟に行くことにした。
なぜそこかと言うと。
まず、近い。
そして、リザードマンならなんとか戦えるんじゃないかと思ったのだ。
他のダンジョンはゾンビ系とか虫系だった。
奈々がそれを聞いて悲鳴を上げたからやめたのだ。
それで強行して行っても、絶対うるさい感じになるに違いないからだ。
そんな状態でダンジョン攻略なんてできやしない。
「じゃあ、ここな。Bランクダンジョンだとやり甲斐がありそうだよな」
やる気満々で賢人が嬉しそうだ。
これまであんまり歯ごたえがない相手だったからかもしれない。
「慎重に行かないと足元すくわれるっすよ? 少し回復薬とか食料とか買い込んで行った方がいいっすよ。どうせ、収斗さんのスキルに入れるっすよね?」
「あぁ。たしかにな。じゃあ、そうすっか」
僕のスキルが凄く便利なもの扱いされている気がするんだが、気の所為だろうか。
まぁいいか。みんなの役に立ってるなら。
もともと役に立たないって言われていたスキルが、こんなにも人に必要とされるなんていい事じゃないか。
宣言通り色々と買い込んでダンジョンに挑もうとしていた時。
知らない子供に話しかけられた。
「ねぇ、お兄さん達って、明鏡止水っていうパーティー?」
「うん。そうだよ。よく知ってるね?」
「動画で見たんだ。あのね、魔法を使うお姉ちゃんは?」
子供が求めているのは、奈々のようだ。
最近の子供は大人だなぁ。
「なーなー?」
店の中には居たはずだが。
呼んでみると、遠くの方で顔を出した。
「なーにー?」
「この子が奈々に用事があるらしい」
「えぇ? なぁにぃ? ファンレターとか?」
ニヤニヤしながらそんな事を聞いている。
なんで、子供にそんなこと聞くんだよ。
違かったら気まずいでしょ。
「ち、違くて……」
ほらぁ。困っちゃったじゃん。
「ご、ごめん! 冗談だよ! 何したの?」
「あのー。これ、受け取って欲しくて……」
その子は小さな箱を渡していた。
「えー? プレゼント?」
「おぉ。最近の子供は積極的だなぁ! ハッハッハッ!」
「凄いっすねぇ」
賢人と猛も驚いたものの別にプレゼントしてくれるなんて、悪いことではないからな。
ファンが出来たってことか。
「貰っていいの?」
「うん。これをつけて魔法を撃ってみて? いつもより威力が出るはず。そして、安定して高出力で魔法が出ると思うから」
なんと。この子は奈々の悩みが分かっていたんだろうか?
奈々は初級魔法の威力までしか出力が上がらないというのはずっと悩んでいたんだ。
合成魔法で出力を少しあげたり、効率的に魔法を組み合わせることで補ってきたけど。
最近、根本的な出力が出せないことを気にしていた。
「えっ!? なんで、知って……?」
「うん。僕、魔道具作ってるんだ。だから、魔力の流れを見ることができるスキルをもってて。お姉ちゃん、出力が出ていなかったから。それがあれば、相当強い魔法を合成できるよ?」
「ホントに貰っていいの?」
「うん。配信楽しみにしてるね! バイバイ!」
「えっ!? ちょっ!」
その子はプレゼントを置いて去っていってしまった。
箱を開けてみると、中身はバングル。
早速付けると、魔力が安定したみたい。
今まで細々としか出てこなかった魔力のパイプのようなたものが太くなったんだって。
今まで細すぎて全然魔力が出てこなかったらしいんだけど。
これは、奈々が魔法を使うのが楽しみだな。
早速、ダンジョンに潜るとしよう。
「あらぁん! 久しぶりな気がするわねぇ! 収斗ちゃん!」
あれ?
