三尺刀使いの仮想現実戦記

文字の大きさ
69 / 101
コープドシェイドクリテッド攻城戦

中で

しおりを挟む
大将の期待に応えるために私は涙を流しながら足を走らせる。
『キシャアー』
私の嫌いな音が聞こえてきた。
「またなの!?」
私がまたと言った理由は単純今出た鳴き声はこの洞窟にアホほど生息しているコウモリのせいだ。
「大海流貫流」
コウモリはかなり小さい為貫流で一撃で仕留める。それを
「後三体」
後三体、そうこのコウモリは群れで行動する。つまりは、大量のコウモリを相手にしなければならないのだ。オブラートに包むのも面倒なので率直に言いましょう。めちゃくちゃ面倒臭いです。しかしまだ全然進めてないのかまだコウモリしか出てきて居ません。そしてそのコウモリも面倒でうざい為最悪です。こんなの今すぐあのクソ女に代わって貰って私は大将と外でイチャイチャしたいです。でも大将から渡された仕事ですし期待しているって言われたのですから期待には応えませんと。走れ私。

そうして走っていると何やら訳ありです!とでも言いたいような扉があった。
「行きます!」
私は扉を開けた。そこには翼を広げたら30mはゆうに超えそうな巨大コウモリが居た。巨大コウモリは私を見た途端とても嬉しそうに声を上げる。
『キュエェェェー』
恐らくこんな場所に居るから久方ぶりの獲物なのだろう。栄養は恐らく亀から吸い取っているのかな?そして奥に閉ざされた門が見える。十中八九巨大コウモリを倒さないと出れないだろう。ならばどうする?簡単です。
「大海流天割」
バカでもわかる。倒せばいい。もっと言えば殺せばいい。
『グギュアァァァー』
断末魔を上げて巨大コウモリはその生涯を閉じた。私はそれを横目に奥の扉へと走って行った。
「それにしても大将は凄いです。大将はこんなの立ち止まらずに倒せるでしょうし何なら交戦せずに振り切ることもできるでしょう。私もいつか大将の様になりたいです」
嗚呼、大将私が強くなればなる程貴方は遠くなる。弱い時は大将の力が全然見えておらずに弱いと思ってた私を殺す様に強くなればなる程に貴方の強さを実感し、大将の底抜けの強さに恐しくなる。
『ガルルッ』
前方斜め右方向に敵ですね。狼でしょうか?
「大海流海蛇」
海蛇で狼を一刀の下に斬り捨てる。
「邪魔です」
そう言いながら刀を収める浄水。
「今のもでしょう。大将は流れる様に斬り殺せたでしょうから」
あの時の大将の流れる様な、波が寄せては引き返す様な自然な動作で、まるで日常の一風景の様に敵を斬り殺して進んで居た大将。通路で敵と戦いながら進みたい時はあの時の大将の様な戦いができるといいなあ。
そんな事を考えては側に大将が居ない事を改めて知りため息を吐く。
「なんで、なんで別行動なのですか?大将。大将は浄水が、玲奈が嫌いなのですか?嫌いなら素直にそう言って下さる方が嬉しいのですが」
『ガルルッ』
『コンッ』
先程の狼の声と後なんでしょうか?鳴き方からして恐らく狐ですけど・・・。前方斜め左前から聞こえましたし居るのでしょうか?
「まあ、行けば分かりますよね」
私は前方斜め左前にある通路の横へと足を踏み入れて体を入れる。そうすると
『ガウッ!』
狼が飛びかかって来ましたね。清水は間に合わない。ならばどうするか?単純です。
「大海流海蛇」
海蛇がベストです、この状況は。
海蛇で飛びかかって来た狼を斬り伏せると次に浄水が狙ったのは狐。
『コンッ』
「逃げないで、臆病者。殺して上げるから逃げないで」
『コンッコンッコンッ』
「逃げないで大海流水流」
浄水の水流で狐の魔物の首が飛ぶ。
「さあ、走りましょうか」
言い忘れて居たが浄水はそこそこの戦闘狂である。だからこそ狐の魔物が逃げても追って殺したのである。そのまま走れば良いものを。
洞窟の中で私は走る。大将の期待に応えるために。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

処理中です...