ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

KUMANOMORI(くまのもり)

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私の偏愛は汚れてる

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 宮久土先輩が床に座って足を伸ばす姿勢で柔軟運動をしていれば、自然とくるぶしが見えてくる。

 骨の隆起を見ていると、目が引きつけられてしまっていた。きっかけはきっと、かける先輩のくるぶしだったんだと思う。

 あの現場で見たくるぶしが頭の中でずっと像を結んでいたに違いない。今はあの光景を思い出すことはほとんどなくなっていた。

 今でも宮久土先輩のくるぶしが光って見えるのはなんでなんだろう?
 見つめていたら、急に手を取られて引き寄せられた。

「見すぎだよ、触る?」
 と自分のくるぶしを指さして来る。
「え、それは」

 くるぶしを触る?

 手を引き寄せられて、導かれていけば、後一センチのところまで指が近づいた。犯罪じゃないはずだし、一般常識的にも公衆の面前で触れても問題はないはずだ。

 でも私にとっては年齢制限アリのいけないことをしているような感覚だ。とても罪深い何かを暴露しているような気もする。

 じりじりと進められた指先があと五ミリのところで、耐えきれずに、頭を振った。宮久土先輩の美しいくるぶしを私の煩悩で汚してしまうっ。

「ひぁああっ!汚すのはダメっ」
 大きな声が出てしまう。体育館中の視線がこちらに集まった。バスケ部やサッカー部もいるので、集まる視線が痛い。

 ちょうど近くで一部始終を見ていたらしい、反鳥は無表情で、
「空気感がのろけだわ」
 と言うのだ。

 宮久土先輩は私の反応をただただ静かな眼差しで見ていた。

「ごめん。オレ、無理やり触らせる奴みたいだね」
 と淡々と言うのだ。
「み、宮久土先輩。そういう言い方は誤解されちゃいますからっ」

 おかしいのは私なのだと思う。
 にわかにざわめきだす周りの反応を物ともせず、宮久土先輩はトレーニングを再開した。

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