三尺刀使いの仮想現実戦記

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椛の思い出part1連れ出したあの手

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このタイトルは椛の回想回です。
青蓮と椛の体育祭回が椛の思い出の最終回になる予定です。

産まれた時から私は青と一緒だった。おんなじ病院で私は11月の29日に産まれ青は12月の2日と3日程の差で産まれた。
青の事がいつから好きになった?と聞かれると、答えは幼稚園の年中からだ。
今でも鮮明に覚えている。
忘れもしないあの9月の7日。
あの日私は恋をした。当時は何かはわからなかったけど今なら分かる。あれは恋だ。そう断言できる。



13年前私と青は幼稚園児だった。あの時の私は周りから神童扱いされてそんな周りの反応が嫌で幼稚園に入園してから私は引きこもっていた。
誰もが誰も私を力ずくでしか外に連れ出せなかったけど青は私をいえ、私の全てを外に連れ出した。
中で遊んでいた喜びを、引きこもって白くなった私の肌を、私の気持ちを、私の思いを本当に全てを外に連れ出した。
あの時から私は青に夢中だった。
私は青に連れ出された次の日から青に会いたい一心で幼稚園に行った。
青の友達達と外を駆け回り泥だらけになって怒られたり、こっそりと幼稚園の職員に悪戯して反応を楽しんだり、兎に角神童と呼ばれ色褪せていた私の世界に色を塗った。
毎日青と遊んで周りはいつしか私を普通の子供として扱う様になっていった。
青が全部を変えた。私の全てをたったの1日で、いえ一言「遊ぼうぜ」と私の手を取り外に連れ出したあの日から私は変わっていった。
小学生になると私は青の友達達と少し離れてしまったがそれには理由があった。
本を読んだりしてどちらかと言うと勉学つまり幼稚園の時の遊びで培った実技ではなく今まであまりやった事の無い私を神童扱いさせた張本人である座学に精を出した。
まあ、その座学も青の行った高校では低い方だったが。そしてこの時から青は
モテていた。
クラスの女子が青と話していると胸が痛み切なくなった。
この時から青が女性と話しているのを見ると胸が痛くなりよく保健室に入り浸った。
保健室の先生からは「きっと恋の病だけどこの歳でそんな事はあるかなぁ?」と言っていた。
ちなみにだが、この時私は小学1年生である。今にしてみると確かに恋の病にかかるのは早すぎる。
この頃の私は小学4年生までの勉強内容なら全てカバーしていた。
テストで百点は当たり前。家が隣なのも相まって帰る時はいつも青と一緒だった。
今もだけど。だけどそれしか青と当時の私は接点が無かった。
私と青との関係に進展があるのは小学4年生の夏休みの事になる。
あれは、暑い夏の日だった。まるで白昼夢を見ている様な日だった。
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