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召使魔女取扱説明書(下) ワタシ・イイナリ・メイド
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第五章 愛欲の果てまで堕ちる魔女
午後二時過ぎ、マコトが外出すると室内がやけにがらんとしているとミツキには感じられた。今まではマコトがいつもそばにいたのだ。それぞれの部屋で仕事をしていても、朝昼晩のセックスは結局、ミツキがおねだりする恰好で可愛がってもらった。
だがその愛撫を与えてくれるマコトは今いない。オーガズムを極めてくれるマコトの男根もだ。それを実感するとミツキは体の一部がなくなったようで股間に空白を感じた。
昼の愛撫はあきらめるしかない。気を紛らわすためにミツキは仕事に臨むことにした。ジェシカを寝室に呼び、株式市場のネットに接続する。相場に大きな動きはないようで、ミツキが投資している製薬関係も小幅の変動しかなかった。
パソコンを市場とオート接続にすると仕事らしい仕事もなく、ミツキは仲間のチャットに書き込みすることにした。まだ到着を知らせていなかったからだ。書き込みめば仲間の二人にすぐにメールが通知される。ミツキはスマートフォンの電源を入れた。
ジェシカ『ジェシカです。無事に到着。ご主人と仲良くしてます』
リンダ『あ、ジェシカだ。やっほう。無事にこっちにきてるんだね。ご主人と仲良くか。ジェシカはこれ以前の書き込みをもう読んだ? リンダもダフネも夜の生活について告白したんだよ。ジェシカはどうなの? エッチの回数は?』
ダフネ『ようよう、ジェシカ。無事でなにより、ダフネだ。またリンダはいきなりそっちの話か。ま、読んでないかも知れないから、ジェシカに説明するとリンダは週に三回。ダフネは、えへへ。毎日なんだ』
ジェシカ『わたしも毎日ですよ』
リンダ『え、ジェシカも? いいな。わたしもこれから絶対に毎日してもらうように断固、おねだりしよっと。でもね。リンダは週に三回だけど、その分、一回がすごいんだぜ。たまっていたムンムンむらむらが一度にドバッと発散て感じなんだ』
ダフネ『リンダ。それはもしかしてあれか』
リンダ『てはは、そうだよ。オーガズム。リンダはちゃんと「いく」のを体験しました。みんな、もうオーガズムって体験した?』
ダフネ『わたしもオーガズムは最近、覚えた。あれっとすごいな』
リンダ『お、ダフネもか。やっぱり羅針盤の目に狂いはないんだ。我々とご主人との相性は、ぴったりってことか。オーガズムっていいよね。ご主人のあそこで最後までいかせてもらうのって、すごくすっきりする』
ダフネ『リンダの言う通り、最後までいくのは、すごく達成感がある。終わったって感じで、しばらくはセックスなしで大丈夫だな』
リンダ『しばらく? 毎日、エッチしてるダフネのしばらくは次の日じゃん。スケベ』
ダフネ『うるさい。要は夜、可愛がってもらってオーガズムを迎えると朝はすっきり。その日の夜、エッチを始めるまでムラムラしないってことだ』
リンダ『リンダもしっかりオーガズムでいったら、エッチはご主人まかせで平気だな。こっちから誘惑することはないよ。ジェシカはどうなの? オーガズムは体験した?』
ジェシカ『はい。二人と同じで凄くすっきりします。わたしもしばらく大丈夫な感じ』
嘘ではない。確かにオーガズムを極めればしばらくはムラムラしない。ただそれは、いくところまでいくオーガズムがあってのことだ。昨夜は二十回を越える絶頂を経験した。そうなってやっと体は鎮まったのだ。それに今もそうだが、朝のセックスが終わってもしばらくするとミツキの体は疼き始めてしまう。
書き込みからするとリンダもダフネも一度のセックスで一度のオーガズムを迎えて満足らしい。朝昼晩に二十回近い絶頂を求める自分は、二人に比べてあまりに変だ。しかも体は欲望を求めて変化し続けている。やはり、どこかがおかしいのかもしれない。
リンダ『オーガズムはさておき、出発前に母親から聞いたけど、体に現れたご主人の印を見ると凄く満ち足りた気持ちになるとか。二人はどう? 私はまだなんだけど』
ダフネ『ああ、私も母親から聞いた。体のどこかに浮かび上がるんだってね。もしかしてこれかなと思うのが、私のお腹にうっすらと滲んでる』
リンダ『というとなに? もしかしてものすごくいやらしい言葉とか絵柄とか? 例えばご主人のオチンチンとか』
ダフネ『リンダはまったく下品だな。もっとロマンチックなものだよ。星みたいなんだ。ご主人に言わせると星座らしい。私のご主人の趣味は天体観測なんだけど、ご主人の生まれた月の星座らしいのがうっすらと浮かび始めてる』
リンダ『ははあ、だからご主人の印だって分かるのか。ふうん、確かにロマンチックだな。それで幸福だなって感じる?』
ダフネ『うふ。感じる。エッチの合言葉はお星様を頂戴なんだ。やだ、恥ずかしい』
リンダ『なんだ、それ。なに、のろけてるんだ。戦闘魔女のダフネが、ご主人にモジモジしながら「お星様、頂戴」っておねだりしてるのか。お前が、そんな乙女チックなタイプだったとは。お姫様みたいなヒラヒラのドレスなんか着ているんじゃないだろうな』
ダフネ『うるさい。幸せなら、それでいいだろ。お姫様になって抱かれてなにが悪い』
リンダ『え? ほんとに着てるの? ふふふ。それで「姫、いくっ」ってオーガズムなんだな。ロマンチックというか、カマトトというか。ジェシカはどうなの。印は?』
ジェシカ『はい、私もお腹にご主人のお名前が』
リンダ『ああ、名前ね。それは分かりやすいよね。ダフネに比べると、かなり普通だ』
ダフネ『お姫様で悪かったな。リンダなんか、きっとすごくいやらしいのが浮かぶぞ』
リンダ『ふふふ。わたしはすばり、あなたのセックスマシーンなんてのがいいな』
名前が普通というのは二人の常識的な判断だろう。しかし場所がきわどいことは、ぼやかしておいた。お腹といっても下腹部。正確には恥丘なのだ。その場所が意味することはマコトとミツキには理解できている。ミツキがマコトの所有物という印だ。特にミツキの性器がだ。それを二人にはっきり教えるのは恥ずかしすぎた。
リンダ『それとさ。仮契約書には仮契約期間でご主人好みに仕込んで育ててもらうって書いてあるんだってね』
ダフネ『ああ、確かにそうらしい。それがなにか気になるのか』
リンダ『みんな、オーガズムは体験したんだよね。初体験の時、わたしは嬉しかったけど気持ちいいって感じはなかった。それで何度かのエッチで「いく」ってのが分かった』
ダフネ『わたしもそうだな。初体験を済ませて何度目かで「あ、気持ちいい」って感じになって。それから数度目でオーガズムが訪れたな』
リンダ『てことはさ。今、初体験からオーガズムまできたわけだ。今後、ご主人好みに仕込んで育ててもらうとなると、この先になにかもっと気持ちいいことがあるのかな』
ダフネ『ははあ。まったくリンダはエッチだな。でも、リンダの言葉も間違いじゃないか。ご主人好みに仕込んで育ててもらうんだから、エッチの面で成長していくわけだ』
リンダ『それってどんなだろう? リンダ、わくわくしてるんだよね』
ダフネ『ふふ。確かに。三人の秘密として、なにか分かったら報告することにしよう』
チャットのやり取りはそこで終わった。マコトから説明されなかったが仮契約書にはその契約期間でご主人好みに仕込んで育ててもらうとあったらしい。だがリンダとダフネはきわめてノーマルなセックスで性行為も普通の過程を進んでいるようだ。
自分のように性器がキンチャクからカズノコ天井、ミミズ千匹、裏クリトリス。そんな風に変わっていないのだ。もしそうなら、きっとなにか書き込む。一方、自分は快感を得るためにどんどん性器が新しく生まれ変わっている。
チャットに書き込まれた二人の様子からミツキは自分の性欲の強さが恐ろしくなってきた。「これはまだ先だな」と述べたマコトの言葉が脳裏をよぎる。聞いた時は恥ずかしくてよく理解していなかったが、まだ先ということはマコトの簡単な意思表示だ。
その言葉にぞくぞくとした快感を覚えた自分。それはマコトとのセックスで、さらに先に待ち受けているものを期待している現れではないか。つまり自由が利かない緊縛状態でマコトのいいなりにされる隷属の喜び。
わたしは本当に淫乱だ。どスケベそのもの。オチンポ様を欲しがってマコトの男根に貼り付いているナメクジ。盲目的にマコトの怒張を這い回り、精子を呑みたがるナメクジ。それが私の本性。ミツキの脳裏にそんな思いが湧いた。
絶頂の連続を迎える自分の体の変化。それがマコトの愛撫の結果であることは凄く嬉しい。一方、どこまで自分の体は肉欲を求めるようになるのか。このままではオーガズムを連続させたまま、一日過ごすことにならないか。そう思うと空恐ろしかった。ミツキは不安を胸に走らせたが、気が付くと股間にとろりと喜悦を覚えていた。
チャットで仲間と夜の生活について話し、自身の性器の変化に思い至ったために頭ではどこまで自分が淫乱になるのか怯えつつ、体が快楽を求めているのだ。
緊縛。マコトの言う「まだ先」とはどんな風なのだろう。ミツキは局部に疼きを覚え、マコトの考えている行為について理性とは別に強い好奇心が湧いていた。
「ジェシカ、お水を入れ換えてあげるね」
ミツキはジェシカに告げた。二人で寝室を出るとキッチンに行く。バケツに水を溜めると玄関まで持っていき、靴脱ぎに置く。ジェシカは嬉々として新鮮な水を飲んでいる。ミツキはそれを確認するとジェシカをそのままにマコトの書斎に入った。
もしかしてと壁を覆う本棚を改めていく。すると目的の書物があった。ハードカバーの体裁でタイトルは『緊迫図画集』。ミツキはその本をめくった。指がかすかに震えている。あられもない図画や写真の数々が説明とともに飛び込んできた。
【拘束具】対象者の四肢の自由を奪う手枷、足枷などのカフ。そのカフを固定するため、ベッドや台の裏に回して接続するベルト。また視覚を奪うアイマスク。声を殺すギャフなどがある。対象者の自由を奪う什器は相手を好みのポーズにできるように各部が自由に稼働するSM専用の椅子やベッドがあるが通常は婦人科の診察台などが使用される。
【麻縄】拘束具の中でも日本伝統のものとして麻縄がある。麻は伸縮性が少ない素材のため、縛った状態が固定し、緊縛部分に食い込まず鬱血しない。無痛の結束を担える。
【胸縄】乳房の上と下、横などを縄で縛り、背後で腕縄と接続することで自由を奪うと同時に胸に刺激や羞恥を与える。基本的には乳房の上から縛り始めると乳房が空を突くように反るために美的な輪郭となる。縄のかけ方は菱形や四角など多彩。
【高手小手縛り】腕を縛る代表的な方法。背中に回した腕を肘より高く組んで結ぶ。
【M字開脚縛り】太腿と足首を左右それぞれ別に縛り、腰に回した縄で背後に固定する。開脚させた足はM字のかたちで閉じようがなく、股間が剥き出しになる。
ミツキがもっとも赤面したのは【あぐら縛り】だった。手足の自由を奪われるのは他の縛りと同様だが両足があぐらをかいた状態で固定されるのだ。その際に足は胸元にかかげられ、性器を剥き出したポーズになる。前のめりにされてお尻を突き出す姿勢にされたり、そのまま仰向けにされている絵もある。特に羞恥を覚えたのはそのポーズで露出している股間をいたぶられながら手鏡で見せられている図画だった。
この縛りでは、なにをされても逃れようがないのだ。どこをどう責められ、オモチャにされても抵抗のしようがない。ミツキにとってこれほど恥ずかしい緊縛はなかった。
縛られている写真の女たちはみんな苦悶の表情だ。しかし目が濡れたようになにかを訴えている。どの女も乳首はピンと尖らせていた。もの悲しさとは別に感じているのだ。
ときには縄にコブが結ばれて股に食い込んでいたり、クリトリスの位置にあったりする。膣や淫核をいたぶるためだ。ミツキは緊縛の画像と説明を読み進めている内に頭では羞恥と戸惑いを覚えているはずなのに、股間は疼きを強めてしまった。
重い何かが下腹部にたまり、シコリとなって宿ってくる。腫れぼったく、もどかしい感覚が快感に変化して愛液が膣の中に溢れてきた。ミツキは、あわててショーツを半脱ぎにした。膣の襞が震え、なにかを求め、ざわつている。ミツキは熱い吐息を吐いた。
乳房が張り、乳暈がぷっくりと膨れて乳首が硬く反り返った。長く大きくなった乳首がブラジャーの下で弧を描いて痛い。体が快感を求めて狂おしかった。欲望が噴き出し始め、それを処理しなければ、いてもたってもいられない思いに駆られてきた。
愛欲にたやすく負けてしまう自分が情けなく、恥ずかしいが我慢できなかった。どうしよう。マコトさんはどうしても我慢できなければと言ってたけど。ミツキは不安を覚えた。視線をサイドテーブルの箱にやる。あんな道具は使ったことがない。気持ちいいだろうか。痛くないだろうか。具合がよかったとして途中でやめられなくならないだろうか。病みつきになったりしないだろうか。
しかしミツキの体は狂おしいほど欲望を噴き出している。とても我慢できそうになかった。気だるい吐息を吐くとミツキはサイドテーブルから箱を持ってきた。こわごわながら使ってみる気になったのだ。中からピンクローターをひとつ取り出し、説明書を読む。小さな卵形の本体からコードが伸びていて操作板にダイヤルつまみがある。これを回せばスイッチが入るらしい。ダイヤルはバイブレーションの強弱用。
ミツキは椅子に浅く座り直すとビスチェ風のトップスのジッパーを下げた。ブラジャーをずらしてオッパイを剥き出しにする。そしてローターのスイッチを入れた。
かすかに唸るローターをすでに硬く尖って反り返っている片方の乳首に当ててみた。途端に喜悦の電気が走り、快感が乳房全体を染めた。乳首がローターの振動でさらに痛いほど硬くなっていく。愛液が膣に溢れ返った。ミツキは熱い吐息とともに喘ぎ声を漏らしてしまった。もうひとつの乳首の方にローターを当ててみる。また喜悦が胸に走った。
マコトに愛撫してもらうのとは異なる、機械的な快感。それはただ盲目的でスイッチを切るまではいつまでも続くだろう。快感の強弱や喜びを得る位置はミツキの思い通りだ。マコトが導いてくれる愛撫とは違い、体が欲するままの動物的な性行為。
ミツキは性具で乳房をもてあそぶことにした。二つ目のローターのスイッチを入れる。それぞれのローターを両方の乳首に当てた。途端にびりびりと喜悦が胸から股間に走り、ミツキは喜びの声を上げた。下半身の重ぼったいシコリが快感となって沸騰する。
「あっ、駄目。一回目、いくっ」
両方の乳首にローターを当てただけでミツキは絶頂を迎えた。膣に愛液が溢れ、外に漏れ始めている。ミツキは一旦、ローターを両の胸から外した。箱の中を見るとローターはまだ二つある。合計四つのローター。マコトはこれをどう使って自分を可愛がってくれるつもりだったのだろう。ミツキは目を閉じてマコトを想像した。きっとマコトは最初はひとつ、そしてもうひとつとじらすように数を増やし、最後は四つとも駆使する。
ミツキは再びローターのひとつを乳首に当てた。脳裏でマコトがつまんでいると想像した。振動が強く伝わるようにマコトがローターを乳暈に深くあてがう。ぶぶぶといやらしい音を立てると乳首がえぐれ、乳暈ごとオッパイが凹んだ。
「あっ、いく。二回目、イっちゃう」
ミツキはローターの刺激にたやすくオーガズムを迎えてしまった。頭の中で絶頂に誘ってくれているのはマコトだ。きっとマコトならここをとミツキは想像して、もうひとつのローターを股間に持っていった。ぶぶぶ。鈍い音を立てるピンクのプラスチックをクリトリスに当てる。片方を乳首、片方をクリトリス。二つのローターの刺激で途端に電気が走り、快感が股間と胸で砕け散った。びくんびくと腰が痙攣する。
「くっ。三回目、イっちゃいました」
喘ぎとともにミツキはマコトに告げる声を上げた。だがなにかが物足りなかった。マコトがしてくれる愛撫と違和感がある。ミツキはスイッチを入れたまま、一旦、デスクにふたつのローターを置いた。天板でローターが悪戯小僧のように跳ねる。
箱の中から三つ目のローターを取り出す。マコトなら三つ目をどうするかは、すぐに思いついた。愛液に溢れてマコトの男根を求めている股間にだ。
そこへミツキは、まだスイッチを入れていない三つ目のローターを埋めていった。ぬるりとプラスチックの硬い感触を襞が呑み込んだ。異物を受け入れ、膣の中がひくひくと蠢く。ただその感触はマコトの男根とは違い、冷たく無機的だ。体温は伝わらない。
もどかしい思いを抱いたまま、ミツキはローターを裏クリトリスの位置まで射し込んだ。膣がキュッと締まり、プラスチックの硬い感触を逃すまいとしている。ローターはマコトの男根に比べれば、物足りない小さな異物に過ぎない。ミツキは不満げな喘ぎ声を上げながら、それでも達成感を求めてスイッチを入れた。
ぶぶぶ。途端に膣の中で振動が始まった。襞がローターを締め付け、動きが裏クリトリスに強く伝わる。マコトの男根のピストン運動とは異なる細かな刺激だった。薄ら寒い気持ちよさ。なのに膣は異物が与える喜悦を貪欲に貪ろうとしている。襞が蠢き、筋が波を立てて奥へ蠕動し始める。無数の粒が膨らみ、ローターの動きで押しつぶされる。
「あっ、いく。マコトさん、ミツキ、四回目、イっちゃう」
膣の快感でミツキはたやすくオーガズムに達した。しかし達してみれば、やはり物足りない。ミツキはデスクにあったローターをつまみあげた。硬く反り返っている片方の乳首にローターを押しつける。ぶぶぶと小さな唸りを上げて乳首と乳暈がえぐられる。快感がびくびくと胸から全身へと伝わる。膣のローターはスイッチを入れたままだ。さらにもうひとつを本物のクリトリスに当てた。
「くっ、いく。五回目、マコトさん、ミツキ、五回目、イっちゃいます」
本物のクリトリスと裏クリトリス。それがローターの刺激でひとつの芯となって快感に貫かれた。二つの淫核がぴんと膣の外と内で反り返ると、いやらしいほど硬く尖った。
襞がうねうねと快楽の源を求めて蠢いている。喜悦を与える性具も、喜びを求める女性器も盲目的な生物に思えた。あるいは運動する部品。玩具の喜びは快感であることに変わりないが、マコトが与えてくれるのとは決定的な何かが足りなかった。今朝のように激しく突き上げられる喜びは訪れない。のっぺりとした粘る刺激が堂々巡りしている。
ミツキはなかなか訪れない真の歓喜にせっぱ詰まってきた。もどかしさを解消しようと腰をずらす。喜悦を求めて足を大きく開く。座る椅子の両袖に太腿を預けると裏クリトリスに当たっていたローターを性器のさらに奧に押し込む。子宮の入口までローターを入れ、四つ目のローターを指先でつまんだ。プラスチックの卵形のそれを膣に突っ込んだ。最初のローターが先ほどまで刺激していた裏クリトリスの位置だ。
膣が二つのローターを離すまいとキュッと締め付けるのを理解するとスイッチを入れた。ぶぶぶ。ぷるる。細かな振動が膣の奥と裏クリトリスで始まる。きゅっと快感で膣がわななくと強くしまった。下腹部のシコリは硬い刺激になって、固まっている。
膣の中の二つのローターを動かしたままでミツキは両の乳首に残り二つのローターをあてがい直す。四つの振動がミツキの性感帯で細かな悪戯を発揮し始めた。当初、マコトとのセックスで絶頂を得るには胸か股間か、どちらかに集中しなければならなかった。
しかし今日までマコトに体を開発され、両方同時に感じられるようになっている。両の乳首、膣の内部の二箇所、四つの位置で喜悦はそれぞれ湧きあがり、それがおへその下で一つにまとまると、全身を貫く喜びとなる。ミツキは思わず体を反らせた。
「あっ。くっ、嫌、恥ずかしい。マコトさん、ミツキ、六回目、イっちゃいます」
お尻がブルブル震え、股間で痙攣が始まった。ミツキの座っている椅子が大きく音を立てる。それでも違う。ミツキが欲しい喜びではない。とても物足りない。こんなのでなく、はっきりといきたい。なんとか本当のオーガズムを。マコトが与えてくれる快感を。
あっという間にミツキは絶頂を迎えた。声は叫びに近い。快感の煩悶を声にしなければ、絶頂の激しさを吐き出せそうになかった。四つのローターは、そんなミツキのもどかしさにおかまいなしに機械的に振動を伝え続けている。
しかし六回目の絶頂を迎えたはずが、ミツキはまだ寄る辺ない思いで欲望を処理しきれなかった。しょせんオモチャなのだ。マコトの太く、硬いペニスとは段違いだ。何より温かい体温を伝えてこない。安心感も。性具の伝える快感は、どうしても空々しさが拭えない。だから到達感がないのだ。
ミツキは絶頂の余韻をひきづりながら、小箱の中からバイブを取り出した。これを使えば不満を解消できるかも。脳裏に「なんと下品で、はしたないことをしているのか」と玩具による自慰に罪の意識が働くが、一方でそれしか方法がないと切羽詰まった思いに迫られてもいた。とにかくこの欲望を処理してすっきりしたかった。
説明書を読む。男性器をかたどった透明樹脂製のバイブ。どことなく見たことがある気がした。かすかな疑問を湧かす性具は、怒張しきったように反り返り、笠が大きく広がり、そのえぐれで膣の襞をこすられると、かなりの摩擦を生みそうな形状だった。
なぜ透明なのだろう。さらに疑問を脳裏に湧かせ、すぐミツキは意味が理解できた。試しに根本にあるいくつかのスイッチを押すとバイブのライトが灯った。先ほど見た緊縛画像の中に手鏡で陰唇を映されていたものがあったが、それと同様なのだ。透明なバイブの芯を通して眺めると挿入した状態の膣が観察できるのだ。
確かに性具を受け入れ、快感に酔いしれる膣の内部がどんな動きをするか、普通なら把握できない。マコトはそれを観察するつもりだったのだ。ミツキは顔が熱く火照るのが分かった。しかしこれを使うしかなかった。体にまとわりつく、もどかしさを払拭し、オーガズムですっきりしたかった。膣の中に入れていた二つのローターを出した。
スイッチを切る。透明な樹脂を濡れそぼった性器の入口に当てた。そろそろと挿し入れる。ぐりっとバイブが膣口を押し広げると、ぬるぬると中へ入り始めた。笠が襞をめくり上げて奥へ進んでいく。膣が大きく開口し、ぴったりとバイブにひっついて包み込む。
襞にある細かな皺と無数の粒がざわつき、押し潰され、バイブをもっと奧へ呑み込もうと波打っている。埋め込まれたバイブは膣の貪婪な運動で、たやすくミツキの性器をいっぱいにする。快感が広がった。薄ら寒い無機的な喜悦。人工的に製造された喜び。
マコトが与えてくれる圧倒的な喜びには遥かに及ばない。プラスチック・オーガズムとでも呼べるような不在感をともなう快感だ。しかし体はバイブが人工物であるとは理解できない。絶頂を知っているだけに、達成感を求めて疼き、果てようとあがいている。
ミツキはその求めを達成させようとバイブを一気に奧まで押し込んだ。子宮口までバイブの亀頭を挿す。膣の中に樹脂が一本の杭のように突き刺さると襞と皺を貫いた。無数の筋と粒が押し潰され、反発し、蠢いている。ミツキは声を上げて吐息を漏らした。
これはマコトさんだ。ミツキは膣にすっぽりとおさまっているバイブの形状が、いつも挿れてもらっているマコトの男根とそっくりだと性器で把握できた。このバイブはおそらくマコトさんの男根を立体成型してあるのだ。どんな注文方法か分からないが、こんな風に仕上げることができるのだ。ミツキはその感触に愛おしさを覚えた。
しかし膣が密着しているバイブは根本的にマコトではない空々しさ漂わせている。それがどうしようもないむなしさを伝えてくる。すがりついていないと、どこかへ消えてしまいそうなマコトの印象。そう理解するとミツキは一層、せっぱ詰まった思いに駆られた。汗が噴き出すほど、体が疼く。もどかしさが倍増する。
どうにかして欲望を解消したかった。どうにかして本当の達成感、オーガズムを迎えたかった。そうしなければおかしくなってしまう。焦りが強く迫り、いてもたってもいれず、狂おしく膣がのたうっている。ミツキは狂乱し、叫びに近い声を上げるとバイブのスイッチを入れた。途端に樹脂が振動とうねりを始めた。
バイブの亀頭がゆっくりと回転してミツキの膣をこね回し始める。淫らな棒が円を描く。ぶぶぶ。音が発生する。襞と皺と粒が撹拌され、びちゃびちゃと鳴る。あちこちがめくれ、撫で回され、潰されては戻る。バイブの回転にミツキの膣は粘り着く泥と化して、その運動を追いかけている。ぐんと上昇する感覚で絶頂が近づいてきた。
「あっ。あっ。マコトさん。ミツキ。いく。七回目」
叫びを上げるとミツキはたやすく果てた。稚児に近い、つたないオーガズムだった。一旦、スイッチを切る。結果はむなしいばかりだ。七回目というのにボルテージは上がらず、最初と同様の空々しい絶頂感しかない。マコトさんなら快感はどんどん増していき、どんどん濃密になるのに。どの性具でも、どうしようもならず、ミツキは切なかった。マコトが今、ドアを開けて帰ってきてくれたらと切望した。
しかしそんな気配は皆無だ。独りぼっちで欲望と戦わなければならない。ミツキは哀しかった。マコトが帰らないのもあるが、なにより体が淫乱の度を深めていると理解したからだった。わたしはこれからどうなるのかしら。どこまでもスケベになるのかしら。
それが正しいと思う。永遠に淫乱になっていくと自覚できた。八回のオーガズムを終えても、体がすっきりとせず、欲望を処理せよとミツキに迫っている。もはやミツキの体はミツキが制御できる段階になかった。それをできるのはマコトの男根だけだった。
『マコトさん、早く帰ってきて。そして私の体をなんとかして』
心の中で狂おしく願うと、もうミツキにできることはなかった。ミツキは改めて部屋に自分しかいないことを確かめると、バイブのスイッチを入れ直した。ぶぶぶ。膣の中で再び、薄ら寒い感触が快感を伝え始める。続いてミツキはデスクにあったローターをふたつつまむとスイッチを入れて両方の乳房に当てた。
プルル。振動が乳暈に続き、快感が押し寄せてくる。求めているような質ではない。マコトが与えてくれるものではなく、品質の悪い、ただお腹がいっぱいになるためのような刺激。それでも欲望を処理できれば、体に噴き出している下品な私をごまかせる。
ミツキは動物的な本能でそう理解し、ふたつのローターで両方の乳房を。深く膣に突っ込んだバイブで性器を。そのどちらも痴呆のように動かし続けた。肘と指でふたつのローターを両方の乳房にあてがうと空いた指先でバイブを闇雲に出し入れした。
声が獣の叫びとなる。これでもかと出鱈目に樹脂を膣の奥へと突っ込み続ける。性器が裂けるかと思うほどだ。ことが終われば襞がこすれて痛いだろう。そう感じたが、どうしようもない。体がミツキを動物にしていた。とにかく欲望を処理するしかなかった。
八回目を果てた。九、十回目と絶頂を立て続けに迎えた。快感が連続し、オーガズムが体を痙攣させる。ミツキはかすかな理性で脳裏に想像の世界を広げた。これはマコトさんの愛撫。マコトさんが私を導いてくれているセックス。そう脳裏で信じ込む。そして欲望を処理するために性器が壊れるほどバイブを動かし続けた。
『召使魔女取扱説明書』※本書は召使魔女には読めません。主人のみ読解でき、召使魔女をどう扱えばよいかが分かります。
【魔法と魔女の国について】魔女が人間の精子によって妊娠できるのは同じホモ・サピエンスだからです。両者の差は魔法が使えるかどうかだけです。魔女の国も地球上にあり、よく似た生態系にあります。ただ魔女の国に限らず、その他の魔法の国にしても、人間界と次元が異なる領域なので二つの世界が制限なしに重なることはありません。
それは時間軸の違いといってもいいでしょう。異なる二つの世界では異なる時間の流れ方をしており、そのために同時点が存在しません。魔女が人間界へ来訪できるのは魔法によるタイムトラベル(来訪する地の過去への旅)と言えます。人間界から魔女の国に行けないのは、まだ人間がタイムトラベルできないからです。
時間軸の違いは地球が一つの生物と考えるとわかりやすいかもしれません。生物に死があるように、どんな惑星にも終焉があり、惑星が存在している宇宙にもいずれ最期が訪れます。ただその終焉がゆっくりか早いか、どこから始まるかに誤差があります。遠い昔からゆっくりと終焉に向かっているか、加速度的に向かっているかです。
この誤差は、それぞれの世界の文明が早く成立したか、急速に発達したかの違いといえます。二つの世界の最終的な終焉(地球の終焉)は同じ時期だとしても魔法界と人間界の時間の流れが、どの段階にあるかの差です。二つの世界が一つの門でしか繋がっておらず、互いにあまり影響しなかったり、融合しないのはそのためです。
では二つの世界に、なぜ時間軸の違いが生まれるのかと言えば、その世界の文明を支えているエネルギーの違いです。人間界は電気、ガス、石油など、精選加工した有機的な資源に依存する機械文明(ロスが多いため、より多くのエネルギーを必要とし、加速する)ですが、魔女界は自然エネルギーをそのまま利用した魔法文明でエネルギーのロスがないため時間軸がゆったりとしています。
