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20.お嬢様の野営
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話しているうちに日が沈んでしまったので、野宿をする事となった。そこで疑問に思ったのだが、お嬢様って野宿するのか?
御者の人とお嬢様の後ろに控えているお付の女性もいるし。どうすんだろ?
「今日はこの近辺で野営になりますけど、皆さんはどうされるんですか?」
「はっ! 私共もテントを設営しまして、野営をさせていただきます!」
それに答えたのは御者の人で、テントを張るらしい。それならもう少し木々がある方に行こう。
ミリア、こっちに案内してくれ。
「あっ、こちらへどうぞぉ」
ミリアが俺の後を付いてきて案内してくれる。
いい草むらと気の感じのところを見つけた。
ここにしよう。
「今日は、ここで野営にしましょう! ここでなら、少し大きなテントを張っても問題ないようです!」
「先程から不思議に思っていたのですが、スケルトンと意思疎通が出来ているのですか?」
「はい! 普通に念話で話してます!」
「はぁ。凄いですなぁ」
御者に感心されてしまった。
野営するところを少し綺麗にして布を敷いたり丸太に座ったりしながら少し落ち着いた頃。
「あっ。申し遅れました。私共はアーノルド家の者でして、わたくしは執事をしております。ダンテと申します。こちらはアーノルド家、当主代理のリンス・アーノルド様で御座います」
さっきまで御者だと思ってた人は執事さんだったんだな。身の回りの世話もしながら馬車の手綱も握って大変だな。
「ご紹介に預かりました。リンス・アーノルドですわ。この度は助けて頂きまして、誠に感謝致しますわ。王都に戻ったらしっかりの謝礼をするようにお父様にお願いしますわ」
「助けることが出来て良かったです! 私はミリアっていいます! ちょうど荷物も載せれましたし助かります! 逆に感謝したいくらいです! ねぇ、ナイル?」
あぁ。そうだな。
本当に丁度よかったわ。
「ナイルと言いますのね。なんと言ってますの?」
「丁度よかったって言ってます」
「本当に言葉が分かりますのね。凄いですわ!」
「いやー。それほどでも。あっ、そちらの方はお付の方なんですか?」
ミリアが疑問に思ってた後ろに控えている人のことに触れると。
「あぁ! 申し訳ありません! 気配を消しておりましたのに! こんなわたくしめなど、目障りでございましょう? お気になさらないで下さいまし!」
また、話してみたらすごいキャラだな。
凄い自分のこと卑下してるじゃん。
「えぇーと、ちょっと気になっただけで……」
「話にならないでしょうから、わたしくしが話しますわ。この人は、ベリーといいまして、ちょっと……いえ、かなり自己肯定感の低い侍女ですわ。いつも自分を下にみた発言ばかりしますの。私もちょっと疲れる時があるくらいですわ」
えぇ? そんなに?
大丈夫か? ベリーさん。
そんな自己紹介をしていたらテーブルと椅子を出し始めた執事のダンテさん。ここで、テーブルマナーが必要とするような料理を作るのだろうか?
馬車から何かを持ってきたかと思ったらテーブルの横の小さいテーブルに置いた。
魔石を嵌めると着火させた。
出したのは魔道具のコンロだった。
鍋を置くと野菜やら肉やらを出して一口大に切り、鍋に投入していった。
水袋から水を出すと煮始めた。
数分すると、辺りには肉と野菜のいい香りが漂い始め、ミリアの食欲を大いに誘ったのだろう。
ギュルギュルギュルルルルルル
ミリアさん?
「えへっ! ごめんなさい! 余りにも美味しそうだから、お腹がなっちゃった! だってぇ、こんなに美味しそうなご飯なんてしばらく食べてないんだもーん!」
「宜しければ、みんなで食べませんか? その為に多めに作りましたし。そうですよ! 荷物を載せてあげるだけなんて、報酬が少なすぎます! 毎食、私達の食料で料理を振る舞いますよ!」
それは願ったり叶ったりだが。
いいのか?
食料足りなくなるだろ?
「食料、足りなくなりませんか?」
「次の街で補充しますから、なぁんの問題もありません!」
「そうですか? それなら、お言葉に甘えてお願いします!」
ミリア! それは申し訳なさすぎるだろ!?
「えぇ? でも、こう言ってくれてるし……」
「ナイル様はなんと?」
「いや、申し訳ないって……」
ダンテさんは指を立てると俺の言葉を否定するように左右に振った。
「あなた方の力は、それでは足りないくらいの価値があります! どうか、振る舞わせて頂きたい!」
俺の目がどこにあるかなんて分からないだろうに、俺と目が合うんだよなぁ。凄い不思議。ダンテさん、凄い人だ。
コクリと頷くと俺は骨の手を差し伸べた。
ダンテさんは躊躇うことなく俺の手を握りしめてくれた。
「交渉成立ですな。いやいや、我々の言葉も理解しているんですな。素晴らしい。こんなに賢いスケルトンがいるんですな?」
「いやー。いないと思いますよ? はははっ」
ミリアは乾いた笑いを浮かべて、俺がその辺のスケルトンと同じではないと否定した。
まぁ、前世の記憶を持ったスケルトンなんて居ないだろうからな。
いたら驚くわ。
「おっ。そろそろ良さそうですな。器に盛るのでどうぞ、お召し上がりください」
ミリアは器に盛られた煮物を口にすると目をウルウルさせて、再び口に運び目をつぶると涙を流した。
「うぅ……美味しい」
あれ?
そんなに俺が作った食いもん美味しくなかったのか?
