【R18】竜王宮での禁忌の秘閨 -双子の王子と竜姫と寵姫-

猫まんじゅう

文字の大きさ
10 / 12

10

しおりを挟む

 物心つく頃から、クレハの恋愛対象は女性。そんな彼女は兎族の変人として言われて育った。
 兎族に生まれ恋愛対象が雌などと、過去にも類を見ない。クレハは雄へと目を向けるように強制され、性教育の座学を一から受けてきた。

 その後、洗脳に近かったそれから逃げるように竜王宮の女官となる道を選んだ。
 竜後宮の女官となれば、きっと番等という、雄のみが知る厄介なものに見つかる可能性も低い。それに、獣人特有の発情期が来てもきっと対処方法があるはずと単純に考えての事だった。

 そして、初めて第一王女であるリューイを見てから、心が奪われて、心臓を握りつぶされたような、どうしようもなく愛おしい気持ちになったのだ。



 ───── だが、また変人と言われるのが怖くて、その劣情に蓋をした。
 


 ただその気高い崇高な存在を傍で見ていたい。好きでいたい、という強い思いだけは無くなる事はなく彼女の心の中に生き続けた。
 そして、その発芽する事のないほろ苦い種子を握りしめて彼女はリューイ付きの専属女官になると決意したのだ。

 晴れてそれが叶い、間近で見る愛しの姫の誰にも見せる事のない姿を目の前にして彼女は興奮した。
 その限界まで昂ぶった劣情を栄養として、その種子はすぐに芽吹き、すくすくと成長していったのである。



 ────── その果てに彼女はリューイに全てを明かし、捧げ、その花を咲かせることに成功した。



「私は、ずっと、ずっと、追いかけてきたから······姫様だけを見て······」

「ありがとう、気づいていたよ」

「下心だけで女官になりました······本当に、ごめんなさ······んう」


 その謝罪の言葉はリューイの触れるような口づけによって掻き消えた。


「謝らないで、本当に。クレハを愛しているから」

「でも、私、クレハは、やっぱり変で······」

「変ではないわ? 例え、どんなに変だとしても私は貴女が好きなのよ」


 何が変で、何が普通かなんて、もう誰にも分からないだろう。
 愛の形など誰もが違って当然なのだ。ただひたすらその曖昧なものに溺れ夢中で追い求めるだけ。


「ぁあっ」


 そしてリューイはクレハを抱きしめて優しく壊れ物を扱うように寝台に押し倒す。

 好き、好き、好き······!
 クレハは上から自分を見下ろすリューイを見た。
 姫さまが自分の事を好きだなんて、未だに信じられないくらいに、貪欲に彼女を愛している。

 蕩けるような濃厚な口づけに脳が震えて、もうすでに正常な思考を溶かし、溺れていく。
 

 この燃え盛るような恋は、情痴。
 そして沈む先は底の見えない獣欲の沼だ。


「でも、クレハは、────、······んうう、ッ」

 クレハのその先の言葉は、リューイの深い口づけによってその音を紡ぐ事はなかった。
 いや、きっと聞こえない方が良かったのだろう。



 ────── それはクレハに芽吹き始めていた、あまりに歪んだ感情であったのだから。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

執着系狼獣人が子犬のような伴侶をみつけると

真木
恋愛
獣人の里で他の男の狼獣人に怯えていた、子犬のような狼獣人、ロシェ。彼女は海の向こうの狼獣人、ジェイドに奪われるように伴侶にされるが、彼は穏やかそうに見えて殊更執着の強い獣人で……。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...