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18. 一夜、快感を憶えるべし①※
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皆様、『慣らし五夜』のご見学は自由です。本日、ご担当様は若き当主、ヴァルツナー公爵のオリリアス卿となります。
それでは、初夜にむけて始めていきましょうか。
切れないため長めです。ゆっくりどうぞ。
*****************************
「リリアーナ様、晩餐会ぶりでしょうか? ヴァルツナー公爵家の当主、オリリアスと申します」
「ヴァルツナー公爵様、本日はよろしくお願い致します。」
リリアーナは濃紺の上下の繋がった伝統着を着て妖艶な笑みで笑いかける彼を見た。
この国ではあまり見ない、褐色の肌に美しい紫色の長髪が大人の色気を醸し出している。
『シルフィア様の一夜目も彼だったわね。私もあんな風になるのかしら······。』
シルフィアの慣らし五夜を思い出して急に恥ずかしくなり、リリアーナは顔を赤らめた。
「おやおや、やはり緊張しているご様子ですね?
大丈夫ですよ。リリアーナ様は閨事には疎く、あまりお詳しくないと伺っています。まずはゆっくりと、リラックスする事から始めましょう?」
オリリアスは公爵という身分にも関わらず、慣れた手つきで紅茶を淹れるとリリアーナに差し出した。
そしてにっこりと優しく微笑みかける。
「あぁ、慣らし五夜では敬語は不要なのですよ?
私の事はオリィと呼んでくださいますか?」
「オリィ様······。では、私は、リリアとお呼びくださいませ。」
「分かりました。私はこの喋り方が直せないので、このまま話しますね。あまり気にしないで下さい。」
ふふっと笑い合いながら、ただお互いの事について話をするだけの彼に段々と緊張が解けていく。
神殿の処女検査の時のように、無理矢理身体を慣らされるのだとばかり思っていたリリアーナは安心した。
事実、オリリアスは彼女の精神の安定を第一に考えていた。そして、彼女の緊張が見えなくなり、表情が柔らかくなったタイミングで寝台へと誘う。
彼女の隣に腰掛けて、彼は瓶を取り出した。
「リリア、この香油はご存知ですか?貴女は博識だと聞きましたので。」
オリリアスが瓶の蓋を開けると成熟した木の香りがリリアーナの鼻腔を包み込んだ。その暖かみのある香りにリリアーナはうっとりと表情を緩める。
「まあ、これはウードですか?希少な木から取れるものでは?」
「そう、流石ですね。私の母の祖国ではそれをオイルにして身体に塗り、筋肉を解す“マッサージ”というものが流行っているのですよ。
リリア、そこにうつ伏せになって下さい。」
リリアーナの着ていた『慣らし五夜』用の薄いローブをさっと脱がせると、オリリアスは彼女の裸体を直視しない様にしながら、うつ伏せになるのを待った。
「······これで大丈夫でしょうか?」
オリリアスはリリアーナに配慮して臀部にシーツをかける。そして香油を手に取って上半身から順にマッサージを始めた。
「どうです? 気持ちいいでしょう?」
「······はい。とても。眠くなってしまいそうです」
「ふふっ。そうでしょう? でも、リリア。
本当は、性行為もこれくらい気持ちの良い行為なのですよ?」
「······そう、なのですか?」
とろん、とした目のリリアーナを見て、オリリアスは太ももの内側に手を滑り込ませた。
そして香油で表面を撫でるように触る。
「ここは、どんな感じですか? ちょっとゾクゾクしません?」
「······そうですね。少し擽ったい······ふふっ、」
では、とオリリアスはリリアーナに上向きになるように指示をだした。
身体がリラックスしきっているからか、それとも雰囲気が和やかだからか。
裸体を男性に晒すのもそこまで緊張しないし抵抗も思ったほどない、とリリアーナは安堵して身体の向きを変え横になる。
逆にオリリアスはその情景に目を見張った。
白い寝台に横たわる、女神だ。
大きすぎない胸は、重力に負けることなく上を向いて弾力を保っている。その先端についた二つの小さな突起はもともと色素が薄いのであろう、優しい色付きだ。
加えて、恥部の毛も薄く、身体の美しい曲線も煽情的で今まで抱いたどんな女性とも異なり美しい。
これらが誰にも見せたことがないものだと思えば、さらに自己肯定感が満たされた。
それでは、初夜にむけて始めていきましょうか。
切れないため長めです。ゆっくりどうぞ。
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「リリアーナ様、晩餐会ぶりでしょうか? ヴァルツナー公爵家の当主、オリリアスと申します」
「ヴァルツナー公爵様、本日はよろしくお願い致します。」
リリアーナは濃紺の上下の繋がった伝統着を着て妖艶な笑みで笑いかける彼を見た。
この国ではあまり見ない、褐色の肌に美しい紫色の長髪が大人の色気を醸し出している。
『シルフィア様の一夜目も彼だったわね。私もあんな風になるのかしら······。』
シルフィアの慣らし五夜を思い出して急に恥ずかしくなり、リリアーナは顔を赤らめた。
「おやおや、やはり緊張しているご様子ですね?