それは人間界の科学や経済活動が盲目的な運動であるのを見れば分かります。魔法は風、雨、引力、雷など惑星が起こす自然現象をそのままエネルギーとしています。魔法が万能的な力を発揮し、無理がないのは自然エネルギー(地球に存在するエネルギー)をそのまま利用できるからです。変身や重力に反した飛翔を可能にしているのもそのせいです。
しかし時間の流れが異なる人間界で魔法を使用することは異なる次元のエネルギーを用いることになり、エネルギー保存の法則に反し、世界に乱れを発生させるのです。魔法によっては大災害をもたらすことも考えられます。そのため、派遣した召使魔女が魔法を使用した場合、感知したり、対応するシステムがなされています。
魔女の国が異なる次元に存在するように、この地球にはその他の魔物の国も存在します。魔法使い(男女がいる)、悪魔、魔獣(共に雌雄がある)などがそれに匹敵します。これらの魔物の国も魔女の国と同じ次元の世界に存在し、それぞれの発生、目的によって対立しています。例えばスクブスという淫夢魔(女性タイプ)は悪魔や魔獣、時に魔法使いの国に存在しますが、魔女の国にはいません。その必要がないからです。
スクブスとは人間男性(あるいは魔界のオス)の精子を獲得することが目的で、それを自身の精力としたり、男性版である淫夢魔のインクブスに与え、その精子で人間女性(あるいは魔界のメス)を妊娠させて子孫を増やす性的な生物です。一方、魔女が人間の男性の精子を必要とするのは種の混雑を避けて(魔性のない人間男性の精子で)、純粋な子孫を増やすためです。魔女の子供は他の魔物の遺伝子を受け継ぐと魔女ではなくなるのです。ときには魔法使いや悪魔、魔獣に堕落することもあります。そうなると魔女独自の魔法が発揮できず、発揮できても効果や種類が異なるようになります。
壁時計を見ると夕方の五時だった。ミツキはオナニーを終えて、なんとか平静さを保てていた。全身が汗まみれだった。三時間近く、玩具で自身を慰めていたのだ。
改めて確かめると膣の内襞がすりむけたようでヒリヒリしていた。性器が壊れるほどバイブを使ったせいらしかった。だがまだマコトが与えてくれるオーガズムでの達成感とはほど遠かった。マコトの愛撫に比べると、あまりにも機械的な性行為なのだ。
なんとか気持ちだけは落ち着いたが、体はまだ不満げに疼いている。平静なふりを装っているものの、気を許すと体にひきずられて欲望が暴走しそうだった。どうしようか。ミツキは理性と性欲の拮抗に戸惑った。自分の指なら。そう考えたが、マコトがしてくれるのでないなら、結果は同じだと肌で分かった。
自身の淫欲を解消し、達成感で満足できるのはマコトが与えてくれるオーガズムでないと無理なのだ。となると気持ちを別の方に持っていくしかない。ミツキはことさら自身の欲望を誤魔化すために、さっきまで使っていたローターとバイブを洗い、目に付かないように箱にしまうことにした。
トップスとスカート、ブラもショーツも恥ずかしいほどはだけている。馬鹿なほど自慰にふけったのだ。自分の本性がどこまでも淫乱であると自覚させられた。ミツキはつとめて下着や衣類を整えると性具と箱を手にして廊下に出た。
風呂場に入ると脱衣所の洗面台にバイブと四つのローターを置く。どれもミツキの愛液でべっとりと白く濡れ、ところどころ、どろりと濁った粘りが貼り付いている。欲望を吐き出し切れずに濃い愛液が煮こごりのように織物になっているのだ。それを見ただけでミツキは自身の淫乱ぶりに侮蔑の思いが湧いた。
水道の蛇口をひねり、性具の汚れを丁寧に落とす。説明書には、どれも完全防水とあったので直接洗っても平気なはずだ。自身の淫乱さをこそぎ取るように、ミツキは水を強く当てて指で性具をこすり続けた。数分、そうやって掃除していると自身を戒めているような気持ちになり、なんとか踏ん切りが付いた。玩具を箱に入れる。
廊下に再び出ると玄関ではジェシカがバケツに入ってつまらなさそうにしていた。ミツキに気付くと柄をこくんと振って空中に軽く浮き上がった。くるくるとその場で何度も回る。まるでミツキを引き止めるように。
そうだ。そういえば、人間界にきてからジェシカを空に飛ばしてやっていない。自身のことで精いっぱいでジェシカにまで気が回らなかったとミツキは改めて気が付いた。
空飛ぶ箒であるジェシカは、箒とはいえ、ある意味で生物と言える。空を飛ぶ点では鳥類と変わりない。だから飛翔することは本能であり、楽しみでもある。うん。気晴らしにちょうどいい。欲望をまぎらわすために二人で散歩に行こう。そしてジェシカを空に飛ばしてやろう。どこか人目に付かず、たて込んでない場所で。
ミツキは外出することにした。服を着替える。買い物の時に着るトレーニングウェアの上下だ。トートバックにハンカチ、ミネラルウォーター、ティッシュを準備する。魔鏡で、いかがわしくない格好だと確かめ、玄関でスニーカーを履き、ジェシカに告げた。
「ジェシカ、散歩に連れて行ってあげる。着いたら空を飛んでもいいよ。でも誰かに見られないように小さくなって飛ぶんだよ」
ジェシカがバケツから出ると柄でこくこくと相槌を返してきた。よほど我慢していたのか、反応が直截だった。ごめん。これからはジェシカがストレスでヘソを曲げないように機会を見て、できるだけ空を散歩させてやろう。ミツキはいつもなら自然に頭に浮かぶことを今になってやっと思い返した。
マンションを出て、一階へと降りながら考えた。どこにいこうか。ジェシカが飛んでいるところを誰かに見られるのは問題だ。人間界ではあり得ないことだけに騒ぎになるかもしれないし、噂が広まるかもしれない。そうなると好奇心から調査する人が集まり、魔女の存在が暴露される可能性も出てくる。誰にも見とがめられず、あまり人が来ないところ。そしてジェシカが空に飛べるスペースがある空間。そんな条件に合うのはどこだろう。
ミツキは脳裏で目的地を探しながらマンションから足を進めた。人目を避ける思いから裏手に向かう。意識はしていなかったが、外出の経験からスーパーの方角に歩んだ。ジェシカは体を小さく縮めてトートバックに入って運ばれている。
気がつくと児童公園にきていた。路傍が開け、木が茂り、空気が濃くなる。ここでいい。考えてみればミツキが知る簡素な空間はここしかなかった。夕日がかすかに滲み始め、影が伸びている。ミツキはそのまま足を入れた。奥にある芝生を目指す。
夕食前の午後の時間帯だけに人影はなかった。芝のスペースは木々が開け、頭上に空が広がっている。ミツキは飛び石をたどってベンチに寄った。辺りを確かめ、トートバックからジェシカを呼び出す。声があるとロケットのようにジェシカは中から飛び出した。
「呼んだら戻るんだよ」
空へ一直線に飛んでいくジェシカは雲雀だ。言葉が終わる前にあっという間に雲の中に消えた。ミツキはベンチに腰を下ろした。遠くで子供の声がする以外、誰もいない。下校時らしい。人の声を耳にした途端、マコトの帰宅が待ち遠しくて、たまらなく感じた。
早く帰ってきて欲しい。そして早く熱い男根を思い切り性器の中に入れて欲しい。ミツキはやるせなく辺りを見回した。公園に沿った道が目に入る。脳裏にマコトが自身の股間をいたずらしてくれたことを思い出した。
ほんの二日前だ。ここでわたしはマコトさんの指で快感に溺れ、外だというのにオーガズムを求めてしまった。頬が熱くなるのを感じ、マコトの愛撫の記憶がここで見た犬の交尾をミツキの脳裏によみがえらせた。ミツキの股間が熱く火照った。
胸に実感が湧いた。あの雌は私だ。射精を受けて感極まるように鳴いていた雌犬。あれはマコトさんに精子を浴びせてもらい、オーガズムの声を上げるわたしそのものだ。さっきのオナニーにしても膣がすりむけるほど続けた。まるで動物のように理性を忘れて。
ミツキは不意に理解を得ていた。わたしは要するに、ただの穴だ。肉でできた穴ぼこに過ぎない。マコトさんのオチンポ様を埋めてもらいたがる穴。そのために襞におびただしい愛液をにじませ、皺を歪ませ、引きつらせ、蠢く穴。内部に快感を得ようと筋を作り、無数の粒を浮かばせ、快感を貪ろうとする。ただの穴に理性や淑やかさを求めても無理なのだ。単なる穴なのだから。
どうしようか。これからどうなるのか。自身の真実を理解した途端、ミツキは不安に襲われた。知性のない単なる穴である自身は、オーガズムのためには、どこまでも淫乱に堕落していくだろう。それはどんな風なのか。どこかに終点があるのか。それとも終点などなく、続くのか。数日でマコトに仕込まれた体の変化にミツキは恐れを覚えた。
少しでも未来の兆しを感じ、安堵したかった。この先、どうなるにせよ、自分のいく末を知りたい。それが分かれば怖さが消える。恐れとは闇への防衛本能。答がないことへの恐怖なのだから。ミツキはマコトとの生活、特にセックスの部分を模索したかった。だが人間界では魔法を禁じられている。自身の将来を垣間見るのは魔女の国でも厳禁だ。
どうすればいいのか。ミツキは対処のしようがなく、もどかしく煩悶した。何かを捉えようとした視線が足元の芝へ流れた。そうだ。占いだ。子供の頃、未来を予測するためにみんな花占いをしていた。四葉のクローバーを枕の下に入れて眠った。
あの占いはよく当たった。自分がどんな魔女になるか迷ったときもナース魔女を示唆してくれた。飛び級するときも、専門テストにどんな問題が出るかが分かった。学校で一人の子にわたしの唇がスクブスみたいだと悪口をいわれたことがある。スクブスがセックスに特化した淫らな魔物であることは知っていたが、実物を見たことはなかった。だがその子によると、わたしの唇が赤さも形も図書室の図鑑にある通りだというのだ。
わたしはその子の言い草に腹が立ち、彼女の身になにか嫌なことが起こればいいと花占いをした。すると彼女の自慢のブロンドが燃えている夢を見た。それをわたしは彼女に伝えなかった。痛い目を見ればいいと考えたのだ。数日後、彼女は本当に髪を燃やした。伝え聞くと自慢のブロンドを独自の整髪剤でセットしていたらしいが、こっそりタバコを吸おうとして火が髪に引火したそうだ。油が強すぎたらしい。
わたしが夢を伝えていれば彼女はあんな目に合わなかっだろう。そう考えて休みに家に帰った時に母親にその一件を告げた。すると母親は「そうね。伝えてあげればよかったわね。でもあなたが助言してあげていても、その子は同じ嫌な目にあったはずよ。未来は変えられないものだから。バチが当たったようなものなの」と話してくれた。
花占いはそれぐらい当たる。そして魔法じゃない。ただのまじないだ。だから掟を破ることにはならない。ミツキはクローバーを探すことにした。クローバー、和名シロツメグサは人間界にも魔女の国にも生えている。というよりもどちらの国でも自然物は、あまり変わりはない。樹木、草花、魚や獣は同一だ。食用となる豚や牛、鶏も。生態系が同じならば草食動物が食べる植物にも変化はないのだ。
クローバーの花言葉は「わたしを思って」「幸運」「約束」時には「復讐」とされる。これは「わたしを思って」が裏切られた場合に憎しみに変わるからという。ミツキは「わたしを思って」と願いながら夕日が増してきた芝生に膝まづいた。
四方に目をやりながらにじり進む。やがて奧にクローバーが群生するのをミツキは発見した。膝で寄ると四つん這いになって草に顔を寄せる。どれも三つ葉だ。すぐには目的のものが見当たらない。ミツキは探し続けた。木々の影が長くなり、日の滲みが赤さを強め、辺りがうっすらと闇に包まれ出したために探しづらかった。
あった。四つ葉だ。ひとつだけ。ミツキはやっと目的のクローバーを見付けた。思わず口元がほころんでくる。指先で摘むと立ち上がり、ベンチに戻った。トートバックの中からティッシュを取り出し、クローバーを挟んで畳む。それをトレーニングウェアのポケットに入れると久しぶりに朗らかに気分になった。
ミツキは指を立てると口に持っていく。そして強く吹いた。高らかに指笛が響くと彼方の雲から弾丸のように一筋の流れが軌跡を描いた。真っ直線に下降してくる。みるみる近ずく軌跡は小さな点から棒になり、ジェシカに変わった。さっと頭上で一回転したジェシカはベンチに着陸した。ミツキはベンチから腰を上げると告げた。
「楽しかった? それじゃ帰るわよ」
第六章 喜悦の底に堕落する魔女の死
帰宅するとトレーニングウェアで寝室のベッドに寝転んだ。昼の自慰と途絶えない肉欲が悶々と体に貼り付いている。壁の時計を見ると七時過ぎ。マコトは帰ってこない。
ミツキは忘れない内にとポケットにあったティッシュを枕の下に差し入れた。今夜、夢占いをするためにだ。マコトが帰宅し、夜の愛撫をしてくれたら、きっと快感でそのことなど脳裏に湧かないだろう。だから事前に用意しておこうと考えた。
体の疼きはまだ続いている。マコトがオーガズムを与えてくれるまで、この悶々を誤魔化す必要があった。そうだ。夕食を準備しておこう。マコトさんは済ませてくるかもしれないけど、一応、用意し、召し上がらないなら、翌日に回せばいい。となるとレンジで再加熱できる種類だ。ついでにお酒のおつまみも作っておこう。
キッチンでクリーム・パスタの下ごしらえをした。つまみにはクラッカーにピクルスやコンビーフを乗せたカナッペを用意した。マコトを待つまでに、やることは他にあるだろうか。ミツキは思いを巡らせ、夜、可愛がってもらえる衣装を選ぶことにした。
昼の愛撫がなかっただけに今夜は思い切り、セックスして欲しい。そうしてくれるようにマコトさんを誘惑できる、きわどい下着と衣装にしよう。いざとなれば自分からおねだりしてしまってもいい。きっと我慢できないのだから。
ミツキは夜の着替えのために寝室に戻った。届いているマコトが選んだ衣装は三十着を超えている。下着もだ。そこから白のトップスと黒のマイクロミニのセットを選んだ。
トップスはホルターネックのタンクトップでカットソー。幅広のリボンを首の後ろで結ぶデザインで、ノースリーブの肩と背中が露出する。
素材が体にぴったりとフィットする薄いレーヨンだけに乳房の輪郭と素肌がはっきりと透けるだろう。着てみると体の線に沿って、ところどころギャザーが生まれてアクセントになる。まるで脱がせて欲しいと、もどかしげに訴えているようだ。マコトさんはこれを脱がす時、リボンをどんな風に外してくれるだろうか。ノースリーブのカットソーだから脱がさずに脇から手を入れてオッパイを揉んでくれるだろうか。
セットのスカートはポリエステルでウェスト部分がサラリとした風合いの帯に仕上げられていて腰にぴったりフィットする。その下が三段のシフォンのフリルで一見するとパニエのようで可愛い。だがフリルは三段ともメッシュだ。着丈が28センチだけに臍の高さではくと、股下はほぼ0センチ。レースが重なる二段目まではなんとか透けないが、最後の三段目のメッシュは恥丘や太腿の付け根が露わになる。
少しでもかがめば間違いなく中が丸見え。このまま外出すれば犯してくれといっているようなものだ。ミツキは試着した衣装を脱ぐと丁寧に畳み、今夜に備えてクローゼットの棚に置いた。続いて下着選びに入る。トップスが透けるためにブラは作戦が必要だ。露骨に刺激して誘うか、お淑やかに装うことで恥じらいを演出するか。
だが自身の肉欲への悶えはマコトには筒抜けだろう。言葉を発しなくても、仕草ひとつ、視線のひと投げ、瞳の濡れ具合でなにを欲しがっているか、一目瞭然に違いない。それほど欲望がたぎっているのだから隠そうとしても漏れ出してしまうに違いない。となると下手な小細工はやめよう。ストレートに色欲をぶつけるのだ。『マコトさんのオチンポ様をミツキのオマンコの穴に突っ込んでください』と衣装で訴えるのだ。
ミツキはそこまで考えて露骨なほどいかがわしい下着を選ぶことにした。届いている大半がセットになったブラとショーツだ。その中からミツキは黒のトップレスブラに決めた。カップが1/4のシェルフブラで胸を寄せて上げるオープンバストタイプ。肩と背中を露出するトップスを着るため、普通のブラでは肩紐が見えてみっともない。
ストラップのないブラだがワイヤーが入っているため、カップの上にバストを乗せ、持ち上げるようにすると見た目以上に乳房が寄せ上がり、ボリュームのある谷間を作ってくれた。カップの面積が狭いだけに乳房の南半球、乳首より下だけ覆われていて、まだCカップ75のミツキの胸でも二つの乳首がカップの縁から顔を出した。
バストトップが90あるだけにアンダーバストとの差で胸にソフトボールを二つ詰めたような球形を見事に形作っている。先ほど選んだトップスなら薄い生地だけにブラからはみ出しているオッパイはほとんどか透けて見えてしまうだろう。おまけに乳首はノーブラ同然だから硬く尖って突起を刻むはずだ。このブラとトップスのコンビネーションだけでも、何をおねだりしているか、マコトには丸分かりになる。
狙い通りの淫乱さにミツキは期待に胸をときめかせた。マコトさんは服の上から、この乳首や乳房を両手でつかみ、揉みしごいてくれるだろうか。手のひらにぴったりだと喜んでくれたわたしのオッパイを痛いほど可愛がってくれるだろうか。ミツキは今夜のマコトの愛撫による喜びを想像した。そして次にショーツの選択にかかった。セットのものが単なるハーフバックなので際どさが物足りなかったのだ。
そこでミツキは異なるセットにあったGストリングの黒いショーツを選んだ。デルタ部分を覆う前面は臍からかなり下で際どいV字になっており、三角の布地が恥丘をなんとか覆うが、上半分が刺繍のレースで、バラの花の模様の下に『マコト様専用性器』のシールやご主人の所有物であることを示す『makoto』の英文字が透けている。生地の中央からは短いチェーンが下がり、丸いゴールドのチャームが付いていた。
ショーツのデルタ部分は腰の横へ宝石を模した素材を介してストラップとつながっている。後ろはそのままTバック。左右のストラップが尾てい骨で三角のバラの刺繍にまとめられ、細紐となって股間へ流れるため、お尻の二つの丘は丸出しだ。なによりデルタ部分の生地は下半分が、ただのシースルーのメッシュなのだ。股下のクロッチ部分は当て布がない。当然、ミツキの女性器の亀裂はその形も位置も丸分かりだ。
マコトの性教育でミツキの女性器は幼女のような刻み目だったのが土手が盛り上がり、陰唇は唇が股間に生えたようにぷっくりと隆起している。その秘肉はシースルーの生地にぴったり密着して隠しようがない。どうぞじっくりご覧くださいと差し出しているようなものだ。ミツキの性器は、今ではすぐに濡れそぼってしまうようになっただけに感じ始めたらショーツをすぐに半脱ぎにしなければとミツキは頭にとめた。
選んだスカートがシフォン風でフリルの最後がメッシュ。股下は0センに近い。少し姿勢を変えるだけでパニエのようなふわふわしたスカートがひるがえり、黒い下着の中の女性器を露わにするだけでなく、金色のチャームが怪しく揺れるはずだ。その様子は、ここにわたしの性器があります。使っていただけますかとマコトに合図を送ってくれるだろう。無論、下着に合わせて黒のガーターベルトとバックシームのストッキングは必須だ。
ミツキは下着選びに満足がいって試着した下着も丁寧にクローゼットに準備した。脱衣所に行くとメークを派手なほどしっかり施す。トレーニングウェアを着なおし、最後に名古屋巻きで髪型をきっちりとセットする。夜の準備は終わった。寝室に戻るとマコトが帰宅するまでミツキはやることがなくなってしまった。再びオナニーにふけるのもはばかられる。しょせん玩具に過ぎないのだ。快感を得ても、今以上に疼きを強めるだけで、求める絶頂の喜悦は得られないと分かっていた。
体には先ほどの自慰で処理できなかった肉欲が悶々と体に貼り付いている。だが気だるく四肢に残るオナニーの疲れは思った以上らしく、ミツキはベットに寝転ぶと睡魔に襲われた。まだ七時少し過ぎ。マコトさんが帰ってくるには時間がある。壁の時計を確かめてミツキは目を閉じた。同時にミツキの意識は、いずこともしれない空間に消えていった。
闇の中でミツキは目覚めた。まだ目を閉じていたが今いるのは、なぜか寝室ではなさそうだった。四肢が仰向けで寒ざむとした感触が伝わる。やけに体が窮屈だ。それに自由が利かない。両腕を背中に回し、股間が歪むほど、両足を開脚している。百八十度以上の角度だ。
腰の裏を預けているのは硬いクッションだろうか。そのために仰向けになりながら下半身がへの字に反りかえっている。まるで見てくださいといわんばかりに股間を割ってさらけ出している風だ。どこだろう。ミツキは今の様子を確かめるために目を開けた。
しかしまだ闇しか意識できなかった。目覚めているのは確か。どうやら目を何かで覆われているらしい。なぜ、こんな姿勢で、こんな場所にいるのか。少しも理解が及ばなかった。ミツキは体を身じろぎさせた。しかし意に反して胴は固定され、手足も動かない。感触から手首と足首を縄で縛られているのだと分かった。
これは小手縛り。そしてM字開脚縛りだ。ミツキは眠る前にマコトの書斎で見た緊縛画集を思い出した。手足以外にも乳房の根本が絞り込まれている。胸縄が菱形にオッパイを締め付け、まん丸に張りつめているのが理解できた。寒々としているのは衣服をまとっていないせいらしい。そう気が付いたミツキは人の気配を察した。つまり裸で股間を思い切り広げているのを見られていることになる。激しい羞恥がミツキを襲った。
「目が覚めたか」
すぐ横で声がした。マコトだ。同時に目を覆っていた物が外され、ミツキはやっと辺りを確認できた。動かせるのは頭だけだが視線を送れる。地下室のような空間だった。巨大な鳥かごの中、手術台のような什器にミツキの腰がベルトで固定されていた。
スポットライトが麻縄で縛られている全裸の姿態を照らしている。鳥かごの向こうには人間の影が並んでいた。その数は二十人ほどだろうか。年齢も顔を判然としないが、どれも男だ。というのも、どのシルエットも股間に怒張した男根がうかがえたからだ。
十重二十重の男たちは開脚させられているミツキの股間へ焼け付くような視線を注ぎ、精液の匂いを漂わせている。自身の体が柔軟なだけに腰の裏に当てられたクッションによってミツキは性器を頂点にしてM字どころか下半身を剥くように浮かせていた。だが麻縄が太腿と足首を緊縛しているために股間を閉じようがなかった。
「いかがですか、皆さん。この女は私こと、マコトの奴隷です。この肉体のすべて、口も胸も尻もオマンコも、私の言いなりの道具です。そして今から所有物である、この肉便器を皆さんに提供しましょう。料金はいりません。どこをどう使ってくださっても構いませんよ。存分にお楽しみください。ただしアナルはご遠慮を。まだ私の開発前ですので」
信じられない言葉を台の横にいるマコトが述べた。手にはミツキから外したアイマスクをつまんでいる。なにをさせようとしているかは、その言葉で分かったが、どうしてこんなことになっているのかは理解できない。ミツキは事態に茫然とした。
わたしの体はマコトさん専用のはずだ。恥丘にはマコトさんの所有物であることを示す名前が刻まれているし、『専用性器』とシールさえ貼られている。なのに他人に使わせるのか。先日、四つん這いの恰好でマイクロミニの裾をめくり、自ら淫唇を広げたときも、オマンコを見てもらうのは誰でもいいのではなく、マコトさんだけ。わたしはマコトさんのものだから、ふしだらな姿をお見せするのはマコトさんだけだと告白したはずだ。
確かに仮契約ではマコトさんの命令には絶対服従だ。だがそれは二人だけの秘め事においてのはず。これでは、わたしは売春婦として使役させられるようなものだ。いや、料金はとらないのだから、それ以下だ。本当にただのセックス用の処理道具ではないか。
「この娘はただの公衆便所ですから、名前は必要ないのですが、都合上、リリスとします。リリスとはエデンの園に暮らした人類最初の女です。蛇の化身であるとか、その隷属者とも言われます。彼女は旧約聖書の『 イザヤ書』34章14節に記述される夜の魔女であり、アダムと口論してエデンの園を捨て、多くの悪魔たちと性交することを選んだ淫婦です。通常、人類最初の女性はイブとされていますが、アダムにはイブの前にリリスがいたのです。そしてそのリリスは魔性の女とされ、女淫魔スクブスであったといわれています。では、なぜこの娘がリリスなのか。それを今から証明いたします。そもそもアダムとリリスが口論となったのは、セックスの最中に自分が上になると騎乗位を主張したからです。リリスはそれほど性交に女性上位の快楽を求める淫乱女なのです」
マコトが鳥かごの鉄格子の外に並ぶ男たちにミツキのことをリリスと紹介すると台に拘束されているミツキの下半身に手を伸ばした。そして股間を二つに割るように限界まで開脚している淫部を指先で撫でた。ズキンと快感がミツキの性器を貫いた。マコトの的確な愛撫でミツキはひと撫でされただけで膣に愛液が滲むのが分かった。
マコトが親指と中指でクリトリスの包皮を剥く。真ん中の余っていた人差し指で陰核をこすり上げる。鞘から露出させてもらった淫芯はすでに赤く、妖しくてらついているだろう。衆人環視の中というのに自身の性器は愛欲をたぎらせてしまうのだ。ミツキはマコトに仕込まれた自身の体のたやすさがうとましかった。
「あ、駄目です。マコトさん。やめてください。人前で、恥ずかしい。ひどいです」
激しい羞恥で顔が燃えるように火照る。しかし四肢の自由を奪われているために逃れようがなかった。マコトがクリトリスを的確に愛撫する。途端にミツキの膣の奥から愛液が溢れ始めた。襞と皺がなにかを求めるように収縮を始める。駄目だ。このままでは欲望に体を支配される。思わずミツキはアブラカタブラと瞬間移動の呪文を唱えていた。
しかし状況は変わらなかった。両足も腕も麻縄で縛られたままだ。オマンコを剥き出しにして台に固定されたまま、もがくことしかできない。ミツキは理解した。わたしをここに拘束したのはマコトさんだ。これはマコトさんの意思なのだ。だから魔法が効かないのだ。ミツキは唯一、自由になる頭を振り、いやいやと髪を揺らして拒絶した。しかしマコトは容赦せず、クリトリスを撫でていた指を膣の中へと挿入した。
「いや。やめて。お願いです。駄目です。こんなこと、許してください」
ミツキは声をあげ、必死の思いでマコトに懇願した。見知らぬ男たちに見られているのに。体の線を見せるだけでも、もったいないとおっしゃってたのに。わたしはマコトさんだけの女。マコトさん専用の性器。心の中でそう告げる。しかしすでに愛液で潤った股間はマコトの指をやすやすと受け入れ、それを離すまいと襞が絡まる。
マコトの指が膣の中でくの字に折られて反転した。ミツキのGスポットにできた突起、裏クリトリスを強く撫で回す。途端にミツキの膣は愛液で濡れそぼってしまった。
「モーゼが伝えた律法であるタルムードに、リリスはカラスのような髪を長く伸ばし、獣のように水を漏らして座るとあります。さあ、見てください。この女は黒髪を揺らして、とめどなく、オマンコを濡らし始めました。リリスである証拠です」
マコトはそう宣言するとミツキの陰唇を両手の指で大きく開いて見せた。ミツキは股間を二つに割るようにM字で開脚している。そのためにたやすく性器の内部が露わにされてしまった。鳥かごの外に並ぶ男たちの視線が一斉にミツキの膣に注がれる。
マコトのたった数度の愛撫でミツキのオマンコの奥は愛液に溢れ返ってしまっている。その愛液がマコトによって陰唇を大きく開かれたために滴り出た。淫部の隆起が濃く粘る白濁の液に染まる。愛液はとめどなく湧き続け、太腿まで垂れていく。
「駄目です。恥ずかしい。本当にやめて」
抵抗の言葉を告げたがミツキは自身が興奮しているとわかった。わたし、見ず知らずの男に恥ずかしい部分を見られているのに、オマンコをこんなに濡らしている。確かにミツキのオマンコは理性に反して喜びをはっきりと伝えてきた。
ミツキの体は言葉と裏腹にマコトの男根を求める思いに駆られてしまっているのだ。それは理性によるのではなく、マコトに仕込まれた調教で体が無自覚に働いているからだった。そして無自覚であるだけに抑制が効かず、暴走するのは定めと言えた。
「いや。いや。駄目です。マコトさん。本当に。やめてください。こんなの。ひどい。恥ずかしいです。お願いですから。許してください」
自らの性器を男たちにさらけ出しながらミツキは愛液がとめどなく噴き出してくるのが理解できていた。マコトに指で膣の中をこすられ、襞が皺を強く刻み、無数の粒が絡みついて快感を貪ろうとしている。裏クリトリスが痛いほど硬く充血していた。膣の内側全体がキュッと締まるとマコトの指を逃すまいと密着した。
思わず股間がびくんと痙攣する。膣の襞と皺が喜悦を与えてくれるマコトの指を求めて、もっと膣の奥へ、さらに快楽を強めようと波打ちながら抽送を始めた。ミミズ千匹の蠢きはマコトの指が与える快楽を搾り取ろうと反芻している。もっと。ミツキの脳裏に理性を超えた思いがたぎる。途端にミツキの体はムッと甘い女の体臭をかもしだした。
