ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

宣戦布告

3

　クラスの男子が去って行ったのを見計らい、反鳥が、「よ」と久々に声をかけてきた。
　さっきまでの会話をくみ取って、
「星井さんってかわいいけど。男の中でも賛否ある。本命にはしにくいな、遊びがいいなって」
　と言ってくるのだ。

　相変わらず、反鳥は女の子の話や恋愛系の話が好きだなぁ、と思ったらため息がでた。
「本命と遊びを分けるのはなんで？」
「それは、まぁ。時々無理めなことをやりたいことが、あるときも？本命の子には、嫌われたくないからできないことってあるし」
　反鳥はあっさりと正直すぎることを言う。

　無理めなこと？本命のことにするのは無理なことを、なんで他の子にしていいって思うんだろう？
「遊んでると浮気されそうだし」
　続けてくる言葉は、私の心にはぐさぐさと刺さる。

「芦野は遊びには、できねーな」
「嘘嘘。てきとーなことするくせに」
　私があえて触れてみたら、反鳥は頭を振った。

「もうしない。ちゃんと、手順踏む」
「なにそれ」

「ひょう先輩はめちゃくちゃ怖いけど」
「お姉ちゃんと話しないの？」

「芦野がつや先輩の話題に食いつきがよかったから、話すきっかけにしたかっただけ。別に、そんな付き合いたいとかじゃない」

「それってさ、私と話したかったみたいに聞こえるよ？」
「そう言ってんの」

「あーちょうどいいしね」
「それさ、訂正するわ」