大丈夫ですよ。リリアーナ様は閨事には疎く、あまりお詳しくないと伺っています。まずはゆっくりと、リラックスする事から始めましょう?」
オリリアスは公爵という身分にも関わらず、慣れた手つきで紅茶を淹れるとリリアーナに差し出した。
そしてにっこりと優しく微笑みかける。
「あぁ、慣らし五夜では敬語は不要なのですよ?
私の事はオリィと呼んでくださいますか?」
「オリィ様······。では、私は、リリアとお呼びくださいませ。」
「分かりました。私はこの喋り方が直せないので、このまま話しますね。あまり気にしないで下さい。」
ふふっと笑い合いながら、ただお互いの事について話をするだけの彼に段々と緊張が解けていく。
神殿の処女検査の時のように、無理矢理身体を慣らされるのだとばかり思っていたリリアーナは安心した。
事実、オリリアスは彼女の精神の安定を第一に考えていた。そして、彼女の緊張が見えなくなり、表情が柔らかくなったタイミングで寝台へと誘う。
彼女の隣に腰掛けて、彼は瓶を取り出した。
「リリア、この香油はご存知ですか?貴女は博識だと聞きましたので。」
オリリアスが瓶の蓋を開けると成熟した木の香りがリリアーナの鼻腔を包み込んだ。その暖かみのある香りにリリアーナはうっとりと表情を緩める。
「まあ、これはウードですか?希少な木から取れるものでは?」
「そう、流石ですね。私の母の祖国ではそれをオイルにして身体に塗り、筋肉を解す“マッサージ”というものが流行っているのですよ。
リリア、そこにうつ伏せになって下さい。」
リリアーナの着ていた『慣らし五夜』用の薄いローブをさっと脱がせると、オリリアスは彼女の裸体を直視しない様にしながら、うつ伏せになるのを待った。
「······これで大丈夫でしょうか?」
オリリアスはリリアーナに配慮して臀部にシーツをかける。そして香油を手に取って上半身から順にマッサージを始めた。
「どうです? 気持ちいいでしょう?」
「······はい。とても。眠くなってしまいそうです」
「ふふっ。そうでしょう? でも、リリア。
本当は、性行為もこれくらい気持ちの良い行為なのですよ?」
「······そう、なのですか?」
とろん、とした目のリリアーナを見て、オリリアスは太ももの内側に手を滑り込ませた。
そして香油で表面を撫でるように触る。
「ここは、どんな感じですか? ちょっとゾクゾクしません?」
「······そうですね。少し擽ったい······ふふっ、」
では、とオリリアスはリリアーナに上向きになるように指示をだした。
身体がリラックスしきっているからか、それとも雰囲気が和やかだからか。
裸体を男性に晒すのもそこまで緊張しないし抵抗も思ったほどない、とリリアーナは安堵して身体の向きを変え横になる。
逆にオリリアスはその情景に目を見張った。
白い寝台に横たわる、女神だ。
大きすぎない胸は、重力に負けることなく上を向いて弾力を保っている。その先端についた二つの小さな突起はもともと色素が薄いのであろう、優しい色付きだ。
加えて、恥部の毛も薄く、身体の美しい曲線も煽情的で今まで抱いたどんな女性とも異なり美しい。
これらが誰にも見せたことがないものだと思えば、さらに自己肯定感が満たされた。
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