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【あなたの大切な人を蘇らせませんか?】
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その広告を見つけたのは偶然だった。
【あなたが覚えているなら、その大切な人を蘇らせられます】
変わったキャッチコピーが打たれた広告を見つけたのは、生徒の見せてくれたSNSの画面がきっかけだった。
保健室に来ていた女子生徒がSNS投稿で炎上したと騒いでいて、「メンタルがえぐれた」と感想を述べながら、やって来る。見せてもらったスマートフォンの画面に、その広告を見つけた。
何のサービスなのだろう?と単純に興味を惹かれる。そして、覚えているなら、蘇らせるといった強い言葉を選ぶ広告のセンスに、どこか危険な香りを感じた。
「変な広告出てるよ」
と私は生徒のスマホの画面を指差す。
「やば。死者蘇生とか、ゲームかよ」と女子生徒も一刀両断していた。
「先生、ちょっと休んでから授業出る~」
と言って椅子に背を預けてくつろぎはじめてしまう。さらには生理痛がキツいと言い出したので、パソコンで生徒の名前で留意事項を確認する。アレルギーや留意事項はないようだ。
「鎮痛剤なら出せるよ。けど、毎回きついなら受診してみたら?」
と言っておく。
「そこまでじゃないよ、今回は特別っぽい」
と女子生徒、もとい、城戸まといは言った。
「城戸さんって何組だっけ?担任の先生に連絡しとく」
と言って私は生徒から組を聞きだして対応する。頭の中に、その奇妙な広告が浮かんでいた。
【あなたが覚えているなら、その大切な人を蘇らせられます】
変わったキャッチコピーが打たれた広告を見つけたのは、生徒の見せてくれたSNSの画面がきっかけだった。
保健室に来ていた女子生徒がSNS投稿で炎上したと騒いでいて、「メンタルがえぐれた」と感想を述べながら、やって来る。見せてもらったスマートフォンの画面に、その広告を見つけた。
何のサービスなのだろう?と単純に興味を惹かれる。そして、覚えているなら、蘇らせるといった強い言葉を選ぶ広告のセンスに、どこか危険な香りを感じた。
「変な広告出てるよ」
と私は生徒のスマホの画面を指差す。
「やば。死者蘇生とか、ゲームかよ」と女子生徒も一刀両断していた。
「先生、ちょっと休んでから授業出る~」
と言って椅子に背を預けてくつろぎはじめてしまう。さらには生理痛がキツいと言い出したので、パソコンで生徒の名前で留意事項を確認する。アレルギーや留意事項はないようだ。
「鎮痛剤なら出せるよ。けど、毎回きついなら受診してみたら?」
と言っておく。
「そこまでじゃないよ、今回は特別っぽい」
と女子生徒、もとい、城戸まといは言った。
「城戸さんって何組だっけ?担任の先生に連絡しとく」
と言って私は生徒から組を聞きだして対応する。頭の中に、その奇妙な広告が浮かんでいた。
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