104 / 193
速攻だだもれ
2
しおりを挟む
陸上部の集まりに向かえば、近づいてきた航先輩は、
「星井さん、やめるってさぁ。もったほうだね」
とのんびりと言う。
「そんなに簡単に?」
「馳が落とせないとなれば、頑張る意味ないんじゃない?」
「大会前なのに。一乃は本当に宮久土先輩のことが好きだったんでしょうか?」
「うーん、試し撃ち感が強いよね、星井さんは。誤解されやすそうな危険分子」
「試し撃ち?意味わかんない」
「かけるみたいに遊び割り切ってる奴は釣れるけど。馳は難しいと思うよ。思考回路が読めないし、傷が深い」
「傷」
呟いても航先輩は首を横にふった。本人が言ってないことは言わない、その辺は紳士なの俺は、と言うのだ。
「星井さんが釣りたいのは、大物だよねぇ」
とぽつりと漏らす。大物?
「航先輩は、一乃と一緒に帰ってたよね?その後一乃の様子は変だったけど何かあったの?」
「苦手意識でちょっと圧をかけたかも?星井さんは俺のことを恐い先輩だと思ってると思うよ」
「女の子好きな航先輩でも、苦手ってあるんだね」
「誤解だって、一周まわってピュアだから。意外と可愛いもんだと思うよ?」
「ふーん?」
「馳の奴ズルいなぁ。うらちゃんは俺の方が前から狙ってたのに」
「嘘嘘。航先輩の狙ってる人数は百万人規模でしょ」
私が適当に放り込んだ言葉に、航先輩は目を丸くしてこちらを凝視する。何か変なこと言ったかな、と思うけれど、
「あながち外れじゃないなぁ」
航先輩は軽快な調子で言って来た。
「最悪~」
と不満が口から出たところで、
「おはよ、芦野さん」
後ろから声がかかり、宮久土先輩がやって来る。
「星井さん、やめるってさぁ。もったほうだね」
とのんびりと言う。
「そんなに簡単に?」
「馳が落とせないとなれば、頑張る意味ないんじゃない?」
「大会前なのに。一乃は本当に宮久土先輩のことが好きだったんでしょうか?」
「うーん、試し撃ち感が強いよね、星井さんは。誤解されやすそうな危険分子」
「試し撃ち?意味わかんない」
「かけるみたいに遊び割り切ってる奴は釣れるけど。馳は難しいと思うよ。思考回路が読めないし、傷が深い」
「傷」
呟いても航先輩は首を横にふった。本人が言ってないことは言わない、その辺は紳士なの俺は、と言うのだ。
「星井さんが釣りたいのは、大物だよねぇ」
とぽつりと漏らす。大物?
「航先輩は、一乃と一緒に帰ってたよね?その後一乃の様子は変だったけど何かあったの?」
「苦手意識でちょっと圧をかけたかも?星井さんは俺のことを恐い先輩だと思ってると思うよ」
「女の子好きな航先輩でも、苦手ってあるんだね」
「誤解だって、一周まわってピュアだから。意外と可愛いもんだと思うよ?」
「ふーん?」
「馳の奴ズルいなぁ。うらちゃんは俺の方が前から狙ってたのに」
「嘘嘘。航先輩の狙ってる人数は百万人規模でしょ」
私が適当に放り込んだ言葉に、航先輩は目を丸くしてこちらを凝視する。何か変なこと言ったかな、と思うけれど、
「あながち外れじゃないなぁ」
航先輩は軽快な調子で言って来た。
「最悪~」
と不満が口から出たところで、
「おはよ、芦野さん」
後ろから声がかかり、宮久土先輩がやって来る。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる