変な人だけど、面白い

饂飩

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「ごめんなさい…」

私は何も言い返す勇気が無くて家族みんなに謝った。

「い、今まで言ったこと全部嘘です…ごめんなさい…だからお姉ちゃんは何も悪くないです…。」

全部嘘という嘘を私はついた。

それしか無かった。

私は家族が大好きだったから。




「玲央?どうしたの?」

「え?あ、ううん!何でもないわよ!ちょっと昔のこと思い出しちゃっただけ…!」

不思議そうに見つめる美里に私は笑顔で答えた。

「そ、そっか…私、直球過ぎたかも…。玲央の気持ち何も考えてなくて…ごめん。」

引きつった笑顔を見て、美里は私にそう言った。

「違う!みさっちは何も悪いことしてないよ!!マジで気にしてないから!!あ、いや気にした方がいいのかw」

「なにそれw」

明るくふりまう私をまだ心配しつつ一緒に笑ってくれた。

ごめんね。みさっち。

ごめんね。お姉ちゃん。

ごめんね。お母さん。

ごめんね。お父さん。

ごめんね。好きだった人。



普通の人じゃなくて、ごめんね。




「じゃあまたね、玲央。」

「うん!ばいばい!みさっち!」

美里と別れた後、私はパソコンに向かった。

「久しぶりに触ったかも…。」

家族に嘘だと嘘をついた時以来、私は普通の男の子として振舞った。

ただのおふざけだったと言って。

でも、本当は心は女の子のままだったから、雑誌が見たかった。

そんな事言ったら今度こそ嫌われる。

どうしよう。




そんな様子のまま大学生になり念願の一人暮らしをしていると、辛くなった。

嘘をつき続けるのが難しくなった。

オネエとはちょっと違うと自分では思っているんだけど、そのキャラの方が幾らかやりやすいと気付いて、大学に入った私は『オネエキャラの玲央』を演じることにした。

『オネエキャラ』を演じていても本屋さんで雑誌を買うことに抵抗を感じた。

この人も変だと思うかな?

私の一方的な被害妄想だと分かっていても止まらなかった。

大学生になり、『オネエ』を演じていても外見を女の子に近づける様なことはしなかった。


本気で働いて、稼いで、そのお金で性転換しよう!


小さい頃の私は、そう決心した。



だけど、私の覚悟は甘かった。


高校生になった時、バイトで稼いだお金でパソコンを買った。

その時性転換手術の事を調べたのだ。


しかし、その時の私は恐怖を感じた。


尿道と直腸の間を切る…!?


むむむ無理だわ!自分の体を切るなんて…!

親にもらった体だもの…


でもそれはただの言い訳に過ぎなかった。


性転換をして、女性になって幸せそうに笑っている人の写真を見るたび、羨ましくて、自分の覚悟の無さを見せつけられているかの様で。


私は恥ずかしくなって、パソコンを静かに閉じた。


そして、今まで1度も開けなかった。




「久しぶりに触ったかも…。」

手が震えながら私はパソコンを起動した。

ピロンッ

「?  何これ?」



久々に開いたパソコンに一通のメールが届いていた。


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