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ブライダルチェックとシリンジ法

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 私が性交不全のあるカップルのやり方として、シリンジ法を試してみるのもいいでしょ、と輝夜に説明する。知ってるよ、と話を受けた輝夜は、
「じゃあ、足を開けよ」
 そう言って、まだ衣服をまとったままの私の太ももを左右に広げていく。

 私の手からシリンジを受けるけれども、まだ使う段階じゃない。
 前準備が必要だ。

「そうじゃないっ、自分でするから。輝夜も自分で……」
 私が言い終わる前に、輝夜はシリンジのロッド部分を最長で伸ばし、先端のルアー部分からの距離を指で目測する。
 指を置くフィンガーグリップ部分から、先端の部分をもう一度指で測る。

「長さとしては、少し短い。この長さじゃ子宮口の部分に触れないし、ただ挿入して注入しても、内部が酸性に傾いていたら一網打尽だと思う」
 輝夜は淡々と告げてくるのだった。

「な、長さを言わないでよ」
 なぜ、指で奥の口までの長さが分かるのかは、今までの関係性に触れずに語るのは難しい。何度も結ばれたことがあったし、何度も触れてもらったし触れてきた。

 だとしても、それは恋人同士としてのスキンシップだ。愛情の度合いが同じもの同士の、愛情交換だった。今とは違う。

「正確な長さを測らなければ、ちゃんと奥に届くか分からない」
 と輝夜は至って真面目に言うのだけれども、冷たい器具をむやみに出し入れしたいとは思わない。

「まず、輝夜が準備をしてからにして」
 と告げたら、輝夜は分かったと言った。
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