翼のない竜-土竜の話-

12時のトキノカネ

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ギルドのクエストの依頼を受けてから外で話すのも良いが、昨日の城門が破壊された件で検問が厳しくなっているとのユナンの指摘で場所はユナンの知り合いの家の一室を借りての話と言うことになった。そこは空き家で通りからは外れた場所にある。
小さな家だが汚れてはいない。そこへユナンは躊躇なく入って行きテーブルに二人を座らせると自分でお茶を入れ始めた。

「君たちってさー、まあ一人は人外だけど、下町とかそういう世間に慣れてないでしょ」

はい、と渡されたお茶を受け取ると開口一番に指摘される。

テグリスは竜の群れから出てきたばかりでその指摘があっていることは知っている。無言で頷きもせず否定もしなかったが、横にいるダガーの答えには聞き耳を立てた。そう言えばダガーの素性は聞きはぐれていた。そのことに再確認する。

「ダガーは良いとこの出身なのかな?振る舞いも綺麗だよね。まるで騎士みたいに振舞える。それで冒険者になろうって何か訳ありだよねー。俺より強いのに冒険者登録もしてなかったって、偽名で登録ってするにしてももう少し上手く細工したらよかったのに。怪しまれるよ?俺みたいのに」

「…」

「ねー君って、いったい何者?」

ぎりっとダガーが歯軋りしたのが分かった。

「俺より強いってのはA級以上。S級並の実力者。そうそういる人物じゃない。でも君の顔を俺は冒険者で見たことはない。…ならば王宮側の管理に置かれた人物が疑わしい線になってくるのだけれど」

またも無言のダガーとユナンの視線がばちりと一瞬だが火花を散らした。
すぐにその火花は消えたけれど。

「追求はしないよ。敵にしたいわけじゃない。味方になろうとしてるんだから。俺はきっとそういう面でも役に立つよ。俺はね表にも裏にも顔の聞く商人なんだ。俺の売り込みポイント2つ目ね。交渉の窓口になれるよ」

にっとユナンが笑った。

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