「それは何よりでございます。沢山召し上がってください!」
ダンテさんが優しくそう告げてくれた。
俺、ダンテさんに料理ならおうかな。
御者の人とお嬢様の後ろに控えているお付の女性もいるし。どうすんだろ?
「今日はこの近辺で野営になりますけど、皆さんはどうされるんですか?」
「はっ! 私共もテントを設営しまして、野営をさせていただきます!」
それに答えたのは御者の人で、テントを張るらしい。それならもう少し木々がある方に行こう。
ミリア、こっちに案内してくれ。
「あっ、こちらへどうぞぉ」
ミリアが俺の後を付いてきて案内してくれる。
いい草むらと気の感じのところを見つけた。
ここにしよう。
「今日は、ここで野営にしましょう! ここでなら、少し大きなテントを張っても問題ないようです!」
「先程から不思議に思っていたのですが、スケルトンと意思疎通が出来ているのですか?」
「はい! 普通に念話で話してます!」
「はぁ。凄いですなぁ」
御者に感心されてしまった。
野営するところを少し綺麗にして布を敷いたり丸太に座ったりしながら少し落ち着いた頃。
「あっ。申し遅れました。私共はアーノルド家の者でして、わたくしは執事をしております。ダンテと申します。こちらはアーノルド家、当主代理のリンス・アーノルド様で御座います」
さっきまで御者だと思ってた人は執事さんだったんだな。身の回りの世話もしながら馬車の手綱も握って大変だな。
「ご紹介に預かりました。リンス・アーノルドですわ。この度は助けて頂きまして、誠に感謝致しますわ。王都に戻ったらしっかりの謝礼をするようにお父様にお願いしますわ」
「助けることが出来て良かったです! 私はミリアっていいます! ちょうど荷物も載せれましたし助かります! 逆に感謝したいくらいです! ねぇ、ナイル?」
あぁ。そうだな。
本当に丁度よかったわ。
「ナイルと言いますのね。なんと言ってますの?」
「丁度よかったって言ってます」
「本当に言葉が分かりますのね。凄いですわ!」
「いやー。それほどでも。あっ、そちらの方はお付の方なんですか?」
ミリアが疑問に思ってた後ろに控えている人のことに触れると。
「あぁ! 申し訳ありません! 気配を消しておりましたのに! こんなわたくしめなど、目障りでございましょう? お気になさらないで下さいまし!」
また、話してみたらすごいキャラだな。
凄い自分のこと卑下してるじゃん。
「えぇーと、ちょっと気になっただけで……」
「話にならないでしょうから、わたしくしが話しますわ。この人は、ベリーといいまして、ちょっと……いえ、かなり自己肯定感の低い侍女ですわ。いつも自分を下にみた発言ばかりしますの。私もちょっと疲れる時があるくらいですわ」
えぇ? そんなに?
大丈夫か? ベリーさん。
そんな自己紹介をしていたらテーブルと椅子を出し始めた執事のダンテさん。ここで、テーブルマナーが必要とするような料理を作るのだろうか?
馬車から何かを持ってきたかと思ったらテーブルの横の小さいテーブルに置いた。
魔石を嵌めると着火させた。
出したのは魔道具のコンロだった。
鍋を置くと野菜やら肉やらを出して一口大に切り、鍋に投入していった。
水袋から水を出すと煮始めた。
数分すると、辺りには肉と野菜のいい香りが漂い始め、ミリアの食欲を大いに誘ったのだろう。
ギュルギュルギュルルルルルル
ミリアさん?
「えへっ! ごめんなさい! 余りにも美味しそうだから、お腹がなっちゃった! だってぇ、こんなに美味しそうなご飯なんてしばらく食べてないんだもーん!」
「宜しければ、みんなで食べませんか? その為に多めに作りましたし。そうですよ! 荷物を載せてあげるだけなんて、報酬が少なすぎます! 毎食、私達の食料で料理を振る舞いますよ!」
それは願ったり叶ったりだが。
いいのか?
食料足りなくなるだろ?
「食料、足りなくなりませんか?」
「次の街で補充しますから、なぁんの問題もありません!」
「そうですか? それなら、お言葉に甘えてお願いします!」
ミリア! それは申し訳なさすぎるだろ!?
「えぇ? でも、こう言ってくれてるし……」
「ナイル様はなんと?」
「いや、申し訳ないって……」
ダンテさんは指を立てると俺の言葉を否定するように左右に振った。
「あなた方の力は、それでは足りないくらいの価値があります! どうか、振る舞わせて頂きたい!」
俺の目がどこにあるかなんて分からないだろうに、俺と目が合うんだよなぁ。凄い不思議。ダンテさん、凄い人だ。
コクリと頷くと俺は骨の手を差し伸べた。
ダンテさんは躊躇うことなく俺の手を握りしめてくれた。
「交渉成立ですな。いやいや、我々の言葉も理解しているんですな。素晴らしい。こんなに賢いスケルトンがいるんですな?」
「いやー。いないと思いますよ? はははっ」
ミリアは乾いた笑いを浮かべて、俺がその辺のスケルトンと同じではないと否定した。
まぁ、前世の記憶を持ったスケルトンなんて居ないだろうからな。
いたら驚くわ。
「おっ。そろそろ良さそうですな。器に盛るのでどうぞ、お召し上がりください」
ミリアは器に盛られた煮物を口にすると目をウルウルさせて、再び口に運び目をつぶると涙を流した。
「うぅ……美味しい」
あれ?
そんなに俺が作った食いもん美味しくなかったのか?
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ダンテさんが優しくそう告げてくれた。
俺、ダンテさんに料理ならおうかな。
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