妥協と思い込みが殺す恋

12時のトキノカネ

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「誰?」


「悠木先輩と同じ生徒会の後輩。あの人化け物だよね。生徒会と掛け持ちで部活やってるのに、一年の時からレギュラーで県で勝ち抜いてインハイにも出てる」

私の問いかけに目の前の男性は自然な流れで私の前の席の椅子を引いてそこに座った。背が高くて顔が整ってる。頭も良さそうでモテそう。なんだか真琴君二世みたいな人だ。雰囲気が似てて若干苦手に感じる。
距離を起きたいタイプだ。

「初対面なのに馴れ馴れしいって顔してるね。でもこれから長い付き合いになりそうだから、まあ協力者だと思ってよろしくしてよ」

「やだ」

フランクに話しかけられても遠慮する。
自分勝手で話を進めて自分は分かってますって顔が気に入らない。否定を返しても堪えない顔で笑っている。それがとても不愉快。なんなんだろう。この人。

この初対面は最悪だといえる。

仲良くなんてするつもりはない。


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