どこかで見たことがあると思ったら、薫ちゃんだった。
「あれ? どうしてここに居るの?」
「それはねぇ、収斗ちゃんを応援するためにやってきたのよぉ! 異動願いを出して半ば無理やり配属してもらったのよぉん。お話し合いが大変だったわぁ」
ははは。
ギルドの人達大変だっただろうなぁ。
薫ちゃん結構強引な所があるから。
「そうなんだ。じゃあ、また取ってきた素材は薫ちゃんが対応してくれるの?」
「そうよぉん。ちなみに、真理も来たわよ?」
「えっ!? 真理さんも来たの!?」
「今は裏方やらされてるわ。ふふふっ」
可哀想に。真理さん。
薫ちゃんはこんなに自由なのに。
「なんか、凄い活躍してるじゃない? それ見てたら、なんだかいても立っても居られなくなったのよ」
「そう……なんだ」
そんなこともないと思うけどね。
またCランクダンジョンに挑もうと思うんだけどね。
まだDランクだし。
「そうだぁ。収斗ちゃん達、ランクアップするみたいよ?」
「そうなの?」
「そうよぉん。この前の動画の配信を見たギルドマスターがそう決めたみたいよ?」
そんな事があるんだ。
そういう事もあるから、配信はした方がいいってことなんだな。
今までそんな事考えたことも無かったけど。
「収斗くーん!」
呼ばれた方向を見ると、真理さんが呼んでいた。
あっ。真理さん。
久しぶりに見たけど、可愛い。
「なんか嬉しいこと思ってくれた?」
「ん? どうでしょうか」
「ふふふっ。あのね、収斗くん達、明鏡止水はこれからCランクです! この前の動画配信で実力が認められました!」
「有難う御座います!」
これでBランクのダンジョンに挑めるんだな。
それなら、挑まない手はないな。
「早速、Bランクダンジョンに挑む?」
「はい! そうしようと思います! 場所を教えて貰ってもいいですか?」
真理さんからダンジョンの場所の地図を見せてもらい、近場のところからピックアップする。
「みんなー!」
入口近くで依頼情報を見ていた皆を呼ぶ。
そして、どのダンジョンが良いか、意見を聞く。
それぞれのダンジョンの特性を聞きながら検討した結果。
南西のリザードマン洞窟に行くことにした。
なぜそこかと言うと。
まず、近い。
そして、リザードマンならなんとか戦えるんじゃないかと思ったのだ。
他のダンジョンはゾンビ系とか虫系だった。
奈々がそれを聞いて悲鳴を上げたからやめたのだ。
それで強行して行っても、絶対うるさい感じになるに違いないからだ。
そんな状態でダンジョン攻略なんてできやしない。
「じゃあ、ここな。Bランクダンジョンだとやり甲斐がありそうだよな」
やる気満々で賢人が嬉しそうだ。
これまであんまり歯ごたえがない相手だったからかもしれない。
「慎重に行かないと足元すくわれるっすよ? 少し回復薬とか食料とか買い込んで行った方がいいっすよ。どうせ、収斗さんのスキルに入れるっすよね?」
「あぁ。たしかにな。じゃあ、そうすっか」
僕のスキルが凄く便利なもの扱いされている気がするんだが、気の所為だろうか。
まぁいいか。みんなの役に立ってるなら。
もともと役に立たないって言われていたスキルが、こんなにも人に必要とされるなんていい事じゃないか。
宣言通り色々と買い込んでダンジョンに挑もうとしていた時。
知らない子供に話しかけられた。
「ねぇ、お兄さん達って、明鏡止水っていうパーティー?」
「うん。そうだよ。よく知ってるね?」
「動画で見たんだ。あのね、魔法を使うお姉ちゃんは?」
子供が求めているのは、奈々のようだ。
最近の子供は大人だなぁ。
「なーなー?」
店の中には居たはずだが。
呼んでみると、遠くの方で顔を出した。
「なーにー?」
「この子が奈々に用事があるらしい」
「えぇ? なぁにぃ? ファンレターとか?」
ニヤニヤしながらそんな事を聞いている。
なんで、子供にそんなこと聞くんだよ。
違かったら気まずいでしょ。
「ち、違くて……」
ほらぁ。困っちゃったじゃん。
「ご、ごめん! 冗談だよ! 何したの?」
「あのー。これ、受け取って欲しくて……」
その子は小さな箱を渡していた。
「えー? プレゼント?」
「おぉ。最近の子供は積極的だなぁ! ハッハッハッ!」
「凄いっすねぇ」
賢人と猛も驚いたものの別にプレゼントしてくれるなんて、悪いことではないからな。
ファンが出来たってことか。
「貰っていいの?」
「うん。これをつけて魔法を撃ってみて? いつもより威力が出るはず。そして、安定して高出力で魔法が出ると思うから」
なんと。この子は奈々の悩みが分かっていたんだろうか?
奈々は初級魔法の威力までしか出力が上がらないというのはずっと悩んでいたんだ。
合成魔法で出力を少しあげたり、効率的に魔法を組み合わせることで補ってきたけど。
最近、根本的な出力が出せないことを気にしていた。
「えっ!? なんで、知って……?」
「うん。僕、魔道具作ってるんだ。だから、魔力の流れを見ることができるスキルをもってて。お姉ちゃん、出力が出ていなかったから。それがあれば、相当強い魔法を合成できるよ?」
「ホントに貰っていいの?」
「うん。配信楽しみにしてるね! バイバイ!」
「えっ!? ちょっ!」
その子はプレゼントを置いて去っていってしまった。
箱を開けてみると、中身はバングル。
早速付けると、魔力が安定したみたい。
今まで細々としか出てこなかった魔力のパイプのようなたものが太くなったんだって。
今まで細すぎて全然魔力が出てこなかったらしいんだけど。
これは、奈々が魔法を使うのが楽しみだな。
早速、ダンジョンに潜るとしよう。
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