翼のない竜-土竜の話-

12時のトキノカネ

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未だ固まる、ダガーの肩をぽんぽんと叩いて肩を組んだ。
そのダガーの耳元で俺はささやく。

「逃げようぜ」

そして目を合わせて語り行く。
お前だってつかまって身元調べられたら不味い身の上だろう。
無言で語った目の圧力で、悟ったのかダガーが頷く。

さっきまで言い調子で喋ってくれていたけどまたダンマリになるのかな。
それに一抹の寂しさを思ったが、まずは逃走が先だ。
あのやばい警告音。
そして壊れた城門の塔の一部。さっきまであれを眺めて立派だって言ってたのにな。

直ぐに兵が来たときに逃げられる体制はあったほうがいい。
倒したモンスターは威力をやりすぎて最早、残骸を見つけるのも難しい。
剥ぎ取りは無理だ。初バトルのアイテムゲットだたかもしれないだけに悔やまれるがやりすぎたのは自分だし、今はそんなことを言っている場合じゃない。

すぐさま畑に隠れて麦にまぎれて姿を隠しながら少しでも現場からの逃走を図る。
見た限りでは周りに人なんて確認できなかった。
実際に目撃した目撃者なんて運が悪きゃなきゃいないだろう。
楽観主義的に俺は自分に言い聞かせ、ほとぼりが冷めてから街に戻ることにする。

そして何食わぬ顔をしてクエストの薬草を提出して

「さっさとこの都市を出て次の場所に行くぞ」

その意志を固める。

なんつーでだしだよ。
自分のしたことながら、甘すぎる竜としての自覚を呪う。

ま、いざとなったら…。

最強種の強みで暴れて逃げ切る最終手段も考える。
そうならないことを望みながら。


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