三尺刀使いの仮想現実戦記

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プレイヤーの町アセビ

走鳥大竜4戦略的撤退

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私はアセビのギルマスから貰った狼煙の内の一つである巣の場所を示す狼煙を上げ、アセビへと足を進める。
道中の警戒と索敵を怠らずに。

「ギルマス、只今帰還しました」
「それで、結果は?」
「簡潔に言いましょう。失敗です」
「何故だ?巣の発見の狼煙は上がっていて事実現在巣も、なんなら君が狩殺した1000に近い走鳥竜の死骸も中で見つかっている。何故失敗なのだ?」
「よく思い出してください馬鹿者。今回の依頼のターゲットは?」
「馬鹿者て、走鳥大竜だろ」
「それです。それが狩れていないのです。分かりましたか?巣の発見及び中の殲滅はサブです。主目的を履き違えないでください」
「なんだと!」
「なんです?」
「大竜がまだ狩れていないだと!」
「ええ」
「何故だ!何故なんだ‼︎」
「見つからなかったのです。奴はかなり巧妙に姿を隠す様で」
「なら何故帰還した?説明せよ」
「簡潔に申しますと戦略的撤退です」
「戦略的撤退だと?何故だ?」
「刃毀れがかなり酷いのでそれを研ぎ直すのと走鳥大竜の索敵に手を貸して頂きたく」
「了解だ。良いだろう赤の狼煙だ。走鳥大竜を見つけたら赤の狼煙を上げるよう通達する。結構日はいつだ?」
「では二日後、二日後に始めましょう」
「では其方も準備してくれ。此方も準備する」
「了解です。では、失礼しました」
「ああ、二日後の戦いの報告の場にてまた会おう」
「では」
ガチャン。
「彼女は凄いな。一般プレイヤーが三人で束になって初めて一匹狩れる位には凶暴な走鳥竜を1000匹近く狩るなんて。今のトップ体でも1V1で勝率半々位だろうに」
彼女は少し危険だな。
スタンピートがそろそろあるのだ。
戦力が増えたと考えるのが良いだろう。影に監視されるか。
「影」
「なぁに?マイダーリン」
「マイハニー、彼女を監視しろ」
「了解~」
「頼んだよ。マイハニー」
バッ。

「研ぎ屋何処にあるかなぁ?」
一人。付けられてるな。
まぁいっか。
あんな雑魚はいつでも殺れるからね。変な事したら刈り殺そ。
まあ、ちょっと殺気送っとくか。
出力最大の1%位をポイってね。
「地図見るかぁ~」
そう言いながら地図のある町の中央の噴水へと向かう。

影said
私は影。
この町アセビのギルマスのリアルの義妹であり嫁。
影が薄いとよく言われていたけど彼は私を一発で見つけた。そこに惚れた。
その時から義妹と言う立場を生かして攻めまくった結果結婚した。
さて、私は今愛する旦那からの仕事をしている。
内容は彼女、プレイヤーネーム激流の監視だ。
隠密と消音スキルを使って尾行を始める。
バレないから大丈夫だと思ってた。
そんなことを考えていた前の私を殴りたい。
何あの化け物?私が何処に居るか隠密と消音を発動した状態で100m位離れているのに気付いたと思ったら息ができなくなる位に濃い殺気を当てられた。
あれはヤバイ。ヤバすぎる。
多分私に気付いても何もしないのは私程度どうとでも出来るから。
今私が変な行動をしたら間違いなく死ぬ!私の一挙一首一投足が全て間違ったら前にあるのは確実な死が待っている。私は本職でもないからあんまりそう言うのは分からない。
でも確実な死が待っていると、気をつけろ!と、私の生存本能がそう私に訴えて来る。
どうする?このまま続けるか?それとも帰還するか?どちらが?どちらが良いんですか?教えて。
マイダーリン。

青蓮said
なんだ?さっきの奴は、震えながらも尾行をしている。凄いな。
私の殺気は1%とはいえ受けたのに。普通ならその場で震えて倒れ伏して行くんだけどね。
あいつは根性がある。良い奴だ。
「ふふっ」
戦闘となれば大海流を使うまでも無いだろう。
普通に振るうだけで殺せる。
その程度のカスだが、スキルを使っているとはいえあの隠密性、小炎なら発見に5時間位かかるだろ。一般人はどれだけ時間をかけても分からないだろうな。
かく言う私も1分かかったからね。少し危険だな。
「どうしましょうか?アレ」
まあ一旦は無視だ。
研ぎ屋に行って研いでもらおう。

カランカランカラン。
「失礼しまーす」
研ぎ屋に着き店に入ると鍛冶場があった。
「なんじゃぁ?嬢ちゃん。何の用じゃぁ?」
「私の愛刀であるこの源を研いで欲しいのです」
源を出しながらそう言う。
「何じゃぁ!?そのバカでかい代物は!?」
「刃渡り三尺、180cmの私の愛刀源です」
「刃渡り180cmとか、バカなげえな。笑いしか出てこんわ。だが嬢ちゃん、すまねぇ俺はそんなバカ長いもんを扱った事がない。それでも良いか?」
「うーん・・・。では、少し砥石と場所をお借りしても宜しいでしょうか?」
「まあ良いが、出来んのか?」
「逆に聞きますけど、貴方は貴方が打った武器を研げないのですか?」
「研げるな。しかし、それ嬢ちゃん作か?」
「ええ」
「良いだろう貸してやる。ちょっと待ってろ!」
「分かりました」
その後砥石と場所を借りて源を研ぎ直して元と同じくらいの切れ味に戻りましたとさ。
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