あ、駄目。こらえられない。わたし、もう、どうでもいい。今すぐマコトさんのオチンポ様をくわえたい。喉の奥まで突っ込んでもらって、息ができないほどしゃぶりたい。硬く熱いオチンポ様を握りしめたい。なにより、わたしのオマンコの穴に思い切り突き立てて欲しい。じりじりと熱い欲望がミツキの意思とは別に焦げるように脳裏を支配する。本当にどこまでわたしは淫乱なのだろう。恥ずべき状態なのに、考えられないほどセックスを求めている。ミツキは自身の肉体が果てしなく淫らになっていくのを実感した。
いつも以上に刺激が激しい。わたし、見知らぬ男たちにビチョビチョにしたオマンコを見られ、感じている。快楽を求めて体が言うことを聞かない。こんなに恥ずかしいのに、もっといやらしくしてと体の芯が訴えてる。ミツキは自身の肉体が暴走を始めたと理解できた。駄目だわ。わたし、本当にドスケベ女になり始めてる。どうしよう。人前でオマンコをさらけ出して、お汁を外に漏らして、気持ちよくなってる。
なんて恥さらしな女かしら。それが気持ちいいなんて、ふしだらなのにもほどがある。でも、気持ちいい。知らない人に見られてるのに、もっと快感を与えて欲しい。こんなこと恥ずかしすぎるはずなのに、マコトさんの指が動くたびに嬉しい。
わたし今、ただのオマンコ狂いになってる。色気違いの女になってる。公園で見た雌犬だわ。ミツキはなんとか理性をとどめて今の状況から逃れようと身をよじらせた。しかし拘束はそれを許さなかった。ガッチリと固定されている手足と胴は身じろぎもしない。
わたしは本当にスクブスへ堕落したのかも。マコトさんにはそんな遺伝子があり、その精子を受けて変化したのかも。だってこんなことが嬉しく、こんな恥ずかしい状態が、今までで一番気持ちいいなんて。セックスしか考えられない白痴にされたようなものだもの。
どうして羅針盤はわたしをこんな風にしてしまうマコトさんを、わたしのご主人として選んだのか。召使魔女としてマコトさんに仕え、赤ちゃんを授かることが目的だったはずなのに今は不特定多数の男の人の性欲処理の道具にされようとしている。これではわたしは、マコトさんがいったように、単なる公衆便所だ。肉便器だ。なぜなのか。羅針盤は絶対なはず。何か特別な理由があるのか。それともそうなるのが定めだったのか。
マコトの指が膣で執拗に快感を与え続けてくれている。本物のクリトリスと裏クリトリスが異常なほど大きく、硬く充血していた。ミツキはなにも分からなかった。夢中だった。考えられ、理解できるのは喜悦。そして快感。喜び。さらなる欲望だけだった。それほど膣の中で動くマコトの指が気持ちよかった。もっと、と体が求めていた。マコトによって仕込まれた快楽への衝動が体の隅々まで染み込んで、ミツキを突き動かしていた。
信じられないほど激しい快感が襲ってきた。背筋に電気が走り、四肢の先まで貫いた。はしたない反応をこらえようとしたが無駄だった。ミツキは思わず、声をあげていた。マコトの執拗な愛撫にミツキはたやすく観念し、理性のたが外れてしまった。
「あうっ。ダメダメ。いや。こんな。やめて。見ないで。わたし。一回目、いく」
あっという間に絶頂が訪れた。膣の中のマコトの指に翻弄されてミツキは腰を大きく痙攣させると波打たせた。ぴっ。小さな音を立てて膣の奥から陰唇の外へ何かが噴き出した。太腿にかかったのが自身の白濁の愛液だとミツキは理解できた。
あまりの快感にラブジュースを噴いてしまったらしい。今までなかった体験にミツキは悲しいほど顔が赤く火照るのがわかった。いやだ。本当にわたし、すごく感じてる。馬鹿みたいに気持ちよくなってる。どうしよう。
「さあ、ご覧いただけたでしょう。この娘は指を入れて少し動かしただけで、愛液を噴くほど感じる淫乱なのです。それでは皆さん、ご自由に使ってください」
マコトがミツキの膣から指を抜いた。鳥かごの入り口を開く。二十人ほどの影が入ってくる。そしてミツキが拘束されている台を囲んだ。スポットライトがミツキの肢体を照らし、周りの男たちは影のままだ。その中の一人が何か小さくマコトに告げた。
「ええ、どうぞ。よろしければ他の方もこの娘の空いてる穴を同時にお使いください」
マコトの答に一人の影が拘束されたミツキの股間にきた。もう一人がミツキの顔の横に立つ。三人目がミツキの胸に手を伸ばした。それを皮切りに男たちはミツキを犯し始めた。まず股間の男が男根をミツキの性器に無理矢理に挿入した。
みちっ。膣が音を立てた。ミツキは痛みを覚えなかった。とっくにマコトの愛撫で内部が潤っていたからだ。ぬぷぷ。男根はミツキの膣を貫き、子宮の入り口まで達した。横に立つ男の手が乱暴にミツキの胸を揉みしごく。胸縄で乳房の根元を絞り込まれているために、ソフトボールを付けたようなミツキの胸は奇妙に歪み、男の指を食い込ませる。
「あ、だめ。抜いて。入れないで。やめて。こんなの。ひどい。見ないで。恥ずかしい。マコトさん。どうしてこんな。わたしはマコトさんだけの。ひっ」
ミツキの語尾が途切れた。膣に突っ込まれた男根が激しく抽送を繰り返す。ミツキの肉壺がぎしぎしと音を立てるほど、乱暴なセックスだ。しかしマコトの指の愛撫でたっぷり潤っているミツキの膣は相手の男根をやすやすと受け入れ、包み込んでしまう。
激しく揉みしごかれた乳房はぷくりと乳暈を膨らませ、乳首が充血すると長く反り返った。胸縄で絞り込まれているだけに痛いほど尖ってしまう。それを男の手がちぎれるほど引っ張り、血が滲むほど潰す。股間の男がさらに激しく男根を出し入れし始めた。ミツキの膣がわなないた。なにかに目覚めたようにきゅっと締まると襞が蠢きだした。
ミツキの性器がこの異常な淫姦に覚醒し、喜悦を貪欲に貪ろうと反応したのだ。ミツキはこれから自分がどうなるか悟って叫びをあげた。乳房の痛みと強引にこすりあげられる肉襞の痛み。それがゆっくりと快感に変化していく。気がつくと下腹部に重ぼったいシコリが宿った。それが徐々に疼きだした。
だめ。わたし、見ず知らずの男の人に犯されて感じ始めてる。オマンコを突き上げられて、こすられて、襞がちぎれそう。膣の皺が蠢いてる。オッパイがちぎれそうなのに気持ちいい。だめ。やめて。わたし、やられちゃう。このままだと本当にイっちゃう。ミツキは痛みと快感に髪を振り乱して喘ぎを漏らしてしまった。
「ほら、皆さん。この娘は強姦されながら感じ始めました。すぐに絶頂を迎えますよ。他の方も、もっとこの娘の体を使ってください」
台の横のマコトが影に宣言する。その声にミツキの顔の横に立っていた男がミツキの頭を横にねじった。そして男根をミツキの口にねじ込んだ。んっ。喉の奥まで肉棒を突き刺され、ミツキは声にならない呻きをあげた。太い竿が喉を犯し、絞り込まれる。
股間の男根は膣が壊れるほど乱暴にピストンを繰り返している。襞が裂けそうなほどの激しさに、ずきんと喜悦が走った。だめ。感じたくない。わたしのオマンコなのに、わたしの言うことを聞かない。やめて。本当に。こんなこと。ミツキは涙をためた目でマコトに哀願した。その視線を受けたマコトが口元を歪めて笑った。
その冷ややかな顔に、ミツキはマコトが自身を男たちの犠牲にしたいのだとと直感した。途端に快感が股間から噴き出し、喜悦が四肢に駆け抜けた。隷属させられている。わたしはマコトさんの奴隷。マコトさんがしたいように使われる肉便器。逃れようがない。
「だめ。いや。お願い。抜いて。揉まないで。しゃぶらせないで。んくっ」
口に含まされた男根から逃れるように顔をそらせるが、すぐに無理矢理、喉の奥に突っ込まれる。抵抗の言葉と裏腹に痙攣がミツキの股間に激しく湧いた。全身が敏感の度を越して自身の体でないみたいだった。快楽が膣に噴き出すと何百という皺がうねり、無数の粒がコリコリと硬くなる。男根で裏クリトリスと襞を擦り切れるほどしごかれ、激しい喜悦が連続して膣の奥へ走る。ミツキは絶頂の昂まりを迎えようとした。
「いや。いく。見ないで。二回目。恥ずかしい。いくうっ」
言葉にした途端、ミツキはたわいもなく果てた。膣が男根を強く締めつけ、痙攣を繰り返す。同時に熱い性液がミツキの膣に吐き出された。ミツキはフェラチオを強いられたまま、拘束された体を痙攣させ、口の隙間から息を荒げ、甘い嗚咽を漏らす。その喉から男根が抜かれると相手が股間に回り、勃起したペニスを無理矢理、射し込んだ。
わたし、見知らぬ男性の性器でオーガズムを迎えてしまった。しかもその相手の精子を中出しされた。ミツキはそう理解したが、股間ではすでに二人目の男が乱暴な抽送を繰り返している。そして抵抗の声を上げようとした唇に新たな男根が押し込められた。胸も誰かに強く揉みしごかれ出す。ミツキは救いを求めて拘束台の横に視線をやった。
冷笑するマコトがミツキの痴態を眺めている。ミツキはマコトが自身の絶対的な支配者であると悟った。こうされるのは自身の宿命なのだ。わたしはマコトさんの玩具で、マコトさんの思いひとつでどんな遊び方をされても仕方がないのだ。
それにわたしの体はそれを拒否していない。体が勝手に感じ、肉欲に反応してしまう。わたしには一度、スイッチが入ると快楽をとめどなく求める淫乱の血が染み込んでいるのだ。それをわたしの体は痛いほど知り、求めている。抽送を繰り返す男根が激しさを増した。股間が卑猥な音を立てる。ミツキはその運動にあおられて再び喜悦を昂めてた。
もっと激しく。もっと強くと膣が求めている。襞に皺が寄り、何百という筋が細紐のように男根に絡みつくと縛り付ける。無数の粒が吸盤のように密着して、喜悦を貪り始める。裏クリトリスがこすりあげられ、ひりつく快感を生じ始めた。もはやミツキの女性器はミツキのものではない。ミツキとは独立して運動する器官になっていた。
咽喉に硬い感触が出し入れされ、胸を潰れるほどしごかれ、四肢の自由を失ったミツキはただ快感に支配されるしかなかった。すぐに新たなオーガズムの兆しが生まれた。それは盲目的に絶頂に暴走していく。無防備なほど直線的だった。
「あ」
男根に塞がれている唇の隙間からミツキは絶頂の声を漏らした。すでに抵抗は言葉にならなくなっていた。股間で抽送を繰り返す男根が大きく脈打って射精を始めたからだった。ドクドクと男性自身が精子を吐き出した。同時にミツキはオーガズムの快感に、身をのけぞらせ、激しく痙攣しながら頭を真っ白にしてしまった。
ペニスが満足したように抜かれると次の男根が股間に挿し入れられた。性交の強制は容赦なかった。ミツキは従うしかなかった。男が激しく突き上げ、ミツキの膣に精液を発射した。ミツキは浴びせられたザーメンに股間を引きつらせる。襞がわななき、蠢き続ける。抜かれたと思うと、すぐに新たな誰かがミツキの性器にペニスを突き入れてくる。
唇に異なる男性器を挿れられ、胸を何人もの手で揉みしごかれる。誰かが本当のクリトリスをいじり始めた。止めどない愛撫だ。何人を受け入れればいいのか。永遠にセックスが続くのではないか。ミツキは真っ白になる頭で、ぼんやり想像した。それでもいいとも感じていた。股間を激しく突かれ、ミツキは喜びの叫びをあげた。
男たちが誰なのか、顔も見えず、シルエットでしか知覚できない。はっきり把握できるのは自身の淫乱な体と欲望。とめどない快楽。そしてそれを冷ややかに眺めているマコトだけだった。股間を突き上げる男根が、また新たになった。何人目だろう。ぼんやりと視線を送ると順番待ちのようにシルエットが並んでいる。その数は二十人近い。
一度、わたしのオマンコを使った人もまたセックスに並んでいるのだ。この全員が満足するまで終わらないのだ。どうしてわたしはこんなことになってるのだろう。気がつくと両手が自由になっていた。二つの手の平で男根を自らしごいていた。口も喉の奥までペニスが突っ込まれ、激しく突かれている。息ができずに頭がぼうっとした。
イラマチオの快感が襲ってくる。それでもいい。このままずっと犯してもらってもいい。こんなに気持ちいいのだから。ミツキはぼんやりと、数さえ数えられなくなった男の男根に股間を突き上げられて、快楽に身をゆだねた。途端に激しい喜悦が全身を襲った。ミッキはあまりの快感に意識が沈むのを感じた。
目を開くと暗い寝室にいた。ベッドでミツキは気怠るい体を投げ出していた。一瞬、どこなのか、理解できなかったが、やがてマコトと暮らしている部屋だと分かった。壁の時計を見ると時刻は九時。これは現実らしい。だとすると。ミツキは理解に及んだ。先ほどまでいたのは夢の国。数々の男性に犯されたのは本当ではなかったのだ。
ミツキの胸に安堵が湧いた。一方で、夢を回想したことで、ざわりと四肢に鳥肌が立った。頭では強姦を拒否しながら、たとえ夢とはいえ、緊縛されて犯され続ける喜びを体が覚えていて反応しているのだ。ミツキは快楽の余韻を残す火照った体をベッドから起こした。気がつくと股間がべっとりと濡れている。夢精したらしい。
夢でよかった。でもどうしてあんな夢を見たのだろう。夢の中でわたしは縛られ、見知らぬ男性に股間を突かれ続け、オーガズムで喜びの声を上げていた。もっと犯してと望んでいた。あれはわたしの願望なのか。まさか。でも本当なら。どうしよう。
不意にミツキは思い出した。枕の下を探る。クローバーを挟んだティッシュが出てきた。そうだった。未来のことを知るために夢占いの準備をしておいたのだった。それをそのままにしてまどろんだために効果が発揮されたのだ。すると。
ミツキの脳裏に信じられない考えが浮かんだ。するとあの夢はわたしの未来なのか。わたしは緊縛され、マコトさんの手で見知らぬ男性の性処理の道具にされるのか。どうしよう。わたしは本当に肉便器にされてしまう。しかもそれはマコトさんの意志。
クローバーの夢占いは確かだ。今まで間違っていたことは一度もない。だからあの夢で見たことはいつか必ず起こることなのだ。なんてことだろう。嫌だ。それだけは嫌だ。本当のスクブスに堕ちるのは死んでもごめんだ。わたしはマコトさん専用の性器のはず。クリトリスの上にマコトさんの名前が刻まれているのは、その証拠のはず。マコトさんもそれを徹底しようとシールを体に貼ってくれたのに。
見ず知らずの男性に胸も口も膣も使わせたくない。わたしは身も心もマコトさんに仕える召使魔女。たった一人のご主人、マコトさんのために生まれてきたのだ。マコトさんもそれを理解して仮契約してくれたのではなかったのか。いつも言わされるセリフ「ミツキはマコトさんのものです。ミツキの体はオッパイもお尻もオマンコもマコトさん専用の道具です。たくさん可愛がってください」とはマコトさんの本心じゃなかったのか。
なのにどうしてマコトさんは、あの夢のようなことをわたしにさせたのだろう。もしかしてマコトさんは将来わたしに飽きるのだろうか。五年間の仮契約期間の内にわたしの体に飽きて、見知らぬ男性の性処理道具として使うことにしたのか。ただ変なのは。夢では料金はいらないとマコトさんは述べていた。無料でわたしの体を使わせては、お金儲けにならない。それともこっそり料金を徴収していたのか。あるいは本当にわたしを無料で他人に犯させたかったのか。本当の玩具にしようと決めたのだろうか。
夢でマコトさんはオチンポ様を挿入してくれなかった。指でわたしをいかせて、後は列になっていた男の人にわたしを犯させた。それがマコトさんの本当の好みなのだろうか。確かにマコトさんは麻縄を用意していた。「これはまだ先だ」と述べたマコトさんの言葉は、わたしを他人に犯させて眺める楽しみは、まだ先という意味だったのか。どうしてだろう。わからない。なぜ、そうなるのか。わたしのせいなのだろうか。
わたしがいたらなくて、マコトさんを飽きさせるのか。だったら今まで以上に身も心もマコトさんに捧げる。マコトさんのいうことはなんでも聞く。マコトさんの言いなりの女になる。そうすれば、夢であった出来事は起こらないのか。しばらく考えてミツキは答を得た。違う。夢占いは未来の出来事を知らせる。それは確かに起こるのだ。今までもそうだった。だからこれからもそうだ。未来は変わらない。
もし未来を努力次第で変えられるなら、世界は誰にとっても都合のいいものになる。好き勝手な社会、自分本位でかまわない暮らしばかりになる。自分にとっては都合よくても他者には矛盾ばかりの世界。そんな世界はあっという間に崩壊するはずだ。だがわたしは未来を見た。まだ世界は崩壊していなかった。だからあの夢の出来事は起こるのだ。この先どんなに努力しても夢の出来事は起こる。少なくとも五年以内に。
どうすればいいのか。あんなことは絶対に嫌だ。だがそれは叶わない。待っているのは縛られて見知らぬ男性に犯され続ける日々。それは召使魔女にとって地獄よりもつらい。
ミツキは考え抜いた末、決意した。ここを去ろう。来た時のようにジェシカに乗って魔女の国に戻ろう。そして過疎地で暮らそう。ジェシカと。マコトさんと暮らしたのは、わずか数日。だがとても楽しかった。女としての喜びも教えてもらった。
この数日の思い出だけでわたしは生きていける。一生の思い出にして暮らしていける。わたしが人間界を去るとマコトさんはわたしの記憶をすっかりなくすと出発前に聞いている。それは死ぬほど悲しい。けれどこの先に待ち受けている日々よりはましだ。
自ら人間界を去った召使魔女は裁かれるのだろうか。ご主人が契約してくれなかった魔女は侮蔑や嘲笑の対象になる。それはそれで辛いけど、自ら契約を破棄する場合はもっとひどい仕打ちになるのだろうか。子種を授かり、魔女の子孫を維持することは、いわば魔女の国の国家戦略、しきたりとも言える。そのしきたりを自ら破るのだ。
もしかすると死をもってあがなわなければならないかもしれない。それでもいい。ここ数日のマコトさんとの思い出がある。もし処刑されるとしてもわたしは幸福だ。本当に愛してもらえたのだから。だからこの数日の愛をこのままにしてここを去ろう。
ミツキは決心してベッドから降りた。部屋のライトを点けるとトレーニングウェアを脱いで全裸になった。クローゼットに入れていたマントを取り出す。マコトさんが洗ってくれたマント。それをはおる。後はジェシカを呼び、窓から夜空へ旅立てばいい。ただそれだけですべてが終わる。目尻が熱くなり、頬に涙がつたった。ミツキはこらえきれずに嗚咽した。自身を励ますように顔を振るとミツキは姿見に対した。
マコトさんは身だしなみにうるさかった。最後だからマコトさんの言いつけ通り、だらしなくないか確かめよう。マコトさん、ミツキはちゃんとしてますか。あなたの召使魔女として清楚ですか。あなたの召使魔女としてきちんと仕えられてましたか。涙が頬を濡らし、止まらない。それでもミツキは笑顔で最後を迎えようと鏡の自分を見つめる。
すると姿見が光った。淡い瞬きが鏡面から漏れ出すと、鏡が歪み、渦ができる。その渦の底からシルエットがぼんやりと映し出された。霧のようなシルエットは輪郭を整え始める。どうやら女性らしい。手に杖のようなものを握っている。とても古い樫の木らしい。
「あ、女王様」
ミツキは声をあげた。鏡に映っていたのはミツキが言った通り、魔女の国のナース魔女の女王。三人の女王の一人だった。彫りの深い凛々しい顔立ち。堂々とした体躯に豊かな胸元。女王は長い金髪をたなびかせると口を開いた。
「そちらにいるのは日本に派遣した召使魔女、ジェシカの主人ですね」
「はい。女王様、どうしてこの鏡に」
「わたしが今いるのは魔女の国です。水晶を使ってあなたとコンタクトしているのです。あなた、この鏡に魔法を使いましたね。あなたが仮契約書をことづけたコウモリから地上で奇妙な地震があったと報告がありました。どうも普通じゃない様子で、魔法の気配を感じたと。そこでわたしはあなたの派遣先を水晶で調べたのです。魔法が使用された痕跡がないかどうか。すると案の定、人間界の鏡が魔鏡になっていた」
「ごめんなさい。つい」
「どうやらあなたは鏡の記憶を消去したようですね。デリート程度の魔法だから小さな地震ですんでよかったです。これがもっと高等な魔法だったら、なにが起こっていたか。くれぐれも魔法は特別な場合、身に危険を感じたときにだけ使うのですよ」
「はい。本当にすみませんでした」
「今回だけ、多めに見てあげましょう。それでどうして、鏡の記憶を消去したのですか」
「それはこの鏡にご主人の以前の女性たちの姿が記録されていたから」
「その女性らに嫉妬したのですね。派遣して数日なのに、ご主人にご執心みたいですね」
「え、あ。まあ」
「はっきりしない返事ですね。どうも変です。鏡の記録に嫉妬したり、ご主人のことを尋ねられると口が重くなったり。実はわたしは今朝からあなたを観察していたのです。そしてあなたが一人きりになるのを待っていました。でも閨の様子は遠慮しましたよ。とても熱烈で、年寄りのわたしには刺激が強すぎますから。そして昼にはご主人を恋い焦がれて待ちきれないようなあなたが、夕刻のまどろみから覚めると人が変わったように悲しげでした。何かあったとしか思えません。答えなさい。相談に乗りましょう」
ミツキは女王の言葉に頬が燃えるほど熱くなるのがわかった。マコトとのセックスを垣間見られたのだ。とても熱烈だと述べる以上、自身の痴態を知られたのだ。少なくともどんな様子か把握できる程度に。そこまで知られたならごまかしはきかない。女王は聡明だ。言い繕っても矛盾していればすぐにバレてしまう。答えるしかないだろう。それに相談に乗ってくれると言っている。あるいは今後の身の振り方が見いだせるかもしれない。
「女王様、わたしはご主人に身も心も捧げるつもりでした。でもご主人は、わたしを他人の性処理の道具にするつもりです。おそらくわたしは飽きられてしまうのです」
「なぜ、そう感じるのです。魔法を使って未来を見てませんね」
「はい。花占いです」
「でしょうね。未来を知る魔法は高等。使っていたら大変なことが起きてたでしょう」
「だからわたしは自分から召使魔女をやめ、国に帰ろうと思います」
「そしてどこかの過疎地で暮らすのですか。本契約できなかった魔女として」
「あの、自ら召使魔女を放棄した場合は罰があるのですか」
「それは三人の女王での協議次第です。でもね。ジェシカの主人である召使魔女。あなたが聡明なのはわたしもよく知っています。ですがあなたは少し早とちりなようです。オッチョコチョイですよ。自分の考えが正しいと思いすぎているのですね」
「でも未来は変わらないと母に教わりました。それに花占いは間違ったことがありません。だからわたしはやがて見ず知らずの男性の性処理の道具にされる」
「ジェシカの主人である召使魔女。いいことを教えてあげましょう。これは内緒ですよ。わたしもあなたぐらいの年頃、召使魔女として御主人に仕えました。そしてあなたのように献身的に身も心も捧げていました。ですがご主人は人間界の女性と肉体関係を持ったのです。あなたのいうように飽きられたのかもしれません。ですがそのままにしていては、子種を授からないのは明白でした。そこでわたしがどうしたか」
「なにか打開策があったのですか」
「もっと献身的に仕えたのです。ご主人が浮気することも許し、嫉妬でご主人に反発することも堪えました。ご主人のすべてを受け入れ、望むように振舞ってもらうことにしたのです。辛い体験でした。何度も浮気がありました。でもご主人は必ずわたしの元に戻ってくると信じていたのです。その結果、本契約に進めたのですよ」
「ではわたしは耐えればいいのですか。性処理の道具にされても」
「いいえ、溺れるのです。ご主人に溺れるだけ溺れなさい。あなたのご主人はあなたが隷属することを望んでいるようです。だからすべてを委ねるのです。身も心も捧げて溺れなさい。そうすれば溺れきった先にあなたとご主人の真の関係が始まります」
「それで幸福になれるでしょうか。未来は変わらないのに。不安です。怖いのですが」
「ジェシカの主人である召使魔女。確かに未来は変化しません。定められた形にしか成立しない。ですが未来がなにで作られるかというと努力によってなのです。一つ一つの努力が積み重なって未来になるのです。ですから未来が望んでいたかたちでないとすれば、それは努力が誤った性質のものだったからです。私利私欲に走った努力を重ねれば未来は歪んだものになる。正しい努力であれば、ふさわしいものになる。ジェシカの主人、あなたは正しい努力をしなさい。そうすれば正しい未来がやってきます。分かりましたか」
そこまで告げた女王は鏡の中の姿を霞む霧のように曖昧にした。輪郭がぼやけ、鏡はマント姿のミツキを映す、通常の様子に戻ってしまった。ミツキは女王の言葉を脳裏で懸命に反芻した。わたしが望む未来を得るにはマコトさんに溺れるしかない。マコトさんの望む隷属に従うしかない。そう女王は述べた。本当だろうか。そうすると一層、マコトさんの望む方向、わたしを他人の性処理に使うことになりはしないか。
ミツキは煩悶した。そうなるのはとても怖い。だが女王の提案が正しければ、望む未来が形成される。一度だけ試してみよう。今晩、一晩だけマコトさんの望むかたちの隷属に従おう。そしてその上で再び花占いをするのだ。その結果が同じなら人間界を去る。
考えてみれば、それを推し量る時間は、まだあるではないか。ミツキはそう計画した。すると。まずなにをすべきか。脳裏で思いを巡らし、昼に選んだファッションに着替えることにした。壁の時計を見ると十時二十分前。そろそろマコトさんは帰ってくる。
ミツキはティッシュを枕の下に戻すとクローゼットに置いた下着と衣装を身にまとった。次いで魔鏡で化粧をチェックする。左手首にゴールドチェーンのブレスレット。左足首に同じ金のアンクレット。両耳にパールのイヤリングを選んだ。それからどうするか。少し考えてミツキは寝室の机にあった玩具の入っている箱を取り上げた。
むろん、今夜のハイライトとなるだろう麻縄も入っている。これを使ってくださるように自ら志願しよう。女王様は溺れろと言っていた。それはわたしの体を犠牲的にマコトさんに捧げることを意味する。自ら徹底的な隷属行為をマコトさんに申し出るのだ。わたしの体をマコトさんの好きなようにしてもらうのだ。
ミツキは室内用のピンヒールを履くと箱を持って玄関に行った。床に箱を置き、自ら首輪を外して横に並べた。上がり框に正座して奴隷待ちする。早くマコトさんが帰ってきてくれないか。そしてわたしをとことんまで玩具にしてもらおう。そんなおねだりをして、自身の想いを伝えよう。玄関のバケツに入ったジェシカが怪訝な様子をしている。それでもミツキはただマコトの帰宅を待った。玄関に足音が近づき、鍵が開かれる。
「おかえりなさい。マコトさん。お待ち申していました。どうぞ、ミツキに首輪を」
ミツキはドアが開くと手をついて頭を下げた。そして床にあった首輪を渡す。正座したミツキはマコトを見上げ、黒髪を自ら持ち上げて首を差し出した。入ってきたマコトがしばらく考え、黙ったまま、首輪をミツキに付けてくれた。それだけでミツキは隷属の喜びに震え、股間に疼きを感じて、かすかに身をよじらせた。
「ミツキ。首輪をされて感じたのか。その衣装、乳首が透けてるぞ。パンティもスカートから覗いてる。大事な部分もスケスケでオマンコが丸わかりだ。やる気満々だな」
「はい。マコトさん。ミツキは今夜、全身全霊をマコトさんに捧げます。ミツキの体をお縛りになって、マコトさんのお好きなように使っていただきたいです。どうぞ、この箱にあるオモチャでミツキをマコトさんの満足いくまで、もてあそんでください」
女王の溺れ切れという言葉が脳裏をよぎる。犠牲的な態度を捧げると決意したミツキは素直に羞恥を求める言葉を口にすることができた。それが自分でも嬉しく、もっとマコトに隷属させてもらえるように正直に欲望を伝えようと感じた。
「ふふふ。縛って欲しいのか。オマンコしてもらいたくて待ちきれないんだな」
「はい。たくさんオマンコしていただきたいです」
「だったら後ろを向いて手を背中に回せ」
「はい。お願いします。どうぞ、ミツキの体をご自由にしてください」
マコトがミツキの肩に手を当てた。ミツキは素直に後ろを向く。両手を縛ってもらいやすいように膝まづいた。小箱からマコトが麻縄を取る音がする。後ろに回していた両手首が背中でひとつにまとめられた。それだけでミツキはキュンと胸が甘くときめく。縄が脇の下から前に回されると二つの乳房の根元が上下左右で締められる。ミツキの胸を縄が四角に切り取って絞り、空を突くようにそれぞれがぷっくりと膨れた。
「ミツキ、いやらしいぞ。その白のトップスはニット風だから胸縄で縛ってやると乳房の輪郭が飛び出したように真ん丸く刻まれる。それに黒のブラは1/4カップだな。乳首が突き出しているぞ。とびきりすけべだ。ミツキは縛ってやると色っぽくて綺麗だぞ」
「はい。ミツキのオッパイ、こんな風に縛っていただくと、わたしのものじゃなくて、マコトさんのものなのがはっきりします。オッパイの根元が絞り込まれて、いつもよりぷるんと真ん丸にしていただいて恥ずかしいけど気持ちいいです」
マコトの綺麗だという言葉が痛いほどミツキの胸をときめかせた。やはりわたしは縛られて隷属させられるのが好きなのだ。ミツキは実感した。マコトが膝まずくミツキの胸に手を伸ばす。トップスの上から丸みを歪ませた二つの乳房を両方の手の平で揉みしだき始める。わずか数度の愛撫ででミツキの乳暈が膨れ上がった。
