ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

KUMANOMORI(くまのもり)

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宮久土先輩の生態

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 最近は、平日の部活終わりに一緒にスーパーに行ってご飯を食べてから帰る。
 宮久土先輩は途中まで送ってくれてそのままランニングしに行く。

「じゃあね、また明日」
 と言って爽快にかけていく後ろ姿を見送くるのが、ここ数日出来た習慣だった。

 宮久土先輩の部屋は本当に、寝るだけの部屋という印象だ。テーブルとマットレスくらいしかない。引っ越ししたての部屋を思わせて、これから新しい生活が始められるようなワクワク感がある。

 初めて行ったときには、隠れ家みたいで楽しいですね、と素直な感想が出てくる。
「芦野さんも一緒に住む?」
 何でもない風に宮久土先輩はとんでもない話を入れ込んでくるのだった。今日もまた、キッチンでままごとみたいな料理をしながら、言われる。

「朝練も一緒に行けるよ?」
「いやいやっ!そういう話じゃないんですってばっ」
 宮久土先輩は手先が私以上に不器用だ。自分の指を切ろうとするので、手元を見てください、と注意しなければいけない。

「あ。そっか。ひょうとつや先輩が許さないかな」
 今もまた、刃先が指先をかすめている。私は横取りして、不器用ながらも包丁を入れて行った。

「なんで宮久土先輩は一人暮らししているんですか?」
 何気なく聞いたらぽやんと宙を見つめて、
「あれ、なんでだっけ?」
 と小首をかしげる。

「ご両親が転勤族だったりとか自立しろって言われたりとか、ですか?」
「あ、違うよ。うち親死んでるし」

「え?」
「ああ。そうだ。オレと兄さんが一緒に暮らすのはいやだって言ったんだ。だから、それぞれ別の部屋借りた」

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