仔ダヌキ

12時のトキノカネ

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春は花々が山一面に咲き誇る季節。山の木々の合間に開けた原っぱで二人は今日も遊んでいる。一面には咲いたばかりの野の花が咲き乱れている。
その上を二匹の獣が跳ねる。

「うふふふふ。楽しいねコンちゃん」

「なにがだよ」

「あ、待ってて」

一隅に陣取ったポン子が座り込み何か始めた。背の低いポン子が座り込むと背の高い葉がコン太とポン子を遮ってなにをしているのかわからなくなる。
せっかく追いかけっこを楽しんでいたのに中断でコン太はつまらない。

手元を一生懸命動かしているらしいポン子にゆっくりと近づくと「はい」っとコン太の頭に何かが乗せられる。自分の頭上は自分では確認できず、コン太は手で自分の上に乗せられたそれを引きずり落とす。

野花で作られた花冠だ。作りが雑で歪なのはポン子の力量だ。

「コンちゃん、よく似合う。王子様みたい」

きゃっきゃと一人で受けるポン子にコン太は「おう」と返事を返す。
ポン子に自分が王子様に見えるのは悪い気分ではない。
こんな草の塊だがコン太は花冠を元の位置の頭のてっぺんに飾った。

「王子様も良いが王様と呼べ」

「ん?うん。わかった。コン太王様」

「…ほれ。お前も」

近くにあった花をコン太が摘んで今度はポン子のまあるい耳の脇に挟みこんだ。

「お前もお姫様みたいに似合うぞ」

「コンちゃんありがとー」

小首をかしげたポン子の頭をぽんぽんと叩いて撫で「ほら遊ぶの再開するぞ」とコン太が追いかけっこを再開するように走り去る。
その後ろをポン子が駆ける。

今日もポン子にとって楽しい一日が瞬く間に過ぎていく。











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