乳暈はいつもよりもぷっくりと高く丸まり、縛られているために乳首が硬く長く反って弧を描いた。その乳首をマコトが強くつまんだ。カップからはみ出している乳首はトップス越しでも簡単に喜びを覚え、さらに勃起する。股間が喜悦で愛液をじわりとにじませた。ミツキは思わず喘ぎ声を漏らしてしまった。
「んっ。恥ずかしい。ご報告します。ミツキ、オマンコを濡らしてしまいました。スケべな女でごめんなさい。オマンコをすぐに濡らす、はしたないミツキを許してください」
「もう濡らしたのか。ミツキは本当に淫乱女だな。次になにさせられたいんだ」
「足も縛って身動きできなくしてもらって玩具で恥ずかしいぐらいもてあそんください。ミツキがなんどもイって、オチンポ様を入れて欲しくなって、オマンコしてくださいとおねだりするまで焦らしてください。それでもオチンポ様を入れていただけなくて、どうしようもなくなるまでおあずけしてください。それからマコトさんがその気になったら思い切り乱暴にオマンコしていただきたいです。マコトさんがその気になるまでミツキの体を好きな風にオモチャにしていてください。でも気が向いたらで結構です。気が向かなかったら、ずっと放置していただいても構いません。ミツキはマコトさんの肉便器ですから言いなりしていただきたいのです。それとたくさんおフェラチオもさせてください」
「足を縛るのとオモチャは後だな。まず、こっちを向いてしゃぶれ」
「はい。わかりました。マコトさんのオチンポ様をお口にいただけるんですね。嬉しいです」
両手を縛られたミツキは、いそいそとマコトに向き直った。マコトに命令されただけでミツキの乳首がさらに硬く勃起する。股間にも喜悦が湧いた。不思議なことに腕が自由でないことが、かえってマコトに両手を握ってもらっているような安心感を覚える。
夢で見ただけで自分は緊縛の喜びを体に染み込ませてしまったとミツキは自覚した。やはり自分はマコトに言いつけられたら他人の性処理道具にされても絶頂を覚えてしまうのだろう。そう考えると悲しい快感がミツキの胸をときめかせた。ミツキはマコトの股間を含めるように膝まづいて顔を近づけた。マコトがジーンズのボタンを指で外す。
「口だけで取り出してみろ。今の思いもちゃんと口にしろ」
「はい。ミツキの大切なオチンポ様を早くおフェラチオしたいです。ミツキのお口にオチンポ様を喉の奥まで突っ込んでください。心を込めて丁寧に一生懸命舐めますから」
ミツキは心に湧いている思いを甲斐甲斐しく口にした。目尻が赤く染まるのを自覚しながらミツキはマコトのジーンズのジッパーを口にくわえ、下に下げた。ズボンの縁を噛むと左右に開き、ずらす。マコトのボクサーショーツが現れた。男根はすでに中ば勃起しているらしく、布地を突っ張り、くっきり隆起している。ミツキは思わず喜び声をあげた。
「マコトさん。嬉しいです。縛ったミツキを見てオチンポ様を大きくしてくださったんですね。早くオマンコしてくださるように、ミツキ、心からおフェラチオしますね」
ゴムベルトの部分を唇でずり下げていくが男根の隆起に邪魔され、うまくいかない。ミツキは早くマコトを口に含みたくて髪を振り乱して作業を繰り返した。やっとブリーフを太腿まで下ろせたとき、ミツキはかすかに汗ばみ、我を忘れて声をあげた。
「マコトさんのオチンポ様。ミツキの大好きなご主人。頂戴したいです。いいですか」
目の前に半ば硬さを示すマコトの男根がある。これをわたしに与えてもらえる。嬉々としてミツキはマコトの股間をくわえようとした。だがマコトの手がミツキのオデコを押しとどめ、フェラチオをはばんだ。ミツキは、じれたようにマコトを見上げ、目の前の男根に視線を走らせ、また見上げる。餌を前におあずけを命じられた雌犬同然だった。
「え。どうして」
「ちゃんとおねだりしろ」
「はい。おねだりします。すごく恥ずかしいですけどミツキは今すぐオチンポ様が欲しいので、おねだりします。どうかミツキにマコトさんのオチンポ様をおしゃぶりさせてください。お願いです。早くお口に恵んでください」
「よし」
ただ一言があった途端、ミツキは股間にむしゃぶりついていた。玄関にはジェシカがいるが、ちょうどマコトが前に立っているためにミツキの姿は隠されている。ただ少しでも位置を変えればミツキが何をしているか見える。だがもはや構っていられなかった。
矢も楯もたまらなかった。激しいおしゃぶりでミツキの口が音を立てる。それが自身に聞こえ、ミツキは一層、興奮を高めてしまう。動物的な奉仕にマコトの男根が反応してくれた。中ばだった勃起が針金を通したように一本の芯を得ると反り返って屹立した。
「寝室に行くぞ。くわえたままついてこい」
マコトが廊下の小箱を取り上げる。片手で乳房と乳首を揉みしだきながら靴を脱ぐ。ミツキはマコトをくわえたまま、腰を上げた。半屈姿勢で横ばいになりながらマコトについていく。股下ゼロの黒いミニがひらつき、ショーツがあらわになった。金のチャームがもどかしげに揺れる。早く絶頂を。早くこのもどかしさをやっつけて。四つ切りに縛られた乳房は根元から縄でしぼめられてタプタプと大きく揺れている。
メッシュでシースルーのクロッチ部分からは性器が透けて見えているはずだ。ミツキは恥じらいに襲われながらマコトの男根をくわえ、寝室に入った。すでに股間が熱くたぎり、愛液が膣の中に溢れ始めている。マコトがベッドに腰を下ろした。ミツキも男根を離すまいと床に膝まづくとフェラチオを激しく繰り返した。
ヌズッ、ジュプ。廊下よりも激しい音が寝室に響く。ミツキはおしゃぶりの音を耳にして一層、愛液を溢れさせた。膣口を広げられると外へ滴り出すほどだった。腕を後ろ手に縛られたミツキは自ら腰をあげ、マコトにおねだりしてた。
「マコトさん。恥ずかしいですけど、今、ミツキはオマンコをビチョビチョにしてしまいました。このままではすぐに外にお漏らしして下着を汚してしまいそうです。どうか、半脱ぎパンティーにしてしまってください」
「どスケベ女。脱がしてやるがその前に今のパンティーをじっくり俺に見せるんだ」
マコトは立ったミツキのスカートをめくる。股下ゼロのスカートの裾をウェストに差し入れ、下腹部を露出させた。恥ずかしさでミツキは腰をよじらせた。ショーツの金のチャームが揺れる。ぎりぎり陰唇を隠す程度の三角の布地。恥丘に貼られた専用性器のシールは丸見えだ。ショーツのシースルーのクロッチ部分からは自身の淫部がスケスケだろう。ミツキは羞恥心を一層あおられて膣の中にさらに愛液をたぎらせてしまった。
「もうダメです。本当にオマンコのお汁を外にお漏らししてしまいそうです。早く半脱ぎパンティーにしてしまってください」
「駄目だ。ケツの方も見せてみろ」
「あんっ」
ミツキはマコトの言葉に思わず熱い吐息を漏らしてしまった。命じられたままに後ろを向く。その双丘をマコトの両手が激しく鷲掴みにした。ミツキのお尻の肉がマコトの指の隙間から喰い出すほどだ。臀部がみっともないほど歪んでいるのがわかる。さらにマコトが尻肉を揉みしごき始め、とうとう陰唇が二つに割れ、愛液が外に垂れてしまった。
「あ、ごめんなさい。ミツキ、オマンコのお汁を漏らしました。許してください」
「こら。お漏らしとはイケナイ奴隷だな。確かめてやろう。片足をベッドに置け」
マコトがミツキを前に向かせた。右の足をショーツから脱がせると左の太腿に絡める。ミツキは命じられたように左足をベッドに乗せた。ミツキの淫部はマコトの鼻にくっつくほど間近だ。その陰唇をマコトが両指で開いた。途端に愛液が膣口から漏れ出した。
白濁の愛液は陰唇もクリトリスの包皮も太腿の付け根も、しとどに濡らしていく。今まで知らなかったほどの分泌にミツキは恥じらいで激しい興奮を覚えてしまった。クリトリスは硬く大きく尖っている。すでに包皮から顔を出し、真っ赤に充血してのがわかる。マコトがミツキの片足に絡まったショーツのクロッチ部を裏返した。
「ミツキ、駄目だろ。バンティーをこんなに汚して。オマンコ汁がべっとりついてるぞ」
「ごめんなさい。本当に許してください。ミツキ、我慢ができなかったんです」
「ミツキ、腰を前に突き出せ」
しゃがんでいるマコトが命令した。ミツキは立ったまま、腰をマコトの顔にくっつくほど突き出した。マコトが尻肉をしごき始める。そして口をミツキの陰唇に寄せると包皮からむき出しになっているクリトリスを舐め始めた。チャッヌ、チャヌヌ。舌が動くたびにクリトリスが卑猥な音を立てる。その音とマコトの的確な愛撫でミツキの陰核はさらに硬く勃起した。膣の奥からとめどなく愛液が溢れ続け、襞が勝手に収縮する。
「ミツキの尻は最初、もちもちした感触だったが、この頃はプリプリになったな。垂れ気味だった肉もぷりんとヒップアップして形がよくなったぞ。誰の調教のおかげだ」
「マ、マコトさんの。お仕置きや調教のおかげです。マコトさんにミツキのお尻をたくさん使っていただいたおかげです。恥ずかしいけど嬉しいです。ありがとうこざいます。気持ちいいです。もっとマコトさん好みのお尻に仕込んでいただきたいです」
マコトがミツキの秘芯を吸い上げると甘噛みした。途端にかっと刺激が燃え上がると膣の中に喜悦が走り抜けた。ぶるっと腰が震えて太腿がガクガクと痙攣する。途端にミツキは最初のオーガズムを迎えると悟った。
「マ、マコトさん。ミツキ。気持ちいい。我慢できません。恥ずかしい。一回目。こんなに簡単に。すごく恥ずかしい。でもミツキ、もうダメ。イっちゃいます。イってもいいですか。どうか許可してください。もう、イっちゃいますから。ね、ね」
そこまで告げたとき、快感は頂点に急上昇すると腰をグラグラと揺らした。ビクン。大きく太腿が痙攣した。膣から喜悦が背中へ走り、脳裏ではじける。ミツキは全身を弓なりに反らせてオーガズムを迎えた。思わず獣のように声をあげていた。あっという間の絶頂。頭の中が真っ白になる。しばらく太腿が痙攣を繰り返す。ほとばしる快感。それしか理解できない。枯れたような声が喉から漏れ続け、なんとか意識が戻る。
「ミツキ、一回目。イっちゃいました。一人だけ勝手にイってしまって。ごめんなさい」
しゃべれるようになってミツキはマコトに謝罪する。同時にたやすくオーガズムに達した理由を悟っていた。手を後ろに縛られたことで感度を高められた体にわたしが順応している。やはりこの体は奴隷のように緊縛されたがっているのだ。この体は自由を奪われて好き勝手にされるのを求めている。それがわたしの本性なのだ。夢占いで見た未来はわたしの体の本質。マコトさんはそれを見越して、あんなことをわたしにさせたのだ。
「ミツキは本当にどスケベになってきたな。だがまだだ。もっと俺好みの淫乱に仕込む」
マコトがそう告げると立っていたミツキのスカートをずらし、腹部を露出させた。ガーターベルトの上、ヘソの位置に麻縄を二重に縛って後ろで結ぶ。その状態でミニを元に戻した。そしてパニエのような裾を派手にめくり上げ、余った縄の両端をお尻側からスカートの中へ通した。ミツキは理解した。縄をスカートの中に入れたのは両足を縛っても、縄に邪魔されずに好きなときにスカートを脱がせることができるからだ。
マコトさんは着衣のままでわたしをオモチャにし、その後、服を脱がせて、もてあそぶつもりなのだ。きっとM字開脚だ。あれで縛られると太腿が閉じられず、どんなイタズラをされても抵抗できない。きっと最初は服のままイかされるのだ。激しい羞恥がミツキを襲い、同時に強い快感で股間がうずき、喜悦と愛液が滲み出す。
胴を結び終えたマコトがミツキの肩に手を回し、ベッドに横臥させた。枕を手にすると縛られているミツキの両腕の下にあてがってくれる。後手になった手首が体重で痛まないように考慮してくれているらしい。予測していた通り、マコトはスカートの中に通された麻縄の両端をミツキの右足の太腿に回した。
ピンヒールを履いたまま仰向けになったミツキの右の太腿が二重に縛られる。そこで結び目が作られると麻縄の残りがミツキの足首を固定する。ミツキの右足は太腿と足首を一つに結ばれ、棒を束ねたようになってしまった。マコトは左足も同様に縛っていく。両足が荷物のように緊縛されると縄の余りが腰の後ろに回される。そして股間を大きく開脚させられた恰好で胴に施された縄と結束させられた。
やはりM字開脚縛りだった。夢で見たのと同じ状態だ。ミツキは両手を後手に、両足を限界まで広げられてベッドに身を投げ出すしかなかった。足はカエルがしゃがんでいるようなポーズになっている。股間もお尻もめくられたミニから丸出しだ。服を着ているだけに余計に羞恥がミツキの心臓を壊れるほど鼓動させている。
わずかに身をよじることができるが股間を閉じることはできない。ミツキがそれを確かめると膣が勝手に蠢き、キュッと強く収縮した。襞がうねり、なにかを膣の奥、子宮へと運ぼうというように抽送を繰り返している。じんと子宮が痺れ、股間に快感が押し寄せてきた。感じている。今まで知らなかったほど気持ちいい。ミツキは自身が身動きできない状態でいたぶられたかったのだと痛いほど実感していた。
驚くほどの喜びだった。喜悦が全身を震えさせ、ミツキは体の隅々まで、さっと鳥肌が立つのがわかった。わたしはこんな女だった。夢で見たわたしは本当のわたしだった。マコトさんは、わたしにそれを体で分からせようとしたのだ。ミツキの脳裏でたがが外れた。溺れよう。このままマコトさんに身を任せよう。ミツキはそう決心していた。
なぜなのか、切ないほど安心感が湧いた。縛られているのにマコトに大切にされている感じがする。縄はマコトそのもので、マコトに全身を強く抱きしめられているとさえ思えた。肉体は緊縛されているが心に開放感が湧き、マコトに任せていればいいのだと気持ちが楽になった。ミツキは思わず甘いため息を長く吐いていた。脳裏が陶然としている。恍惚感が押し寄せ、頭がとろりと溶けた。縛られて酒に酔ったような感覚だった。
「ほら、ミツキ。お前の大好きなものをしゃぶらせてやろう。ちゃんとおねだりしろ」
「はい、マコトさん。ミツキの大好きなマコトさんのオチンポ様をミツキのお口でおしゃぶりさせてください。おフェラチオしたいです」
ミツキは心の底からおねだりしていた。マコトがベッドに乗ると顔の横に膝をついた。ミツキは自ら顔を横に向ける。目の前に怒張したマコトの男根が迫り、ミツキは熱い吐息を吐いた。マコトの男根すべてを自分のものしたかった。我慢できず、マコトの股間に顔を寄せ、下腹部に口がつくほど深くくわえた。それでもまだ物足りなかった。
もっと深く、もっと奥まで。ミツキはできるだけ首を伸ばすと喉の奥にマコトのペニスをくわえ込む。さらに深く、奥へ。ミツキは欲望に駆られてマコトの男根を喉でとらえ続ける。息ができずに頭がぼっとする。縄に酔った脳裏に陶然とイラマチオの快感が襲ってきた。マコトが股間に指を伸ばしたらしい。クリトリスを剥かれるのがわかった。
「ミツキ。ちょっと前のお前のクリトリスはチビだったが、今はこんなに膨らませているぞ。小指の先ほどもある。本当にエロいオマンコだな。どこが一番感じるか、調べてやる」
「はい、マコトさん。ミツキはマコトさんのオチンポ様をくわえさせてもらって、オマンコのすけべ豆をこんなに大きくしてしまいました。ドスケベ女でごめんなさい。クリトリスがカチコチで恥ずかしいです。どうか、一番気持ちいいところを調べて、ミツキがどれだけ淫乱ではしたない雌犬か、ミツキに思い知らせてしまってください」
マコトの羞恥の言葉にミツキは素直に答えていた。マコトが一旦ベッドを降りるとサイドテーブルに行き、引き出しから何かを持ってきた。セロハンテープと綿棒だった。マコトはミツキのクリトリスの包皮を斜め上に剥き、テープを貼って固定した。
陰唇も大きく左右に広げられてテープを貼られる。柔らかく充血したミツキの秘部は膣口をあらわにさらけ出し、とめどなく愛液を溢れさせた。マコトが指先で綿棒をつまむとクリトリスをこすってきた。包皮から綺麗に露出されたクリトリスは痛いほど硬く、膨れ上がっている。その尖った先端、横、根元を綿棒がこね回していく。
「あ」
不意にミツキは叫びをあげた。綿棒がクリトリスの根元、剥かれた包皮とのつなぎ目の部分をこすったからだ。男性で言えばカリに匹敵することになる部分が、ミツキの一番感じる場所、弱点らしかった。マコトは声に理解したらしい。執拗にクリトリスの根元を綿棒でいじってくる。どんどん快感が膣の中に湧き続け、愛液が噴き出してくる。
「駄目。駄目です。いや。嫌です。こんなの恥ずかしい。許してください。あ、気持ちいいです。二回目、イっちゃいます。あ、もう駄目。いや。イっちゃう。あ、あっ」
マコトの男根を口から離すとミツキはオーガズムを報告した。そして絶頂の快感を逃すまいと深くくわえ直す。途端に仰向けの腰がぶるっと震え、下半身全体が痙攣した。腰がひきつり、膣がきゅっとすぼまる。襞が蠢くと大きな痙攣が反発のように起こった。クリトリスが痛いほど硬くなる。ドクンドクンと心臓が鳴り、陰核も同期して脈打って疼く。
「ほら、ミツキ。おねだりしたようにこれで可愛がってやろう」
ブブブ。絶頂に放心したミツキの耳に怪しい音が届いた。視線を送るとマコトがローターをつまんでいる。夕方、初めて知った無機的な快感の記憶がよみがえり、まだ音を聞いただけなのにミツキは乳首を震わせてしまった。顔が燃えるほど火照る。だがしょせんは玩具だ。夕方も求める絶頂には達しなかった。だからこれでは本当に気持ちよく達することはできないだろう。ミツキはそんなもどかしい思いを抱いていた。
マコトがローターをミツキの縛られている右の胸に当てた。機械的な振動がいびつに絞られている乳房の下部に伝わった。すると快感は夕方、感じたよりも刺激的だった。乳房の肉に伝わる振動が喜悦を強く沸かせる。思わずミツキは甘い声を上げた。乳暈が膨れる。乳首が今までなかったほど長く伸びて弧を描く。ローターの振動で乳房がえぐられ、胸の芯にとめどない快感を送ってくる。夕方とは比べものにならない。マコトさんが使ってくれると、こんなに気持ちいいのか。ミツキは驚きと喜びにまみれていった。
「ふふ。ミツキ、お前、これを使ったな」
「そ、そんな。違います。恥ずかしい。そんなことしてません」
さすがにオモチャでオナニーしたと告白するのは羞恥の極みだった。マコトのセックスを待ち切れなかったと告げるようなものだ。マコトが自身にことをお見通しなのは知っていた。だから、ちゃんと洗っておいたのに。どうして分かってしまうのだろう。
「嘘をつけ。俺がいない間にオモチャでオナニーしただろ。本当のことを言わないとチンポはずっとおあずけだぞ」
「そ、そんな。それは嫌です。許してください」
「だったら正直に言え」
「は、はい。しました」
「どうしてだ」
「恥ずかしい。ミツキ、オチンポ様を待ちきれなくて。体が疼いて仕方なかったんです」
「いい子だ。そうやって素直になれ。オマンコして欲しかったのか。ほら、口が留守だ」
「ごめんなさい。嘘をついてすみませんでした。オマンコして欲しかったです」
ミツキは従順に謝ると首を伸ばして横にいるマコトの股間を口に含んだ。マコトの甘い味が口いっぱいに広がる。マコトの匂いが、かぐわしく鼻をくすぐり、快感を昂ぶらせる。どちらもミツキが大好きなものだ。すでに馴染まされたマコトの味と匂い。それが今、縛られて敏感になったミツキには、今まで知らなかったほど官能的だった。ミツキは、はしたないほどの音を立ててマコトの男根をしゃぶり始めた。
ローターの音がもうひとつ増えた。マコトが二つ目のスイッチを入れたらしい。すぐに左の乳房にも振動が伝わった。乳暈が待ちわびていたように膨れあがり、小山を作る。乳首が硬く弧を描いた。二つの乳房が快感にまみれ、喜びが股間に伝わる。ゾクゾクするエクスタシーが膣の中に湧き続け、ミツキは縛られて自由が利かない体を反らせた。
「あ、あっ。だめ。いや。やんっ。恥ずかしい。ミツキ、オモチャでイっちゃう。イっちゃいます。三回目。恥ずかしい。あ、あ。いく」
あっという間にオーガズムが襲ってきた。ものの数秒でミツキの昂ぶりが頂点に運ばれていく。陰唇が震え、膣の中の襞がうねる。ミミズ千匹となった筋が蠢き、襞にできた無数の粒が膨れてこすれあう。襞がひきつると膣の奥、子宮へと波のように抽送を繰り返した。途端に膣口がキュッと口を閉じると大きく痙攣した。ピッと音を立てて愛液がほとばしった。がくんと縛られた股間が痙攣した。ビクンビクンと波打ち、ミツキは乳房をローターで愛撫されただけでオーガズムに果ててしまった。
「ああ、マコトさん。ミツキ、三回目、イっちゃいました。すごく気持ちよかったです。ありがとうございます。嬉しいです」
ミツキは素直に口にしていた。縛られた体はまだ痙攣している。ローターが乳房から離れると恥丘に当てられた。当てられているのはひとつ。振動が少しづつ、クリトリスへ下りていく。もどかしい喜びがミツキを貫く。マコトさんに使っていただくと玩具もこんなに気持ちいいのか。これをさっき調べられた自身のもっとも敏感な箇所に使ってくださったら。ミツキは縛られた二つの太腿をもどかしげによじらせてしまう。
「マコトさん、お願いです。ミツキ、我慢できません。オモチャでミツキのスケベなお豆をいたぶってください。さっきの感じるところをいじめてください。早く、ね。ね」
ミツキは正直な気持ちで懇願した。もはや、どんな恥ずかしい言葉も欲望の前には口を突いてしまう。クリトリスがローターに当たるようにミツキは自ら縛られた股間でまさぐる。だがマコトは肝心の箇所にオモチャをなかなか当ててくれない。ミツキは甘く、切ない声を漏らしながら、お願いを繰り返し、自由の利かない下半身をうねらせた。やっとマコトがローターをクリトリスへ持っていってくれた。
「あ、凄い。すごく気持ちいいです。ミツキ、ものすごく感じます。だめ。いやん。いい。もうイく。恥ずかしい。すぐ。四回目。いい。感じます。いく。ごめんなさい。あっ」
つたないほど簡単にミツキは昇りつめた。縛られた両足に力がこもり、足の指が力んで反り返る。膣の中で、襞がひきつり、筋が畝となり、無数の粒が膨れてこすれる。裏クリトリスが硬く、大きく反発した。それは表のクリトリス以上のサイズに達していた。全身が痙攣する。四肢にデタラメに力が走ると体が麻縄に抵抗するように軋む音を立てた。ビクン。大きな痙攣が襲い、お尻の肉が引きつる。途端に脳裏に快感がはじけ散った。
「あ、イっちゃいました。ミッキ、もう我慢できません。オチンポ様をください。ね」
ミツキの懇願にも関わらず、マコトは股間に当てていたローターをミツキの性器に埋め込んだ。ぬるりと膣が音を立てると振動が襞に伝わり、ミツキは興奮を全身に感じる。絶頂の兆しが訪れてくる。腰が痙攣すると、がくんと蠢いた。立て続けに股間が震える。
「ダメ。恥ずかしい。気持ちいい。ミツキ、五回目。イッチャいます。ごめんなさい」
激しい痙攣とともに絶頂が兆した。腰の骨が外れるほどの引きつりと膣のうねりがマコトの男根を求めてやまない。しかし我慢の限界だった。ミツキはオーガズムに達しながら叫んでいた。ください。入れてください。オマンコに。オチンポ様を。それでもマコトは挿入してくれない。膣に差し入れたローターをGスポットにできた突起、裏クリトリスに正確にあてがうと 二つ目のローターで本物のクリトリスをオモチャにし始める。
二つの敏感な秘核を同時に責め立てられ膣の襞が震え、畝が何重にもできる。何百の筋になったうねりと粒が蠢き、強く引きつり、ローターをくわえて離さない。振動を強く締め付け、子宮の奥へと運び込もうとしている。ミツキは服を着たままの恥ずかしい格好でさらなるオーガズムが訪れるのを理解した。ぶぶぶ。股間で音が鳴る。もはや恥じらいなどミツキにはなかった。ただ挿入の快感を求めていた。
「いく。いく。あ、いや。恥ずかしい。今、もう。すぐ。ダメ。いや。すごく気持ちいい。いく。ミツキ、勝手に六回目。イッチャいます。ごめんなさい。あ、あ」
オーガズムの報告と同時にミツキは絶頂を迎えた。脳裏が真っ白になる。激しい快感が全身を襲った。腰が引きつるとガクンガクンと連続して痙攣し続ける。喜びが喉を突いて叫びとなり、ミツキは四肢をよじらせて喜悦を排出しようと縛られた体でもがいた。M字に開脚された股間が小刻みに震えを繰り返し、喜悦はなかなか治らない。それを待つようにマコトはローターを膣から抜き、クリトリスからも外した。
「マコトさん。お、お願いです。も、もう。オマンコ。我慢できません。オチンポ様が欲しくて頭が変になりそうです。入れて。ね、ね。入れてください。ね。オマンコして。オマンコにおチンボ様。恵んでください。今すぐ。ミツキ、欲しくてたまりません」
ミツキはたまらず、おねだりしていた。いつもより少ない回数のオーガズムというのに激しすぎてトランス状態になってしまっていた。何より本物のクリトリスと裏クリトリスを同時に刺激されるエクスタシーは性器が二つあるようなマルチオルガズムだった。
「そうとう感じてるな。まだ何分も経ってないのにイきまくってるぞ。挿れてやらないと頭が変になるのか。仕方ない。オモチャはまた後だ。それじゃ、縛って服を着たままで、バックでオマンコしてやる。ミツキは思い切り恥ずかしくされるのが好きだからな」
マコトがやっと告げてくれた。ベッドに仰向けになっていたミツキの体を裏返す。背中で両腕を縛られ、両足を体の横に縄で固定されたミツキは、めくられたスカートから股間を丸出しにしてうつ伏せにされた。ベッドに顔が埋もれ、息が苦しい。体重を乳房で支える格好のために痛みが走る。ミツキは顔をよじって息をついた。
マコトが腰にあてがっていた枕をうつ伏せになったミツキの腹部から抜いてくれた。胸元へ運ぼうとしている。そのとき枕の裏からなにかが落ちた気配があった。マコトがそれをつまみ上げたらしく、指先をミツキの顔の横に持ってくる。
「これはなんだ。畳んだティッシュが落ちたぞ。おナニーでもするつもりだったのか」
「ち、違います。恥ずかしい。それは四葉のクローバーです。夢占いに使うんです」
「そうか。だが四ツ葉じゃないぞ。五つ葉だ」
テッシュを広げたマコトが告げる。ミツキは顔を横にやってマコトがティシュから出したクローバーを見た。マコトの言う通りだった。四枚の葉の裏に小さな葉がもう一枚生えていた。公園で探したときは、てっきり四ツ葉だと思っていたが、夕暮れどきだったせいで葉の裏に生えていた小さい一枚を見落としたのだ。
クローバーが五つ葉であると分かったミツキは、なぜまどろみで、あんな夢を見たのか理解した。あれは逆夢だったのだ。クローバーの夢占いは四つ葉でなければ成功しない。間違ったものを使えば逆夢になってしまうのだ。ミツキの四肢に安堵が広がった。
あの夢はわたしの未来ではない。まったく逆。未来であんなことはわたしに起こらないのだ。マコトさんはわたしを見ず知らずの男性の性処理道具になんかにしない。
「マコトさん。お願いします。思い切りミツキを犯してください。マコトさんの好きなようにミツキのオマンコを使ってください。どんな恥ずかしいことも、いやらしいこともマコトさんの言いつけ通りに従います。だから早く。ミツキとオマンコしてください」
ミツキは安堵と喜びとマコトへの愛おしさから心の思いを口にしていた。早くマコトの男根を自身の中に迎え入れたくてたまらなかった。目が濡れているのがわかる。頬が興奮と喜びで赤く染まっているのも理解できた。期待で唇が細かに震える。セックスがこれほど気持ちよく、こがれるものだとミツキは強く実感できた。マコトのペニスが欲しくてたまらず、ミツキは目尻に涙さえ、滲ませてしまった。そのミツキにマコトが告げた。
「ミツキ、可愛いぞ。俺の女らしくなってきたな。なぜ俺が勃起するか分かるか。ミツキはどんなに恥ずかしいことも、いやらしいことも俺が言いつければ従う。羞恥で顔を赤くしながらな。そんなミツキの姿を見てると、俺の女として懸命に振る舞おうとしているのが、よく伝わってくるんだ。ミツキが恥ずかしいことを口にしたり、いやらしい姿を見せるたびに、俺はお前の従順な思いがよく分かり、とてもいじらしく、いとおしく、けなげに感じる。そしてもっとこいつを可愛がってやろう、愛してやろうと思う。だから勃起するんだ。俺の愛情表現として。大好きだよ、ミツキ」
思わぬ愛情を示す言葉だった。初めて聞くマコトの気持ちだった。ミツキの胸に悲しいほどの切ない思いが湧き、痛いほど締め付けてくる。ミツキは涙をこぼした。嬉しさが極り、心は痛いほど震えた。うつ伏せのミツキの臀部にマコトが下半身を当ててくれた。濡れそぼった股間に男根が触れると陰唇を割って一気に貫かれた。
それだけでミツキは叫び声をあげると絶頂に導かれ、マコトの男根を強く締め付けながらオーガズムを迎えた。きっと今夜は今まで体験したことがないほど果てるだろう。だってわたしはマコトさん好みの女に仕込んでもらえるのだから。
「マコトさん、大好きです」
「もう一つあるだろ。大好きなものが」
「オチンポ様も大好きです」
