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しおりを挟むある日の夜、いつも通り扉が開いた先から歩いてきたのはユウマ、ただ一人だった。
彼らが処女を奪って以来、夜になれば双子の兄達がこの宮を訪れる。本当に、飽きもせず毎晩毎晩自分を犯していくものだ。とリューイは呆れてため息を漏らした。
竜人とエルフとの混血だから直ぐに子ができるとは考えにくいが、こう毎日毎日犯されて子種を注ぎ込まれると流石に心配になる。男尊女卑の激しいドラファルトには簡単に手に入る避妊薬などは存在しない。
「リューイ、今日はオレだけなんだ」
リューイは近づいてくる兄(ユウマ)を感情の籠らない目でじっと見つめた。だが同時に、最近ずっと考えていた事を聞く良いタイミングだとも思った。今日こそはその疑問を彼にぶつけようと決意する。
いつも通り兄に寝台に押し倒され、リューイの身体にその手が触れられる。あまりに慣らされた身体に快感が直ぐに伝わって意思に反して熱をもっていくのが分かった。
「······はぁ。ねぇ、兄様。聞きたい事が、あるのっ、なんで ······「なんであの女がいるかって?」」
今日はユウマだけ、なのだ。彼は双子の弟トウマよりも少し大人びていて現実的な会話のできる人だから、何故こんな不毛な事を続けるのか理由を聞こうとした。ただそれだけなのに。
全く予期しなかった別の答えが彼の口から返ってきて、リューイは長椅子に座る人物のその光景に目を見張った。
「クレ······ハ······?」
「っふ、ああッ、リューイさまぁっ、んぁあッ!」
長椅子に凭れ掛かりながら、脚を開き、自分の指で自らを快楽に導いている。その妖艶な姿にリューイは息を呑むと同時に混乱した。
「ッ、クレハ······! なぜ······!」
キッと目の前のユウマを睨めば、彼は肩を竦めた。
「いや、オレの所為じゃねーよ。あの女が、リューイが犯される所、みたいって」
「······え?」
「ほら、最近オマエ、意外とオレ等に犯され慣れたろ? あの女、それが見たいってさ。頼まれたから此処に入れたんだけど、」
「なん······ッ、んあぁッ!」
彼の熱塊が後ろから一気にリューイを貫き、背中を逸らせるようにした彼女をみたクレハが恍惚の表情を浮かべた。
「リューイさまッ、ごめんなさい。
でも、わたし ──────、クレハは······、
姫様が雄に犯されるのを見て、興奮するの······です······ッ!」
その言葉に愕然として目の前がまっ暗になったリューイの背後から、構いなく降り注ぐ狂愛の楔に彼女はただただ打たれ、そして喘いだ。
「ッ、出すぞ、」
「まっ······て、本当にもうナカは······いや、、」
彼女の言葉を最後まで聞かずに注ぎ込まれた兄の精を胎内に感じながら、リューイは目を閉じた。
翌朝、深い眠りに入っていた自分の意識が明瞭になり、ゆっくりと目を開けるとクレハの姿があった。いつもと変わらない様子の彼女にリューイはすぐに声をかける。
「クレハ、その······昨日の、あれは、嘘だよね?」
「嘘、ですか?嘘など、私はリューイ様にはつきません。私は、リューイ様だけを愛しています」
「いや、それではなくて······。私が犯されているのが······って、」
「あ、あれは······言わなくてはいけないとは思っていたのです······。ただ、タイミングが合わず、伝えられなくて······」
────── そして俯いていた顔をあげて、クレハはにっこりと笑った。
「ふふっ。はいっ、本当ですよ。クレハは、やっぱり変なのです。こんなにも大好きな姫様が、雄なんかに蹂躙される姿を見たい、なんて······ッ!!」
クレハは雄に犯されるリューイの姿を想像し、上気した顔をすぐに手で覆った。
「いや、おかしいわけでは······」
─────── おかしいわけでは、ない?
本当に?では何が正常で、何がおかしいのか?
兄の狂った愛は歪んでいて、間違っている?
クレハの愛の先にあるその感情はおかしくない?
────── では何が、正しい愛の形なのか。
もうその境界線すら快楽の渦に飲みこまれ、酸に溶かされるように、ぐちゃぐちゃになって分からなくなってしまっているのだろう。
事実、最初は屈辱としか感じなかったその兄からの凌辱も、日を追うごとに身体は絆されて、脳はそれを快感として拾い自分の心をさらに蝕んでいくのだ。
その肉棒をみれば、喉が鳴り、早くその熱塊を自分に打ち付けて欲しいと。そう思うようになっている。
女陰を割り開くように強引に侵入し、膣壁を乱雑に擦り、そしてその最奥に精を吐き散らかされても。
そこまで考えて、その思考を消し去るように首をふるとリューイは彼女を真っすぐ見つめた。
「どんな形であろうと、私はクレハ、ただ一人を愛するよ、」
四人の”愛”は異常である。
けれどそんなことはあの日の夜から分かっていた事だ。
もう歯止めなどが効くはずもないのだから、今はこの獣欲の沼に皆で沈んで、そして皆で不幸になればいいか。
どうせ自分には何もできないし、拒否権もないのだから。
リューイはクレハを抱きしめて心に誓う。
絶対に、いつか。いつの日かこの常軌を逸した宮から抜け出して、彼女(クレハ)と二人で生きる道を見つけてみせる、と。
──────── だからそれまでは、自分が黙って犯され続ければいい。
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