ミツキは恥じらいながら自身も愛を告白していた。幻聴なのか、何かの鐘が鳴る音が聞こえた。その音に耳にしながらミツキは連続する絶頂へ身を委ねていった。
午後二時過ぎ、マコトが外出すると室内がやけにがらんとしているとミツキには感じられた。今まではマコトがいつもそばにいたのだ。それぞれの部屋で仕事をしていても、朝昼晩のセックスは結局、ミツキがおねだりする恰好で可愛がってもらった。
だがその愛撫を与えてくれるマコトは今いない。オーガズムを極めてくれるマコトの男根もだ。それを実感するとミツキは体の一部がなくなったようで股間に空白を感じた。
昼の愛撫はあきらめるしかない。気を紛らわすためにミツキは仕事に臨むことにした。ジェシカを寝室に呼び、株式市場のネットに接続する。相場に大きな動きはないようで、ミツキが投資している製薬関係も小幅の変動しかなかった。
パソコンを市場とオート接続にすると仕事らしい仕事もなく、ミツキは仲間のチャットに書き込みすることにした。まだ到着を知らせていなかったからだ。書き込みめば仲間の二人にすぐにメールが通知される。ミツキはスマートフォンの電源を入れた。
ジェシカ『ジェシカです。無事に到着。ご主人と仲良くしてます』
リンダ『あ、ジェシカだ。やっほう。無事にこっちにきてるんだね。ご主人と仲良くか。ジェシカはこれ以前の書き込みをもう読んだ? リンダもダフネも夜の生活について告白したんだよ。ジェシカはどうなの? エッチの回数は?』
ダフネ『ようよう、ジェシカ。無事でなにより、ダフネだ。またリンダはいきなりそっちの話か。ま、読んでないかも知れないから、ジェシカに説明するとリンダは週に三回。ダフネは、えへへ。毎日なんだ』
ジェシカ『わたしも毎日ですよ』
リンダ『え、ジェシカも? いいな。わたしもこれから絶対に毎日してもらうように断固、おねだりしよっと。でもね。リンダは週に三回だけど、その分、一回がすごいんだぜ。たまっていたムンムンむらむらが一度にドバッと発散て感じなんだ』
ダフネ『リンダ。それはもしかしてあれか』
リンダ『てはは、そうだよ。オーガズム。リンダはちゃんと「いく」のを体験しました。みんな、もうオーガズムって体験した?』
ダフネ『わたしもオーガズムは最近、覚えた。あれっとすごいな』
リンダ『お、ダフネもか。やっぱり羅針盤の目に狂いはないんだ。我々とご主人との相性は、ぴったりってことか。オーガズムっていいよね。ご主人のあそこで最後までいかせてもらうのって、すごくすっきりする』
ダフネ『リンダの言う通り、最後までいくのは、すごく達成感がある。終わったって感じで、しばらくはセックスなしで大丈夫だな』
リンダ『しばらく? 毎日、エッチしてるダフネのしばらくは次の日じゃん。スケベ』
ダフネ『うるさい。要は夜、可愛がってもらってオーガズムを迎えると朝はすっきり。その日の夜、エッチを始めるまでムラムラしないってことだ』
リンダ『リンダもしっかりオーガズムでいったら、エッチはご主人まかせで平気だな。こっちから誘惑することはないよ。ジェシカはどうなの? オーガズムは体験した?』
ジェシカ『はい。二人と同じで凄くすっきりします。わたしもしばらく大丈夫な感じ』
嘘ではない。確かにオーガズムを極めればしばらくはムラムラしない。ただそれは、いくところまでいくオーガズムがあってのことだ。昨夜は二十回を越える絶頂を経験した。そうなってやっと体は鎮まったのだ。それに今もそうだが、朝のセックスが終わってもしばらくするとミツキの体は疼き始めてしまう。
書き込みからするとリンダもダフネも一度のセックスで一度のオーガズムを迎えて満足らしい。朝昼晩に二十回近い絶頂を求める自分は、二人に比べてあまりに変だ。しかも体は欲望を求めて変化し続けている。やはり、どこかがおかしいのかもしれない。
リンダ『オーガズムはさておき、出発前に母親から聞いたけど、体に現れたご主人の印を見ると凄く満ち足りた気持ちになるとか。二人はどう? 私はまだなんだけど』
ダフネ『ああ、私も母親から聞いた。体のどこかに浮かび上がるんだってね。もしかしてこれかなと思うのが、私のお腹にうっすらと滲んでる』
リンダ『というとなに? もしかしてものすごくいやらしい言葉とか絵柄とか? 例えばご主人のオチンチンとか』
ダフネ『リンダはまったく下品だな。もっとロマンチックなものだよ。星みたいなんだ。ご主人に言わせると星座らしい。私のご主人の趣味は天体観測なんだけど、ご主人の生まれた月の星座らしいのがうっすらと浮かび始めてる』
リンダ『ははあ、だからご主人の印だって分かるのか。ふうん、確かにロマンチックだな。それで幸福だなって感じる?』
ダフネ『うふ。感じる。エッチの合言葉はお星様を頂戴なんだ。やだ、恥ずかしい』
リンダ『なんだ、それ。なに、のろけてるんだ。戦闘魔女のダフネが、ご主人にモジモジしながら「お星様、頂戴」っておねだりしてるのか。お前が、そんな乙女チックなタイプだったとは。お姫様みたいなヒラヒラのドレスなんか着ているんじゃないだろうな』
ダフネ『うるさい。幸せなら、それでいいだろ。お姫様になって抱かれてなにが悪い』
リンダ『え? ほんとに着てるの? ふふふ。それで「姫、いくっ」ってオーガズムなんだな。ロマンチックというか、カマトトというか。ジェシカはどうなの。印は?』
ジェシカ『はい、私もお腹にご主人のお名前が』
リンダ『ああ、名前ね。それは分かりやすいよね。ダフネに比べると、かなり普通だ』
ダフネ『お姫様で悪かったな。リンダなんか、きっとすごくいやらしいのが浮かぶぞ』
リンダ『ふふふ。わたしはすばり、あなたのセックスマシーンなんてのがいいな』
名前が普通というのは二人の常識的な判断だろう。しかし場所がきわどいことは、ぼやかしておいた。お腹といっても下腹部。正確には恥丘なのだ。その場所が意味することはマコトとミツキには理解できている。ミツキがマコトの所有物という印だ。特にミツキの性器がだ。それを二人にはっきり教えるのは恥ずかしすぎた。
リンダ『それとさ。仮契約書には仮契約期間でご主人好みに仕込んで育ててもらうって書いてあるんだってね』
ダフネ『ああ、確かにそうらしい。それがなにか気になるのか』
リンダ『みんな、オーガズムは体験したんだよね。初体験の時、わたしは嬉しかったけど気持ちいいって感じはなかった。それで何度かのエッチで「いく」ってのが分かった』
ダフネ『わたしもそうだな。初体験を済ませて何度目かで「あ、気持ちいい」って感じになって。それから数度目でオーガズムが訪れたな』
リンダ『てことはさ。今、初体験からオーガズムまできたわけだ。今後、ご主人好みに仕込んで育ててもらうとなると、この先になにかもっと気持ちいいことがあるのかな』
ダフネ『ははあ。まったくリンダはエッチだな。でも、リンダの言葉も間違いじゃないか。ご主人好みに仕込んで育ててもらうんだから、エッチの面で成長していくわけだ』
リンダ『それってどんなだろう? リンダ、わくわくしてるんだよね』
ダフネ『ふふ。確かに。三人の秘密として、なにか分かったら報告することにしよう』
チャットのやり取りはそこで終わった。マコトから説明されなかったが仮契約書にはその契約期間でご主人好みに仕込んで育ててもらうとあったらしい。だがリンダとダフネはきわめてノーマルなセックスで性行為も普通の過程を進んでいるようだ。
自分のように性器がキンチャクからカズノコ天井、ミミズ千匹、裏クリトリス。そんな風に変わっていないのだ。もしそうなら、きっとなにか書き込む。一方、自分は快感を得るためにどんどん性器が新しく生まれ変わっている。
チャットに書き込まれた二人の様子からミツキは自分の性欲の強さが恐ろしくなってきた。「これはまだ先だな」と述べたマコトの言葉が脳裏をよぎる。聞いた時は恥ずかしくてよく理解していなかったが、まだ先ということはマコトの簡単な意思表示だ。
その言葉にぞくぞくとした快感を覚えた自分。それはマコトとのセックスで、さらに先に待ち受けているものを期待している現れではないか。つまり自由が利かない緊縛状態でマコトのいいなりにされる隷属の喜び。
わたしは本当に淫乱だ。どスケベそのもの。オチンポ様を欲しがってマコトの男根に貼り付いているナメクジ。盲目的にマコトの怒張を這い回り、精子を呑みたがるナメクジ。それが私の本性。ミツキの脳裏にそんな思いが湧いた。
絶頂の連続を迎える自分の体の変化。それがマコトの愛撫の結果であることは凄く嬉しい。一方、どこまで自分の体は肉欲を求めるようになるのか。このままではオーガズムを連続させたまま、一日過ごすことにならないか。そう思うと空恐ろしかった。ミツキは不安を胸に走らせたが、気が付くと股間にとろりと喜悦を覚えていた。
チャットで仲間と夜の生活について話し、自身の性器の変化に思い至ったために頭ではどこまで自分が淫乱になるのか怯えつつ、体が快楽を求めているのだ。
緊縛。マコトの言う「まだ先」とはどんな風なのだろう。ミツキは局部に疼きを覚え、マコトの考えている行為について理性とは別に強い好奇心が湧いていた。
「ジェシカ、お水を入れ換えてあげるね」
ミツキはジェシカに告げた。二人で寝室を出るとキッチンに行く。バケツに水を溜めると玄関まで持っていき、靴脱ぎに置く。ジェシカは嬉々として新鮮な水を飲んでいる。ミツキはそれを確認するとジェシカをそのままにマコトの書斎に入った。
もしかしてと壁を覆う本棚を改めていく。すると目的の書物があった。ハードカバーの体裁でタイトルは『緊迫図画集』。ミツキはその本をめくった。指がかすかに震えている。あられもない図画や写真の数々が説明とともに飛び込んできた。
【拘束具】対象者の四肢の自由を奪う手枷、足枷などのカフ。そのカフを固定するため、ベッドや台の裏に回して接続するベルト。また視覚を奪うアイマスク。声を殺すギャフなどがある。対象者の自由を奪う什器は相手を好みのポーズにできるように各部が自由に稼働するSM専用の椅子やベッドがあるが通常は婦人科の診察台などが使用される。
【麻縄】拘束具の中でも日本伝統のものとして麻縄がある。麻は伸縮性が少ない素材のため、縛った状態が固定し、緊縛部分に食い込まず鬱血しない。無痛の結束を担える。
【胸縄】乳房の上と下、横などを縄で縛り、背後で腕縄と接続することで自由を奪うと同時に胸に刺激や羞恥を与える。基本的には乳房の上から縛り始めると乳房が空を突くように反るために美的な輪郭となる。縄のかけ方は菱形や四角など多彩。
【高手小手縛り】腕を縛る代表的な方法。背中に回した腕を肘より高く組んで結ぶ。
【M字開脚縛り】太腿と足首を左右それぞれ別に縛り、腰に回した縄で背後に固定する。開脚させた足はM字のかたちで閉じようがなく、股間が剥き出しになる。
ミツキがもっとも赤面したのは【あぐら縛り】だった。手足の自由を奪われるのは他の縛りと同様だが両足があぐらをかいた状態で固定されるのだ。その際に足は胸元にかかげられ、性器を剥き出したポーズになる。前のめりにされてお尻を突き出す姿勢にされたり、そのまま仰向けにされている絵もある。特に羞恥を覚えたのはそのポーズで露出している股間をいたぶられながら手鏡で見せられている図画だった。
この縛りでは、なにをされても逃れようがないのだ。どこをどう責められ、オモチャにされても抵抗のしようがない。ミツキにとってこれほど恥ずかしい緊縛はなかった。
縛られている写真の女たちはみんな苦悶の表情だ。しかし目が濡れたようになにかを訴えている。どの女も乳首はピンと尖らせていた。もの悲しさとは別に感じているのだ。
ときには縄にコブが結ばれて股に食い込んでいたり、クリトリスの位置にあったりする。膣や淫核をいたぶるためだ。ミツキは緊縛の画像と説明を読み進めている内に頭では羞恥と戸惑いを覚えているはずなのに、股間は疼きを強めてしまった。
重い何かが下腹部にたまり、シコリとなって宿ってくる。腫れぼったく、もどかしい感覚が快感に変化して愛液が膣の中に溢れてきた。ミツキは、あわててショーツを半脱ぎにした。膣の襞が震え、なにかを求め、ざわつている。ミツキは熱い吐息を吐いた。
乳房が張り、乳暈がぷっくりと膨れて乳首が硬く反り返った。長く大きくなった乳首がブラジャーの下で弧を描いて痛い。体が快感を求めて狂おしかった。欲望が噴き出し始め、それを処理しなければ、いてもたってもいられない思いに駆られてきた。
愛欲にたやすく負けてしまう自分が情けなく、恥ずかしいが我慢できなかった。どうしよう。マコトさんはどうしても我慢できなければと言ってたけど。ミツキは不安を覚えた。視線をサイドテーブルの箱にやる。あんな道具は使ったことがない。気持ちいいだろうか。痛くないだろうか。具合がよかったとして途中でやめられなくならないだろうか。病みつきになったりしないだろうか。
しかしミツキの体は狂おしいほど欲望を噴き出している。とても我慢できそうになかった。気だるい吐息を吐くとミツキはサイドテーブルから箱を持ってきた。こわごわながら使ってみる気になったのだ。中からピンクローターをひとつ取り出し、説明書を読む。小さな卵形の本体からコードが伸びていて操作板にダイヤルつまみがある。これを回せばスイッチが入るらしい。ダイヤルはバイブレーションの強弱用。
ミツキは椅子に浅く座り直すとビスチェ風のトップスのジッパーを下げた。ブラジャーをずらしてオッパイを剥き出しにする。そしてローターのスイッチを入れた。
かすかに唸るローターをすでに硬く尖って反り返っている片方の乳首に当ててみた。途端に喜悦の電気が走り、快感が乳房全体を染めた。乳首がローターの振動でさらに痛いほど硬くなっていく。愛液が膣に溢れ返った。ミツキは熱い吐息とともに喘ぎ声を漏らしてしまった。もうひとつの乳首の方にローターを当ててみる。また喜悦が胸に走った。
マコトに愛撫してもらうのとは異なる、機械的な快感。それはただ盲目的でスイッチを切るまではいつまでも続くだろう。快感の強弱や喜びを得る位置はミツキの思い通りだ。マコトが導いてくれる愛撫とは違い、体が欲するままの動物的な性行為。
ミツキは性具で乳房をもてあそぶことにした。二つ目のローターのスイッチを入れる。それぞれのローターを両方の乳首に当てた。途端にびりびりと喜悦が胸から股間に走り、ミツキは喜びの声を上げた。下半身の重ぼったいシコリが快感となって沸騰する。
「あっ、駄目。一回目、いくっ」
両方の乳首にローターを当てただけでミツキは絶頂を迎えた。膣に愛液が溢れ、外に漏れ始めている。ミツキは一旦、ローターを両の胸から外した。箱の中を見るとローターはまだ二つある。合計四つのローター。マコトはこれをどう使って自分を可愛がってくれるつもりだったのだろう。ミツキは目を閉じてマコトを想像した。きっとマコトは最初はひとつ、そしてもうひとつとじらすように数を増やし、最後は四つとも駆使する。
ミツキは再びローターのひとつを乳首に当てた。脳裏でマコトがつまんでいると想像した。振動が強く伝わるようにマコトがローターを乳暈に深くあてがう。ぶぶぶといやらしい音を立てると乳首がえぐれ、乳暈ごとオッパイが凹んだ。
「あっ、いく。二回目、イっちゃう」
ミツキはローターの刺激にたやすくオーガズムを迎えてしまった。頭の中で絶頂に誘ってくれているのはマコトだ。きっとマコトならここをとミツキは想像して、もうひとつのローターを股間に持っていった。ぶぶぶ。鈍い音を立てるピンクのプラスチックをクリトリスに当てる。片方を乳首、片方をクリトリス。二つのローターの刺激で途端に電気が走り、快感が股間と胸で砕け散った。びくんびくと腰が痙攣する。
「くっ。三回目、イっちゃいました」
喘ぎとともにミツキはマコトに告げる声を上げた。だがなにかが物足りなかった。マコトがしてくれる愛撫と違和感がある。ミツキはスイッチを入れたまま、一旦、デスクにふたつのローターを置いた。天板でローターが悪戯小僧のように跳ねる。
箱の中から三つ目のローターを取り出す。マコトなら三つ目をどうするかは、すぐに思いついた。愛液に溢れてマコトの男根を求めている股間にだ。
そこへミツキは、まだスイッチを入れていない三つ目のローターを埋めていった。ぬるりとプラスチックの硬い感触を襞が呑み込んだ。異物を受け入れ、膣の中がひくひくと蠢く。ただその感触はマコトの男根とは違い、冷たく無機的だ。体温は伝わらない。
もどかしい思いを抱いたまま、ミツキはローターを裏クリトリスの位置まで射し込んだ。膣がキュッと締まり、プラスチックの硬い感触を逃すまいとしている。ローターはマコトの男根に比べれば、物足りない小さな異物に過ぎない。ミツキは不満げな喘ぎ声を上げながら、それでも達成感を求めてスイッチを入れた。
ぶぶぶ。途端に膣の中で振動が始まった。襞がローターを締め付け、動きが裏クリトリスに強く伝わる。マコトの男根のピストン運動とは異なる細かな刺激だった。薄ら寒い気持ちよさ。なのに膣は異物が与える喜悦を貪欲に貪ろうとしている。襞が蠢き、筋が波を立てて奥へ蠕動し始める。無数の粒が膨らみ、ローターの動きで押しつぶされる。
「あっ、いく。マコトさん、ミツキ、四回目、イっちゃう」
膣の快感でミツキはたやすくオーガズムに達した。しかし達してみれば、やはり物足りない。ミツキはデスクにあったローターをつまみあげた。硬く反り返っている片方の乳首にローターを押しつける。ぶぶぶと小さな唸りを上げて乳首と乳暈がえぐられる。快感がびくびくと胸から全身へと伝わる。膣のローターはスイッチを入れたままだ。さらにもうひとつを本物のクリトリスに当てた。
「くっ、いく。五回目、マコトさん、ミツキ、五回目、イっちゃいます」
本物のクリトリスと裏クリトリス。それがローターの刺激でひとつの芯となって快感に貫かれた。二つの淫核がぴんと膣の外と内で反り返ると、いやらしいほど硬く尖った。
襞がうねうねと快楽の源を求めて蠢いている。喜悦を与える性具も、喜びを求める女性器も盲目的な生物に思えた。あるいは運動する部品。玩具の喜びは快感であることに変わりないが、マコトが与えてくれるのとは決定的な何かが足りなかった。今朝のように激しく突き上げられる喜びは訪れない。のっぺりとした粘る刺激が堂々巡りしている。
ミツキはなかなか訪れない真の歓喜にせっぱ詰まってきた。もどかしさを解消しようと腰をずらす。喜悦を求めて足を大きく開く。座る椅子の両袖に太腿を預けると裏クリトリスに当たっていたローターを性器のさらに奧に押し込む。子宮の入口までローターを入れ、四つ目のローターを指先でつまんだ。プラスチックの卵形のそれを膣に突っ込んだ。最初のローターが先ほどまで刺激していた裏クリトリスの位置だ。
膣が二つのローターを離すまいとキュッと締め付けるのを理解するとスイッチを入れた。ぶぶぶ。ぷるる。細かな振動が膣の奥と裏クリトリスで始まる。きゅっと快感で膣がわななくと強くしまった。下腹部のシコリは硬い刺激になって、固まっている。
膣の中の二つのローターを動かしたままでミツキは両の乳首に残り二つのローターをあてがい直す。四つの振動がミツキの性感帯で細かな悪戯を発揮し始めた。当初、マコトとのセックスで絶頂を得るには胸か股間か、どちらかに集中しなければならなかった。
しかし今日までマコトに体を開発され、両方同時に感じられるようになっている。両の乳首、膣の内部の二箇所、四つの位置で喜悦はそれぞれ湧きあがり、それがおへその下で一つにまとまると、全身を貫く喜びとなる。ミツキは思わず体を反らせた。
「あっ。くっ、嫌、恥ずかしい。マコトさん、ミツキ、六回目、イっちゃいます」
お尻がブルブル震え、股間で痙攣が始まった。ミツキの座っている椅子が大きく音を立てる。それでも違う。ミツキが欲しい喜びではない。とても物足りない。こんなのでなく、はっきりといきたい。なんとか本当のオーガズムを。マコトが与えてくれる快感を。
あっという間にミツキは絶頂を迎えた。声は叫びに近い。快感の煩悶を声にしなければ、絶頂の激しさを吐き出せそうになかった。四つのローターは、そんなミツキのもどかしさにおかまいなしに機械的に振動を伝え続けている。
しかし六回目の絶頂を迎えたはずが、ミツキはまだ寄る辺ない思いで欲望を処理しきれなかった。しょせんオモチャなのだ。マコトの太く、硬いペニスとは段違いだ。何より温かい体温を伝えてこない。安心感も。性具の伝える快感は、どうしても空々しさが拭えない。だから到達感がないのだ。
ミツキは絶頂の余韻をひきづりながら、小箱の中からバイブを取り出した。これを使えば不満を解消できるかも。脳裏に「なんと下品で、はしたないことをしているのか」と玩具による自慰に罪の意識が働くが、一方でそれしか方法がないと切羽詰まった思いに迫られてもいた。とにかくこの欲望を処理してすっきりしたかった。
説明書を読む。男性器をかたどった透明樹脂製のバイブ。どことなく見たことがある気がした。かすかな疑問を湧かす性具は、怒張しきったように反り返り、笠が大きく広がり、そのえぐれで膣の襞をこすられると、かなりの摩擦を生みそうな形状だった。
なぜ透明なのだろう。さらに疑問を脳裏に湧かせ、すぐミツキは意味が理解できた。試しに根本にあるいくつかのスイッチを押すとバイブのライトが灯った。先ほど見た緊縛画像の中に手鏡で陰唇を映されていたものがあったが、それと同様なのだ。透明なバイブの芯を通して眺めると挿入した状態の膣が観察できるのだ。
確かに性具を受け入れ、快感に酔いしれる膣の内部がどんな動きをするか、普通なら把握できない。マコトはそれを観察するつもりだったのだ。ミツキは顔が熱く火照るのが分かった。しかしこれを使うしかなかった。体にまとわりつく、もどかしさを払拭し、オーガズムですっきりしたかった。膣の中に入れていた二つのローターを出した。
スイッチを切る。透明な樹脂を濡れそぼった性器の入口に当てた。そろそろと挿し入れる。ぐりっとバイブが膣口を押し広げると、ぬるぬると中へ入り始めた。笠が襞をめくり上げて奥へ進んでいく。膣が大きく開口し、ぴったりとバイブにひっついて包み込む。
襞にある細かな皺と無数の粒がざわつき、押し潰され、バイブをもっと奧へ呑み込もうと波打っている。埋め込まれたバイブは膣の貪婪な運動で、たやすくミツキの性器をいっぱいにする。快感が広がった。薄ら寒い無機的な喜悦。人工的に製造された喜び。
マコトが与えてくれる圧倒的な喜びには遥かに及ばない。プラスチック・オーガズムとでも呼べるような不在感をともなう快感だ。しかし体はバイブが人工物であるとは理解できない。絶頂を知っているだけに、達成感を求めて疼き、果てようとあがいている。
ミツキはその求めを達成させようとバイブを一気に奧まで押し込んだ。子宮口までバイブの亀頭を挿す。膣の中に樹脂が一本の杭のように突き刺さると襞と皺を貫いた。無数の筋と粒が押し潰され、反発し、蠢いている。ミツキは声を上げて吐息を漏らした。
これはマコトさんだ。ミツキは膣にすっぽりとおさまっているバイブの形状が、いつも挿れてもらっているマコトの男根とそっくりだと性器で把握できた。このバイブはおそらくマコトさんの男根を立体成型してあるのだ。どんな注文方法か分からないが、こんな風に仕上げることができるのだ。ミツキはその感触に愛おしさを覚えた。
しかし膣が密着しているバイブは根本的にマコトではない空々しさ漂わせている。それがどうしようもないむなしさを伝えてくる。すがりついていないと、どこかへ消えてしまいそうなマコトの印象。そう理解するとミツキは一層、せっぱ詰まった思いに駆られた。汗が噴き出すほど、体が疼く。もどかしさが倍増する。
どうにかして欲望を解消したかった。どうにかして本当の達成感、オーガズムを迎えたかった。そうしなければおかしくなってしまう。焦りが強く迫り、いてもたってもいれず、狂おしく膣がのたうっている。ミツキは狂乱し、叫びに近い声を上げるとバイブのスイッチを入れた。途端に樹脂が振動とうねりを始めた。
バイブの亀頭がゆっくりと回転してミツキの膣をこね回し始める。淫らな棒が円を描く。ぶぶぶ。音が発生する。襞と皺と粒が撹拌され、びちゃびちゃと鳴る。あちこちがめくれ、撫で回され、潰されては戻る。バイブの回転にミツキの膣は粘り着く泥と化して、その運動を追いかけている。ぐんと上昇する感覚で絶頂が近づいてきた。
「あっ。あっ。マコトさん。ミツキ。いく。七回目」
叫びを上げるとミツキはたやすく果てた。稚児に近い、つたないオーガズムだった。一旦、スイッチを切る。結果はむなしいばかりだ。七回目というのにボルテージは上がらず、最初と同様の空々しい絶頂感しかない。マコトさんなら快感はどんどん増していき、どんどん濃密になるのに。どの性具でも、どうしようもならず、ミツキは切なかった。マコトが今、ドアを開けて帰ってきてくれたらと切望した。
しかしそんな気配は皆無だ。独りぼっちで欲望と戦わなければならない。ミツキは哀しかった。マコトが帰らないのもあるが、なにより体が淫乱の度を深めていると理解したからだった。わたしはこれからどうなるのかしら。どこまでもスケベになるのかしら。
それが正しいと思う。永遠に淫乱になっていくと自覚できた。八回のオーガズムを終えても、体がすっきりとせず、欲望を処理せよとミツキに迫っている。もはやミツキの体はミツキが制御できる段階になかった。それをできるのはマコトの男根だけだった。
『マコトさん、早く帰ってきて。そして私の体をなんとかして』
心の中で狂おしく願うと、もうミツキにできることはなかった。ミツキは改めて部屋に自分しかいないことを確かめると、バイブのスイッチを入れ直した。ぶぶぶ。膣の中で再び、薄ら寒い感触が快感を伝え始める。続いてミツキはデスクにあったローターをふたつつまむとスイッチを入れて両方の乳房に当てた。
プルル。振動が乳暈に続き、快感が押し寄せてくる。求めているような質ではない。マコトが与えてくれるものではなく、品質の悪い、ただお腹がいっぱいになるためのような刺激。それでも欲望を処理できれば、体に噴き出している下品な私をごまかせる。
ミツキは動物的な本能でそう理解し、ふたつのローターで両方の乳房を。深く膣に突っ込んだバイブで性器を。そのどちらも痴呆のように動かし続けた。肘と指でふたつのローターを両方の乳房にあてがうと空いた指先でバイブを闇雲に出し入れした。
声が獣の叫びとなる。これでもかと出鱈目に樹脂を膣の奥へと突っ込み続ける。性器が裂けるかと思うほどだ。ことが終われば襞がこすれて痛いだろう。そう感じたが、どうしようもない。体がミツキを動物にしていた。とにかく欲望を処理するしかなかった。
八回目を果てた。九、十回目と絶頂を立て続けに迎えた。快感が連続し、オーガズムが体を痙攣させる。ミツキはかすかな理性で脳裏に想像の世界を広げた。これはマコトさんの愛撫。マコトさんが私を導いてくれているセックス。そう脳裏で信じ込む。そして欲望を処理するために性器が壊れるほどバイブを動かし続けた。
『召使魔女取扱説明書』※本書は召使魔女には読めません。主人のみ読解でき、召使魔女をどう扱えばよいかが分かります。
【魔法と魔女の国について】魔女が人間の精子によって妊娠できるのは同じホモ・サピエンスだからです。両者の差は魔法が使えるかどうかだけです。魔女の国も地球上にあり、よく似た生態系にあります。ただ魔女の国に限らず、その他の魔法の国にしても、人間界と次元が異なる領域なので二つの世界が制限なしに重なることはありません。
それは時間軸の違いといってもいいでしょう。異なる二つの世界では異なる時間の流れ方をしており、そのために同時点が存在しません。魔女が人間界へ来訪できるのは魔法によるタイムトラベル(来訪する地の過去への旅)と言えます。人間界から魔女の国に行けないのは、まだ人間がタイムトラベルできないからです。
時間軸の違いは地球が一つの生物と考えるとわかりやすいかもしれません。生物に死があるように、どんな惑星にも終焉があり、惑星が存在している宇宙にもいずれ最期が訪れます。ただその終焉がゆっくりか早いか、どこから始まるかに誤差があります。遠い昔からゆっくりと終焉に向かっているか、加速度的に向かっているかです。
この誤差は、それぞれの世界の文明が早く成立したか、急速に発達したかの違いといえます。二つの世界の最終的な終焉(地球の終焉)は同じ時期だとしても魔法界と人間界の時間の流れが、どの段階にあるかの差です。二つの世界が一つの門でしか繋がっておらず、互いにあまり影響しなかったり、融合しないのはそのためです。
では二つの世界に、なぜ時間軸の違いが生まれるのかと言えば、その世界の文明を支えているエネルギーの違いです。人間界は電気、ガス、石油など、精選加工した有機的な資源に依存する機械文明(ロスが多いため、より多くのエネルギーを必要とし、加速する)ですが、魔女界は自然エネルギーをそのまま利用した魔法文明でエネルギーのロスがないため時間軸がゆったりとしています。
それは人間界の科学や経済活動が盲目的な運動であるのを見れば分かります。魔法は風、雨、引力、雷など惑星が起こす自然現象をそのままエネルギーとしています。魔法が万能的な力を発揮し、無理がないのは自然エネルギー(地球に存在するエネルギー)をそのまま利用できるからです。変身や重力に反した飛翔を可能にしているのもそのせいです。
しかし時間の流れが異なる人間界で魔法を使用することは異なる次元のエネルギーを用いることになり、エネルギー保存の法則に反し、世界に乱れを発生させるのです。魔法によっては大災害をもたらすことも考えられます。そのため、派遣した召使魔女が魔法を使用した場合、感知したり、対応するシステムがなされています。
魔女の国が異なる次元に存在するように、この地球にはその他の魔物の国も存在します。魔法使い(男女がいる)、悪魔、魔獣(共に雌雄がある)などがそれに匹敵します。これらの魔物の国も魔女の国と同じ次元の世界に存在し、それぞれの発生、目的によって対立しています。例えばスクブスという淫夢魔(女性タイプ)は悪魔や魔獣、時に魔法使いの国に存在しますが、魔女の国にはいません。その必要がないからです。
スクブスとは人間男性(あるいは魔界のオス)の精子を獲得することが目的で、それを自身の精力としたり、男性版である淫夢魔のインクブスに与え、その精子で人間女性(あるいは魔界のメス)を妊娠させて子孫を増やす性的な生物です。一方、魔女が人間の男性の精子を必要とするのは種の混雑を避けて(魔性のない人間男性の精子で)、純粋な子孫を増やすためです。魔女の子供は他の魔物の遺伝子を受け継ぐと魔女ではなくなるのです。ときには魔法使いや悪魔、魔獣に堕落することもあります。そうなると魔女独自の魔法が発揮できず、発揮できても効果や種類が異なるようになります。
壁時計を見ると夕方の五時だった。ミツキはオナニーを終えて、なんとか平静さを保てていた。全身が汗まみれだった。三時間近く、玩具で自身を慰めていたのだ。
改めて確かめると膣の内襞がすりむけたようでヒリヒリしていた。性器が壊れるほどバイブを使ったせいらしかった。だがまだマコトが与えてくれるオーガズムでの達成感とはほど遠かった。マコトの愛撫に比べると、あまりにも機械的な性行為なのだ。
なんとか気持ちだけは落ち着いたが、体はまだ不満げに疼いている。平静なふりを装っているものの、気を許すと体にひきずられて欲望が暴走しそうだった。どうしようか。ミツキは理性と性欲の拮抗に戸惑った。自分の指なら。そう考えたが、マコトがしてくれるのでないなら、結果は同じだと肌で分かった。
自身の淫欲を解消し、達成感で満足できるのはマコトが与えてくれるオーガズムでないと無理なのだ。となると気持ちを別の方に持っていくしかない。ミツキはことさら自身の欲望を誤魔化すために、さっきまで使っていたローターとバイブを洗い、目に付かないように箱にしまうことにした。
トップスとスカート、ブラもショーツも恥ずかしいほどはだけている。馬鹿なほど自慰にふけったのだ。自分の本性がどこまでも淫乱であると自覚させられた。ミツキはつとめて下着や衣類を整えると性具と箱を手にして廊下に出た。
風呂場に入ると脱衣所の洗面台にバイブと四つのローターを置く。どれもミツキの愛液でべっとりと白く濡れ、ところどころ、どろりと濁った粘りが貼り付いている。欲望を吐き出し切れずに濃い愛液が煮こごりのように織物になっているのだ。それを見ただけでミツキは自身の淫乱ぶりに侮蔑の思いが湧いた。
水道の蛇口をひねり、性具の汚れを丁寧に落とす。説明書には、どれも完全防水とあったので直接洗っても平気なはずだ。自身の淫乱さをこそぎ取るように、ミツキは水を強く当てて指で性具をこすり続けた。数分、そうやって掃除していると自身を戒めているような気持ちになり、なんとか踏ん切りが付いた。玩具を箱に入れる。
廊下に再び出ると玄関ではジェシカがバケツに入ってつまらなさそうにしていた。ミツキに気付くと柄をこくんと振って空中に軽く浮き上がった。くるくるとその場で何度も回る。まるでミツキを引き止めるように。
そうだ。そういえば、人間界にきてからジェシカを空に飛ばしてやっていない。自身のことで精いっぱいでジェシカにまで気が回らなかったとミツキは改めて気が付いた。
空飛ぶ箒であるジェシカは、箒とはいえ、ある意味で生物と言える。空を飛ぶ点では鳥類と変わりない。だから飛翔することは本能であり、楽しみでもある。うん。気晴らしにちょうどいい。欲望をまぎらわすために二人で散歩に行こう。そしてジェシカを空に飛ばしてやろう。どこか人目に付かず、たて込んでない場所で。
ミツキは外出することにした。服を着替える。買い物の時に着るトレーニングウェアの上下だ。トートバックにハンカチ、ミネラルウォーター、ティッシュを準備する。魔鏡で、いかがわしくない格好だと確かめ、玄関でスニーカーを履き、ジェシカに告げた。
「ジェシカ、散歩に連れて行ってあげる。着いたら空を飛んでもいいよ。でも誰かに見られないように小さくなって飛ぶんだよ」
ジェシカがバケツから出ると柄でこくこくと相槌を返してきた。よほど我慢していたのか、反応が直截だった。ごめん。これからはジェシカがストレスでヘソを曲げないように機会を見て、できるだけ空を散歩させてやろう。ミツキはいつもなら自然に頭に浮かぶことを今になってやっと思い返した。
マンションを出て、一階へと降りながら考えた。どこにいこうか。ジェシカが飛んでいるところを誰かに見られるのは問題だ。人間界ではあり得ないことだけに騒ぎになるかもしれないし、噂が広まるかもしれない。そうなると好奇心から調査する人が集まり、魔女の存在が暴露される可能性も出てくる。誰にも見とがめられず、あまり人が来ないところ。そしてジェシカが空に飛べるスペースがある空間。そんな条件に合うのはどこだろう。
ミツキは脳裏で目的地を探しながらマンションから足を進めた。人目を避ける思いから裏手に向かう。意識はしていなかったが、外出の経験からスーパーの方角に歩んだ。ジェシカは体を小さく縮めてトートバックに入って運ばれている。
気がつくと児童公園にきていた。路傍が開け、木が茂り、空気が濃くなる。ここでいい。考えてみればミツキが知る簡素な空間はここしかなかった。夕日がかすかに滲み始め、影が伸びている。ミツキはそのまま足を入れた。奥にある芝生を目指す。
夕食前の午後の時間帯だけに人影はなかった。芝のスペースは木々が開け、頭上に空が広がっている。ミツキは飛び石をたどってベンチに寄った。辺りを確かめ、トートバックからジェシカを呼び出す。声があるとロケットのようにジェシカは中から飛び出した。
「呼んだら戻るんだよ」
空へ一直線に飛んでいくジェシカは雲雀だ。言葉が終わる前にあっという間に雲の中に消えた。ミツキはベンチに腰を下ろした。遠くで子供の声がする以外、誰もいない。下校時らしい。人の声を耳にした途端、マコトの帰宅が待ち遠しくて、たまらなく感じた。
早く帰ってきて欲しい。そして早く熱い男根を思い切り性器の中に入れて欲しい。ミツキはやるせなく辺りを見回した。公園に沿った道が目に入る。脳裏にマコトが自身の股間をいたずらしてくれたことを思い出した。
ほんの二日前だ。ここでわたしはマコトさんの指で快感に溺れ、外だというのにオーガズムを求めてしまった。頬が熱くなるのを感じ、マコトの愛撫の記憶がここで見た犬の交尾をミツキの脳裏によみがえらせた。ミツキの股間が熱く火照った。
胸に実感が湧いた。あの雌は私だ。射精を受けて感極まるように鳴いていた雌犬。あれはマコトさんに精子を浴びせてもらい、オーガズムの声を上げるわたしそのものだ。さっきのオナニーにしても膣がすりむけるほど続けた。まるで動物のように理性を忘れて。
ミツキは不意に理解を得ていた。わたしは要するに、ただの穴だ。肉でできた穴ぼこに過ぎない。マコトさんのオチンポ様を埋めてもらいたがる穴。そのために襞におびただしい愛液をにじませ、皺を歪ませ、引きつらせ、蠢く穴。内部に快感を得ようと筋を作り、無数の粒を浮かばせ、快感を貪ろうとする。ただの穴に理性や淑やかさを求めても無理なのだ。単なる穴なのだから。
どうしようか。これからどうなるのか。自身の真実を理解した途端、ミツキは不安に襲われた。知性のない単なる穴である自身は、オーガズムのためには、どこまでも淫乱に堕落していくだろう。それはどんな風なのか。どこかに終点があるのか。それとも終点などなく、続くのか。数日でマコトに仕込まれた体の変化にミツキは恐れを覚えた。
少しでも未来の兆しを感じ、安堵したかった。この先、どうなるにせよ、自分のいく末を知りたい。それが分かれば怖さが消える。恐れとは闇への防衛本能。答がないことへの恐怖なのだから。ミツキはマコトとの生活、特にセックスの部分を模索したかった。だが人間界では魔法を禁じられている。自身の将来を垣間見るのは魔女の国でも厳禁だ。
どうすればいいのか。ミツキは対処のしようがなく、もどかしく煩悶した。何かを捉えようとした視線が足元の芝へ流れた。そうだ。占いだ。子供の頃、未来を予測するためにみんな花占いをしていた。四葉のクローバーを枕の下に入れて眠った。
あの占いはよく当たった。自分がどんな魔女になるか迷ったときもナース魔女を示唆してくれた。飛び級するときも、専門テストにどんな問題が出るかが分かった。学校で一人の子にわたしの唇がスクブスみたいだと悪口をいわれたことがある。スクブスがセックスに特化した淫らな魔物であることは知っていたが、実物を見たことはなかった。だがその子によると、わたしの唇が赤さも形も図書室の図鑑にある通りだというのだ。
わたしはその子の言い草に腹が立ち、彼女の身になにか嫌なことが起こればいいと花占いをした。すると彼女の自慢のブロンドが燃えている夢を見た。それをわたしは彼女に伝えなかった。痛い目を見ればいいと考えたのだ。数日後、彼女は本当に髪を燃やした。伝え聞くと自慢のブロンドを独自の整髪剤でセットしていたらしいが、こっそりタバコを吸おうとして火が髪に引火したそうだ。油が強すぎたらしい。
わたしが夢を伝えていれば彼女はあんな目に合わなかっだろう。そう考えて休みに家に帰った時に母親にその一件を告げた。すると母親は「そうね。伝えてあげればよかったわね。でもあなたが助言してあげていても、その子は同じ嫌な目にあったはずよ。未来は変えられないものだから。バチが当たったようなものなの」と話してくれた。
花占いはそれぐらい当たる。そして魔法じゃない。ただのまじないだ。だから掟を破ることにはならない。ミツキはクローバーを探すことにした。クローバー、和名シロツメグサは人間界にも魔女の国にも生えている。というよりもどちらの国でも自然物は、あまり変わりはない。樹木、草花、魚や獣は同一だ。食用となる豚や牛、鶏も。生態系が同じならば草食動物が食べる植物にも変化はないのだ。
クローバーの花言葉は「わたしを思って」「幸運」「約束」時には「復讐」とされる。これは「わたしを思って」が裏切られた場合に憎しみに変わるからという。ミツキは「わたしを思って」と願いながら夕日が増してきた芝生に膝まづいた。
四方に目をやりながらにじり進む。やがて奧にクローバーが群生するのをミツキは発見した。膝で寄ると四つん這いになって草に顔を寄せる。どれも三つ葉だ。すぐには目的のものが見当たらない。ミツキは探し続けた。木々の影が長くなり、日の滲みが赤さを強め、辺りがうっすらと闇に包まれ出したために探しづらかった。
あった。四つ葉だ。ひとつだけ。ミツキはやっと目的のクローバーを見付けた。思わず口元がほころんでくる。指先で摘むと立ち上がり、ベンチに戻った。トートバックの中からティッシュを取り出し、クローバーを挟んで畳む。それをトレーニングウェアのポケットに入れると久しぶりに朗らかに気分になった。
ミツキは指を立てると口に持っていく。そして強く吹いた。高らかに指笛が響くと彼方の雲から弾丸のように一筋の流れが軌跡を描いた。真っ直線に下降してくる。みるみる近ずく軌跡は小さな点から棒になり、ジェシカに変わった。さっと頭上で一回転したジェシカはベンチに着陸した。ミツキはベンチから腰を上げると告げた。
「楽しかった? それじゃ帰るわよ」
第六章 喜悦の底に堕落する魔女の死
帰宅するとトレーニングウェアで寝室のベッドに寝転んだ。昼の自慰と途絶えない肉欲が悶々と体に貼り付いている。壁の時計を見ると七時過ぎ。マコトは帰ってこない。
ミツキは忘れない内にとポケットにあったティッシュを枕の下に差し入れた。今夜、夢占いをするためにだ。マコトが帰宅し、夜の愛撫をしてくれたら、きっと快感でそのことなど脳裏に湧かないだろう。だから事前に用意しておこうと考えた。
体の疼きはまだ続いている。マコトがオーガズムを与えてくれるまで、この悶々を誤魔化す必要があった。そうだ。夕食を準備しておこう。マコトさんは済ませてくるかもしれないけど、一応、用意し、召し上がらないなら、翌日に回せばいい。となるとレンジで再加熱できる種類だ。ついでにお酒のおつまみも作っておこう。
キッチンでクリーム・パスタの下ごしらえをした。つまみにはクラッカーにピクルスやコンビーフを乗せたカナッペを用意した。マコトを待つまでに、やることは他にあるだろうか。ミツキは思いを巡らせ、夜、可愛がってもらえる衣装を選ぶことにした。
昼の愛撫がなかっただけに今夜は思い切り、セックスして欲しい。そうしてくれるようにマコトさんを誘惑できる、きわどい下着と衣装にしよう。いざとなれば自分からおねだりしてしまってもいい。きっと我慢できないのだから。
ミツキは夜の着替えのために寝室に戻った。届いているマコトが選んだ衣装は三十着を超えている。下着もだ。そこから白のトップスと黒のマイクロミニのセットを選んだ。
トップスはホルターネックのタンクトップでカットソー。幅広のリボンを首の後ろで結ぶデザインで、ノースリーブの肩と背中が露出する。
素材が体にぴったりとフィットする薄いレーヨンだけに乳房の輪郭と素肌がはっきりと透けるだろう。着てみると体の線に沿って、ところどころギャザーが生まれてアクセントになる。まるで脱がせて欲しいと、もどかしげに訴えているようだ。マコトさんはこれを脱がす時、リボンをどんな風に外してくれるだろうか。ノースリーブのカットソーだから脱がさずに脇から手を入れてオッパイを揉んでくれるだろうか。
セットのスカートはポリエステルでウェスト部分がサラリとした風合いの帯に仕上げられていて腰にぴったりフィットする。その下が三段のシフォンのフリルで一見するとパニエのようで可愛い。だがフリルは三段ともメッシュだ。着丈が28センチだけに臍の高さではくと、股下はほぼ0センチ。レースが重なる二段目まではなんとか透けないが、最後の三段目のメッシュは恥丘や太腿の付け根が露わになる。
少しでもかがめば間違いなく中が丸見え。このまま外出すれば犯してくれといっているようなものだ。ミツキは試着した衣装を脱ぐと丁寧に畳み、今夜に備えてクローゼットの棚に置いた。続いて下着選びに入る。トップスが透けるためにブラは作戦が必要だ。露骨に刺激して誘うか、お淑やかに装うことで恥じらいを演出するか。
だが自身の肉欲への悶えはマコトには筒抜けだろう。言葉を発しなくても、仕草ひとつ、視線のひと投げ、瞳の濡れ具合でなにを欲しがっているか、一目瞭然に違いない。それほど欲望がたぎっているのだから隠そうとしても漏れ出してしまうに違いない。となると下手な小細工はやめよう。ストレートに色欲をぶつけるのだ。『マコトさんのオチンポ様をミツキのオマンコの穴に突っ込んでください』と衣装で訴えるのだ。
ミツキはそこまで考えて露骨なほどいかがわしい下着を選ぶことにした。届いている大半がセットになったブラとショーツだ。その中からミツキは黒のトップレスブラに決めた。カップが1/4のシェルフブラで胸を寄せて上げるオープンバストタイプ。肩と背中を露出するトップスを着るため、普通のブラでは肩紐が見えてみっともない。
ストラップのないブラだがワイヤーが入っているため、カップの上にバストを乗せ、持ち上げるようにすると見た目以上に乳房が寄せ上がり、ボリュームのある谷間を作ってくれた。カップの面積が狭いだけに乳房の南半球、乳首より下だけ覆われていて、まだCカップ75のミツキの胸でも二つの乳首がカップの縁から顔を出した。
バストトップが90あるだけにアンダーバストとの差で胸にソフトボールを二つ詰めたような球形を見事に形作っている。先ほど選んだトップスなら薄い生地だけにブラからはみ出しているオッパイはほとんどか透けて見えてしまうだろう。おまけに乳首はノーブラ同然だから硬く尖って突起を刻むはずだ。このブラとトップスのコンビネーションだけでも、何をおねだりしているか、マコトには丸分かりになる。
狙い通りの淫乱さにミツキは期待に胸をときめかせた。マコトさんは服の上から、この乳首や乳房を両手でつかみ、揉みしごいてくれるだろうか。手のひらにぴったりだと喜んでくれたわたしのオッパイを痛いほど可愛がってくれるだろうか。ミツキは今夜のマコトの愛撫による喜びを想像した。そして次にショーツの選択にかかった。セットのものが単なるハーフバックなので際どさが物足りなかったのだ。
そこでミツキは異なるセットにあったGストリングの黒いショーツを選んだ。デルタ部分を覆う前面は臍からかなり下で際どいV字になっており、三角の布地が恥丘をなんとか覆うが、上半分が刺繍のレースで、バラの花の模様の下に『マコト様専用性器』のシールやご主人の所有物であることを示す『makoto』の英文字が透けている。生地の中央からは短いチェーンが下がり、丸いゴールドのチャームが付いていた。
ショーツのデルタ部分は腰の横へ宝石を模した素材を介してストラップとつながっている。後ろはそのままTバック。左右のストラップが尾てい骨で三角のバラの刺繍にまとめられ、細紐となって股間へ流れるため、お尻の二つの丘は丸出しだ。なによりデルタ部分の生地は下半分が、ただのシースルーのメッシュなのだ。股下のクロッチ部分は当て布がない。当然、ミツキの女性器の亀裂はその形も位置も丸分かりだ。
マコトの性教育でミツキの女性器は幼女のような刻み目だったのが土手が盛り上がり、陰唇は唇が股間に生えたようにぷっくりと隆起している。その秘肉はシースルーの生地にぴったり密着して隠しようがない。どうぞじっくりご覧くださいと差し出しているようなものだ。ミツキの性器は、今ではすぐに濡れそぼってしまうようになっただけに感じ始めたらショーツをすぐに半脱ぎにしなければとミツキは頭にとめた。
選んだスカートがシフォン風でフリルの最後がメッシュ。股下は0センに近い。少し姿勢を変えるだけでパニエのようなふわふわしたスカートがひるがえり、黒い下着の中の女性器を露わにするだけでなく、金色のチャームが怪しく揺れるはずだ。その様子は、ここにわたしの性器があります。使っていただけますかとマコトに合図を送ってくれるだろう。無論、下着に合わせて黒のガーターベルトとバックシームのストッキングは必須だ。
ミツキは下着選びに満足がいって試着した下着も丁寧にクローゼットに準備した。脱衣所に行くとメークを派手なほどしっかり施す。トレーニングウェアを着なおし、最後に名古屋巻きで髪型をきっちりとセットする。夜の準備は終わった。寝室に戻るとマコトが帰宅するまでミツキはやることがなくなってしまった。再びオナニーにふけるのもはばかられる。しょせん玩具に過ぎないのだ。快感を得ても、今以上に疼きを強めるだけで、求める絶頂の喜悦は得られないと分かっていた。
体には先ほどの自慰で処理できなかった肉欲が悶々と体に貼り付いている。だが気だるく四肢に残るオナニーの疲れは思った以上らしく、ミツキはベットに寝転ぶと睡魔に襲われた。まだ七時少し過ぎ。マコトさんが帰ってくるには時間がある。壁の時計を確かめてミツキは目を閉じた。同時にミツキの意識は、いずこともしれない空間に消えていった。
闇の中でミツキは目覚めた。まだ目を閉じていたが今いるのは、なぜか寝室ではなさそうだった。四肢が仰向けで寒ざむとした感触が伝わる。やけに体が窮屈だ。それに自由が利かない。両腕を背中に回し、股間が歪むほど、両足を開脚している。百八十度以上の角度だ。
腰の裏を預けているのは硬いクッションだろうか。そのために仰向けになりながら下半身がへの字に反りかえっている。まるで見てくださいといわんばかりに股間を割ってさらけ出している風だ。どこだろう。ミツキは今の様子を確かめるために目を開けた。
しかしまだ闇しか意識できなかった。目覚めているのは確か。どうやら目を何かで覆われているらしい。なぜ、こんな姿勢で、こんな場所にいるのか。少しも理解が及ばなかった。ミツキは体を身じろぎさせた。しかし意に反して胴は固定され、手足も動かない。感触から手首と足首を縄で縛られているのだと分かった。
これは小手縛り。そしてM字開脚縛りだ。ミツキは眠る前にマコトの書斎で見た緊縛画集を思い出した。手足以外にも乳房の根本が絞り込まれている。胸縄が菱形にオッパイを締め付け、まん丸に張りつめているのが理解できた。寒々としているのは衣服をまとっていないせいらしい。そう気が付いたミツキは人の気配を察した。つまり裸で股間を思い切り広げているのを見られていることになる。激しい羞恥がミツキを襲った。
「目が覚めたか」
すぐ横で声がした。マコトだ。同時に目を覆っていた物が外され、ミツキはやっと辺りを確認できた。動かせるのは頭だけだが視線を送れる。地下室のような空間だった。巨大な鳥かごの中、手術台のような什器にミツキの腰がベルトで固定されていた。
スポットライトが麻縄で縛られている全裸の姿態を照らしている。鳥かごの向こうには人間の影が並んでいた。その数は二十人ほどだろうか。年齢も顔を判然としないが、どれも男だ。というのも、どのシルエットも股間に怒張した男根がうかがえたからだ。
十重二十重の男たちは開脚させられているミツキの股間へ焼け付くような視線を注ぎ、精液の匂いを漂わせている。自身の体が柔軟なだけに腰の裏に当てられたクッションによってミツキは性器を頂点にしてM字どころか下半身を剥くように浮かせていた。だが麻縄が太腿と足首を緊縛しているために股間を閉じようがなかった。
「いかがですか、皆さん。この女は私こと、マコトの奴隷です。この肉体のすべて、口も胸も尻もオマンコも、私の言いなりの道具です。そして今から所有物である、この肉便器を皆さんに提供しましょう。料金はいりません。どこをどう使ってくださっても構いませんよ。存分にお楽しみください。ただしアナルはご遠慮を。まだ私の開発前ですので」
信じられない言葉を台の横にいるマコトが述べた。手にはミツキから外したアイマスクをつまんでいる。なにをさせようとしているかは、その言葉で分かったが、どうしてこんなことになっているのかは理解できない。ミツキは事態に茫然とした。
わたしの体はマコトさん専用のはずだ。恥丘にはマコトさんの所有物であることを示す名前が刻まれているし、『専用性器』とシールさえ貼られている。なのに他人に使わせるのか。先日、四つん這いの恰好でマイクロミニの裾をめくり、自ら淫唇を広げたときも、オマンコを見てもらうのは誰でもいいのではなく、マコトさんだけ。わたしはマコトさんのものだから、ふしだらな姿をお見せするのはマコトさんだけだと告白したはずだ。
確かに仮契約ではマコトさんの命令には絶対服従だ。だがそれは二人だけの秘め事においてのはず。これでは、わたしは売春婦として使役させられるようなものだ。いや、料金はとらないのだから、それ以下だ。本当にただのセックス用の処理道具ではないか。
「この娘はただの公衆便所ですから、名前は必要ないのですが、都合上、リリスとします。リリスとはエデンの園に暮らした人類最初の女です。蛇の化身であるとか、その隷属者とも言われます。彼女は旧約聖書の『 イザヤ書』34章14節に記述される夜の魔女であり、アダムと口論してエデンの園を捨て、多くの悪魔たちと性交することを選んだ淫婦です。通常、人類最初の女性はイブとされていますが、アダムにはイブの前にリリスがいたのです。そしてそのリリスは魔性の女とされ、女淫魔スクブスであったといわれています。では、なぜこの娘がリリスなのか。それを今から証明いたします。そもそもアダムとリリスが口論となったのは、セックスの最中に自分が上になると騎乗位を主張したからです。リリスはそれほど性交に女性上位の快楽を求める淫乱女なのです」
マコトが鳥かごの鉄格子の外に並ぶ男たちにミツキのことをリリスと紹介すると台に拘束されているミツキの下半身に手を伸ばした。そして股間を二つに割るように限界まで開脚している淫部を指先で撫でた。ズキンと快感がミツキの性器を貫いた。マコトの的確な愛撫でミツキはひと撫でされただけで膣に愛液が滲むのが分かった。
マコトが親指と中指でクリトリスの包皮を剥く。真ん中の余っていた人差し指で陰核をこすり上げる。鞘から露出させてもらった淫芯はすでに赤く、妖しくてらついているだろう。衆人環視の中というのに自身の性器は愛欲をたぎらせてしまうのだ。ミツキはマコトに仕込まれた自身の体のたやすさがうとましかった。
「あ、駄目です。マコトさん。やめてください。人前で、恥ずかしい。ひどいです」
激しい羞恥で顔が燃えるように火照る。しかし四肢の自由を奪われているために逃れようがなかった。マコトがクリトリスを的確に愛撫する。途端にミツキの膣の奥から愛液が溢れ始めた。襞と皺がなにかを求めるように収縮を始める。駄目だ。このままでは欲望に体を支配される。思わずミツキはアブラカタブラと瞬間移動の呪文を唱えていた。
しかし状況は変わらなかった。両足も腕も麻縄で縛られたままだ。オマンコを剥き出しにして台に固定されたまま、もがくことしかできない。ミツキは理解した。わたしをここに拘束したのはマコトさんだ。これはマコトさんの意思なのだ。だから魔法が効かないのだ。ミツキは唯一、自由になる頭を振り、いやいやと髪を揺らして拒絶した。しかしマコトは容赦せず、クリトリスを撫でていた指を膣の中へと挿入した。
「いや。やめて。お願いです。駄目です。こんなこと、許してください」
ミツキは声をあげ、必死の思いでマコトに懇願した。見知らぬ男たちに見られているのに。体の線を見せるだけでも、もったいないとおっしゃってたのに。わたしはマコトさんだけの女。マコトさん専用の性器。心の中でそう告げる。しかしすでに愛液で潤った股間はマコトの指をやすやすと受け入れ、それを離すまいと襞が絡まる。
マコトの指が膣の中でくの字に折られて反転した。ミツキのGスポットにできた突起、裏クリトリスを強く撫で回す。途端にミツキの膣は愛液で濡れそぼってしまった。
「モーゼが伝えた律法であるタルムードに、リリスはカラスのような髪を長く伸ばし、獣のように水を漏らして座るとあります。さあ、見てください。この女は黒髪を揺らして、とめどなく、オマンコを濡らし始めました。リリスである証拠です」
マコトはそう宣言するとミツキの陰唇を両手の指で大きく開いて見せた。ミツキは股間を二つに割るようにM字で開脚している。そのためにたやすく性器の内部が露わにされてしまった。鳥かごの外に並ぶ男たちの視線が一斉にミツキの膣に注がれる。
マコトのたった数度の愛撫でミツキのオマンコの奥は愛液に溢れ返ってしまっている。その愛液がマコトによって陰唇を大きく開かれたために滴り出た。淫部の隆起が濃く粘る白濁の液に染まる。愛液はとめどなく湧き続け、太腿まで垂れていく。
「駄目です。恥ずかしい。本当にやめて」
抵抗の言葉を告げたがミツキは自身が興奮しているとわかった。わたし、見ず知らずの男に恥ずかしい部分を見られているのに、オマンコをこんなに濡らしている。確かにミツキのオマンコは理性に反して喜びをはっきりと伝えてきた。
ミツキの体は言葉と裏腹にマコトの男根を求める思いに駆られてしまっているのだ。それは理性によるのではなく、マコトに仕込まれた調教で体が無自覚に働いているからだった。そして無自覚であるだけに抑制が効かず、暴走するのは定めと言えた。
「いや。いや。駄目です。マコトさん。本当に。やめてください。こんなの。ひどい。恥ずかしいです。お願いですから。許してください」
自らの性器を男たちにさらけ出しながらミツキは愛液がとめどなく噴き出してくるのが理解できていた。マコトに指で膣の中をこすられ、襞が皺を強く刻み、無数の粒が絡みついて快感を貪ろうとしている。裏クリトリスが痛いほど硬く充血していた。膣の内側全体がキュッと締まるとマコトの指を逃すまいと密着した。
思わず股間がびくんと痙攣する。膣の襞と皺が喜悦を与えてくれるマコトの指を求めて、もっと膣の奥へ、さらに快楽を強めようと波打ちながら抽送を始めた。ミミズ千匹の蠢きはマコトの指が与える快楽を搾り取ろうと反芻している。もっと。ミツキの脳裏に理性を超えた思いがたぎる。途端にミツキの体はムッと甘い女の体臭をかもしだした。
あ、駄目。こらえられない。わたし、もう、どうでもいい。今すぐマコトさんのオチンポ様をくわえたい。喉の奥まで突っ込んでもらって、息ができないほどしゃぶりたい。硬く熱いオチンポ様を握りしめたい。なにより、わたしのオマンコの穴に思い切り突き立てて欲しい。じりじりと熱い欲望がミツキの意思とは別に焦げるように脳裏を支配する。本当にどこまでわたしは淫乱なのだろう。恥ずべき状態なのに、考えられないほどセックスを求めている。ミツキは自身の肉体が果てしなく淫らになっていくのを実感した。
いつも以上に刺激が激しい。わたし、見知らぬ男たちにビチョビチョにしたオマンコを見られ、感じている。快楽を求めて体が言うことを聞かない。こんなに恥ずかしいのに、もっといやらしくしてと体の芯が訴えてる。ミツキは自身の肉体が暴走を始めたと理解できた。駄目だわ。わたし、本当にドスケベ女になり始めてる。どうしよう。人前でオマンコをさらけ出して、お汁を外に漏らして、気持ちよくなってる。
なんて恥さらしな女かしら。それが気持ちいいなんて、ふしだらなのにもほどがある。でも、気持ちいい。知らない人に見られてるのに、もっと快感を与えて欲しい。こんなこと恥ずかしすぎるはずなのに、マコトさんの指が動くたびに嬉しい。
わたし今、ただのオマンコ狂いになってる。色気違いの女になってる。公園で見た雌犬だわ。ミツキはなんとか理性をとどめて今の状況から逃れようと身をよじらせた。しかし拘束はそれを許さなかった。ガッチリと固定されている手足と胴は身じろぎもしない。
わたしは本当にスクブスへ堕落したのかも。マコトさんにはそんな遺伝子があり、その精子を受けて変化したのかも。だってこんなことが嬉しく、こんな恥ずかしい状態が、今までで一番気持ちいいなんて。セックスしか考えられない白痴にされたようなものだもの。
どうして羅針盤はわたしをこんな風にしてしまうマコトさんを、わたしのご主人として選んだのか。召使魔女としてマコトさんに仕え、赤ちゃんを授かることが目的だったはずなのに今は不特定多数の男の人の性欲処理の道具にされようとしている。これではわたしは、マコトさんがいったように、単なる公衆便所だ。肉便器だ。なぜなのか。羅針盤は絶対なはず。何か特別な理由があるのか。それともそうなるのが定めだったのか。
マコトの指が膣で執拗に快感を与え続けてくれている。本物のクリトリスと裏クリトリスが異常なほど大きく、硬く充血していた。ミツキはなにも分からなかった。夢中だった。考えられ、理解できるのは喜悦。そして快感。喜び。さらなる欲望だけだった。それほど膣の中で動くマコトの指が気持ちよかった。もっと、と体が求めていた。マコトによって仕込まれた快楽への衝動が体の隅々まで染み込んで、ミツキを突き動かしていた。
信じられないほど激しい快感が襲ってきた。背筋に電気が走り、四肢の先まで貫いた。はしたない反応をこらえようとしたが無駄だった。ミツキは思わず、声をあげていた。マコトの執拗な愛撫にミツキはたやすく観念し、理性のたが外れてしまった。
「あうっ。ダメダメ。いや。こんな。やめて。見ないで。わたし。一回目、いく」
あっという間に絶頂が訪れた。膣の中のマコトの指に翻弄されてミツキは腰を大きく痙攣させると波打たせた。ぴっ。小さな音を立てて膣の奥から陰唇の外へ何かが噴き出した。太腿にかかったのが自身の白濁の愛液だとミツキは理解できた。
あまりの快感にラブジュースを噴いてしまったらしい。今までなかった体験にミツキは悲しいほど顔が赤く火照るのがわかった。いやだ。本当にわたし、すごく感じてる。馬鹿みたいに気持ちよくなってる。どうしよう。
「さあ、ご覧いただけたでしょう。この娘は指を入れて少し動かしただけで、愛液を噴くほど感じる淫乱なのです。それでは皆さん、ご自由に使ってください」
マコトがミツキの膣から指を抜いた。鳥かごの入り口を開く。二十人ほどの影が入ってくる。そしてミツキが拘束されている台を囲んだ。スポットライトがミツキの肢体を照らし、周りの男たちは影のままだ。その中の一人が何か小さくマコトに告げた。
「ええ、どうぞ。よろしければ他の方もこの娘の空いてる穴を同時にお使いください」
マコトの答に一人の影が拘束されたミツキの股間にきた。もう一人がミツキの顔の横に立つ。三人目がミツキの胸に手を伸ばした。それを皮切りに男たちはミツキを犯し始めた。まず股間の男が男根をミツキの性器に無理矢理に挿入した。
みちっ。膣が音を立てた。ミツキは痛みを覚えなかった。とっくにマコトの愛撫で内部が潤っていたからだ。ぬぷぷ。男根はミツキの膣を貫き、子宮の入り口まで達した。横に立つ男の手が乱暴にミツキの胸を揉みしごく。胸縄で乳房の根元を絞り込まれているために、ソフトボールを付けたようなミツキの胸は奇妙に歪み、男の指を食い込ませる。
「あ、だめ。抜いて。入れないで。やめて。こんなの。ひどい。見ないで。恥ずかしい。マコトさん。どうしてこんな。わたしはマコトさんだけの。ひっ」
ミツキの語尾が途切れた。膣に突っ込まれた男根が激しく抽送を繰り返す。ミツキの肉壺がぎしぎしと音を立てるほど、乱暴なセックスだ。しかしマコトの指の愛撫でたっぷり潤っているミツキの膣は相手の男根をやすやすと受け入れ、包み込んでしまう。
激しく揉みしごかれた乳房はぷくりと乳暈を膨らませ、乳首が充血すると長く反り返った。胸縄で絞り込まれているだけに痛いほど尖ってしまう。それを男の手がちぎれるほど引っ張り、血が滲むほど潰す。股間の男がさらに激しく男根を出し入れし始めた。ミツキの膣がわなないた。なにかに目覚めたようにきゅっと締まると襞が蠢きだした。
ミツキの性器がこの異常な淫姦に覚醒し、喜悦を貪欲に貪ろうと反応したのだ。ミツキはこれから自分がどうなるか悟って叫びをあげた。乳房の痛みと強引にこすりあげられる肉襞の痛み。それがゆっくりと快感に変化していく。気がつくと下腹部に重ぼったいシコリが宿った。それが徐々に疼きだした。
だめ。わたし、見ず知らずの男の人に犯されて感じ始めてる。オマンコを突き上げられて、こすられて、襞がちぎれそう。膣の皺が蠢いてる。オッパイがちぎれそうなのに気持ちいい。だめ。やめて。わたし、やられちゃう。このままだと本当にイっちゃう。ミツキは痛みと快感に髪を振り乱して喘ぎを漏らしてしまった。
「ほら、皆さん。この娘は強姦されながら感じ始めました。すぐに絶頂を迎えますよ。他の方も、もっとこの娘の体を使ってください」
台の横のマコトが影に宣言する。その声にミツキの顔の横に立っていた男がミツキの頭を横にねじった。そして男根をミツキの口にねじ込んだ。んっ。喉の奥まで肉棒を突き刺され、ミツキは声にならない呻きをあげた。太い竿が喉を犯し、絞り込まれる。
股間の男根は膣が壊れるほど乱暴にピストンを繰り返している。襞が裂けそうなほどの激しさに、ずきんと喜悦が走った。だめ。感じたくない。わたしのオマンコなのに、わたしの言うことを聞かない。やめて。本当に。こんなこと。ミツキは涙をためた目でマコトに哀願した。その視線を受けたマコトが口元を歪めて笑った。
その冷ややかな顔に、ミツキはマコトが自身を男たちの犠牲にしたいのだとと直感した。途端に快感が股間から噴き出し、喜悦が四肢に駆け抜けた。隷属させられている。わたしはマコトさんの奴隷。マコトさんがしたいように使われる肉便器。逃れようがない。
「だめ。いや。お願い。抜いて。揉まないで。しゃぶらせないで。んくっ」
口に含まされた男根から逃れるように顔をそらせるが、すぐに無理矢理、喉の奥に突っ込まれる。抵抗の言葉と裏腹に痙攣がミツキの股間に激しく湧いた。全身が敏感の度を越して自身の体でないみたいだった。快楽が膣に噴き出すと何百という皺がうねり、無数の粒がコリコリと硬くなる。男根で裏クリトリスと襞を擦り切れるほどしごかれ、激しい喜悦が連続して膣の奥へ走る。ミツキは絶頂の昂まりを迎えようとした。
「いや。いく。見ないで。二回目。恥ずかしい。いくうっ」
言葉にした途端、ミツキはたわいもなく果てた。膣が男根を強く締めつけ、痙攣を繰り返す。同時に熱い性液がミツキの膣に吐き出された。ミツキはフェラチオを強いられたまま、拘束された体を痙攣させ、口の隙間から息を荒げ、甘い嗚咽を漏らす。その喉から男根が抜かれると相手が股間に回り、勃起したペニスを無理矢理、射し込んだ。
わたし、見知らぬ男性の性器でオーガズムを迎えてしまった。しかもその相手の精子を中出しされた。ミツキはそう理解したが、股間ではすでに二人目の男が乱暴な抽送を繰り返している。そして抵抗の声を上げようとした唇に新たな男根が押し込められた。胸も誰かに強く揉みしごかれ出す。ミツキは救いを求めて拘束台の横に視線をやった。
冷笑するマコトがミツキの痴態を眺めている。ミツキはマコトが自身の絶対的な支配者であると悟った。こうされるのは自身の宿命なのだ。わたしはマコトさんの玩具で、マコトさんの思いひとつでどんな遊び方をされても仕方がないのだ。
それにわたしの体はそれを拒否していない。体が勝手に感じ、肉欲に反応してしまう。わたしには一度、スイッチが入ると快楽をとめどなく求める淫乱の血が染み込んでいるのだ。それをわたしの体は痛いほど知り、求めている。抽送を繰り返す男根が激しさを増した。股間が卑猥な音を立てる。ミツキはその運動にあおられて再び喜悦を昂めてた。
もっと激しく。もっと強くと膣が求めている。襞に皺が寄り、何百という筋が細紐のように男根に絡みつくと縛り付ける。無数の粒が吸盤のように密着して、喜悦を貪り始める。裏クリトリスがこすりあげられ、ひりつく快感を生じ始めた。もはやミツキの女性器はミツキのものではない。ミツキとは独立して運動する器官になっていた。
咽喉に硬い感触が出し入れされ、胸を潰れるほどしごかれ、四肢の自由を失ったミツキはただ快感に支配されるしかなかった。すぐに新たなオーガズムの兆しが生まれた。それは盲目的に絶頂に暴走していく。無防備なほど直線的だった。
「あ」
男根に塞がれている唇の隙間からミツキは絶頂の声を漏らした。すでに抵抗は言葉にならなくなっていた。股間で抽送を繰り返す男根が大きく脈打って射精を始めたからだった。ドクドクと男性自身が精子を吐き出した。同時にミツキはオーガズムの快感に、身をのけぞらせ、激しく痙攣しながら頭を真っ白にしてしまった。
ペニスが満足したように抜かれると次の男根が股間に挿し入れられた。性交の強制は容赦なかった。ミツキは従うしかなかった。男が激しく突き上げ、ミツキの膣に精液を発射した。ミツキは浴びせられたザーメンに股間を引きつらせる。襞がわななき、蠢き続ける。抜かれたと思うと、すぐに新たな誰かがミツキの性器にペニスを突き入れてくる。
唇に異なる男性器を挿れられ、胸を何人もの手で揉みしごかれる。誰かが本当のクリトリスをいじり始めた。止めどない愛撫だ。何人を受け入れればいいのか。永遠にセックスが続くのではないか。ミツキは真っ白になる頭で、ぼんやり想像した。それでもいいとも感じていた。股間を激しく突かれ、ミツキは喜びの叫びをあげた。
男たちが誰なのか、顔も見えず、シルエットでしか知覚できない。はっきり把握できるのは自身の淫乱な体と欲望。とめどない快楽。そしてそれを冷ややかに眺めているマコトだけだった。股間を突き上げる男根が、また新たになった。何人目だろう。ぼんやりと視線を送ると順番待ちのようにシルエットが並んでいる。その数は二十人近い。
一度、わたしのオマンコを使った人もまたセックスに並んでいるのだ。この全員が満足するまで終わらないのだ。どうしてわたしはこんなことになってるのだろう。気がつくと両手が自由になっていた。二つの手の平で男根を自らしごいていた。口も喉の奥までペニスが突っ込まれ、激しく突かれている。息ができずに頭がぼうっとした。
イラマチオの快感が襲ってくる。それでもいい。このままずっと犯してもらってもいい。こんなに気持ちいいのだから。ミツキはぼんやりと、数さえ数えられなくなった男の男根に股間を突き上げられて、快楽に身をゆだねた。途端に激しい喜悦が全身を襲った。ミッキはあまりの快感に意識が沈むのを感じた。
目を開くと暗い寝室にいた。ベッドでミツキは気怠るい体を投げ出していた。一瞬、どこなのか、理解できなかったが、やがてマコトと暮らしている部屋だと分かった。壁の時計を見ると時刻は九時。これは現実らしい。だとすると。ミツキは理解に及んだ。先ほどまでいたのは夢の国。数々の男性に犯されたのは本当ではなかったのだ。
ミツキの胸に安堵が湧いた。一方で、夢を回想したことで、ざわりと四肢に鳥肌が立った。頭では強姦を拒否しながら、たとえ夢とはいえ、緊縛されて犯され続ける喜びを体が覚えていて反応しているのだ。ミツキは快楽の余韻を残す火照った体をベッドから起こした。気がつくと股間がべっとりと濡れている。夢精したらしい。
夢でよかった。でもどうしてあんな夢を見たのだろう。夢の中でわたしは縛られ、見知らぬ男性に股間を突かれ続け、オーガズムで喜びの声を上げていた。もっと犯してと望んでいた。あれはわたしの願望なのか。まさか。でも本当なら。どうしよう。
不意にミツキは思い出した。枕の下を探る。クローバーを挟んだティッシュが出てきた。そうだった。未来のことを知るために夢占いの準備をしておいたのだった。それをそのままにしてまどろんだために効果が発揮されたのだ。すると。
ミツキの脳裏に信じられない考えが浮かんだ。するとあの夢はわたしの未来なのか。わたしは緊縛され、マコトさんの手で見知らぬ男性の性処理の道具にされるのか。どうしよう。わたしは本当に肉便器にされてしまう。しかもそれはマコトさんの意志。
クローバーの夢占いは確かだ。今まで間違っていたことは一度もない。だからあの夢で見たことはいつか必ず起こることなのだ。なんてことだろう。嫌だ。それだけは嫌だ。本当のスクブスに堕ちるのは死んでもごめんだ。わたしはマコトさん専用の性器のはず。クリトリスの上にマコトさんの名前が刻まれているのは、その証拠のはず。マコトさんもそれを徹底しようとシールを体に貼ってくれたのに。
見ず知らずの男性に胸も口も膣も使わせたくない。わたしは身も心もマコトさんに仕える召使魔女。たった一人のご主人、マコトさんのために生まれてきたのだ。マコトさんもそれを理解して仮契約してくれたのではなかったのか。いつも言わされるセリフ「ミツキはマコトさんのものです。ミツキの体はオッパイもお尻もオマンコもマコトさん専用の道具です。たくさん可愛がってください」とはマコトさんの本心じゃなかったのか。
なのにどうしてマコトさんは、あの夢のようなことをわたしにさせたのだろう。もしかしてマコトさんは将来わたしに飽きるのだろうか。五年間の仮契約期間の内にわたしの体に飽きて、見知らぬ男性の性処理道具として使うことにしたのか。ただ変なのは。夢では料金はいらないとマコトさんは述べていた。無料でわたしの体を使わせては、お金儲けにならない。それともこっそり料金を徴収していたのか。あるいは本当にわたしを無料で他人に犯させたかったのか。本当の玩具にしようと決めたのだろうか。
夢でマコトさんはオチンポ様を挿入してくれなかった。指でわたしをいかせて、後は列になっていた男の人にわたしを犯させた。それがマコトさんの本当の好みなのだろうか。確かにマコトさんは麻縄を用意していた。「これはまだ先だ」と述べたマコトさんの言葉は、わたしを他人に犯させて眺める楽しみは、まだ先という意味だったのか。どうしてだろう。わからない。なぜ、そうなるのか。わたしのせいなのだろうか。
わたしがいたらなくて、マコトさんを飽きさせるのか。だったら今まで以上に身も心もマコトさんに捧げる。マコトさんのいうことはなんでも聞く。マコトさんの言いなりの女になる。そうすれば、夢であった出来事は起こらないのか。しばらく考えてミツキは答を得た。違う。夢占いは未来の出来事を知らせる。それは確かに起こるのだ。今までもそうだった。だからこれからもそうだ。未来は変わらない。
もし未来を努力次第で変えられるなら、世界は誰にとっても都合のいいものになる。好き勝手な社会、自分本位でかまわない暮らしばかりになる。自分にとっては都合よくても他者には矛盾ばかりの世界。そんな世界はあっという間に崩壊するはずだ。だがわたしは未来を見た。まだ世界は崩壊していなかった。だからあの夢の出来事は起こるのだ。この先どんなに努力しても夢の出来事は起こる。少なくとも五年以内に。
どうすればいいのか。あんなことは絶対に嫌だ。だがそれは叶わない。待っているのは縛られて見知らぬ男性に犯され続ける日々。それは召使魔女にとって地獄よりもつらい。
ミツキは考え抜いた末、決意した。ここを去ろう。来た時のようにジェシカに乗って魔女の国に戻ろう。そして過疎地で暮らそう。ジェシカと。マコトさんと暮らしたのは、わずか数日。だがとても楽しかった。女としての喜びも教えてもらった。
この数日の思い出だけでわたしは生きていける。一生の思い出にして暮らしていける。わたしが人間界を去るとマコトさんはわたしの記憶をすっかりなくすと出発前に聞いている。それは死ぬほど悲しい。けれどこの先に待ち受けている日々よりはましだ。
自ら人間界を去った召使魔女は裁かれるのだろうか。ご主人が契約してくれなかった魔女は侮蔑や嘲笑の対象になる。それはそれで辛いけど、自ら契約を破棄する場合はもっとひどい仕打ちになるのだろうか。子種を授かり、魔女の子孫を維持することは、いわば魔女の国の国家戦略、しきたりとも言える。そのしきたりを自ら破るのだ。
もしかすると死をもってあがなわなければならないかもしれない。それでもいい。ここ数日のマコトさんとの思い出がある。もし処刑されるとしてもわたしは幸福だ。本当に愛してもらえたのだから。だからこの数日の愛をこのままにしてここを去ろう。
ミツキは決心してベッドから降りた。部屋のライトを点けるとトレーニングウェアを脱いで全裸になった。クローゼットに入れていたマントを取り出す。マコトさんが洗ってくれたマント。それをはおる。後はジェシカを呼び、窓から夜空へ旅立てばいい。ただそれだけですべてが終わる。目尻が熱くなり、頬に涙がつたった。ミツキはこらえきれずに嗚咽した。自身を励ますように顔を振るとミツキは姿見に対した。
マコトさんは身だしなみにうるさかった。最後だからマコトさんの言いつけ通り、だらしなくないか確かめよう。マコトさん、ミツキはちゃんとしてますか。あなたの召使魔女として清楚ですか。あなたの召使魔女としてきちんと仕えられてましたか。涙が頬を濡らし、止まらない。それでもミツキは笑顔で最後を迎えようと鏡の自分を見つめる。
すると姿見が光った。淡い瞬きが鏡面から漏れ出すと、鏡が歪み、渦ができる。その渦の底からシルエットがぼんやりと映し出された。霧のようなシルエットは輪郭を整え始める。どうやら女性らしい。手に杖のようなものを握っている。とても古い樫の木らしい。
「あ、女王様」
ミツキは声をあげた。鏡に映っていたのはミツキが言った通り、魔女の国のナース魔女の女王。三人の女王の一人だった。彫りの深い凛々しい顔立ち。堂々とした体躯に豊かな胸元。女王は長い金髪をたなびかせると口を開いた。
「そちらにいるのは日本に派遣した召使魔女、ジェシカの主人ですね」
「はい。女王様、どうしてこの鏡に」
「わたしが今いるのは魔女の国です。水晶を使ってあなたとコンタクトしているのです。あなた、この鏡に魔法を使いましたね。あなたが仮契約書をことづけたコウモリから地上で奇妙な地震があったと報告がありました。どうも普通じゃない様子で、魔法の気配を感じたと。そこでわたしはあなたの派遣先を水晶で調べたのです。魔法が使用された痕跡がないかどうか。すると案の定、人間界の鏡が魔鏡になっていた」
「ごめんなさい。つい」
「どうやらあなたは鏡の記憶を消去したようですね。デリート程度の魔法だから小さな地震ですんでよかったです。これがもっと高等な魔法だったら、なにが起こっていたか。くれぐれも魔法は特別な場合、身に危険を感じたときにだけ使うのですよ」
「はい。本当にすみませんでした」
「今回だけ、多めに見てあげましょう。それでどうして、鏡の記憶を消去したのですか」
「それはこの鏡にご主人の以前の女性たちの姿が記録されていたから」
「その女性らに嫉妬したのですね。派遣して数日なのに、ご主人にご執心みたいですね」
「え、あ。まあ」
「はっきりしない返事ですね。どうも変です。鏡の記録に嫉妬したり、ご主人のことを尋ねられると口が重くなったり。実はわたしは今朝からあなたを観察していたのです。そしてあなたが一人きりになるのを待っていました。でも閨の様子は遠慮しましたよ。とても熱烈で、年寄りのわたしには刺激が強すぎますから。そして昼にはご主人を恋い焦がれて待ちきれないようなあなたが、夕刻のまどろみから覚めると人が変わったように悲しげでした。何かあったとしか思えません。答えなさい。相談に乗りましょう」
ミツキは女王の言葉に頬が燃えるほど熱くなるのがわかった。マコトとのセックスを垣間見られたのだ。とても熱烈だと述べる以上、自身の痴態を知られたのだ。少なくともどんな様子か把握できる程度に。そこまで知られたならごまかしはきかない。女王は聡明だ。言い繕っても矛盾していればすぐにバレてしまう。答えるしかないだろう。それに相談に乗ってくれると言っている。あるいは今後の身の振り方が見いだせるかもしれない。
「女王様、わたしはご主人に身も心も捧げるつもりでした。でもご主人は、わたしを他人の性処理の道具にするつもりです。おそらくわたしは飽きられてしまうのです」
「なぜ、そう感じるのです。魔法を使って未来を見てませんね」
「はい。花占いです」
「でしょうね。未来を知る魔法は高等。使っていたら大変なことが起きてたでしょう」
「だからわたしは自分から召使魔女をやめ、国に帰ろうと思います」
「そしてどこかの過疎地で暮らすのですか。本契約できなかった魔女として」
「あの、自ら召使魔女を放棄した場合は罰があるのですか」
「それは三人の女王での協議次第です。でもね。ジェシカの主人である召使魔女。あなたが聡明なのはわたしもよく知っています。ですがあなたは少し早とちりなようです。オッチョコチョイですよ。自分の考えが正しいと思いすぎているのですね」
「でも未来は変わらないと母に教わりました。それに花占いは間違ったことがありません。だからわたしはやがて見ず知らずの男性の性処理の道具にされる」
「ジェシカの主人である召使魔女。いいことを教えてあげましょう。これは内緒ですよ。わたしもあなたぐらいの年頃、召使魔女として御主人に仕えました。そしてあなたのように献身的に身も心も捧げていました。ですがご主人は人間界の女性と肉体関係を持ったのです。あなたのいうように飽きられたのかもしれません。ですがそのままにしていては、子種を授からないのは明白でした。そこでわたしがどうしたか」
「なにか打開策があったのですか」
「もっと献身的に仕えたのです。ご主人が浮気することも許し、嫉妬でご主人に反発することも堪えました。ご主人のすべてを受け入れ、望むように振舞ってもらうことにしたのです。辛い体験でした。何度も浮気がありました。でもご主人は必ずわたしの元に戻ってくると信じていたのです。その結果、本契約に進めたのですよ」
「ではわたしは耐えればいいのですか。性処理の道具にされても」
「いいえ、溺れるのです。ご主人に溺れるだけ溺れなさい。あなたのご主人はあなたが隷属することを望んでいるようです。だからすべてを委ねるのです。身も心も捧げて溺れなさい。そうすれば溺れきった先にあなたとご主人の真の関係が始まります」
「それで幸福になれるでしょうか。未来は変わらないのに。不安です。怖いのですが」
「ジェシカの主人である召使魔女。確かに未来は変化しません。定められた形にしか成立しない。ですが未来がなにで作られるかというと努力によってなのです。一つ一つの努力が積み重なって未来になるのです。ですから未来が望んでいたかたちでないとすれば、それは努力が誤った性質のものだったからです。私利私欲に走った努力を重ねれば未来は歪んだものになる。正しい努力であれば、ふさわしいものになる。ジェシカの主人、あなたは正しい努力をしなさい。そうすれば正しい未来がやってきます。分かりましたか」
そこまで告げた女王は鏡の中の姿を霞む霧のように曖昧にした。輪郭がぼやけ、鏡はマント姿のミツキを映す、通常の様子に戻ってしまった。ミツキは女王の言葉を脳裏で懸命に反芻した。わたしが望む未来を得るにはマコトさんに溺れるしかない。マコトさんの望む隷属に従うしかない。そう女王は述べた。本当だろうか。そうすると一層、マコトさんの望む方向、わたしを他人の性処理に使うことになりはしないか。
ミツキは煩悶した。そうなるのはとても怖い。だが女王の提案が正しければ、望む未来が形成される。一度だけ試してみよう。今晩、一晩だけマコトさんの望むかたちの隷属に従おう。そしてその上で再び花占いをするのだ。その結果が同じなら人間界を去る。
考えてみれば、それを推し量る時間は、まだあるではないか。ミツキはそう計画した。すると。まずなにをすべきか。脳裏で思いを巡らし、昼に選んだファッションに着替えることにした。壁の時計を見ると十時二十分前。そろそろマコトさんは帰ってくる。
ミツキはティッシュを枕の下に戻すとクローゼットに置いた下着と衣装を身にまとった。次いで魔鏡で化粧をチェックする。左手首にゴールドチェーンのブレスレット。左足首に同じ金のアンクレット。両耳にパールのイヤリングを選んだ。それからどうするか。少し考えてミツキは寝室の机にあった玩具の入っている箱を取り上げた。
むろん、今夜のハイライトとなるだろう麻縄も入っている。これを使ってくださるように自ら志願しよう。女王様は溺れろと言っていた。それはわたしの体を犠牲的にマコトさんに捧げることを意味する。自ら徹底的な隷属行為をマコトさんに申し出るのだ。わたしの体をマコトさんの好きなようにしてもらうのだ。
ミツキは室内用のピンヒールを履くと箱を持って玄関に行った。床に箱を置き、自ら首輪を外して横に並べた。上がり框に正座して奴隷待ちする。早くマコトさんが帰ってきてくれないか。そしてわたしをとことんまで玩具にしてもらおう。そんなおねだりをして、自身の想いを伝えよう。玄関のバケツに入ったジェシカが怪訝な様子をしている。それでもミツキはただマコトの帰宅を待った。玄関に足音が近づき、鍵が開かれる。
「おかえりなさい。マコトさん。お待ち申していました。どうぞ、ミツキに首輪を」
ミツキはドアが開くと手をついて頭を下げた。そして床にあった首輪を渡す。正座したミツキはマコトを見上げ、黒髪を自ら持ち上げて首を差し出した。入ってきたマコトがしばらく考え、黙ったまま、首輪をミツキに付けてくれた。それだけでミツキは隷属の喜びに震え、股間に疼きを感じて、かすかに身をよじらせた。
「ミツキ。首輪をされて感じたのか。その衣装、乳首が透けてるぞ。パンティもスカートから覗いてる。大事な部分もスケスケでオマンコが丸わかりだ。やる気満々だな」
「はい。マコトさん。ミツキは今夜、全身全霊をマコトさんに捧げます。ミツキの体をお縛りになって、マコトさんのお好きなように使っていただきたいです。どうぞ、この箱にあるオモチャでミツキをマコトさんの満足いくまで、もてあそんでください」
女王の溺れ切れという言葉が脳裏をよぎる。犠牲的な態度を捧げると決意したミツキは素直に羞恥を求める言葉を口にすることができた。それが自分でも嬉しく、もっとマコトに隷属させてもらえるように正直に欲望を伝えようと感じた。
「ふふふ。縛って欲しいのか。オマンコしてもらいたくて待ちきれないんだな」
「はい。たくさんオマンコしていただきたいです」
「だったら後ろを向いて手を背中に回せ」
「はい。お願いします。どうぞ、ミツキの体をご自由にしてください」
マコトがミツキの肩に手を当てた。ミツキは素直に後ろを向く。両手を縛ってもらいやすいように膝まづいた。小箱からマコトが麻縄を取る音がする。後ろに回していた両手首が背中でひとつにまとめられた。それだけでミツキはキュンと胸が甘くときめく。縄が脇の下から前に回されると二つの乳房の根元が上下左右で締められる。ミツキの胸を縄が四角に切り取って絞り、空を突くようにそれぞれがぷっくりと膨れた。
「ミツキ、いやらしいぞ。その白のトップスはニット風だから胸縄で縛ってやると乳房の輪郭が飛び出したように真ん丸く刻まれる。それに黒のブラは1/4カップだな。乳首が突き出しているぞ。とびきりすけべだ。ミツキは縛ってやると色っぽくて綺麗だぞ」
「はい。ミツキのオッパイ、こんな風に縛っていただくと、わたしのものじゃなくて、マコトさんのものなのがはっきりします。オッパイの根元が絞り込まれて、いつもよりぷるんと真ん丸にしていただいて恥ずかしいけど気持ちいいです」
マコトの綺麗だという言葉が痛いほどミツキの胸をときめかせた。やはりわたしは縛られて隷属させられるのが好きなのだ。ミツキは実感した。マコトが膝まずくミツキの胸に手を伸ばす。トップスの上から丸みを歪ませた二つの乳房を両方の手の平で揉みしだき始める。わずか数度の愛撫ででミツキの乳暈が膨れ上がった。
乳暈はいつもよりもぷっくりと高く丸まり、縛られているために乳首が硬く長く反って弧を描いた。その乳首をマコトが強くつまんだ。カップからはみ出している乳首はトップス越しでも簡単に喜びを覚え、さらに勃起する。股間が喜悦で愛液をじわりとにじませた。ミツキは思わず喘ぎ声を漏らしてしまった。
「んっ。恥ずかしい。ご報告します。ミツキ、オマンコを濡らしてしまいました。スケべな女でごめんなさい。オマンコをすぐに濡らす、はしたないミツキを許してください」
「もう濡らしたのか。ミツキは本当に淫乱女だな。次になにさせられたいんだ」
「足も縛って身動きできなくしてもらって玩具で恥ずかしいぐらいもてあそんください。ミツキがなんどもイって、オチンポ様を入れて欲しくなって、オマンコしてくださいとおねだりするまで焦らしてください。それでもオチンポ様を入れていただけなくて、どうしようもなくなるまでおあずけしてください。それからマコトさんがその気になったら思い切り乱暴にオマンコしていただきたいです。マコトさんがその気になるまでミツキの体を好きな風にオモチャにしていてください。でも気が向いたらで結構です。気が向かなかったら、ずっと放置していただいても構いません。ミツキはマコトさんの肉便器ですから言いなりしていただきたいのです。それとたくさんおフェラチオもさせてください」
「足を縛るのとオモチャは後だな。まず、こっちを向いてしゃぶれ」
「はい。わかりました。マコトさんのオチンポ様をお口にいただけるんですね。嬉しいです」
両手を縛られたミツキは、いそいそとマコトに向き直った。マコトに命令されただけでミツキの乳首がさらに硬く勃起する。股間にも喜悦が湧いた。不思議なことに腕が自由でないことが、かえってマコトに両手を握ってもらっているような安心感を覚える。
夢で見ただけで自分は緊縛の喜びを体に染み込ませてしまったとミツキは自覚した。やはり自分はマコトに言いつけられたら他人の性処理道具にされても絶頂を覚えてしまうのだろう。そう考えると悲しい快感がミツキの胸をときめかせた。ミツキはマコトの股間を含めるように膝まづいて顔を近づけた。マコトがジーンズのボタンを指で外す。
「口だけで取り出してみろ。今の思いもちゃんと口にしろ」
「はい。ミツキの大切なオチンポ様を早くおフェラチオしたいです。ミツキのお口にオチンポ様を喉の奥まで突っ込んでください。心を込めて丁寧に一生懸命舐めますから」
ミツキは心に湧いている思いを甲斐甲斐しく口にした。目尻が赤く染まるのを自覚しながらミツキはマコトのジーンズのジッパーを口にくわえ、下に下げた。ズボンの縁を噛むと左右に開き、ずらす。マコトのボクサーショーツが現れた。男根はすでに中ば勃起しているらしく、布地を突っ張り、くっきり隆起している。ミツキは思わず喜び声をあげた。
「マコトさん。嬉しいです。縛ったミツキを見てオチンポ様を大きくしてくださったんですね。早くオマンコしてくださるように、ミツキ、心からおフェラチオしますね」
ゴムベルトの部分を唇でずり下げていくが男根の隆起に邪魔され、うまくいかない。ミツキは早くマコトを口に含みたくて髪を振り乱して作業を繰り返した。やっとブリーフを太腿まで下ろせたとき、ミツキはかすかに汗ばみ、我を忘れて声をあげた。
「マコトさんのオチンポ様。ミツキの大好きなご主人。頂戴したいです。いいですか」
目の前に半ば硬さを示すマコトの男根がある。これをわたしに与えてもらえる。嬉々としてミツキはマコトの股間をくわえようとした。だがマコトの手がミツキのオデコを押しとどめ、フェラチオをはばんだ。ミツキは、じれたようにマコトを見上げ、目の前の男根に視線を走らせ、また見上げる。餌を前におあずけを命じられた雌犬同然だった。
「え。どうして」
「ちゃんとおねだりしろ」
「はい。おねだりします。すごく恥ずかしいですけどミツキは今すぐオチンポ様が欲しいので、おねだりします。どうかミツキにマコトさんのオチンポ様をおしゃぶりさせてください。お願いです。早くお口に恵んでください」
「よし」
ただ一言があった途端、ミツキは股間にむしゃぶりついていた。玄関にはジェシカがいるが、ちょうどマコトが前に立っているためにミツキの姿は隠されている。ただ少しでも位置を変えればミツキが何をしているか見える。だがもはや構っていられなかった。
矢も楯もたまらなかった。激しいおしゃぶりでミツキの口が音を立てる。それが自身に聞こえ、ミツキは一層、興奮を高めてしまう。動物的な奉仕にマコトの男根が反応してくれた。中ばだった勃起が針金を通したように一本の芯を得ると反り返って屹立した。
「寝室に行くぞ。くわえたままついてこい」
マコトが廊下の小箱を取り上げる。片手で乳房と乳首を揉みしだきながら靴を脱ぐ。ミツキはマコトをくわえたまま、腰を上げた。半屈姿勢で横ばいになりながらマコトについていく。股下ゼロの黒いミニがひらつき、ショーツがあらわになった。金のチャームがもどかしげに揺れる。早く絶頂を。早くこのもどかしさをやっつけて。四つ切りに縛られた乳房は根元から縄でしぼめられてタプタプと大きく揺れている。
メッシュでシースルーのクロッチ部分からは性器が透けて見えているはずだ。ミツキは恥じらいに襲われながらマコトの男根をくわえ、寝室に入った。すでに股間が熱くたぎり、愛液が膣の中に溢れ始めている。マコトがベッドに腰を下ろした。ミツキも男根を離すまいと床に膝まづくとフェラチオを激しく繰り返した。
ヌズッ、ジュプ。廊下よりも激しい音が寝室に響く。ミツキはおしゃぶりの音を耳にして一層、愛液を溢れさせた。膣口を広げられると外へ滴り出すほどだった。腕を後ろ手に縛られたミツキは自ら腰をあげ、マコトにおねだりしてた。
「マコトさん。恥ずかしいですけど、今、ミツキはオマンコをビチョビチョにしてしまいました。このままではすぐに外にお漏らしして下着を汚してしまいそうです。どうか、半脱ぎパンティーにしてしまってください」
「どスケベ女。脱がしてやるがその前に今のパンティーをじっくり俺に見せるんだ」
マコトは立ったミツキのスカートをめくる。股下ゼロのスカートの裾をウェストに差し入れ、下腹部を露出させた。恥ずかしさでミツキは腰をよじらせた。ショーツの金のチャームが揺れる。ぎりぎり陰唇を隠す程度の三角の布地。恥丘に貼られた専用性器のシールは丸見えだ。ショーツのシースルーのクロッチ部分からは自身の淫部がスケスケだろう。ミツキは羞恥心を一層あおられて膣の中にさらに愛液をたぎらせてしまった。
「もうダメです。本当にオマンコのお汁を外にお漏らししてしまいそうです。早く半脱ぎパンティーにしてしまってください」
「駄目だ。ケツの方も見せてみろ」
「あんっ」
ミツキはマコトの言葉に思わず熱い吐息を漏らしてしまった。命じられたままに後ろを向く。その双丘をマコトの両手が激しく鷲掴みにした。ミツキのお尻の肉がマコトの指の隙間から喰い出すほどだ。臀部がみっともないほど歪んでいるのがわかる。さらにマコトが尻肉を揉みしごき始め、とうとう陰唇が二つに割れ、愛液が外に垂れてしまった。
「あ、ごめんなさい。ミツキ、オマンコのお汁を漏らしました。許してください」
「こら。お漏らしとはイケナイ奴隷だな。確かめてやろう。片足をベッドに置け」
マコトがミツキを前に向かせた。右の足をショーツから脱がせると左の太腿に絡める。ミツキは命じられたように左足をベッドに乗せた。ミツキの淫部はマコトの鼻にくっつくほど間近だ。その陰唇をマコトが両指で開いた。途端に愛液が膣口から漏れ出した。
白濁の愛液は陰唇もクリトリスの包皮も太腿の付け根も、しとどに濡らしていく。今まで知らなかったほどの分泌にミツキは恥じらいで激しい興奮を覚えてしまった。クリトリスは硬く大きく尖っている。すでに包皮から顔を出し、真っ赤に充血してのがわかる。マコトがミツキの片足に絡まったショーツのクロッチ部を裏返した。
「ミツキ、駄目だろ。バンティーをこんなに汚して。オマンコ汁がべっとりついてるぞ」
「ごめんなさい。本当に許してください。ミツキ、我慢ができなかったんです」
「ミツキ、腰を前に突き出せ」
しゃがんでいるマコトが命令した。ミツキは立ったまま、腰をマコトの顔にくっつくほど突き出した。マコトが尻肉をしごき始める。そして口をミツキの陰唇に寄せると包皮からむき出しになっているクリトリスを舐め始めた。チャッヌ、チャヌヌ。舌が動くたびにクリトリスが卑猥な音を立てる。その音とマコトの的確な愛撫でミツキの陰核はさらに硬く勃起した。膣の奥からとめどなく愛液が溢れ続け、襞が勝手に収縮する。
「ミツキの尻は最初、もちもちした感触だったが、この頃はプリプリになったな。垂れ気味だった肉もぷりんとヒップアップして形がよくなったぞ。誰の調教のおかげだ」
「マ、マコトさんの。お仕置きや調教のおかげです。マコトさんにミツキのお尻をたくさん使っていただいたおかげです。恥ずかしいけど嬉しいです。ありがとうこざいます。気持ちいいです。もっとマコトさん好みのお尻に仕込んでいただきたいです」
マコトがミツキの秘芯を吸い上げると甘噛みした。途端にかっと刺激が燃え上がると膣の中に喜悦が走り抜けた。ぶるっと腰が震えて太腿がガクガクと痙攣する。途端にミツキは最初のオーガズムを迎えると悟った。
「マ、マコトさん。ミツキ。気持ちいい。我慢できません。恥ずかしい。一回目。こんなに簡単に。すごく恥ずかしい。でもミツキ、もうダメ。イっちゃいます。イってもいいですか。どうか許可してください。もう、イっちゃいますから。ね、ね」
そこまで告げたとき、快感は頂点に急上昇すると腰をグラグラと揺らした。ビクン。大きく太腿が痙攣した。膣から喜悦が背中へ走り、脳裏ではじける。ミツキは全身を弓なりに反らせてオーガズムを迎えた。思わず獣のように声をあげていた。あっという間の絶頂。頭の中が真っ白になる。しばらく太腿が痙攣を繰り返す。ほとばしる快感。それしか理解できない。枯れたような声が喉から漏れ続け、なんとか意識が戻る。
「ミツキ、一回目。イっちゃいました。一人だけ勝手にイってしまって。ごめんなさい」
しゃべれるようになってミツキはマコトに謝罪する。同時にたやすくオーガズムに達した理由を悟っていた。手を後ろに縛られたことで感度を高められた体にわたしが順応している。やはりこの体は奴隷のように緊縛されたがっているのだ。この体は自由を奪われて好き勝手にされるのを求めている。それがわたしの本性なのだ。夢占いで見た未来はわたしの体の本質。マコトさんはそれを見越して、あんなことをわたしにさせたのだ。
「ミツキは本当にどスケベになってきたな。だがまだだ。もっと俺好みの淫乱に仕込む」
マコトがそう告げると立っていたミツキのスカートをずらし、腹部を露出させた。ガーターベルトの上、ヘソの位置に麻縄を二重に縛って後ろで結ぶ。その状態でミニを元に戻した。そしてパニエのような裾を派手にめくり上げ、余った縄の両端をお尻側からスカートの中へ通した。ミツキは理解した。縄をスカートの中に入れたのは両足を縛っても、縄に邪魔されずに好きなときにスカートを脱がせることができるからだ。
マコトさんは着衣のままでわたしをオモチャにし、その後、服を脱がせて、もてあそぶつもりなのだ。きっとM字開脚だ。あれで縛られると太腿が閉じられず、どんなイタズラをされても抵抗できない。きっと最初は服のままイかされるのだ。激しい羞恥がミツキを襲い、同時に強い快感で股間がうずき、喜悦と愛液が滲み出す。
胴を結び終えたマコトがミツキの肩に手を回し、ベッドに横臥させた。枕を手にすると縛られているミツキの両腕の下にあてがってくれる。後手になった手首が体重で痛まないように考慮してくれているらしい。予測していた通り、マコトはスカートの中に通された麻縄の両端をミツキの右足の太腿に回した。
ピンヒールを履いたまま仰向けになったミツキの右の太腿が二重に縛られる。そこで結び目が作られると麻縄の残りがミツキの足首を固定する。ミツキの右足は太腿と足首を一つに結ばれ、棒を束ねたようになってしまった。マコトは左足も同様に縛っていく。両足が荷物のように緊縛されると縄の余りが腰の後ろに回される。そして股間を大きく開脚させられた恰好で胴に施された縄と結束させられた。
やはりM字開脚縛りだった。夢で見たのと同じ状態だ。ミツキは両手を後手に、両足を限界まで広げられてベッドに身を投げ出すしかなかった。足はカエルがしゃがんでいるようなポーズになっている。股間もお尻もめくられたミニから丸出しだ。服を着ているだけに余計に羞恥がミツキの心臓を壊れるほど鼓動させている。
わずかに身をよじることができるが股間を閉じることはできない。ミツキがそれを確かめると膣が勝手に蠢き、キュッと強く収縮した。襞がうねり、なにかを膣の奥、子宮へと運ぼうというように抽送を繰り返している。じんと子宮が痺れ、股間に快感が押し寄せてきた。感じている。今まで知らなかったほど気持ちいい。ミツキは自身が身動きできない状態でいたぶられたかったのだと痛いほど実感していた。
驚くほどの喜びだった。喜悦が全身を震えさせ、ミツキは体の隅々まで、さっと鳥肌が立つのがわかった。わたしはこんな女だった。夢で見たわたしは本当のわたしだった。マコトさんは、わたしにそれを体で分からせようとしたのだ。ミツキの脳裏でたがが外れた。溺れよう。このままマコトさんに身を任せよう。ミツキはそう決心していた。
なぜなのか、切ないほど安心感が湧いた。縛られているのにマコトに大切にされている感じがする。縄はマコトそのもので、マコトに全身を強く抱きしめられているとさえ思えた。肉体は緊縛されているが心に開放感が湧き、マコトに任せていればいいのだと気持ちが楽になった。ミツキは思わず甘いため息を長く吐いていた。脳裏が陶然としている。恍惚感が押し寄せ、頭がとろりと溶けた。縛られて酒に酔ったような感覚だった。
「ほら、ミツキ。お前の大好きなものをしゃぶらせてやろう。ちゃんとおねだりしろ」
「はい、マコトさん。ミツキの大好きなマコトさんのオチンポ様をミツキのお口でおしゃぶりさせてください。おフェラチオしたいです」
ミツキは心の底からおねだりしていた。マコトがベッドに乗ると顔の横に膝をついた。ミツキは自ら顔を横に向ける。目の前に怒張したマコトの男根が迫り、ミツキは熱い吐息を吐いた。マコトの男根すべてを自分のものしたかった。我慢できず、マコトの股間に顔を寄せ、下腹部に口がつくほど深くくわえた。それでもまだ物足りなかった。
もっと深く、もっと奥まで。ミツキはできるだけ首を伸ばすと喉の奥にマコトのペニスをくわえ込む。さらに深く、奥へ。ミツキは欲望に駆られてマコトの男根を喉でとらえ続ける。息ができずに頭がぼっとする。縄に酔った脳裏に陶然とイラマチオの快感が襲ってきた。マコトが股間に指を伸ばしたらしい。クリトリスを剥かれるのがわかった。
「ミツキ。ちょっと前のお前のクリトリスはチビだったが、今はこんなに膨らませているぞ。小指の先ほどもある。本当にエロいオマンコだな。どこが一番感じるか、調べてやる」
「はい、マコトさん。ミツキはマコトさんのオチンポ様をくわえさせてもらって、オマンコのすけべ豆をこんなに大きくしてしまいました。ドスケベ女でごめんなさい。クリトリスがカチコチで恥ずかしいです。どうか、一番気持ちいいところを調べて、ミツキがどれだけ淫乱ではしたない雌犬か、ミツキに思い知らせてしまってください」
マコトの羞恥の言葉にミツキは素直に答えていた。マコトが一旦ベッドを降りるとサイドテーブルに行き、引き出しから何かを持ってきた。セロハンテープと綿棒だった。マコトはミツキのクリトリスの包皮を斜め上に剥き、テープを貼って固定した。
陰唇も大きく左右に広げられてテープを貼られる。柔らかく充血したミツキの秘部は膣口をあらわにさらけ出し、とめどなく愛液を溢れさせた。マコトが指先で綿棒をつまむとクリトリスをこすってきた。包皮から綺麗に露出されたクリトリスは痛いほど硬く、膨れ上がっている。その尖った先端、横、根元を綿棒がこね回していく。
「あ」
不意にミツキは叫びをあげた。綿棒がクリトリスの根元、剥かれた包皮とのつなぎ目の部分をこすったからだ。男性で言えばカリに匹敵することになる部分が、ミツキの一番感じる場所、弱点らしかった。マコトは声に理解したらしい。執拗にクリトリスの根元を綿棒でいじってくる。どんどん快感が膣の中に湧き続け、愛液が噴き出してくる。
「駄目。駄目です。いや。嫌です。こんなの恥ずかしい。許してください。あ、気持ちいいです。二回目、イっちゃいます。あ、もう駄目。いや。イっちゃう。あ、あっ」
マコトの男根を口から離すとミツキはオーガズムを報告した。そして絶頂の快感を逃すまいと深くくわえ直す。途端に仰向けの腰がぶるっと震え、下半身全体が痙攣した。腰がひきつり、膣がきゅっとすぼまる。襞が蠢くと大きな痙攣が反発のように起こった。クリトリスが痛いほど硬くなる。ドクンドクンと心臓が鳴り、陰核も同期して脈打って疼く。
「ほら、ミツキ。おねだりしたようにこれで可愛がってやろう」
ブブブ。絶頂に放心したミツキの耳に怪しい音が届いた。視線を送るとマコトがローターをつまんでいる。夕方、初めて知った無機的な快感の記憶がよみがえり、まだ音を聞いただけなのにミツキは乳首を震わせてしまった。顔が燃えるほど火照る。だがしょせんは玩具だ。夕方も求める絶頂には達しなかった。だからこれでは本当に気持ちよく達することはできないだろう。ミツキはそんなもどかしい思いを抱いていた。
マコトがローターをミツキの縛られている右の胸に当てた。機械的な振動がいびつに絞られている乳房の下部に伝わった。すると快感は夕方、感じたよりも刺激的だった。乳房の肉に伝わる振動が喜悦を強く沸かせる。思わずミツキは甘い声を上げた。乳暈が膨れる。乳首が今までなかったほど長く伸びて弧を描く。ローターの振動で乳房がえぐられ、胸の芯にとめどない快感を送ってくる。夕方とは比べものにならない。マコトさんが使ってくれると、こんなに気持ちいいのか。ミツキは驚きと喜びにまみれていった。
「ふふ。ミツキ、お前、これを使ったな」
「そ、そんな。違います。恥ずかしい。そんなことしてません」
さすがにオモチャでオナニーしたと告白するのは羞恥の極みだった。マコトのセックスを待ち切れなかったと告げるようなものだ。マコトが自身にことをお見通しなのは知っていた。だから、ちゃんと洗っておいたのに。どうして分かってしまうのだろう。
「嘘をつけ。俺がいない間にオモチャでオナニーしただろ。本当のことを言わないとチンポはずっとおあずけだぞ」
「そ、そんな。それは嫌です。許してください」
「だったら正直に言え」
「は、はい。しました」
「どうしてだ」
「恥ずかしい。ミツキ、オチンポ様を待ちきれなくて。体が疼いて仕方なかったんです」
「いい子だ。そうやって素直になれ。オマンコして欲しかったのか。ほら、口が留守だ」
「ごめんなさい。嘘をついてすみませんでした。オマンコして欲しかったです」
ミツキは従順に謝ると首を伸ばして横にいるマコトの股間を口に含んだ。マコトの甘い味が口いっぱいに広がる。マコトの匂いが、かぐわしく鼻をくすぐり、快感を昂ぶらせる。どちらもミツキが大好きなものだ。すでに馴染まされたマコトの味と匂い。それが今、縛られて敏感になったミツキには、今まで知らなかったほど官能的だった。ミツキは、はしたないほどの音を立ててマコトの男根をしゃぶり始めた。
ローターの音がもうひとつ増えた。マコトが二つ目のスイッチを入れたらしい。すぐに左の乳房にも振動が伝わった。乳暈が待ちわびていたように膨れあがり、小山を作る。乳首が硬く弧を描いた。二つの乳房が快感にまみれ、喜びが股間に伝わる。ゾクゾクするエクスタシーが膣の中に湧き続け、ミツキは縛られて自由が利かない体を反らせた。
「あ、あっ。だめ。いや。やんっ。恥ずかしい。ミツキ、オモチャでイっちゃう。イっちゃいます。三回目。恥ずかしい。あ、あ。いく」
あっという間にオーガズムが襲ってきた。ものの数秒でミツキの昂ぶりが頂点に運ばれていく。陰唇が震え、膣の中の襞がうねる。ミミズ千匹となった筋が蠢き、襞にできた無数の粒が膨れてこすれあう。襞がひきつると膣の奥、子宮へと波のように抽送を繰り返した。途端に膣口がキュッと口を閉じると大きく痙攣した。ピッと音を立てて愛液がほとばしった。がくんと縛られた股間が痙攣した。ビクンビクンと波打ち、ミツキは乳房をローターで愛撫されただけでオーガズムに果ててしまった。
「ああ、マコトさん。ミツキ、三回目、イっちゃいました。すごく気持ちよかったです。ありがとうございます。嬉しいです」
ミツキは素直に口にしていた。縛られた体はまだ痙攣している。ローターが乳房から離れると恥丘に当てられた。当てられているのはひとつ。振動が少しづつ、クリトリスへ下りていく。もどかしい喜びがミツキを貫く。マコトさんに使っていただくと玩具もこんなに気持ちいいのか。これをさっき調べられた自身のもっとも敏感な箇所に使ってくださったら。ミツキは縛られた二つの太腿をもどかしげによじらせてしまう。
「マコトさん、お願いです。ミツキ、我慢できません。オモチャでミツキのスケベなお豆をいたぶってください。さっきの感じるところをいじめてください。早く、ね。ね」
ミツキは正直な気持ちで懇願した。もはや、どんな恥ずかしい言葉も欲望の前には口を突いてしまう。クリトリスがローターに当たるようにミツキは自ら縛られた股間でまさぐる。だがマコトは肝心の箇所にオモチャをなかなか当ててくれない。ミツキは甘く、切ない声を漏らしながら、お願いを繰り返し、自由の利かない下半身をうねらせた。やっとマコトがローターをクリトリスへ持っていってくれた。
「あ、凄い。すごく気持ちいいです。ミツキ、ものすごく感じます。だめ。いやん。いい。もうイく。恥ずかしい。すぐ。四回目。いい。感じます。いく。ごめんなさい。あっ」
つたないほど簡単にミツキは昇りつめた。縛られた両足に力がこもり、足の指が力んで反り返る。膣の中で、襞がひきつり、筋が畝となり、無数の粒が膨れてこすれる。裏クリトリスが硬く、大きく反発した。それは表のクリトリス以上のサイズに達していた。全身が痙攣する。四肢にデタラメに力が走ると体が麻縄に抵抗するように軋む音を立てた。ビクン。大きな痙攣が襲い、お尻の肉が引きつる。途端に脳裏に快感がはじけ散った。
「あ、イっちゃいました。ミッキ、もう我慢できません。オチンポ様をください。ね」
ミツキの懇願にも関わらず、マコトは股間に当てていたローターをミツキの性器に埋め込んだ。ぬるりと膣が音を立てると振動が襞に伝わり、ミツキは興奮を全身に感じる。絶頂の兆しが訪れてくる。腰が痙攣すると、がくんと蠢いた。立て続けに股間が震える。
「ダメ。恥ずかしい。気持ちいい。ミツキ、五回目。イッチャいます。ごめんなさい」
激しい痙攣とともに絶頂が兆した。腰の骨が外れるほどの引きつりと膣のうねりがマコトの男根を求めてやまない。しかし我慢の限界だった。ミツキはオーガズムに達しながら叫んでいた。ください。入れてください。オマンコに。オチンポ様を。それでもマコトは挿入してくれない。膣に差し入れたローターをGスポットにできた突起、裏クリトリスに正確にあてがうと 二つ目のローターで本物のクリトリスをオモチャにし始める。
二つの敏感な秘核を同時に責め立てられ膣の襞が震え、畝が何重にもできる。何百の筋になったうねりと粒が蠢き、強く引きつり、ローターをくわえて離さない。振動を強く締め付け、子宮の奥へと運び込もうとしている。ミツキは服を着たままの恥ずかしい格好でさらなるオーガズムが訪れるのを理解した。ぶぶぶ。股間で音が鳴る。もはや恥じらいなどミツキにはなかった。ただ挿入の快感を求めていた。
「いく。いく。あ、いや。恥ずかしい。今、もう。すぐ。ダメ。いや。すごく気持ちいい。いく。ミツキ、勝手に六回目。イッチャいます。ごめんなさい。あ、あ」
オーガズムの報告と同時にミツキは絶頂を迎えた。脳裏が真っ白になる。激しい快感が全身を襲った。腰が引きつるとガクンガクンと連続して痙攣し続ける。喜びが喉を突いて叫びとなり、ミツキは四肢をよじらせて喜悦を排出しようと縛られた体でもがいた。M字に開脚された股間が小刻みに震えを繰り返し、喜悦はなかなか治らない。それを待つようにマコトはローターを膣から抜き、クリトリスからも外した。
「マコトさん。お、お願いです。も、もう。オマンコ。我慢できません。オチンポ様が欲しくて頭が変になりそうです。入れて。ね、ね。入れてください。ね。オマンコして。オマンコにおチンボ様。恵んでください。今すぐ。ミツキ、欲しくてたまりません」
ミツキはたまらず、おねだりしていた。いつもより少ない回数のオーガズムというのに激しすぎてトランス状態になってしまっていた。何より本物のクリトリスと裏クリトリスを同時に刺激されるエクスタシーは性器が二つあるようなマルチオルガズムだった。
「そうとう感じてるな。まだ何分も経ってないのにイきまくってるぞ。挿れてやらないと頭が変になるのか。仕方ない。オモチャはまた後だ。それじゃ、縛って服を着たままで、バックでオマンコしてやる。ミツキは思い切り恥ずかしくされるのが好きだからな」
マコトがやっと告げてくれた。ベッドに仰向けになっていたミツキの体を裏返す。背中で両腕を縛られ、両足を体の横に縄で固定されたミツキは、めくられたスカートから股間を丸出しにしてうつ伏せにされた。ベッドに顔が埋もれ、息が苦しい。体重を乳房で支える格好のために痛みが走る。ミツキは顔をよじって息をついた。
マコトが腰にあてがっていた枕をうつ伏せになったミツキの腹部から抜いてくれた。胸元へ運ぼうとしている。そのとき枕の裏からなにかが落ちた気配があった。マコトがそれをつまみ上げたらしく、指先をミツキの顔の横に持ってくる。
「これはなんだ。畳んだティッシュが落ちたぞ。おナニーでもするつもりだったのか」
「ち、違います。恥ずかしい。それは四葉のクローバーです。夢占いに使うんです」
「そうか。だが四ツ葉じゃないぞ。五つ葉だ」
テッシュを広げたマコトが告げる。ミツキは顔を横にやってマコトがティシュから出したクローバーを見た。マコトの言う通りだった。四枚の葉の裏に小さな葉がもう一枚生えていた。公園で探したときは、てっきり四ツ葉だと思っていたが、夕暮れどきだったせいで葉の裏に生えていた小さい一枚を見落としたのだ。
クローバーが五つ葉であると分かったミツキは、なぜまどろみで、あんな夢を見たのか理解した。あれは逆夢だったのだ。クローバーの夢占いは四つ葉でなければ成功しない。間違ったものを使えば逆夢になってしまうのだ。ミツキの四肢に安堵が広がった。
あの夢はわたしの未来ではない。まったく逆。未来であんなことはわたしに起こらないのだ。マコトさんはわたしを見ず知らずの男性の性処理道具になんかにしない。
「マコトさん。お願いします。思い切りミツキを犯してください。マコトさんの好きなようにミツキのオマンコを使ってください。どんな恥ずかしいことも、いやらしいこともマコトさんの言いつけ通りに従います。だから早く。ミツキとオマンコしてください」
ミツキは安堵と喜びとマコトへの愛おしさから心の思いを口にしていた。早くマコトの男根を自身の中に迎え入れたくてたまらなかった。目が濡れているのがわかる。頬が興奮と喜びで赤く染まっているのも理解できた。期待で唇が細かに震える。セックスがこれほど気持ちよく、こがれるものだとミツキは強く実感できた。マコトのペニスが欲しくてたまらず、ミツキは目尻に涙さえ、滲ませてしまった。そのミツキにマコトが告げた。
「ミツキ、可愛いぞ。俺の女らしくなってきたな。なぜ俺が勃起するか分かるか。ミツキはどんなに恥ずかしいことも、いやらしいことも俺が言いつければ従う。羞恥で顔を赤くしながらな。そんなミツキの姿を見てると、俺の女として懸命に振る舞おうとしているのが、よく伝わってくるんだ。ミツキが恥ずかしいことを口にしたり、いやらしい姿を見せるたびに、俺はお前の従順な思いがよく分かり、とてもいじらしく、いとおしく、けなげに感じる。そしてもっとこいつを可愛がってやろう、愛してやろうと思う。だから勃起するんだ。俺の愛情表現として。大好きだよ、ミツキ」
思わぬ愛情を示す言葉だった。初めて聞くマコトの気持ちだった。ミツキの胸に悲しいほどの切ない思いが湧き、痛いほど締め付けてくる。ミツキは涙をこぼした。嬉しさが極り、心は痛いほど震えた。うつ伏せのミツキの臀部にマコトが下半身を当ててくれた。濡れそぼった股間に男根が触れると陰唇を割って一気に貫かれた。
それだけでミツキは叫び声をあげると絶頂に導かれ、マコトの男根を強く締め付けながらオーガズムを迎えた。きっと今夜は今まで体験したことがないほど果てるだろう。だってわたしはマコトさん好みの女に仕込んでもらえるのだから。
「マコトさん、大好きです」
「もう一つあるだろ。大好きなものが」
「オチンポ様も大好きです」
ミツキは恥じらいながら自身も愛を告白していた。幻聴なのか、何かの鐘が鳴る音が聞こえた。その音に耳にしながらミツキは連続する絶頂へ身を委ねていった。
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